07/07/07 02:42:54 he/rgmWQ
そろそろ流れを断ち切らせてもらおうか
藝術の都、巴里。
裏の人間にとっても住み心地の良い街、巴里。
その中心で、今宵も光輝く舞台の幕が上がった。
「ムッシュ米田、ささどうぞ一杯」
「おっ、いやぁすいませんな・・」
シャノワールの貴賓室、蒸気灯の明かりに照らされた三人の陰。
それは支配人のイザベル・ライラック伯爵婦人ことグラン・マ。
次に外交大使、鉄壁の迫水と称される迫水典通。
そして三人目は、帝撃構想の発案者であり大帝國劇場元支配人・・・米田一基。
米田は注がれたワインで口を潤し、聞こえてくるレビュウの歌声に耳を傾けていた。
「ふむ・・巴里のレビュウもいいもんですなァ、帝劇の舞台たぁまた違って・・」
「そうだろうね、巴里には巴里の華やかさってもんがあるから・・でもまだまださ」
米田はグラン・マの言葉に目を伏せ、帝劇のスタァ達・・・いや、娘達のことを思い出していた。
グラン・マの言葉を繰り返す。
まだまだ、そう・・まだまだ彼女達は成長する・・・と。
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