06/10/02 15:52:31
僕は綺麗と言った。でもそれは本心ではなかった。
もちろん不満があるわけではない。ただその一言では表せない感じがしたから、適切ではないと感じたから。
それでも僕のボキャブラリーのなさのおかげで、素直に出てしまった。
どこかデジャビュ、そして神々しさ、儚さ・・・
ただ今回はなにかが違う。僕には音楽はわからない。でも何か直感的に矛盾を感じる。
でも僕はこちらのほうが好きだ。本来あるべき姿ではないとも思いながらも・・・
フルーラは笛を吹き終わり一声
「さ~て、これでやっと終わりね。ふぁ~あ」
と欠伸をすると
「フルーラ!」
とお決まり、姉の叱咤
「あ、いいですよ。皆さんも疲れたでしょうし。おかげででいろいろと楽しめました。ありがとうございます。」
その後、長老の終辞でお祭りは幕を閉じた。皆さんは最後の片づけへと移る。
するとフルーラがヒロシのもとへ。
「チケットのことだけどね、私行くことにしたわ」
「そう。僕としても誰かに使われたほうがうれしいからよかった。でも本当に大丈夫?」
「当然!私こう見えても結構冒険心あるのよ」
「でも君のお姉さん、反対しそうだね」
「あら、私がそんなことに怖気づくとでも思う?」
「ん、まあ、そうだね」
「ま、なんにしろチケットくれてありがとうね。おかげで''しきたり''が楽しく行えたわ」
「例には及ばないよ。でもいつもは楽しくないの?」
「疲れるのよねーこの衣装着て、みんなの前で吹くのはいくら知人とは言っても恥ずかしいし。あなたやってみる?」
「いや、遠慮しておきます」
と苦笑いで返す
「ところで今日はどうするの?泊まっていく?」
「うん。僕は別に今すぐ出てもいいんだけど、長老さんももう一日泊まっていきなさいといっていたし、船乗りさんも休ませてあげたいしね。お言葉に甘えさせてもらうよ」
「そう。じゃあ宿舎に案内するわ」
そして二人は宿舎へと向かう