07/02/14 03:11:42 U2GCBnpU
(……らしくないな)
自室のベッドに寝そべる、スノーのその手にはリボンが巻かれた箱が握られている。久しぶりに街に出た時に、何かの気まぐれで買って来たものだ。
それを眺めながら、自らを呪うように呟く。
「こんなもの欺瞞だ。こんなイベントで浮かれるなど……」
だが、私は一体誰に渡すためにこんな物を買ったのだ?
4番機の、あいつ。私はその3番機として、あいつのケツの穴を犯しているだけでよかったはずだ……
(俺の穴を犯して欲しいと望んでいる?)
馬鹿馬鹿しい。たかがグリムにぴったりサイズのコンドーム一つで、なぜそのような事に考えが向いてしまうのか。
(ただの社交辞令だな。ただのホモだちとしての)
しかし、コンドームはSサイズしか買って来ていなかった。特定の一人に渡すのであれば、社交辞令とは言えないだろう。
「大体、何て言って渡せば……ああもう。何でこんなことで悩んでいるのだ!」
……思春期の少年じゃあるまいし。
どうにも面倒臭くなり、スノーはその箱を床に放ってしまった。
(らしくないな、こんなの)
これで終いという風に、毛布を被り、目を閉じる。だがその胸中では、未だ渡すべきかどうか葛藤が続いている。
自分の気まぐれを呪いつつも、スノーはふと微笑を浮かべていた……