07/02/13 00:13:40 bMYj3nZ9
意外な来訪者。
気配すら感じさせずにあらわれた、少女。
『驚いて、いるのですね?』
確かに、俺は気配すら感じなかった。包帯を巻きながら無愛想に返す。
『まぁな。』
『みー♪僕も麦泡茶いただきなのです☆』
見た目は十歳程度の少女だが、実際は百を越えているらしい、彼女。
手元のビールの蓋を開けて差し出してやる。
『みー♪良く冷えていて美味しいのです☆』
実に旨そうに紙コップを開ける。
傷の手当もそこそこに、俺は一番気になっていたことを切り出した。
『あいつはどうなった?』
『お注射も効いて今は寝ていますのです。グーグーなのですよ☆』
『そいつは良かった。』
安堵の溜め息をはきだし、頃合いになった肉の串に手をかける。
少女の雰囲気が変わった。
『スネーク。これから貴方に訪れるのは更なる困難。悲劇か、喜劇か。それを決めるのは貴方と、生徒たち。』
『大丈夫だ。俺が教師である限り、圭一達に悲劇は起きない!』
俺が守る。守ってみせる。
『頼みますよ。』
少女の、梨花の声が響いたかと思うと姿は消えていた。
『やれやれ。』
俺は煙草に火をつけた。
夜は更けていく。