06/11/17 20:42:47 WJ2Jqceo
─1945年4月25日、赤軍の銃声迫るベルリンで、ドイツ第3帝国陸空軍最高の将軍たちは、最後の
別れを惜しんでいた。
ステア「そう、付き合ってくれるんだ。」
ヘレナ「いまさら水臭いね。6年も一緒に戦ってきた仲じゃない。」
ステア「悪いけど、あんたが飛び立ったが最後、テルペンホーフはもう守りきれないよ。私らは
国会議事堂でハリネズミになるのが精一杯。」
ヘレナ「その方が気楽かもよ。あんたなんかどうする気よ。露助に捕まろうものなら…」
ステア「そうよねぇ。ロシアの熊どもの理性がもつわけないよね。こんな美少女を前にして…」
ヘレナ「三十路手前にして図々しいと思います。」
ステア「あんたもね。」
─世界の首都、アーリア人種の聖地となるはずだった街は、いまやただの瓦礫の山。その下の壕で、
彼女らは悪戯っぽい微笑を見せ合った。この豪胆さ、あるいは厚かましさこそが、フロイラインと
陰口を叩かれながら戦ってきた彼女らをここまで押し上げてきた。
けれども、歴史の流れという巨大な力の前には、そんな彼女らも非力な土嚢1つ1つに過ぎない。