07/09/09 22:43:09 d6NduyqeO
ガラッ
突然、固く閉ざされていた扉が開く。
聞こえてくるのは、いつも通りのあの声。
雪歩にとって、いつの間にか最も近い存在になっていた、あの人の声…
「雪歩ー、迎えに来たぞー…っておい、どうしたんだ、これ…」
彼の目に飛込んで来たのは、運動靴を手に呆然と床を叩き続ける雪歩の姿、
そしてもはや原型をとどめないまでに粉砕された、Gの残骸…
「プロデューサー、プロデューサー…プロ…プロデューサああぁぁぁー!!」
水を得た魚の如く、一目散にプロデューサーに駆け寄り顔を埋める雪歩。
「プロデューサー、怖かったですうぅ…!Gが、Gがあぁぁぁー!」
火がついたように泣きじゃくる雪歩、一瞬唖然としつつも、その小さな頭を母親のように優しく撫でるP。
「おいおい、Gくらいでそれはないだろ…まったく、雪歩は怖がりだなぁ…」
「そんな言い方ひどいですよぅ…だって、本当に怖くてぇ…Pに…助けて欲しくて…だから私…ひっく…」
「…そっかそっか、…悪い、守ってやれなくてごめんな…」
どんな小さなことであれ、雪歩にここまで恐怖を味わわせてしまった。
その事の責任を感じつつ、今はとにかく雪歩を慰めてやりたい…その一心で、その華奢な体を強く抱き締める。
「…どうだ、少し落ち着いたか?」
「…はい、すみません、つい気が動転してしまって…」
「謝ることないさ、それより悪かったな、近くに居てやれなくて…」
「いいえ…だって、ちゃんとこうして来てくれたじゃないですか…私が呼んだら…」
「雪歩…俺、何があってもお前を守る。絶対に…」
つい、雪歩を抱く腕に力が入ってしまう。
つい、Pにしがみつく腕に力が入ってしまう。
互いに、胸の鼓動が高鳴るのを感じる。
夕陽に映し出された二人の影は、次第に1つになろうとしていた…
オチ無し