07/01/08 17:13:24 l1bt+UcL
◇「閉じた社会」の誘惑
テクノ音楽が流れ、DJ2人の声がパソコンのスピーカーから聞こえ始める。
インターネットサイト「ひきこもり村。」の番組に放送局はない。掲示板に書き
込まれたリスナーの言葉を見ながら、2人はそれぞれ山形と横浜の自宅にある
パソコンの前でマイクに向かう。
「来年は父親が会社を辞めるので家計が苦しくなりそうです」「そう。難しい
問題だね」
DJを務める山形市のハンドルネーム・侑摩佳彌(ありまよしや)さん(25)
は村の管理人だ。2年前、同じ引きこもりの人たちとのつながりを求め、ネット上
の仮想社会を作った。約2000人が住民登録した。「友達がほしい」「親子問題」
……。掲示板には2000近いスレッドが立ち、アクセス総数は200万を超えた。
医者の父(60)と母(49)、高校2年の妹の4人暮らし。中学の時、部活の
サッカーの試合でミスを連発し、パスを回してもらえなくなったのがきっかけだった。
昼ごろ起きて母親とパンを食べ、ネコと遊んだり本や漫画を読む生活が10年間続いた。
「誰からも必要とされていない。人生はつらいのに自分の存在がすごく軽く感じた」
管理人の仕事は忙しい。不要な記述を削除したり、住民同士のトラブルの仲裁に3~4
時間かけることもある。「居場所ができた」「気持ちが楽になった」という声が寄せられ、
人の役に立てた気がした。昨年5月、市内の引きこもりを支援するNPO法人のスタッフ
になった。週に1度は外に出る。だが、同じように「脱ひき」しようとする住民は少ない。
(続く)
■ソース(毎日新聞)
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)