07/07/09 03:39:37 UXHk6ypB
>>464
降魔戦争が終結したのはつい数時間前のことである。
真宮寺一馬の命を代償として帝都東京を降魔の手より防衛することが出来たのだ。
対降魔部隊での被害者は山崎真之介、真宮寺一馬の二人である。
正確には山崎は行方不明、真宮寺一馬は魔神器を扱った代償として命の大半を削り取ってしまい、残り一週間の命と診断されたのだ。
山崎は冷淡であったが、あやめとは仲が好く米田も目を細めてその仲を見守っていた。
一馬は対降魔部隊壱のしっかり者であり、また米田の好い酒仲間であった。
米田にとっては、大切な息子たちだった。
あやめにとっては、兄のような存在だった。
それだけに心の穴は大きく、虚無が広がっていく。
「あやめ君、・・水を一杯貰ってきてくれないか」
「・・わかりました」
あやめは米田の手前、独り休む事も泣く事も出来なかった。
だから米田が、水という名目を使ってしばしの休息を許したのだ。
あやめが重い扉の外に消え、病室には米田と一馬が残されていた。