07/03/16 04:47:37 bfwkcQZ7
深夜のテンションで悪乗りしすぎた感が。多分寝ておきたら恥ずかしさで死ねる。色々壊れててごめんなさい。
それと、TIPSを一つ書きました。
時間的には綿流しの直後を希望ですが、その辺はスクリプトの方の裁量に任せます。
「これが研究の全データのコピーですんね。よろしくお願いします。」
「ご苦労様です。」
県下では上等なホテルの一室で、鷲鼻の男がスーツの女が面をつき合わせている。少し離れたところで、別の男が二人に背を向ける格好でベッドに腰掛けている。男は彼らの声が耳に入っていないかのように身じろぎもせず、じっと閉め切られたカーテンを見つめていた。
「これであれの開発はほぼ完成でしょう。……山狗に伝達を出しておきますか?」
「焦ることはありません。一応のテストを経てから、という予定に変更はありません。」
「へぇ。……しかし、随分その予定は早まったみたいじゃないですか。確か事前の見積もりでは8月まではということっしたが……」
「それだけ三佐が優秀だということです。彼女がそれまでの研究で持っていたノウハウは十分すぎるほどに役立ってくれました。間違いなく鷹野女史はこの『メタルギア』の最大功労者でしょう。本社も彼女に最大限の栄誉を惜しまないと約束しています。」
「へっ……へははははは! あんたも大した狐ですんね。それとも作戦名でお呼びしたほうがいいですかい?」
「どちらでも構いません。あなたも鳳と呼ばれるほうがよいですか?」
「いえ、遠慮しときます。俺はもっとしみったれたのが性に合ってますんね。」
鷲鼻の男……小此木は笑いながら、密かに思った。
……相変わらず何考えてるわかんねえ女だ。三佐といい、こっち来てからそっちの収穫はありやしねえ。
不意に、カチャカチャと耳障りな音がする。
「……あん? おめえ、何してんだ」
腰掛けていた男が、何やら手元のものをいじり始めたらしい。
「ルービックキューブです。どうもこの頃あれにはまっているようなので」
「……けっ、気味が悪ぃ。」
女が連れてきた「兵隊」―男はそういう肩書きだった。酷く口数が少なく、小此木はいまだに慣れることができないでいる。恐らくこれからもそうだろう。
最近は、むしろ面倒のかかる方が多い。先日も、往来でいきなり一般人に絡んだので、ことを丸く収めるのに一苦労した。
……頭いかれちまってんじゃねえか?こんなの糞の役にも立ちやしねえのに、やっぱりよく分からん女だ。
「……そろそろ帰らんと怪しまれますわ。あんまり診療所あけるとうるさいんでね。」
「ええ。……それでは、小此木二尉。」
「失礼します。…………野村さん。」
軽く会釈を交わして、小此木は部屋を出た。
野村はそれを確認すると、カーテンの前に進み男の傍らに立つ。
奇妙な出で立ちの男だった。全身を甲殻類のような鎧で包み、顔は仮面に覆われていて表情は伺えない。
「聞きましたね。あなたの御友人にも挨拶の準備をしておきなさい。」
「…………ああ」
聞き取れないような小さいものだったが、野村は彼が一瞬だけ感情に声を震わせるのを聞いた。こんなことは珍しい。
「……そろそろ、お祭りです」