06/12/09 18:01:34 KiZNyl8Y0
Little Courage 6
また同じ時間。
同じ公園にて。
今日もまた一段と空が綺麗だ。
昨日は雨がザーザー降りで、その翌日であるために
空がとても澄んで見える。
青々とした空は、下から見上げる彼と彼女にとっては
どこまでも続くように見えた。
もちろん、彼と彼女とは。
DD7「いい天気ですね」
落書き帳「ホント、昨日の天気には比べ物にならないわ」
彼はDD7、彼女は落書き帳である。
彼女は、家であった一連の出来事を彼には話していない。
DD7に余計な心配をかけたくないと思ったからだろう。
もうかれこれ、こうやって朝に会うのも何度目になるだろうか。
最初のうちは、早朝だからどこの店も開いてないし、
何より相手が相手という考えだったのだが、
しだいにその考えは薄れていった。
落書き帳「…ねぇ、なんか…眠くなって…」
DD7「ど、どうしました!?」
落書き帳はバタンと倒れてしまった。
振り返ると、背の高い二人くらいの男がいた。
DD7「誰ですか、あなたたちは!」
「黙ってろ」
DD7は男から右パンチをもらう。
彼の軽い体は吹っ飛ばされる。
DD7(よく分からないけど、赤状態になって
逃げよう!)
ベーシック! ベーシック! ベーシック!
DD7(…緑のまま? え、あれ?)
「アイツの言った通りだ、オマエは赤状態はおろか、黄も無理だ」
DD7「なんでだ!? なんで赤になれない!?」
曲には難易度がある。
赤、黄、緑というのは俗称で、正式な名称はあるが
実際にはほとんど色で統一されている。
難易度は低い順番に、緑、黄、赤となっている。
曲は難易度が高ければ高くなるほど、本来の力が出せる。
が、緑状態では本来の力がほとんど出せない。
「騒がれると面倒だ、黙ってろ」
DD7「!」
気付いた瞬間には、腹に男の拳が入っていた。
そして、彼の意識はプツリと切れた。