07/09/10 23:47:32 IF0TpTpl0
(ロケバスでの移動中)
ここのトコどうしても調整が取りきれず、門限のある雪歩にとって、遅めの収録が連日の様に続いていた
必然、睡眠不足気味になる雪歩
「ゴメンな、雪歩
次のトコまで2時間位有るから少し休んでおきなよ。又今日も、夜に一本入ってるし
ホンと申し訳ない、調整しきれなくて…。あーあ、これじゃ雪歩に負担掛けるばっかだよなぁ…」
溜息を付きながら、恨めしそうに手帳の予定を確認する。
「いえ、平気ですよぉ。
私が少しでも休憩出来る様に、プロデューサーが細々と気を使ってくれてますから」
「そう言って貰えると、少しは気が楽になる…って、それじゃダメじゃん!
何、雪歩に甘えてんだよ、この馬鹿たれ!」
自分の頭を握ったコブシで小突くP
「あ、それよりも…早く休んで休んで! 折角休憩出来るんだから」
「あ…はい。 じゃあ、チョッと休憩させて貰うですぅ」
暫くすると、窓の方に持たれかかりながら、静かな寝息が聞えて来た
口ではああ言ってた物の、やっぱり雪歩自身もキツイところがある様だ
その内、車内の空調が寒めと感じているのか、モソリと身体を縮める様な仕草を見せる
その姿を見て、寝入った所を起こさない様にそっと毛布を掛けてやるP
少し安心した様な顔つきになって、雪歩が寝返りを打った
その様子を見て一息付くP
雪歩とは反対側の座席に座って先程の手帳を取り出し始める。
「さて、ホンとマジに調整するか。ここんトコまともにオフ取ってあげれて無いし、このままだと雪歩体調崩しちゃいそうだしな。
痛いけど、最悪キャンセルも…。」
と、予定をパズルの様に頭の中で組み替え始めだした
ふと気が付くと、とてもいい香りが鼻腔を刺激している。何処と無く安心出来て『優しい』印象を受ける香りだった
そして香りに次いで目に入って来たのは、雪歩に掛けて居た筈の毛布
何故かそれが自分に掛かっている。
お次は、目前の座席の背もたれが90度回転していた事
「あ…」
頭上から降って来る雪歩の声
最後の〆は、枕になっていた柔かいふわふわした物
「何だ? 妙に柔かい…?」
無意識の内に手をモソモソと動かし、それが何なのかを確め様とする
「ひゃぁ! ダメですぅ、プロデューサー! そんなトコ触っちゃ、くすぐったいですぅ~」
頬を赤らめた雪歩から、柔かい抗議の声。それは、彼女の太もも――膝枕だった
「う、うわぁっ! あ…、ご、ご、ゴメン!!!」
一気に跳ね起き、慌てるP
「で、でも何で…?」
まだ、先程の柔らかい感触を忘れられず、ドギマギしながら雪歩に問いかける。
「だって…私が起きたら、プロデューサー寝てたんですぅ。風邪でも引いたら大変ですし
それに、いつも私ばっかりプロデューサー甘えさせて貰ってるから……た、たまには恩返しですぅ」
そう言うと、顔を赤らめながらも優しそうな笑顔で二コリと微笑む。
その表情を見て、ふとPが気づく
( ああ、やっと判った。何で俺が、ここまで頑張って来れたのか。
この笑顔が有るからなんだ。
世界中のどんな笑顔よりも、この笑顔が見たいからなんだ。 )
太陽の光に照らされて、雪歩の笑顔が何時もより一層輝いて見えていた…
グッド・コミニュケーション(?)