07/02/08 12:55:18 A4VZuZxA
「おはようございまーすっ、プロデューサー!」
「おはようございます。プロデューサーさん」
「ああ、おはよう。やよい、あずささん」
物静かなオフィスに、不釣り合いなほど元気な挨拶が響き渡る。
ここ795事務所ではお馴染みになった光景だ。
やよいとあずさのユニットは、ここ最近仕事も増え、
それぞれがソロの仕事も持ち始めている。
自然、各々のテンションも上がろうというものだ。
「えへへ。今日は朝ご飯2回もおかわりしちゃいました!」
「そうか。やよいは絶好調だな」
そう答えるプロデューサーの目は、とても優しい。
やよいはやよいで、まっすぐな感情をプロデューサーにぶつけている。
そんな二人のやりとりを見るたび、古傷がじくじくと痛むような感覚に襲われる。
私にも、やよいちゃんの積極性の1/10でもあったら。そう思わずにはいられない。
「ふぅ……」
最近、この場にいるのが辛い。
古傷を思い出したくはない。かといって、プロデューサーには逢いたい。
いっそ彼との間に明確な壁を感じることができれば楽なのに……。
「どうしたんですかあずささん。具合、悪いんですか?」
ぴたっ
プロデューサーの手があずさのおでこに当てられる。
大きくて温かい手。やさしい手。しかしその中途半端な優しさが、今は痛い。
「あ、あの……その……ごめんなさいっ」
気づけば、プロデューサーを突き飛ばす形で事務所を飛び出していた。
(省略されました。続きを読むには、ここをクリックしてください)