07/09/21 18:09:27 2C0+mbFg0
「うーん…、思ったより難しいわねぇ。プロデューサーって自分の事あんまり言わないから」
雪歩の『Pは何が好きなのか?』と言う問い掛けに、悩む春香と律子
「うぅ…春香ちゃん達なら、何か知ってると思って…す、すみませんですぅ…何時も皆に迷惑掛けてる、こ、こんなダメダメな私は穴掘っ(ry」
「こらこらこら! そんな事でいちいち穴掘らない!
もう、しょうがないわねぇ…、今は判らないけど何かの拍子に聞けたら聞いておいてあげるから。だから、そんなにガッカリしないの。いい?」
頷き、少し雪歩の表情が戻る
「あ、でも何で又そんな事を?」
「ひぅっ! あ、そ、そ、わ… ちょ、ちょっと、し、し、知りたいなぁって、お…お、思っただけですぅぅぅぅぅぅ…!!」
「あ! ちょっと、雪歩! 雪歩ってば! 雪歩~~!」
「…………なんか、もの凄い勢いで消えていきましたね…」
春香と律子は互いに顔を見合せると、肩を竦めながら首を左右に振った
( プロデューサーって、何が好きなんだろう…? ううぅ…考えても考えても判んないですぅ…それなら、せめて喜んで貰えそうな物を… )
夕刻の喧騒の中、トボトボと帰路に付いている雪歩。ボーっとした意識が目に入る街の風景を無味乾燥な物として流して行く
が、とある風景が目に入った途端、瞬時にその意識が一つに戻る
「あっ! こ、これなら…これならきっと…」
「お疲れでしたー!」
挨拶と共にPが、事務所の入り口の向こうに姿を消して行く
「今日は何食って帰ろうかなぁ…………しっかし、侘びしいモンだね。皆からプレゼントは貰ったけど、こんな日に流石に一人ってのは」
少し苦笑い気味な笑顔が浮かぶ
「ぷ、プロデューサー!」
突然、背後からの声。少し離れた位置で、雪歩が立っていた
「お、雪歩じゃないか。 今日はもう上がりだったろ? 何でこんな時間に…」
「だ、ダメですっ!」
言い掛けながらPが近づこうとすると、珍しく強い雪歩の制止の声。同時にピタリと歩みを止めるP
「そ、そのままで居て下さい…。 私…私、プロデューサーが傍に居ると、勇気が無くなっちゃうから…」
「…?」
「……こ……こ、こ…コレ……、お、お、お…お誕生日おめでとうですぅ!………………………い、言っちゃったぁ………」
盛大な溜息を付くと、後ろ手に持っていた花束を両手で差し出す
「お、お誕生日のプ、プレゼントは……や、や、や、やっぱり…て、手で…わ…渡したいから…」
黄色のバラや白い花。何時の間にか変わって行く季節を感じさせる、雪歩らしい選択だった
「………有難う、わざわざ俺なんかの為に…。嬉しいよ、このプレゼントは雪歩からしか貰えないから」
Pの顔にとても優しそうな笑顔が浮かんだ
「そ、そんな事無いですぅ…」
「よし! じゃあお礼に、今日は一緒に夕食行こう! …あ…もしかして親父さん……マズイ?」
雪歩が首を左右に振った
「今日、お仕事で少し遅くなるからって言ってるので…」
顔を赤らめながら、雪歩がポツリ呟く
「お? なかなかの策士ぶりですなw ……さて、では参りますか?姫様?」
ニコリと笑って、雪歩にうやうやしく手を差し伸べるP
「はいっ、喜んで!……………きゃっ!」
笑顔でPに駆け寄ろうとするが、何かに躓いて転びかける
その瞬間、持っていた花束が宙にバラけて散り、雪歩と共にPの胸に飛び込んで来た。慌てて雪歩を受け止めるP
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「だ、大丈夫か!?」
「は、はい…。プ、プロデューサーが………しっかり、私の事を……う、受け止めてくれたから…」
「ふぅ…よかった。気をつけてくれよ? …さぁてと、何処へ行こうかなぁ?」
そのPの思案する顔を、雪歩は見つめ続ける
( 渡したかったのは………花束だけじゃ無いんです。 気が付いてくれました…? プロデューサー )
小さいけれど、本当に幸せそうな顔で彼女が微笑んだ
パーフェクト・コミニュケーション(?)