07/05/18 11:29:02 K7f377GN
今までの、とっても勿体無いからＳＳ風に纏めて見ました
原案、表現 ： このスレの皆
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あずさは、小さい頃から方向音痴で良く迷子になる子だった
ある日、母親と出掛けて居る時、例の如く迷子になってしまう
「…ﾋｯ…ｸ……ﾋｯｸ………ふぇーん…」
迷ってとある公園に辿り着いた時に、母親とはぐれ、見知らぬ場所での心細さからとうとう泣き出してしまった
『…ど…どうしたの…？』
ふと見ると、同じ位の年の男の子いる
「あずさ…ﾋｯｸ…、あずさ、おかあさんと…ﾋｯｸ…はぐれ…ちゃったの…
お家が…ﾋｯｸ…わからなくなったの…えーん…」
大きな瞳に、涙をいっぱい浮かべて泣きじゃくる、あずさ
『じゃ、じゃぁ…、ボクまだお家帰らなくて良いから…一緒に探してあげる
だから泣かないで、あずさちゃん。ね？一緒に行こう？』
ちょっとはにかんだ感じで差し出された暖かい手を、あずさがしっかり握り返す
探し始めると、丁度運良く、あずさの母が近くまで来ていた様だ。２人とは離れた所でその姿を見つけ手を振る
「あ！おかあさんだっ！」
『よかったね、これでお家帰れるね』
にっこり笑う、あずさと男の子
ふと、別れ際にあずさがもじもじしながら切り出す
「……あのね…あずさ、…あずさ、今日思ったの」
「あの……あの……おおきくなったら…あ、あずさの事…お嫁さんに…して下さい……って」
『…』
赤くなって、男の子が照れる
『…う、うん。いいよ、じゃあ約束しよう？』
小さなカップルの、可愛らしい約束―指きりげんまん―が交わされる
チョッとはにかんでるが、優しい笑顔。小さいけど、しっかり握ってくれた暖かい手
その光景は、今でも時折夢見る事が有った
――――
婚約の挨拶を済ませ、あずさの実家へ行った帰り道
互いに手を取り夕暮れの街角を歩いて行く
通りすがる傍らに、小さな公園がふと目に入った
「あ、ここ見覚えがある。いやー、懐かしいなぁー
でも、こんなに小さかったっけ？この公園
いや、実はですね、昔ここで迷子の女の子がいて……」
「？」
あずさが、歩を止め顔を伏せる。大きな瞳からポロポロと涙が溢れていた
「えっ！？ ど、ど、どうしたんですか！？」
ふっと、あずさが顔を上げる
あずさの泣き顔を見た瞬間、記憶がフラッシュバックし、あの時の瞳の大きな少女と面影が重なる
「…そうか…あの女の子…」
「……約束……守れましたよね…？」
Ｐの胸に飛び込んで来るあずさ。何度も何度も、泣きじゃくりながら頷く
運命の人と、あの時に結ばれていた小指の赤い糸が本物で有った事を噛み締めながら
Ｐが、あずさを抱きしめる
その姿は、あの時手を握った少女に見せた様に、優しさと暖かさに溢れていた…