仮面ライダーがポケモントレーナーだったら at POKE
仮面ライダーがポケモントレーナーだったら - 暇つぶし2ch165:名無しさん、君に決めた!
07/01/11 01:27:42
はじめてみたけど
結構面白いな
他にはないの?

166:名無しさん、君に決めた!
07/01/14 10:30:59
>>165
残念ながら…

167:名無しさん、君に決めた!
07/01/14 13:01:36
今度クウガかカブトででやってみようか

168:名無しさん、君に決めた!
07/01/14 16:25:34 noIoCdTv
 

169:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/14 16:42:35
>>167
期待しちゃいますよー。

5話です。橘さんが話に絡んでくれません。


剣崎一行は特に問題なくハカランシティに到着した。
天音を家に送り届けると剣崎たちは大通りに出た。
「しかしでかいなぁ、この町」
剣崎が感心したような声を出す。
「始、お前はこれからどうするんだ?」
剣崎は始に尋ねる。出来れば一緒に行動したい、そんな考えも持っていたのだろう。
「……アンデッドポケモンを捕獲する。それ以外に興味は無い」
始はその場から立ち去ろうとする。
(……見つけたぞ、カリス)
「!?」
始があたりを見回しはじめる。何かを探しているようだ。
「ここだ、カリス」
"カリス"と始を呼ぶ声、その声のする方にはサングラスの男が立っていた。

170:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/14 16:43:30
「……誰だ、貴様」
始が殺気立った目で男を睨みつける。
まるで積年の恨みの相手のようだ。
「今は伊阪と名乗っている。お前はどうなのだ?カリス」
サングラス男―伊阪は始をカリスと呼ぶ。挑発しているようにも見られる。
「俺をその名で呼ぶな!俺は相川 始だ」
始は伊阪に向かって叫んだ。手は腰のモンスターボールに伸びている。
既に戦闘態勢に入っているようだ。
「ここで戦うのはいささか気が引けるな。やれ、スリープ」
伊阪の方がポケモンを出すのが速かった。スリープが現れる。
それと同時に攻撃に移る。
「っ! ……」
始が倒れる。"さいみんじゅつ"をくらったようだ。
「始っ!大丈夫か!」
それまで状況がつかめなかった剣崎が近寄る。
「邪魔だ、どけ」
しかし伊阪に吹き飛ばされる。そのまま伊阪は始を掴んだ。
「コイツは貰っていくぞ。追いかけたければ追って来い」
伊阪は始を掴んだままその場を立ち去った。
「始!クソォ、ズェッタイオイカケテュアル!」

171:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/14 16:44:04
始が連れてこられたのは研究所のようだった。
「どうだ。気に入ったか、カリス」
始は両手足を縛られて投げ出されていた。
「こんな物で俺を抑えたつもりか? 甘いな」
「甘いのはそちらの方だよ、その縄は特殊な加工がされていてな」
伊阪が始を見下ろして話を続ける。
「お前を捕獲させてもらおうか、その方が都合がいい」
「貴様、一体どこでモンスターボールを手に入れた?
 さっきのスリープ、アイツはアンデッドポケモンだった。
 アンデッドポケモンは専用のボールが必要なはずだ」
始が早口でまくしたてる。アンデッドポケモンの知識は豊富なようだ。
「ふ、協力者がいてな。まあお前には関係ないことだ」

172:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/14 16:45:02
「カブト、げんしのちから」
カブトから岩が飛んでくる。
「打ち落とせ、サワムラー!」
サワムラーが足で全ての岩を叩き壊した。さらに攻撃の態勢に移る。
「とびげり!」
サワムラーが飛び上がる。そのまま蹴りを繰り出した。
「てっぺき」
カブトの体が輝きだす。衝突したサワムラーが弾かれる。
「何!とびげりが効かない!?」
驚きを隠せない剣崎。伊阪は余裕の表情でカブトに命令を下す。
「マッドショット」
今度はカブトから泥の塊が放出される。一瞬の隙をつかれてサワムラーは直撃を受けた。
「サワムラー! まずい、火力が足りない」
剣崎に危機が訪れた。ダメージを与えられなければ勝ち目は無い。

173:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/14 16:45:45
「剣崎、コンボを使え」
縄から解放された始が言い放つ。
「コンボ?」
剣崎は回想を始めた。
クロバットとの戦闘。橘は2匹のポケモンを出して技を叫んでいた。
この前のドラピオンもそうだ。始はサメハダーとムクホークのコンビネーションで捕獲していた。
2匹のポケモンの連携。ここに鍵がある。
「そうか!」
剣崎は新たにオドシシを繰り出した。
「オドシシ、でんじは! サワムラーはとびげり!」
剣崎の指示通りに2匹が動く。
オドシシの角から"でんじは"が放たれる。それを受けカブトの動きが止まる。
そこにサワムラーのキックが決まった。大きく吹っ飛ぶカブト。
「名づけて……ライトニングブラスト!」
必殺技でトドメを差した剣崎。そのままボールを投げる。
「フハハ、無駄だ。カブトは私のポケモンだ」
ボールに戻そうとする伊阪。
「それはどうかな?」
「何!?」
伊阪のボールは真っ二つに割れていた。すぐ近くに立つストライク。
「ボールが破壊されれば捕獲は出来るだろう?」
始がつぶやく。手にはAと書かれたボールがある。
「カリス、貴様……!」
カブトは剣崎の投げたボールに回収されていった。
「サンギュ、始」
「借りを作りたくなかっただけだ、勘違いするな」
始は剣崎に背を向けた。

「まあいい、まだ手駒はたくさんある。ゆけ」
伊阪が何体ものアンデッドポケモンを繰り出す。
「このままじゃ分が悪い。一旦引くぞ」
剣崎と始はムクホークのふきとばしで時間を稼ぐと、研究所から退散した。

174:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/14 16:46:39
その頃橘もアンデッドポケモンと戦っていた。
(恐怖心?……いや、俺の心にそんなものがあるはずない)
「カイロス、はかいこうせん!」
カイロス必殺の一撃が繰り出される。
だが相手のアンデッドポケモン―ギャロップに避けられる。
回避行動から"とびはねる"に移行したギャロップに倒されるカイロス。
「ナニヤッテンダ! いけ、サンドパン!」
橘はカイロスを引っ込めるとサンドパンを繰り出した。
サンドパンは"どくばり"で攻撃するがあまり効いていない。
ギャロップは助走をつけて駆け出してきた。"フレアドライブ"だ。
「ころがれ!」
橘の命令でサンドパンは丸くなると転がった。
サンドパンとギャロップが激しくぶつかり合う。
結果は痛み分けだった。
サンドパンは戦闘不能、ギャロップは逃走した。
「何故勝てない? 勝てる気がしない? これも恐怖心なのか?」
橘はその場に倒れた。




5話ここまで。
今回話の分割が上手くいかなかった。
だが私は謝らない。

175:名無しさん、君に決めた!
07/01/14 16:55:42
>>165

影山「ミツハニー、高速移動から連続パンチ!トドメに毒突き!」
コロトック「ウボァー」

天道「影山、お前は今トレーナーとしての道を踏み外した・・・」
影山「何!?」
天道「それを俺が矯正してやろう・・・有り難く思うがいい」
天道「ゆけ、ヘラクロス・・・高速移動・・・1・2・3、メガトンキック!」
ミツハニー「わぁ~」

影山「あぁ~、俺のミツハニーがぁぁぁ~」
天道「これで分かっただろう」



加賀美「お前も踏み外しているんじゃないのか・・・?」

176:名無しさん、君に決めた!
07/01/14 17:14:03
>>174
乙です

177:名無しさん、君に決めた!
07/01/16 18:22:43
ふぁいあ~消えてから一気に糞スレになったな…。

消えよ

178:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/17 20:46:05
ふぁいあ~氏が帰ってくるまでは続けようと思います。

6話です。
話が進まない。


剣崎達は研究所から出ると二手に分かれた。
「行動を共にしている必要も無い、分かれるぞ」
「ああ、気をつけろよ」
剣崎は始を見送ると町へ戻った。


橘が目を覚ました時、伊阪が近づいてきた。
「……お前もアンデッドポケモンを捕獲しているのか」
伊阪が言葉を投げかける。あまり興味はなさそうだ。
「誰だお前。アンデッドポケモンについて何を知っている?」
橘が敵意をむき出しにする。だが手は震えている。
「俺が怖いか。随分繊細な心の持ち主だな」
その言葉に橘が切れた。
「怖いはずが無い! 来い、お前を倒してやる!」
伊阪を挑発する橘。正体も分からない男を相手に。やせ我慢にしか見えない。
「いいだろう。だがお前はこれで十分だ」
伊阪がモンスターボールを取り出す。中からサイドンが飛び出す。
「サイドンか……。いけ、ホエルオー!」

179:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/17 20:47:08
「ホエルオー、たきのぼり!」
先手を取った橘がホエルオーに命じる。
ホエルオーは滝を登る勢いでサイドンに向かってゆく。
「アームハンマー」
サイドンが力強く腕を振る。ホエルオーは吹き飛ばされてしまった。
「何!? バカな、タイプ相性では俺が有利なはず!」
慌てる橘。ホエルオーは気絶している。
「弱いな。力だけでなく心もだ」
伊阪が言い放つ。今の橘にとっては一番きつい一言だ。
「……恐怖心。俺の心に恐怖心……。」
橘は烏丸に言われたことを繰り返していた。


「お前を強くしてやってもいいぞ」
ふと、サイドンを回収した伊阪がつぶやいた。
「……何?」
「強くしてやってもいいと言った。どうだ?」
「お前が誰かも知らずに従えと……」
橘はそれを断ろうとする。
「そうか。では無かったことにしよう」
伊阪は立ち去ろうとする。

橘は悩んでいた。どうするべきか。
(俺は……どうしたい? どうなりたい?)
やがて橘の中に一つの答えが生まれた。
「……待て。話を……聞こう」

180:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/17 20:47:54
「アンデッドポケモンか!」
剣崎は町に戻る途中でアンデッドポケモンと対峙していた。
強力な磁力を角に秘めたケンタロスの始祖、それが今回の相手だった。
「いけ、ヘラクロス!」
ヘラクロスが飛び出ると同時にたいあたりを食らわす。
「一発で決める、インファイト!」
ヘラクロスが急激に加速し、ケンタロス目掛けぶつかろうとする。
しかし攻撃は不発に終わった。ケンタロスに弾かれてしまったのだ。
「ナンダァ? クォゲキガハズィカデタ?」
剣崎が不思議がっていると、今度はヘラクロスが引き寄せられた。
「え、あ、おい! アリかよそんなの!」
ひきつけられたヘラクロスは角の直撃を受け気絶した。

「近づいても、離れてもダメ。どうすればいい?」
剣崎は迷っていた。まずは角をどうにかしなければならない。
「ええい、いけ!リザード!」
新たにリザードを繰り出す剣崎。
ケンタロスの角が光る。するとリザードが引き寄せられていく。
「そうか! そういうことか」
剣崎はカラクリに気づくとさらにオドシシを繰り出した。
「ライトニングスラッシュだ!」
オドシシの"でんげきは"を纏ったツメでリザードがケンタロスに仕掛ける。
その一撃は紙一重で相手の角をへし折った。苦しみもがくケンタロス。
「戻れリザード!トドメだ、サワムラー!」
リザードを戻すと続けてサワムラーを繰り出した。
「ライトニングブラスト!」
鉄壁を誇ったカブトをも打ち破った必殺の蹴りがケンタロスに命中した。
倒れるケンタロス。剣崎はモンスターボールを取り出すと投げつけた。

181:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/17 20:48:43
「これで7体目か」
ヘラクロス、リザード、イノムー、サワムラー、オドシシ、カブト
そして先ほどのケンタロス。剣崎にとって7匹目のポケモンだ。
アンデッドポケモンは通常とは異なったモンスターボールで捕獲する。
そのため6匹を超えて携帯することが出来る。
「実際に7匹も持ってると変な感じだな」
嬉しい違和感を感じながら剣崎は町に向かった。


一方、始は伊阪の追っ手を蹴散らしていた。
「ムクホーク、ブレイブバード」
一般人相手に容赦なく攻撃を仕掛ける。流石に急所は外しているようだ。
「相手が悪かったんだ、文句を言うな」
始が倒れたまま起き上がらない追っ手につぶやいた。



「まずは自己紹介といこうか。俺は伊阪」
伊阪が橘に話しかける。研究所に戻ったようだ。
「俺は……橘。橘 朔也だ」
橘も自己紹介をする。伊阪への不信感は無くなりつつあるようだった。
「せっかくだ。俺の本当の姿も見てもらおうか」
そう言うと伊阪の姿が変化していった。

182:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/17 20:50:06
―ペラップ。あえて言うならそうだろう。
伊阪の立っていた場所に巨大なペラップが現れた。
色彩や一部が似ているだけで、人の形をしていたのだが。
「……!? ……やはりそういうことか」
橘は驚きの表情を見せたがすぐに状況を理解したようだった。
「ほう。あまり驚かないのだな。そうだ、俺は上級アンデッドポケモンだ」
変化した伊阪が喋りだす。声は人の時のままだ。
「烏丸から聞いたことがある。上級アンデッドポケモンは人の形をしているとな。
 まさか人間に化けることができるとは思っていなかったが……」
既に橘の中の不信感は無くなっていた。それが何故かは本人も分からなかった。

「前置きはこれぐらいにしておこう。お前を強くする物……それがこれだ」
伊阪はモズクのような海草を取り出した。
「シュルトケスナーの藻。古代の海草だ。闘争本能を刺激する効果がある」
闘争本能を刺激する。それは恐怖心を取り除く事にもつながった。
「いいだろう。アンデッドポケモンが言うことなら間違いなさそうだしな」
橘は伊阪の指示に従った。
その指示とはシュルトケスナーの藻の入った溶液に体を浸すことだった。
(これで……俺は強くなる。……恐怖心も……無くなる)
橘は薄れゆく意識の中でそんなことを考えていた。


「これで俺の計画も進めやすくなるというもの。この男にも感謝しなくてはな」
眠った橘の横で、伊阪が不敵な笑みを浮かべていた。




6話ここまで。
スペードのカテゴリー8が出たのはミスではなく仕様です。
オリジナルの展開もちょっと混ぜようと思ったので。

183:名無しさん、君に決めた!
07/01/17 21:48:58
>>182

オリジナルはもっと増やしてもいいと思うよ

184:名無しさん、君に決めた!
07/01/17 22:23:21
LORD OF THE SPEED(カブトの後期ED・カガーミンが歌ってる)
URLリンク(vip.cmdap.com)

Revolution(龍騎のサバイブの時の曲)
URLリンク(vip.cmdap.com)

185:名無しさん、君に決めた!
07/01/18 20:07:48
>>184
神曲キタコレ

ポケモンもこう言う風な曲があればなあ・・・
初期OP・ED1クルーのはガチだったのは認めるが

186:名無しさん、君に決めた!
07/01/18 20:14:47
初期じゃなくて初代だったな

似たり寄ったりか・・・

187:名無しさん、君に決めた!
07/01/21 16:09:17
ブレイドか…
ホモだよな…

188:名無しさん、君に決めた!
07/01/21 16:12:31
硬派とホモの区別が出来ない阿呆が沸いてきたような・・・・

189:名無しさん、君に決めた!
07/01/21 17:14:27
>>188
URLリンク(ftvjapan.ddo.jp)
剣崎の中の人がガチホモ

190:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/21 18:50:30
椿(剣崎)はホモじゃないよ!
きっと間違いだよ!

第7話です。
いよいよ話がこんがらがってきた。


橘が再び目覚めた時、彼は自分の体に異変を感じていた。
「体が、軽い?」
体だけではない。心も軽やかだった。
「それがシュルトケスナーの力だ。……近くにアンデッドポケモンがいるな」
伊阪が唐突に喋った。上級ともなると同属をサーチできるようになるのだろう。
「俺が行く。生まれ変わった体で試してみたい」
橘が立ち上がる。既に扉に手をかけている。
「待て。お前にこれを渡しておこう」
そういうと伊阪がモンスターボールを差し出した。
「ニョロトノか。おもしろい」
ボールの中にはアンデッドポケモンの1匹、ニョロトノが入っていた。
「今のお前なら使いこなせるだろう」
その言葉を背に受けて橘は研究所を飛び出した。

191:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/21 18:51:35
伊阪が感じたアンデッドポケモンはギャロップだった。
「この前の奴か。今度は逃がさん」
橘はニョロトノを繰り出した。
「ニョロトノ、バブルこうせん!」
ニョロトノの口から無数の泡が放出される。
しかしギャロップは"かげぶんしん"でバブルを避けていった。
「まだだ、サイコキネシス!」
ニョロトノが激しい念力を起こす。
衝撃でギャロップは体勢を崩した。さらに滞空していた泡がギャロップを襲う。
「よし、いける、いけるぞ!」
橘は確信していた。自分自身の変化を。
恐怖心などもうどこにも無い。彼にあるのは闘争心だけだった。

ニョロトノの猛攻にギャロップはたまらず上空に逃げた。"とびはねる"だ。
「逃がすか!こっちもとびはねろ!」
ニョロトノも負けじと"とびはねる"。2匹が上空でぶつかり合う。
ニョロトノの方が優勢だった。落下していくギャロップ。
「トドメだ、きあいパンチ!」
ターゲットに近寄るとニョロトノは必殺拳を繰り出した。
大地に叩きつけられるギャロップ。勝敗は明白だった。
橘はモンスターボールを投げる。
ポケモンを捕獲したのはクロバット以来だった。
「ギャロップ、ゲットだ」


橘は報告を兼ねて伊阪の研究所に帰っていた。
「ギャロップは捕まえた。もう俺は大丈夫だ」
ギャロップの入ったボールを見せると自信を持って発言した。
「そのようだな。だがしばらくは定期的に訪れた方がいい」
伊阪が話すには、1回だけでは一時的な回復しか見込めないだろうとの事だった。
「あぁ、また世話になる」
それだけ言い残すと橘は町へおりていった。

192:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/21 18:52:07
その後は行く当てもなく町をぶらぶら歩いていた。
大通りでは若者達が話し合ったりじゃれあったりしている。
(俺にもあんな時期があったな……)
「あれ?橘君?」
突然名前を呼ばれた。声は女性のものだった。
「やっぱり橘君だぁ。私分かる?小夜子だけど」
「……小夜子?」
橘は必死に記憶の中を辿っていった。
やがて一つの答えを見つけた。
「ポケモントレーナーズスクールの小夜子、深沢 小夜子か!」

ポケモントレーナーズスクールで橘と同期だった女性―小夜子は笑顔で答えた。
「覚えててくれたんだ。まさかこんな所で会うとは思わなかったわ。
 今は何しているの?やっぱりポケモントレーナー?」
橘が言葉を詰まらす。アンデッドポケモンのことを話すわけにもいかない。
「……まぁそんなところかな。今はポケモンゲットの旅をしてるんだ」
橘の話に小夜子が食いついた。
「旅?泊まる所とかあるの?」
旅している人間にとって寝床はもっと大事なモノの一つである。
「……いや。でもポケモンセンターにでも泊まるよ」
一応ポケモントレーナーの為に、ポケモンセンターは宿泊施設としても機能している。
しかし無料ということで最低限度の設備しか置いていない。
カプセルホテル以下といったレベルである。
「よかったら……家来る?」
小夜子が誘ってきた。突然の発言に橘も驚いた。
「え、いや、しかし……」
実際問題橘も寝床には困っていた。毎回野宿やポケセン通いという訳にもいかない。
「……わかった。しばらく世話になる」
食と住に釣られた橘だった。

193:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/21 18:52:41
剣崎はポケモンセンター内で考え事をしていた。
カブトやケンタロスも捕まえて最近は順調だ。
だけど慢心してはいけない。
伊阪の研究所のポケモン全てを相手にできる自信は無かった。
(前にも同じようなこと考えたな……)
根が単純なのでやることは毎回同じようなことである。
「まあいっか。初志貫徹忘れるべからずだ!」
いろいろ混ざった造語を叫ぶと、修行の為に外に出た。


「いけ、イノムー!」
伊阪の研究所の近くで修行を続ける剣崎。
もしかしたらアンデッドポケモンが出るかもという希望も持っていた。
大きな理由としてはここが森だったからだろうが。
吹き飛ぶカラサリス。ついでにケムッソも。
「いいぞ、こおりのつぶて!」
"こおりのつぶて"が高速で射出される。近くを飛んでいたバタフリーに命中した。
「グギャ!」
何かの悲鳴が聞こえた。草むらの方からだ。
ザッ、とペルシアンが飛び出してきた。
「ペルシ……アンデッドポケモンか!」
アンデッドベルトをつけている。"こおりのつぶて"に当たって激怒しているようだ。

194:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/21 18:53:52
「イノムー、とっしん!」
イノムーが唸りを上げて突っ込む。
しかし素早い動きでかわされてしまった。さらにペルシアンが攻撃を仕掛ける。
「させるか、カブト!」
ペルシアンの攻撃はカブトに阻まれた。
カブトは"かたくなる"のおかげでほとんどダメージを受けていない。
「よし、戻れ!頼むぞ、ケンタロス!」
最近捕まえたばかりのケンタロスを投入する。
ペルシアンは距離を取りながらヒット&アウェイ戦法で応戦してくる。
「磁力全開だ!」
ケンタロスの角が光る。アンデッドポケモンのみに与えられた力だ。
ペルシアンがケンタロスに引き寄せられてゆく。動きも鈍っている。
「イァミャダ、つのでつく!」
ケンタロスの角が相手に襲い掛かる。ペルシアンは吹き飛ばされた。
追撃を仕掛けようとするケンタロス。しかしペルシアンは逃亡した。
むしろ、逃亡できたと言った方が正しいかもしれない。
吹き飛ばされたことで磁力の影響が弱ったためだった。
「逃がしたか」
ケンタロスをボールにしまうと剣崎は修行を再開した。

195:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/21 18:55:15
小夜子に家に一泊した橘は、伊阪の研究所に向かっていた。
定期的に溶液に浸ったほうがいい、伊阪の忠告を実行するためだった。
「ん……?あれは……」
見慣れた人影。ヘラクロス。間違いない。
「剣崎!」
剣崎だった。橘はこんなところ再開するとは思っていなかったため驚きの声を上げた。

「橘さん!?どうしてここに?」
剣崎も驚いているようだ。彼も同じ心境なのだろう。
「ちょっと訳有りでな。ん、アレは……」
橘の視線にもう一つ人影あった。黒ずくめの男。
「待っていたぞ、橘」
伊阪が橘に話しかける。一方剣崎は橘に食って掛かった。
「どういうことです!?ヌワンデゥナヤツド!!」
「待て、剣崎。彼は敵じゃない。確かにアンデッドポケモンだが、いいやつだ」
橘の説明が剣崎の怒りに油を注いだ。
「アンデッドポケモン!?ますます許せません!」
剣崎は橘と戦う体勢を取った。ヘラクロスの角が橘に向けられる。
「ナズェワガッテクデナィ!?……仕方ない、今の俺は強いぞ」
橘も戦うつもりのようだ。カイロスを繰り出す。
「いつまでも新人だと思わないでください、俺だって強くなった!」
ヘラクロスが地面を蹴り上げ突進する。
だが火球が突撃の邪魔をした。伊阪が放ったものだった。
「邪魔をするな、これは俺と剣崎の問題だ!」
橘が伊阪を制する。すると伊阪は研究所に引っ込んだ。
「これで本気でぶつかれる。こい、剣崎!」
橘と剣崎の戦いが始まった。


7話ここまで。
これの主役は橘さんじゃないはず。きっと。多分。
余談ですがカブトって"てっぺき"覚えないんですね。

196:名無しさん、君に決めた!
07/01/21 19:10:48
>>195
ただのカブトじゃなくアンデットポケモンだから大丈夫!

197:名無しさん、君に決めた!
07/01/21 19:58:33
事情によりその場投稿しかできないんだが書いても良いかな?

198:名無しさん、君に決めた!
07/01/21 19:58:51
>>197
かまわん
てか書いて

199:一文字隼人 ◆8c/Sw4f94s
07/01/21 20:32:02
>>198お言葉に甘えて

俺はついにショッカーを倒し、見事に世界を救った。
用に思えた。確かに一時期は世界を救ったかもしれない。だが、新たな怪事件が次々に起こった。俺があの時完全に倒せてなかったショッカーがまた増えだしたのかもしれない。
まだ見たことはないがショッカーは前より強くなっている様だ。あちこち焼け焦げ、洪水になり。
俺は現在悪事を働いているショッカーをポケッタブルモンタージュショッカー縮めてポケモンと呼ぶことにした。由来はない。

俺は改造サイクロンに乗って荒野まで走った。
「久しぶりだな。一文字隼人」聞き覚えのある声。
「そういうお前は……地獄サンダー!」
地獄サンダーというのは日本の道路のあちこちに蟻地獄を作って人々を苦しめた怪人だ!
「お前がなぜここに!?」
「行け!我が召還獣よ!」地獄サンダーは俺の質問を無視して派手な球を投げてきた。
パカッ!球が割れた。中から奇怪なものがでてきた。
「へっへっへ。こいつの名前はガブリアス!勝てるかな?」
ガブリアスはいきなり襲いかかってきた。生憎俺はベルトを持ち合わせてなかったので生で戦うことになった。

200:一文字 ◆8c/Sw4f94s
07/01/21 20:51:17 y5nhYyd9
>>199
前方からフックがくるが、よけてわき腹に蹴りを入れる。相手が一瞬怯んだところに顔面パンチ!続いてチョップの嵐。チョップの後のわずかな隙にストレートを入れられた。
こいつの力は異常だ。
こちらが痛みを堪えて殴るもあっさりかわされる。早くも限界の様だ。かなり強くなっている。
意識が朦朧とする中、何者かが走ってくる。一号だ!
一号は後ろからガブリアスにライダーキック!この卑怯な一撃でガブリアスの体力は大きく殺げた模様。
俺は一号とともにガブリアスをリンチにする。
ガブリアスはなす術もなく袋叩きにされ、血を吐き、絶命した。
「大丈夫か?隼人」
「ああ。猛」

俺達は荒野を後にした。

やはりショッカーが復活しているようだ。
一人じゃとてもかなわないほどの強さになっている。
おそらくあれは別の世界から連れ込んだものだろう。ならば、こちらも仮面ライダーを他の世界から連れ込めばいい。
他の世界にだってライダーぐらいいるだろう。
問題はどうやって連れてくるか、だ。

201:名無しさん、君に決めた!
07/01/21 20:52:23
200ジャイアン?

202:名無しさん、君に決めた!
07/01/22 00:20:32
他のライダーもでるのかwktk

203:名無しさん、君に決めた!
07/01/22 17:36:23
ちょっと待った
1号と2号は「一文字」と「本郷」って苗字で呼ぶぞ

204: ◆8c/Sw4f94s
07/01/22 22:01:40
>>203
知らなかったよ。仮面ライダー完全攻略ブックみて知ったかしてたから。
その場投稿します

205:天道 ◆8c/Sw4f94s
07/01/22 22:19:34
みんなカブト最終回見た?
>>200
俺は天の道をいき、総てを司る男。
別の世界で誰かが俺を呼んでいるらしい。
おばあちゃんがいっていた渡る世間に鬼はなし。行ってやるか。

俺はハイパーゼクターで別の世界に行った。荒野だ。
「ギャッ!」叫び声。
「どうした!?あれは…ワーム、いや、なんだ?まあいい!変身」
ヘンナノはいきなり襲いかかってきた。俺は二、三発殴って
「キャスト・オフ」
キャストオフした。ヘンナノは吹っ飛ぶ。今思いついた。こいつの名前はニドキング。
「クロック・アップ」
殴りまくる。そして
「1・2・3」
「ライダー・キック」
シュウィンシュウィンシュウィン
バコーン!
倒した。あの爆発の色からしてワームではない。
じゃあなんなんだ?

206:名無しさん、君に決めた!
07/01/23 17:29:52
>>205
乙です
天道も出るのか
wikiのほう名前何にすればいい?

207: ◆8c/Sw4f94s
07/01/23 17:42:29
>>206
歴代ライダーでお願いします

208:死神博士 ◆8c/Sw4f94s
07/01/23 18:02:22
>>205
私は復活した!
奴にやられてから色々な世界をさまよった!
今こそ復讐すべき!ショッカーは滅んだが、私は冥界をさまよって得た智恵がある!
別の世界に行ってショッカーに匹敵する怪人を連れてくるのだ!

まずは隣の世界のワーム
次に斜め上の世界のヨロイ元帥
次にさらに左の世界のアポロガイスト
次、十面鬼ゴルゴス
次、鋼鉄参謀
次、ゼネラルモンスター
次、テラーマクロ
次、バラオム、シャドームーン
次、クライシス皇帝
次、ドラス
次、ガライ
次、ズ・グムン・バ
これしか集められなかったが、勝てるはずだ。

ライダーに死を!

209:名無しさん、君に決めた!
07/01/23 19:40:40
>>208

wikiの名前とかかえときました

210:第三者in一文字&天道 ◆8c/Sw4f94s
07/01/23 22:29:40
実は今までのはプロローグで今から第一章が始まる。
>>208
歴代ライダー
第一章 ポケッタブル・カプセル
不思議な運命の糸が他世界への移動手段を求める一文字と他世界への移動手段を持つ天道を引き合わせた。
天道が荒野で立ち尽くしているのを偶然にも一文字が見つけ、声をかけたのだ。
その会話の内容は省く。
天道を味方につけ、ライダー達は異世界から応援を求める事も出来るようになり、他世界にもライダーがいるという事が確定した。
そして天道が応援を呼ぶ間に一文字と本郷は敵の居場所を探し、その時に自分等が見つかった場合は削除するという作戦が決定した。
ライダー軍団。始動。

211:名無しさん、君に決めた!
07/01/23 23:08:03

長くなりそうだな

212:名無しさん、君に決めた!
07/01/23 23:10:00
天道はやはり使うならスカーフヘラクロスなイメージ

213:名無しさん、君に決めた!
07/01/24 21:33:44 bJOmbUXd
あげ

214:名無しさん、君に決めた!
07/01/25 16:06:20
クウガも出るのか
グムンって確かあのくもだな
wktk

215:天道 ◆8c/Sw4f94s
07/01/25 20:05:06
俺はまず308惑星に向かった。かつてライダーバトルが行われた惑星だ。今ライダーがいるかわからないが。

この惑星は地球にそっくりだ。
だが人が襲われているような形跡はない。ライダーもいなければ怪人もいないらしい。

次は75002惑星。アンデットのいた惑星。

ここもだめ。
そんな感じで調べていったらその他大勢が11惑星に突撃することになった。
任務完了。

216:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/25 20:25:35
カイロスとヘラクロスが激しくぶつかり合う。
「ヘラクロス、インファイト!」
>>215
更新乙です。
歴代のいろんなキャラが出るようなので期待してます

第8話です
今回は若干話が短いようです


「カイロス、はかいこうせん!」
ヘラクロスがカイロスの懐目掛け突撃する。
対するカイロスも必殺の大技を放った。カイロスの攻撃を受けるヘラクロス。
しかし、攻撃を打ち破ると鋭い一撃を浴びせる。
カイロスは仰向けになって倒れた。ヘラクロスも同時に倒れる。

「相打ちか。ならば次は!」
橘はホエルオーを繰り出した。あまりの巨大さに周りの木々が何本かへし折れる。
「やっぱでかいな……。いけ、サワムラー!」
剣崎はサワムラーを繰り出す。
「跳び上がれ!」
剣崎の指示を受け、体をバネにして舞い上がるサワムラー。
「とびげり!」

217:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/25 20:26:30
そのまま蹴りの体勢に持ち込む。ギリギリまで近づいたところで橘が合図をした。
するとホエルオーから水が勢いよく吹き出る。"しおふき"だ。
再び宙を舞うサワムラー。
「!! まだだ、ケンタロス!弾き戻せ!」
ケンタロスは現れると角の磁力を使いサワムラーの進行方向を反転させた。
「オドシシ出ろ!ライトニングブラストスペシャル!」
さらにオドシシを繰り出す。"10まんボルト"で相手の動きを封じる。
磁力を受けたサワムラーが再度蹴りを打ち込んだ。
直撃を受け気絶したホエルオー。
「よし!」
剣崎はガッツポーズを決める。しかし直後サワムラー他二匹が吹き飛んだ。
「何!?」
橘は新たにサンドパンを繰り出していた。"どくばり"を指示していたのだ。
ご丁寧にバルビートの火炎の援護付だ。

「あまり甘く見るな。俺は本気だ」
橘が言い放つ。剣崎が次のポケモンを繰り出そうとした時、伊阪が現れた。
「橘、カテゴリーAが現れた。捕獲をしにいけ」
「……仕方ない。剣崎、一時休戦だ」
橘はポケモンを戻すと伊阪に指示されたポイントへ向かった。
「今の橘さんにポケモンを捕獲させるわけには行かない!」
剣崎も橘を追跡した。

218:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/25 20:27:41
高い橋の上、カテゴリーAは既に始と戦っていた。
「ムクホーク、ブレイブバード!」
突進攻撃を受け吹き飛ぶカテゴリーA。
アリアドスの始祖である最後のカテゴリーAにとっては手痛い攻撃だった。
あやうく橋から落ちそうになるほどだ。
「そいつは渡さん!」
戦場に橘が駆けつけた。サンドパンを繰り出す。
「邪魔をするのか?いいだろう、お前も始末してやる」
始が橘を敵とみなした。ムクホークを橘にけしかける。
それに対し、サンドパンが"どくばり"で迎撃する。
「やめてください橘さん! ……始!」
剣崎も追いつく。
「始、そいつを捕獲しろ! ダディヤーナザンバオディガ引きつける!!」
剣崎がケンタロスを繰り出す。磁力でサンドパンが引き寄せられる。
橘もニョロトノを繰り出しケンタロスに攻撃を指示した。
再び 剣崎対橘 の戦いが繰り広げられる。

「スピニングウェイブ!」
そうこうしている内に始はアリアドスにトドメを刺していた。
モンスターボールにアリアドスがしまわれていく。
「よし、やったな始!」
剣崎が喜んだ隙を突いて橘が始に接近した。
「ニゴリーエースハオレノモノダァー!」
ホエルオー、バルビート、ギャロップが繰り出される。
ギャロップが"かげぶんしん"を行うと、バルビートを経由してホエルオーに引き継がれる。
2匹になったホエルオーがバルビートのてだすけ―火炎攻撃を受け、"のしかかる"!
「バーニングゥディバイド!」
橘の叫びと共に始は橋から落ちた。
「始ッーー!」
剣崎の叫びは空しく響いた。

219:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/25 20:29:08
「何故です、橘さん! どうして始を!?」
間髪いれずに橘が返した。
「カテゴリーAは無事だ。それで十分だ」
話が噛み合わない。橘に話しを合わせるつもりなど無いのだろう。
「……今は始が心配だ。あなたのことは後回しにさせてもらう」
剣崎は橋下に降りていく。
「好きにしろ。俺は帰らせてもらう」
橘はもと来た道を戻り始めた。
腰のモンスターボールには2匹目のカテゴリーAがしまわれていた。


「戻ったか。カテゴリーAは?」
伊阪の問いに、
「ここにある。こいつだ」
橘がボールを差し出した。
「2匹目のカテゴリーAか。これでアイツもポケモントレーナーだな」
伊阪がまたも不敵な笑みを浮かべていた。

220:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/25 20:30:34
「始、どこだっー!?」
剣崎が始を探す。橘に叩き落されてまだあまり経っていない。
今なら大事には至らないかもしれない。
「……始!」
剣崎が始を見つけた。傷を負っているようだが命に別状は無いようだった。
「とにかく、町に連れてかないと……」
イノムーを繰り出すと始をその背に乗せる。
そのまま剣崎は町へと降りていった。


町に降りた剣崎は天音の家に向かった。
「天音ちゃん、いる!?」
剣崎が扉を叩く。程なく天音が出てきた。
「どうしたの、剣崎さん……始さん!?」
天音が目を丸くする。そこにいた始の姿は体中ボロボロだった。
「くぁwせdrftgyふじこlp……始さんどうしたの!?」
天音が混乱し始める。剣崎は冷静に、端的に事を話した。
「……つまり、橋から落ちたんだ。ちょっとおかせてもらえるかな?」
天音が頷く。
「とりあえず、あたしの部屋に来て。あ、救急箱持ってくる!」
慌しい天音を見て剣崎は、何とかなるな、そんな気になった。


8話ここまで。
ついにミスをしてしまった……
最初の2行は本編の内容です、はい。

221:名無しさん、君に決めた!
07/01/26 15:37:03
ちゃんとわかりますから大丈夫ですよw
自分はイトマルかなと思いましたが。
だってスパイダーがアリアドスだとタランチュラがどうなるかなぁと。

222:名無しさん、君に決めた!
07/01/26 18:28:38
乙です
遅くなったけど今更新しました

223:電王 ◆OIlmdPtTBg
07/01/28 11:36:21 4xj1YdeS
書こうと思ったけどやめた

224:名無しさん、君に決めた!
07/01/28 12:14:52
>>223
最初からクライマックスだぜwwwwwwwwwww

225:電王 ◆OIlmdPtTBg
07/01/28 20:37:34 4xj1YdeS
>>224そうか!
〔仮面ライダー電王〕
僕の戦いは終わった。

226:968
07/01/28 20:42:13 WbeG/pwl
  \\    いーじゃん!いーじゃん!すげーじゃん!!   //
        \\いーじゃん!いーじゃん!すげーじゃん!!!! //

       _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.
     ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡
     (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡
    _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.
  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡
  (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.
   |   |     |   |     |   |     |   |    |   |     |   |     |   |
   し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J.   し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J


227:名無しさん、君に決めた!
07/01/28 22:23:02
>>255全米が泣いた

228:名無しさん、君に決めた!
07/01/30 20:26:00
doredayo

229: ◆unkoOG4fxs
07/01/30 20:28:03
(*^_^*)RX

230:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/30 20:40:44
いっとくが俺は最初から最後までクライマックスだぜ!

第9話行きます。
橘さんは本編でもおいしいトコ持っていき過ぎだと思う


再びシュルトケスナーの水槽から出た橘を待っていたのは、
伊阪ともう一人の男だった。
「……あんたは?」
寝ぼけなまこで顔をはっきり捉えることが出来なかった。
だんだんと顔のつくりが明らかになっていく。
「久しぶりだな、橘」
橘にとっては聞き覚えのある声。
「桐生……さん!」
BOARD時代の先輩、桐生 豪だった。
喜びと同時に橘の脳裏に疑問がよぎった。桐生はそんな橘の表情を見逃さなかった。
「まぁ、そんな怖い顔するな。俺も伊阪に協力しているんだよ」
意外な答えが返ってくる。桐生も伊阪と手を結んでいた。
「……この男の持つBOARDの技術力、それと引き換えにある条件を出した」
伊阪がゆっくりと語りだした。

231:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/30 20:41:18
「カテゴリーAの重要性については知っているな?
 人間がアンデッドポケモンを使役するに当たってカテゴリーAは必要不可欠な存在だ。
 しかしこの男はカテゴリーAを持っていなかった。そこで私は力を貸した」
カテゴリーAには強大なエネルギーが秘められている。
その力を専用ボールを介して、モンスターボールの捕獲ネットを強化している。
ここで話し手が桐生に変わった。
「カテゴリーAは伊阪に捕獲してもらう。その為に俺はBOARDの技術を提供した。
 そしてお前がアリアドスを捕獲した。これで俺も晴れてアンデッドポケモントレーナーって訳だ」
橘は状況を把握した。桐生は力を得るために、伊阪は技術を得るために、手を組んだ。
ここで橘の中で新たな疑問が生まれた。
桐生は本来カイロスのパートナーになる予定だった。
しかしカイロスが拒絶反応を起こし暴走、桐生は左腕を失った。
その事がきっかけで桐生はBOARDをやめていたのだ。

「桐生さん、あなたは……」
橘が話そうとしたが、桐生が割り込む。
「大丈夫だ、前のようにはならない。伊阪が処置をしてくれている」
伊阪の方を見て話す。伊阪もそれに対しうなずいた。
「……とにかく、仲良くやろうぜ」
四人目の捕獲者の誕生だった。

232:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/30 20:41:56
「じゃ、俺は出かけるから。始よろしくね」
剣崎は始を天音に預けると伊阪の元へ向かった。
橘と決着をつける、そういった心境だった。
だが、そう上手くいかないのが剣崎である。


「フォー! コンニチワァ、ポケモントレーナーさん」
見るからに怪しい男。しかも体から電気を放っている。
「キミの噂は聞いてるよぉ、強いんだって?」
剣崎は相手にしたくなかったので無視を決め込んだ。
「オイオイ、そりゃ無いでしょ?相手してくれないのかなぁあ」
変人の挑発に剣崎が思わず叫ぶ。
「お前の相手なんてしてる暇はない!」
その言葉に変態の表情が変わった。
「あ~あ、怒らせちゃった。遊びは終わりだよ」
言い終わるか否か、男の姿が変化する。
モココ。いや、モココモドキ。
男はショッキングピンクのボディの怪人へとなった。

「おまえ! ……まさか、上級アンデッドポケモン!?」
剣崎も烏丸から話は聞いていた。上級は人に近い存在という話。
「オオ~アタリィ~」
モココモドキが手を叩く。小馬鹿にした態度は変わらなかったようだ。
「私はモココの始祖、アンデッドモココォ!」
名乗り終えたアンデッドモココは口から電撃を飛ばしてきた。
「イノムー!」
間一髪、イノムーが防ぎきる。電気技は効果が無いレベルにまでシャットできる。
「俺様の苦手なタイプだなぁ、……ッアイアンテェイル!」
アンデッドモココの尻尾が鋼鉄化し、イノムーを襲う。
強烈な一撃にイノムーはダウンした。
「仮にも上級だよ、簡単には倒せないぃ!」
剣崎は相手のキャラに押されつつも次のポケモンを繰り出した。

233:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/30 20:42:29
「いけ、リザード!」
リザードが飛び出す。景気付けに一発火炎弾を発射した。
「はぁん、パワァジェム!」
火炎弾を飲み込んで宝玉に似た光がリザードを襲う。
「メタルクロー!」
リザードのツメが金属のように輝くと、"パワージェム"を打ち破った。
「続けてきりさく!」
リザードがアンデッドモココに斬りかかる。
激しい火花が散った。両者吹き飛ぶ。
リザードの動きが鈍る。まひ状態になったようだった。
「あーあーあー、ワタシの特性ぐらい知っといてよねぇ、せ い で ん き」
ため息をつきながらアンデッドモココが話し始める。
「このまま畳み掛けてもいいんだけどねぇ。今日はやめとくわ」
姿が元の人間体に戻る。そのまま剣崎とは反対方向に歩き出す。
男が突然、何か思い出したように振り返る。
「俺、この姿では 矢沢 って名乗ってるからー。覚えといてよ」
男―矢沢が再び歩き出すとその姿はすぐに消えた。
「……なんなんだよ、この!」
剣崎は形容しがたい敗北感に襲われた。


橘は再び小夜子の家に泊まっていた。
そこで小夜子が橘に何かがついていることに気づいた。
「何かついてるわよ、橘君。ほら」
小夜子がその何かを取る。植物、藻の様だった。
「何かしらね、これ」
小夜子の問いに対して、
「さあな。もう寝るよ。おやすみ」
橘はそっけなく返し、ソファに横になった。
小夜子もそれを自分の机の上に置くと、寝室に向かった。

234:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/30 20:43:34
翌日。
桐生と橘は共闘してアンデッドポケモンを追いつめていた。
初の共同戦線だった。
「橘、いったぞ」
桐生はリングマを、橘はニョロトノを繰り出す。
「リングマ、れいとうビーム」
リングマの放つ冷凍光線がターゲットであるアーボックを襲う。
「ニョロトノ、援護しろ!」
橘の指示を受けニョロトノが"バブルこうせん"を放つ。
2方向からの攻撃にアーボックも苦戦を強いられる。
黙ってやられる訳にもいかないのだろう、反撃のポイズンテールを繰り出そうとする。
が、あっけなくアリアドスに動きを封じられる。
桐生が"くものす"を仕掛けていたのだ。
「トドメはまかせた!」

桐生の言葉を受けて橘はバルビートを追加で繰り出した。
「連携攻撃……ファイア+アッパー!」
バルビートがアーボックに火炎弾を投げつける。
火炎弾が命中すると今度はニョロトノの"きあいパンチ"がアッパー状にして叩きつけられた。
集中攻撃を浴びて倒れるアーボック。
「捕獲は任せます、桐生さん」
桐生がボールを取り出すとアーボックはそれに吸い込まれていた。
「アーボック、捕獲完了」
桐生がアーボックのボールを拾う。
「今日はお開きだな。じゃあな」
桐生はアーボックを伊阪に見せに行くと言って橘と別れた。
橘は特に行く所も無いので小夜子宅に向かった。

235:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/30 20:44:52
「邪魔するよ」
橘が家に入ると小夜子が駆け寄ってきた。
「橘君、話があるんだけど」
深刻な表情を浮かべている。橘は嫌な予感を感じた。
「シュルトケスナー藻って知ってる?」
橘の顔が険しくなる。
「橘君の肩についていた奴何だけどね、あれ人体に悪影響を及ぼすものなの」
伊阪に言われた事と全く違う。
橘は一瞬驚いたがすぐにそれを否定した。
「何を言い出すかと思えば。アレは良薬だよ、俺の病気を治してくれる」
すると小夜子が間髪いれずに返した。
「そんなことない!アレは使い続けると体を蝕んでいく毒なの!」
悲痛な叫びが部屋に響く。
「……それでもいいさ。俺は花火のように生きていたいんだ」
橘は扉に手をかける。
「待って、橘君!」
小夜子の声を無視して橘は外へ飛び出した。

236:0w0 ◆BLADEdavxU
07/01/30 20:49:01
行く当ても無く飛び出した橘は路地裏をふらついていた。
「……俺は変わったんだ。俺は……ん? あれは……」
橘の視界に入ったもの。それは桐生とアーボックだった。
何かと戦っているようだ。桐生が何か指示している。
だが様子がおかしい。相手は人間に見える。
橘は近づいて確信した。どう見ても人間だった。
「何やってるんですか、桐生さん!」
橘が止めに入ろうとする。しかしアリアドスに動きを阻まれてしまう。
「ハン、こいつはなぁ、強盗犯なんだよ。間違いない」
桐生の言葉で上級アンデッドポケモンという線も消えた。
桐生が襲っているのは紛れも無い人間。
「だから……コイツに生きてる資格はない!!」
桐生の叫びと共にアーボックが男にかみつく。
男は断末魔の叫びを上げ、息絶えた。
「……なんて事を!あなたは何をしたか分かってんですか!?」
橘が食いかかる。そんな橘を鼻で笑う桐生。
「悪を消して何が悪い? 俺はな、こういう事をする為にアンデッドポケモンを手に入れたんだよ」
桐生の発言が路地裏にこだました。

「……俺はあなたを許せない」
橘が呟く。
「許されたいとも思ってないさ。それで、俺を倒すのか?」
桐生の挑発にも似た言葉に橘が返した。
「明日、決闘しましょう。負けた方が勝った方の言う通りにする」
橘に勝利する自信は無かった。だが桐生のやってることを止めたかった。
「いいだろう。明日が楽しみだよ、じゃあな」
桐生は足早に立ち去った。


9話ここまで。
微妙なところで切っちゃってすいません

237:名無しさん、君に決めた!
07/01/31 00:20:51

てか剣崎ほぼ空気ww

238:名無しさん、君に決めた!
07/02/02 17:22:41
保守するッッッ

239:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 20:59:25
剣崎ってさ、序盤空気だよね
第10話です。
橘編も佳境に差し掛かってきました


橘はシュルトケスナーの水槽の中で目を覚ました。
伊阪が近づいてくる。
「お目覚めのようだな。桐生から伝言だ。北西の草原で待つ」
既に桐生は外に出ていたらしい。橘も準備をする。
「人間とは面倒くさい生き物だな」
伊阪が嘲笑する。橘は無言で外へ出た。

「橘君!」
橘が研究所外に出た途端、小夜子がやってきた。
「どいてくれ。俺にはやらなきゃならないことがあるんだ」
小夜子を手でどけると橘は草原の方へ向かう。
「嫌、もうやめて!これ以上戦ったらあなたの体は!」
小夜子が再び割って入る。
「俺は……変わったんだ!」
小夜子を軽く振り払うと橘は駆け出した。
追いかけようとする小夜子。しかし追いつけずその場にへたり込んだ。


「待っていたぞ、橘!」
橘が草原に着いた時、既に桐生が待ち構えていた。
「お前と戦えるなんてな、面白い」
桐生はこの戦いをゲームの様なものと認識しているらしい。
この一言が橘の心に火をつけた。
「俺は、アンタを倒す!」
カイロスが繰り出される。向こうはアリアドスだ。
「全力で来い!」
己の信念を懸けた戦いが始まった。

240:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 21:00:15
「カイロス、つばめがえし!」
カイロスがアリアドスに接近する。
「どくどくだ!」
突っ込んできたカイロスに向かってアリアドスが"どくどく"を放つ。
カイロスが猛毒を浴びて、勢いを失う。
「くっ、戻れカイロス!ギャロップ行け!」
カイロスを引っ込めるとギャロップが現れる。
「一撃で決める、フレアドライブ!」
ギャロップが焔を纏って突進する。直撃を受けたら即気絶だろう。
「アリアドス、ふいうち!」
アリアドスがギャロップを超えるスピードで攻撃を仕掛ける。
ギャロップはダメージを受けたがそのまま突っ込んだ。
倒れるアリアドス。ギャロップも反動を受ける。
「やるな、橘。次はコイツだ」
アーボックが飛び出す。
「ギャロップ、戻れ!ニョロトノ!」
橘はダメージの大きいギャロップを戻すと新たにニョロトノを繰り出した。

241:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 21:01:28
特訓中の剣崎は野生のアンデッドポケモンと戦闘していた。
相手はこの前逃がしたペルシアンだった。
「ヘラクロス、インファイト!」
強力な技が炸裂する。ペルシアンは回避行動をとったが完全には避けきらなかった。
「このまま押し切る!もう一度インファイトだ!」
再びヘラクロスが突撃する。しかし今度は完全に見切られてしまう。
それどころか隙を突かれて"きりさく"をまともに受けてしまった。
急所を狙った一撃にヘラクロスがダウンする。
「ヘラクロス!リザード、頼んだ!」
リザードが飛び出す。二匹がにらみ合う。
「きりさく!」
両者のツメが激しくぶつかり合う。ペルシアンが若干優勢だった。
「まだだ、オドシシ!ライトニングスラッシュ!」
オドシシを追加で繰り出すとコンボ技を発動させる。
電撃を纏ったツメはペルシアンを吹き飛ばした。
柔軟なペルシアンには麻痺の追加効果は期待できないがダメージは十分だった。

「リザード、追い詰めろ!かえんほうしゃ!」
リザードが火を吹く。が、ペルシアンは攻撃をかわすと一気に距離を詰めた。
相手の"きりさく"が直撃する。リザードが倒れる。
「くそ、奴の動きを封じなきゃ……。行け、カブト!」
リザードを戻すと新たにカブトを繰り出す。
ペルシアンが続けて"きりさく"。しかしカブトに効果は薄い。
「マッドショット!」
泥の一撃。ペルシアンがよろめく。
一旦距離を置こうとしたペルシアン。だが動きが鈍い。
「もう一発マッドショット!」
次々に泥の塊が放たれる。当たるたびに動きを鈍らせるペルシアン。
「これでトドメだ!げんしのちから!」
カブト最大の技がぶち当たる。猛攻を受け倒れるペルシアン。
そのままモンスターボールに吸い込まれる。
「ペルシアン、ゲットだぜ!」

242:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 21:02:00
「ニョロトノ、サイコキネシス!」
アーボックに強烈な念波が襲い掛かる。
技を受けたアーボックがのた打ち回る。効果は抜群の技だ。
「やるなぁ、リングマ!ブリザードクラッシュだ!」
桐生はリングマを続けて繰り出しコンボを命じた。
リングマの"れいとうビーム"とアーボックの"こおりのキバ"。
二つの凍気が一つになってニョロトノに迫る。
「効果は今ひとつ。まだいける……!?」
ダメージはそこまでない。しかしニョロトノは氷漬けになっていた。
「もらったぞ、かみくだく!」
氷ごと砕かれるニョロトノ。当然戦闘不能になった。

「さすが桐生さん。だが負けるわけには行かない!」
橘は引っ込めたカイロスを繰り出した。
「猛毒をくらった状態でできることなんて……」
桐生が余裕の表情でアーボックに攻撃を指示しようとする。
「からげんきっ!」
カイロスが突撃する。毒の痛みを忘れたような動きでアーボックを襲う。
直撃だった。アーボックは地面に突っ伏した。
「な! 止めろ、リングマ!」
リングマが飛び出す。しかしカイロスの勢いは止まらない。
「もう一撃!」
再び"からげんき"をくりだす。リングマも吹き飛び、気絶した。
ここで毒が完全に回りカイロスも倒れた。
「やはりこうでなきゃな。さぁ、次のポケモンだ!」

243:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 21:02:31
始は天音の部屋で目を覚ました。
「ここは……?」
視界に天音が入る。始は状況を認識した。
自分は橘に吹き飛ばされたが誰かに助けられ、ここに連れて来られた。
連れて来たのは大方剣崎だろう。そんな事を考えていると天音が声をかけた。
「大丈夫? 始さん」
とりあえず始は反応する。
「ああ……。剣崎がここに連れて来たのかい?」
「うん、ここは私の部屋。あ、飲み物買ってくるね」
天音が家から出ようとする。
その時始がアンデッドポケモンの気を感じ取った。
「……ダメだ。家から出ちゃいけない」
そういうと始は起き上がる。本人は外に出る気だ。
「え、うん。わかった」
不思議に思いながらも天音は部屋に残った。


「お前か、敵意むき出しでうろついている奴は」
アンデッドポケモンの一匹、ヤドラン。
天音の家の前に堂々と立っていた。
「俺に用があるんだろう、相手になってやる」
そういうとストライクを繰り出す。
「シザークロス!」
鋭い一撃。しかしヤドランは尻尾で受け止める。
「ほう。ならこれはどうだ?スピニングウェーブ!」
ストライクが引っ込むとサメハダーとムクホークが現れる。
ムクホークの起こす風を利用してサメハダーの"つじぎり"。
今度も尻尾で受け止める。強固なシェルダーが攻撃を弾く。
さらに反撃とばかりにアイアンテールを叩き込む。
強烈な一撃に倒れこむサメハダー。ヤドランはピンピンしている。

244:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 21:03:18
「面白い。コイツを使わせてもらう」
始はサメハダーを戻すとドラピオンを繰り出した。
「ツボをつく」
ドラピオンの特殊防御力が大きく上った。ヤドランは水の波動を繰り出した。
攻撃はあまり効いていない様だ。
「ツボをつく」
ドラピオンの回避力が大きく上った。ヤドランは水の波動を繰り出した。
ドラピオンは攻撃をかわす。
「ツボをつく」
ドラピオンの防御力が大きく上った。ヤドランはアイアンテールを繰り出した。
しかし大きなダメージにはならない。
「ツボをつく」
ドラピオンの攻撃力が大きく上った。ヤドランはアイアンテールを繰り出した。
攻撃を再びかわしたドラピオン。ここで始が指示を変える。

「きあいだめ、だ」
ドラピオンの精神が研ぎ澄まされる。相手の急所を狙う体制になった。
「遊びは終わりだ!つじぎり!」
急所を狙う一撃。"きあいだめ"によってその精度は大きく上昇していた。
尻尾を使って受け止めようとするヤドラン。しかし失敗に終わる。
"スナイパー"の特性を持つドラピオンに急所を突かれることは、敗北することであると言ってもいい。
思いっきり倒れるヤドラン。始はボールを投げつけた。

245:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 21:03:49
新たに繰り出されたスピアーとクロバットがぶつかり合う。
「かげぶんしんだ、スピアー!」
桐生の指示でスピアーが分身を作り出す。
「くろいきり!」
クロバットの黒い霧が分身をかき消した。
「ブレイブバード!」
クロバットはどんなに視界が悪くとも攻撃を当てられる。
霧を貫いて飛行タイプ最強の技が炸裂する。
スピアーが墜落する。桐生はスピアーを戻す。

「そろそろ手駒が少なくなってきたな……。っ!?」
桐生が倒れこむ。何か呻いている様にも見える。
「桐生さん!? どうしたんですか!?」
橘が駆け寄ろうとすると、桐生はゆっくりと立ち上がった。
「続けようか、タチバナ」
声が二重になって聞こえる。目の色もおかしい。
「桐生さん……?」
「キリュウじゃない。俺はアンデッドアリアドス―レンゲルだ」
橘も驚きの発言だった。
「桐生さんを……乗っ取ったのか!?」
「そうなるかな、ふん!」
桐生の手から蜘蛛の糸が飛び出る。
クロバットは地面に突き落とされる。そのまま気絶した。
「さあ、止めてみろ。そうしないとお前が死ぬぞ?」
レンゲルの挑発。橘は戸惑いながらサンドパンを繰り出す。

246:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 21:04:35
「はぁ!」
人間とは思えない動きでレンゲルが飛び掛る。
「サンドパン、きりさく!」
攻撃を受け一旦離れるレンゲル。
「一撃で……終わらせます、桐生さん」
ホエルオー、バルビート、ギャロップが繰り出される。
レンゲルはコンボの妨害をしようとするが、
サンドパンの"どくばり"によって動きを封じられる。
「バーニングディバイドォッ!!」
三匹の合体攻撃がレンゲルを叩きのめした。
「ぐおぅあっ!」


桐生に駆け寄る橘。アリアドスの意識は既にいなくなっているようだった。
「大丈夫ですか、桐生さん!」
桐生は傷だらけだったが死んではいなかった。
「なんとかな……。!? 橘、避けろ!」
そう言いながら桐生が橘を突き飛ばした。
橘は何が起きたか分からなかったが、目を開けてすぐ理解した。
上級アンデッドポケモン。何かは判断できなかったが、そいつが桐生の腹を貫いていた。
「ち、しくじったか」
アンデッドポケモンは桐生を投げ飛ばすと姿を消した。
「桐生さんっ!!」
投げ飛ばされた桐生に近づく橘。
桐生はゆっくりと喋りだした。
「橘……。お前はさ、真面目すぎるんだよ」
橘は何も言わない。ただ泣きそうな顔で桐生を見つめる。
「……もっと、バカになれ」
桐生はそう言うと息を引き取った。

一人残された橘は叫び続けた。

247:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/02 21:07:08
10話ここまで。
ついに死人が出ました。
とか思っていたら桐生が既に殺してましたね。
ポケモンで人殺していいのか、とか思いつつまだ殺す気でいたりする。

248:名無しさん、君に決めた!
07/02/02 23:57:44
>>247
乙ッッッ
原作見てないけど
結構感動的なあれを感じた
ポケモンで死人云々は気にするな
ポケスペでも死んでる

249:名無しさん、君に決めた!
07/02/03 05:12:17
>>247

>空気だよね
吹いたwwwwww

250:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/06 22:40:21
ちょっと保守しますね
投下できなくて申し訳ない

251:名無しさん、君に決めた!
07/02/08 18:41:49
保守

252:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/08 21:06:41
遅くなって申し訳ない。
第11話投下。



桐生の亡骸を抱えて研究所へ戻る橘。
そこで彼は更なる衝撃を受けた。

「……小夜子!?」
小夜子が倒れている。橘は桐生を下ろすと小夜子に駆け寄った。
身体から血が流れている。傷は深そうだった。
「橘……君?」
小夜子は息絶え絶えに話しかけてきた。
もう手遅れ。橘は本能的にそう感じ取った。
「……ごめん、ね」
小夜子が橘に微笑みかける。今にも消えてしまいそうな命の灯火。
「謝らなきゃいけないのは俺のほうだ!俺は、俺は」
自分を責め続ける橘。小夜子を放っておかなければこうならなかった。
「……ありがとう」
小夜子の目が閉じる。手がガクリと落ちた。
「小夜子?小夜子!」
小夜子は目を開けない。息もしない。
橘は再び叫んだ。
前よりも大きく、長く。


橘の中で何かがはじけた。
死に直面して彼は生まれ変わった。
手が震える。恐怖心ではない。形容しがたい怒りで。

253:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/08 21:07:22
「伊阪ぁー!!」
研究所に乗り込む。手当たり次第機材をぶち壊す。
小夜子は橘にシュルトケスナーをやめるよう訴えていた。
それを疎ましいと思う存在は一人。伊阪しかいない。
実際、小夜子には火球を受けた傷があった。
橘は二人の死による怒りを伊阪へと向けた。

「どうした、橘」
伊阪が現れた。橘は無視してカイロスを繰り出す。
カイロスはシュルトケスナーの水槽を破壊した。
「どういうつもりだ?これが無ければお前は……」
「黙れ!貴様を捕獲する!」
橘の怒りが最頂点に達する。伊阪も状況を把握したようだった。
「そうか、アイツを殺したのが裏目に出たか。まあいい。
 お前はもう用済みだ。俺の研究は完成しつつある」
長々と台詞を喋る伊阪に橘が不意打ちをかました。
「ホエルオー!」
ホエルオーが狭い研究室に繰り出される。
伊阪を吹き飛ばしながら壁に穴を開けた。
開いた穴から外に飛んでいく伊阪。
アンデッドペラップへと姿を変化させている。

「ニョロトノ、バルビート!」
追撃をかける橘。バルビートの火炎攻撃が伊阪の動きを封じる。
ニョロトノのきあいパンチがクリーンヒットした。
「んぐぁ!」
更に吹き飛ぶ伊阪。波打ち際に打ち付けられる。
バトルフィールドは海岸へと移行した。

254:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/08 21:07:58
始のケガは完治していた。
いつまでも居座るわけにも行かない。彼は天音の家から出ることにした。
その足で、始は伊阪の研究所のある森へ向かう。
伊阪を倒す。それが今の始の目的だった。
いつまでも負けっぱなしでいるわけにもいかない。


しばらく歩いていると人の悲鳴が森に響いた。
駆けつける始。そこにいたのは一人の男とメガヤンマ。
どうやらアンデッドポケモンようだ。男は既に息絶えていた。
始はストライクを繰り出す。

「きりさく!」
ストライクの高速攻撃がメガヤンマを捉える。
しかし紙一重で鎌の一太刀をかわされてしまう。
「つばめがえし!」
攻撃方法を変えてもう一撃。今度は命中する。
ここでメガヤンマも反撃に移る。
シグナルビーム。虫タイプの技だがストライクに確かなダメージを与えた。
「むしめがね、か」
特性のおかげである程度タイプ相性を無視できる。
さらに草むらから何かが飛びだす。ライボルト。
こちらもアンデッドポケモンだった。
スパークを喰らい気絶するストライク。

255:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/08 21:08:37
若干不利な状況、そこに見慣れた人物がやってきた。
「待てぇ!イノムー、じしん!」
イノムーの"じしん"が大地を揺らす。ライボルトがよろつく。
「あ、始!」
剣崎だった。ライボルトを追いかけてきたようだ。
「ちょうどいい。手伝え」
始は新たにモルフォンを繰り出す。
「おーけー!いけ、オドシシ!」

「でんじは!」
「ねむりごな」
それぞれが別の相手に技をかける。
メガヤンマはマヒし、ライボルトは眠りにつく。
「トドメだ、スピニングアタック!」
ヤドラン、そしてムクホークが飛び出る。
ムクホークはヤドランを抱えて急上昇、そして足を離す。
上空から回転しながらのヤドランの突撃が決まる。
メガヤンマが力尽き、地に堕ちた。

「必殺、ライトニングソニック!!」
剣崎もトドメにかかる。サワムラー、オドシシ、ペルシアン。
ペルシアンの高速のスピードをサワムラーが引き継ぐと
オドシシの電撃を纏いながらとびげりをぶち込む。
3匹のコンビネーションの技。
ライボルトは目を覚ます間もなく気絶した。

256:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/08 21:09:15
その後メガヤンマは始に、ライボルトは剣崎に捕獲された。
「始、何でこんな所に?」
一息ついた剣崎が始に尋ねた。
「伊阪を倒しにいく」
あっさりと一言。始はそれだけ言うと研究所に向かおうとする。
その時、ドォンと大きな衝撃音が響いた。
「な、何だ!?」
身構える剣崎。始は微動だにしない。
爆発が起きた様だ。しかもかなり大きいものだ。
「伊阪のトコの方だ!」
剣崎が走り出す。始もそれに続いた。

257:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/08 21:09:56
―海岸。橘の攻撃はやむことが無かった。
カイロスの"はかいこうせん"が伊阪に直撃する。
(小夜子……。君との思い出は……数えるほどしかないが……)

カイロスが引っ込むとクロバットが飛び出す。
"ブレイブバード"で伊阪の腹部目掛け突進するクロバット。
(君を思い出させるものは……数え切れないほどある……)

クロバットが引っ込む。ニョロトノが現れる。
"バブルこうせん"の応酬。伊阪は体勢を崩す。
(そして何より……何より君の笑顔が忘れなれない……)

ニョロトノの"きあいパンチ"。横に吹っ飛ぶ伊阪。
「バカな、下級ポケモンどもが、俺を上回るだと!?」
伊阪が予想できない状況に叫ぶ。
(遅いかな……。今頃になって言うのは……)

ニョロトノが戻る。再びカイロスが繰り出される。
カイロスは"つばめがえし"で追い討ちをかける。
(俺は、俺は、君のことが好きだった!)

伊阪の必死の反撃。火球攻撃。
しかしカイロスの"はかいこうせん"に相殺される。
(君の事を大切に想っていた!!)

伊阪は羽を広げ手裏剣状にして飛ばしてくる。
カイロスに変わりサンドパンが"どくばり"で防ぎきる。
さらにホエルオー、バルビート、ギャロップが繰り出された。


「小夜子ォーーーーーーーー!!!」
バーニングディバイドが伊阪―アンデッドペラップを打ちのめした!

258:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/08 21:11:00
地に伏せる伊阪。それにふらふらと近づく橘。
「俺が、お前ごとき……に……」
伊阪が気絶状態になる。橘はJと刻まれたモンスターボールを取り出した。
モンスターボールがスゥーと落ちてゆく。
伊阪はモンスターボールに吸い込まれていった。


海岸に立ち尽くす橘。その目はどこか虚ろだった。








11話ここまで。
剣崎はオマケ。
始もオマケ。

259:名無しさん、君に決めた!
07/02/09 22:15:19
>>258


260:名無しさん、君に決めた!
07/02/10 02:52:33
橘さんがかっこよく見えてしまうw
GJ!

261:名無しさん、君に決めた!
07/02/12 19:00:30
遅くなったが乙

ついでに保守

262:名無しさん、君に決めた!
07/02/12 19:06:58
落ち阻止!


電光(ry

263:名無しさん、君に決めた!
07/02/12 22:05:17
ライボルトは何のアンデッド?

264:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/12 22:16:47
ライオンです
パンチだからエビワラーでも良かったんだけどね

あとペルシアンはジャガー。

265:名無しさん、君に決めた!
07/02/13 20:05:27
>>262
電光なんだ?
電光超人グリッドマンか?
電光超人グリッドマンなのか?

266:名無しさん、君に決めた!
07/02/13 20:22:05
マキシマム仮面ライダー
 
ネタにしてくれ

267:名無しさん、君に決めた!
07/02/13 20:32:23
>>258
乙、ブレイド好きだったから読んでるとにやけてしまうw

268:名無しさん、君に決めた!
07/02/14 04:29:26
>>265
電光ライダーキックでした

269:名無しさん、君に決めた!
07/02/14 13:33:11 jBsfb3xT
>>268
アッー!

270:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 22:23:48
橘さんは動かしやすい。
ネタキャラだからかも。
第12話投下。



伊阪の研究所に辿り着いた剣崎たち。
「これは……」
思わず驚きの声を上げる始。剣崎も同様に驚いている。
「とにかく、中に入ろう」
二人は研究所内に足を踏み入れた。
橘が破壊した道順で歩いていくと二人の目に巨大な穴が入った。
そこから外を覗くと橘が佇んでいた。

「橘さん!? どうしてここに!?」
とりあえず驚く剣崎。
始は以前の事からか、橘を鋭く睨みつけた。
「ああ……剣崎か」
上の空な橘。
始の態度も気にしていないようだ。
「研究所をやったのはお前か?」
始が口を開く。目つきは変わらぬままだ。
「ああ、そうだよ。伊阪も捕まえた」
けだるそうにボールを見せる。
橘一人で上級を捕獲。この事に二人は衝撃を隠せなかった。
「さすが橘さんじゃないですか! やっぱ一流だなぁ」
その言葉に特に反応も見せない橘。
そして突然妙な事を言い出した。

271:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 22:24:31
「そうか……。これ、お前にやるよ」
橘がモンスターボールをセットしたベルトを差し出す。
Aはもちろん橘の所持ポケモン全てがセットされているモノだ。
「もう……戦う気にはならないんだ」
それだけ言うと橘は研究所の方に歩いていった。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよダディヤーナザン!」
追いかける剣崎。始もそれに続く。


研究所外まで出た橘。放置してあった桐生の亡骸を見る。
「……無い、モンスターボールが」
橘が剣崎に渡したベルト。それと同じモノを桐生もしていた。
しかし今はそれが無くなっている。
「まぁ、今の俺には関係ないことか」
そう呟いたところで剣崎が追いついた。
「橘さん、トレーナーやめるんですか!?どうして!」
橘は何も言わない。何も言わずに桐生の亡骸を抱える。
そしてどこかへと行ってしまった。
「……橘さん」

272:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 22:25:26
少年は興奮していた。
森に散歩をしにいったら人が倒れていた。
よくよく調べて見るとベルトにモンスターボール。
そのモンスターボールが自分に向かって話しかけてきた。
お前を変えてやろう、と。
少年は光が欲しかった。別に視力を失っていたわけではない。
自分の道を照らす光。もしくは道を切り開く力。
それを手に入れた、そう思っていた。


上条 睦月。少年の名前だ。
睦月は桐生のベルトを持ち去り、家に帰っていた。
ベルトを巻き、声の指示に従う。
まずAと書かれたボールを投げる。
アリアドスが飛び出す。強そうだなぁ、とか睦月は思った。
睦月の意識はそこで飛んだ。

273:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 22:26:01
剣崎は仕方なくポケモンセンターまで戻った。
始は、
「他にいくところがある」
とだけ言い残すと勝手にどこかへ行ってしまった。
剣崎が途方にくれていると見覚えのある男が近づいてきた。

「剣崎」
中年の男。恐らく理系。その名は烏丸。
「所長! 今までどこ行ってたんです」
驚いてばかりの剣崎。烏丸は表情を変えずに話し始めた。
「アンデッドサーチャーが完成した。これがあればアンデッドポケモンの動向が探れる」
そういって小さな機械を取り出した。
トレーナーの間で流行っているバトルサーチャーに形が似ている。
「橘にも渡してやってくれないか?」
烏丸がもう一つ取り出す。こちらは色が赤い。
「橘さんは……トレーナーをやめるって……」
その一言に烏丸はしばし固まった。

「……そうか。だがいつか必要とする時が来るかもしれない。
 その時まではお前が預かっていてくれないか」
二つとも押し付ける烏丸。
「私はこれからチベット地方に行く。アンデッドポケモンを見つけた場所だ。
 何かわかるかもしれない」
烏丸はそういうとポケモンセンターから出て行った。

「……俺これからどーしよ」
一人残された剣崎はポツリと呟いた。

274:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 22:26:48
レンゲルは再び活動できる事に喜びを感じていた。
手始めに人間を襲う。まず一人。
更なる快感を得るため、大通りに出た。
腐るほどいる人間。こいつらを全員殺したらどれだけ楽しいだろうか。
そう思いながらレンゲルは暴れ始めた。


剣崎がボォーとしていると通りから悲鳴が聞こえてくる。
ポケモンセンターから飛び出すとそこには一人の少年が立っていた。
「何者だ、お前!」
叫ぶ剣崎。少年は何も答えずに襲い掛かる。
攻撃を避けると剣崎はイノムーを繰り出した。
「まさか、上級アンデッド!?」
少年は手から糸を飛ばして攻撃してくる。人間とは思えない。

「俺の名は、レンゲル!」
少年が叫ぶ。声は二重になって響いた。
レンゲル。剣崎にとっては聞き覚えの無い名だ。
レンゲルが糸でイノムーの動きを封じた。
剣崎が押されているのは明らかだった。
余裕の笑みを浮かべるレンゲル。

当然切られる糸。ドラピオンが断ち切ったのだ。
「ドラピオン? 始か!」
始が後ろに立っていた。レンゲルと戦う気らしい。
「ほう、カリスか。あの時の借り、返させてもらおう」
レンゲルが腰のボールに手を掛ける。
スリープが飛び出した。伊阪が以前使っていた物だ。
「やれ、リモートだ!」
レンゲルの指示を受け、スリープが不気味に動き始めた。

275:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 22:27:22
イノムーとドラピオンの様子がおかしい。
小刻みに震えて唸っている。やがて剣崎達の方を向いた。
「どうした、イノム……ウェッ!」
イノムーが突進してきた。剣崎に向かってだ。
攻撃をかわして体勢を立て直す剣崎。
始もドラピオンに襲われていた。
「どうなってんだよ、コレ!」
今度はドラピオンが剣崎に攻撃する。
"つぼをつく"から攻撃を続けて出してきた。

「ほぅ。ドラピオンか、面白い。やれ」
レンゲルがリングマを繰り出す。
"れいとうビーム"がドラピオンを氷漬けにした。
レンゲルは腰についたボールを投げる。
ドラピオンはレンゲルの手に渡ったのだ。

「どうやら奴はボールマーカーを壊す事ができるようだな」
始がイノムーの攻撃を避けながら話す。
「ドラピオンはいまやアイツのものだ」
ストライクを繰り出そうとするが、繰り出すのをやめる始。
同じ事をされるだけだと悟ったらしい。

「流石だな、カリス。!? チッ、コイツ……」
頭を抑えよろめくレンゲル。声も普通に聞こえる。
「今日の所はこのくらいにしといてやる」
オクタンを取り出すと"えんまく"を指示した。
煙幕が消える頃には少年の姿も、イノムーも消えていた。

276:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 22:29:00
「アイツ、一体何者何だ?」
剣崎が始に尋ねる。
「ただの人間だろう。カテゴリーAに支配されているようだがな」
始は淡々と話す。ドラピオンをとられた事も気にしていないようだ。
「ウェ!? カテゴリーAってそんなに危ないモノだったのか……」
驚く剣崎。こちらはイノムーが逃げた事を忘れているようだ。
「とにかくアイツのスリープは厄介だ。対処法を考える必要がある」
それだけ言うと始はまた何処へと去っていった。
「俺もどうにか考えないとな」
そう言って歩き始めた剣崎。
ふと、足を止めてつぶやく。
「橘さん探さなきゃ」


「はぁ、はぁ、俺、なにやってんだよ……」
意識を取り戻した睦月。気づいたら路地裏にいた。
手には血がついている。
恐怖におびえているとまたあの声が聞こえてきた。

「俺を受け入れろ。強くなりたいのだろう?」
睦月は否定した。頭の中で完全に否定した。
しかし身体は自分の意思に反して動く。
Aのボールが再び開く。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
再び睦月は意識を失った。

277:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 22:29:52
12話ここまで。
睦月の伏線を一切張っていなかった。
だが私は謝らない。

278:名無しさん、君に決めた!
07/02/14 23:10:30 jBsfb3xT

当然ってのは突然の間違い?

279:0w0 ◆BLADEdavxU
07/02/14 23:20:16
>>278
はい、その通りです。
訂正していておいてもらえると助かります

280:名無しさん、君に決めた!
07/02/14 23:22:52 jBsfb3xT
>>279
訂正しました

ところでふぁいあー氏の正体ってもしかして初代?

281:名無しさん、君に決めた!
07/02/15 16:25:32
アナザーポワルン


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch