07/07/08 10:29:48
ピッ ピッ ピッ ピッ
『【某月某日 量産型一号機の完成、ウノと名づける
腹から下の組織が安定しない 人工子宮からは出られず】』
ピッ ピッ ピッ ピッ
『【翌月某日 十三号機、ウノ、トレス、セイスに続き奇形。
五体満足の量産型の中にも、動作の不安定なもの有り、短命。】』
ピッ ピッ ピッ ピッ
『何故だ、何故上手く行かない!』
『サンプルが不完全です、やはりセカンドのコピーでは‥‥』
ピッ ピッ ピッ ピッ
『この際性能はいい、数だ!』
『駄目です。八十七号から向こう、奇形ばかりです。サンプルの劣化が始まったものと』
ピッ ピッ ピッ
『【某月某日 打ち止めだ。百機あまり生み出したが、子宮から出られるものは僅かに五機。
その内の一機が暴走を始める。潮時のようだ】』
ピ―――‥‥‥ッ
『【翌月某日 我々はこの研究施設を後にする】』
‥‥‥‥‥
壮観だ。
私と同じ形をしたモノが、どれも私には至らず、躯を晒している。
眩暈を感じる。私は死なない。私は欠けない。だのに、目の前にあるモノ達の姿はどれもあまりにも不完全だ。
「‥‥ぁ‥‥あ、ナた、は」
「! 生きているのか」
「セカんど、さマ、あ‥‥あなたノ、タす、ケ二‥‥」
「私は"あれ"では無い。」
「『僕たち』が、キット、さ、カキさマとトもに」
「『僕たち』?」
「『僕たち』‥‥ヒャクデひとツ、オぎないアッて。『僕たち』ハ、ひと、リ」