07/04/13 18:02:03
「我慢するな」
洞窟の中に、赤毛の少年の声が響いた。
「我慢……何をですか?」
白いポケモンが、それに答える。
「薬だ。そろそろタイムリミットだろう? なら、我慢するな。無茶もするな。
手間と時間を惜しむより、自分の身体と命を惜しめ」
少年は傍らのアタッシュケースを指しながら、ぶっきらぼうにそう言った。
「……しかし」
「しかし、は無しだ。
今ここで我慢して、肝心なところでネクローシスが始まったらどうする?
待っているから、さっさと済ませろ」
ポケモンはすみません、と呟くと、アタッシュケースの留め金を外した。