06/12/03 18:04:34 xtIEmjdy
昔々・・・、新月島と言う、それはそれは薄気味悪い島がありました・・・。
毎晩その島から謎の声が聞こえ、その声を聞いた者は、必ず悪夢にうなされると言う言い伝えがありました・・・。
ある時、波止場で漁師達が会話をしていました。
「昨日も、あの声を聞いちまった奴がいたらしいぞ・・・」
「ああ、今家で寝込んでるらしい・・・」
「ひひひ、お前ら!!まさかそんなホラ話を真に受けてるのか!?」
すると、波止場で宿屋を経営する男が、言いました。
「よし!!じゃあ俺が新月島に行って、その声の主を捕まえてきてやるよ!!」
その夜、漁師達の反対も聞かずに宿屋の主人は新月島に向かいました。
そして、島の中央で、その男は見てはならないものを見てしまいました・・・。
漆黒の体。
全身から発せられる凶々しい妖気。
そして、全身を包み込む悪寒。
それっきり、その男は二度と戻っては来ませんでした・・・。
しかし、本当に恐ろしいのはその後でした。
無人になった宿屋を解体しようと、町の人達が宿屋に向かいましたが、工事に関わった人達が次々と悪夢にうなされてしまったのです。
ノイローゼになる者、自殺する者、発狂する者、次々と災厄に見舞われ、結局50年経った今でも、その宿屋は残っているそうです・・・。
噂では、無人のはずの宿屋に、人の気配を感じる人もいたとか・・・。
50年経った今でも、新月島と宿屋に近づく者は一人もいません・・・。
~シンオウ地方昔話『新月島の悪霊』より抜粋~