07/09/30 09:21:30 WsaT2H1q0
今週に入って、珍しくノンビリムードが漂う765プロ
先週立て続けになっていた『嵐の様な秋の収録』が終わって忙しさも一息着いた事、ポツポツとオフな娘達も目立ち始めたからだ
当然、ここ打ち合わせ室からもノンビリな雰囲気の声が聞える
「わぁ…、ず…いぶ……んしょ…、こ、凝ってます…んー…ねぇ」
小さな手で、Pの肩を一生懸命揉んだりトントンと叩いたりする雪歩
「お…? おお…け、結構効くな」
「それにしても、大分肩張ってますよぉ…」
「あー、そっか。 俺もここんトコ全然オフ取れて無かったからなぁ…今度、オフ取れる日探してみるか…」
空欄が一つも無いページが暫く続く手帳をパラパラと捲り返し、思案を始めかける
「はい、肩たたき終わりましたぁ。 じゃあ、つ、次は…コ、コ、これですぅ…」
ほんのりと頬を赤くしモジモジしながら、手に持っていた『耳掻き』を雪歩が見せた
「…へ?」
その台詞と耳掻きの意味が理解出来ずに、間抜けな返事をPが返す
「だ、だって…て、定番なんですよぉ?」
どうやら彼女にとっては、肩たたきと耳掃除は切っても切れない定番の様らしい
Pが、雪歩と耳掻きを交互に指差す。それを見て、嬉しそうに頷く雪歩
「ちょ、ちょっと待て。 さ、流石に事務所でそこまでは(ry」
「ダメ…なんですかぁ…? クスン…」
物凄く残念そうな表情と共に、薄っすらと雪歩の目尻に涙が滲んだ
「うわっ! こ、こら、なな、泣くなって!」
「ダメ…ですかぁ…?」
上目遣いに雪歩が再び問いかける。その顔は、問いかけると言うより最早ねだる様な表情に近い
「うっ…」
Pの本陣が陥落するまで、あと2秒も必要無かった
■
「はい。今度はこっちの耳ですぅ」
ニコニコとした表情の雪歩と、嬉しそうな声。その顔は、何時もは見られないとても魅力的な表情をしていた
( 何か、やけに嬉しそうだな…? まぁ、いいか…泣き顔よりはこっちの方が )
大人しく向きを変え、雪歩の太腿に再び頭を預ける
( あー、でも気持ち良いな…何と無く眠くなって来るよ。 おまけに雪歩の膝枕柔かくて… )
耳掃除の気持ち良さと雪歩の膝枕の柔かさに、思わずウトウトとした眠気にさそわれる
「でもさ、何で耳掃除が…肩たたきと定番なんだ?」
「え…? だ、だって…お父さんが、お母さんに肩たたきの後、よく耳掃除して貰ってたから…。」
「ふーん…そっか。お父さんと…お母さん…夫婦仲睦まじいんだ…」
「その時のお父さん…何時もの厳しそうな感じが無くて、とっても穏やかそうな感じなんです
それに、お母さんもとても穏やかな笑顔で…。だから、私も…私も、あ、あんな、か、感じに…。
…………あれ…? ぷ、プロデューサー…?」
何時の間にか、スースーと寝息を立ててPが眠っていた
普段からのあの激務だ。心が休まると、身体も自然休んでしまう物なのかも知れない
優しそうな笑顔が雪歩の顔に浮かんだ。母親が見せた『あの表情』と同じ笑顔が
「フフ…。だから、私も何時か……何時か、プロデューサーと…」
雪歩の顔が、Pの頬にユックリと重なっていく…
■
小鳥が、2人に気付かれない様にソッと扉を閉めた
去り際に、傍に掛けてあったホワイトボードに目立つ様にサラサラとペンを走らせると、クスリと小さく微笑みそれを扉に掛けて行く
そのボードには、こう書かれていた
『 使用中 13:00~終日 【 注意!!】 重要打合わせに付き、関係者以外立入禁止!!』
グッド・コミニュケーション(?)