07/04/10 09:20:58 VSupFC4I0
>>110の続き
「物理…切断…だと?」
「あらら…そんなやり方までするとはねぇ。何が目的なのかしら」
「もして…あのプログラムを?」
マザーエリア内、システムルーム。セラは苦渋の表情をモニタに向けていた。理解できない言語で表示される文字を、ただ見ることしかできない二人にとって疑問を投げかけるしかできない。
「あぁ…それはないわね。セラちゃんとトリッガーの戦いが終わった後、プログラムは消去されてるから」
「よかったぁ…」
「“プログラムが実行”できないわけでプログラムと同じことは実行可能だ」
「ちょっとセラちゃん…」
「ユーナ。もう当事者だ、知らないわけにはいかないだろう?」
ユーナはマチルダの表情を渋くさせた。
「…人類再生プログラムは地上に存在するデコイを全て消去し、本来いた人類を遺伝子コードなどを使って再生させるものだ。これはもう知っているな?」
「え、ええ…でも本来いた人類というのは一体誰なんですの?」
「その質問は後だ。このプログラムが実行されると、“エデン”シリーズの起動そして“エデン”の職員が地上に降り立ちデコイと施設…お前達の言う遺跡以外の建造物などを消去する。その後―」
「どうですか状況は?」
扉から現れたのはロックだった。
「物・理・切・だぁーん」
ユーナはお手上げを言葉と体で表現する。
「相手がどこにいるかまだ特定できていない以上、ここにいても仕方ない」
セラはパネルを操作し、
「ここに向かうんだ」
そこに浮かんだのは、
「テュレース島?」
三人は声をそろえた。
「なんだ、トリッガー覚えてないのか?ここには大きな施設があるだろう。そして、唯一とまでは行かないがヘブンと直接通信が可能な施設の一つだ。」
「なるほど…でも何故?」
ロックが疑問を投げかけると、
「地上という可能性も無くもない」
「それじゃあ私が地上ね」
「ああ、頼んだ。いつでも通信可能な状態にしておく」
ユーナは振り向き、ロールとトロンの表情を伺う。
「…だーいじょうぶよ。ぶっちゃけて言うと、そこまでまともに動ける状態じゃないからね。しばらく何もできないわよ」
ユーナは陽気に言うが、あまり二人には伝わらないようだった。
「あ!じゃあ私は端末取って来るわね。トリッガー。先に出発準備整えておいて!」
セラが言葉を続けようとしたそのときに、ユーナは突然声を上げ、システムルームから出て行く。
「端末?って何のですの?」
「あ。アレはロールちゃんのお母さん、マチルダさんの身体でユーナさんの本体つまり、端末は修理してたんだよ」
「ふーん…」
「じゃまたシャトルベイに戻ろう。それじゃあセラさん」
「ああ…」
◇