07/09/03 21:10:19 cPtJfdN+
俺、ジェニス王立学園に通ってた頃、不覚にも女子にイジメられていたんだよね。
ノートに死ねって落書きされたり、上履きに画鋲を入れられたりさ。ホント、憂鬱だった。
そんなイジメの中でも一番辛かったのが女子トイレに上履きを投げ込まれた時のこと。
放課後、トイレに誰も居ないことを祈りつつ、恐る恐る投げ込まれた上履きを取りに入ったら、
ちょうどトイレから出てくるところだったクローゼとバッタリ遭遇。
案の定、女子トイレに入ってきた俺を見て絶句するクローゼ。
俺も慌てて理由を話そうとするんだけど、焦っているうえに相手があのクローゼだから、
オロオロするばかりで「うわ・・・うわばっ・・・」って全く言葉にならなかった。
それでも何とか理由だけは話さないといけない。
イジメに遭ってることを知られるのは恥ずかしかったが、
女子トイレに侵入しようとした変態男だと思われるのだけは、どうしても避けなければなかった。
しかし目の前にいるのは、あのクローゼ。理由を話そうにも緊張して言葉がでてこない。
そこで俺は、一回深呼吸をすることにした。深呼吸をすれば少しは落ち着くだろう、そう思って。
すー、はー、すー…、うん、これで大丈夫だ。
しかしこれがまずかった。深呼吸する俺をみてクローゼは、俺のことを
女子トイレの空気を吸いに来た変態男だと思い込んでしまったのだ。明らかに引くクローゼ。
そんなクローゼを見て、ようやく俺は己の過ちに気がついた。しかし時すでに遅し。
ちょうど奥から出てきたジルも深呼吸した俺の姿を見ていたらしく、
「この変態！恥を知りなさい！」と、もの凄い勢いで捲くし立てられた。
理由を話そうにも、矢継ぎ早に捲くし立てるから、俺の言葉が入る余地がない。
クローゼも薄っすらと目に涙を浮かべ、悲しそうな…哀れむような目で見るばかり。
やがて騒ぎに気がついた野次馬たちが集まってきた。こうなると、もうどうにもならない。
俺は生徒会室→職員室→学園長室と続けざまに連行されその日のうちに、
ジェニス王立学園を退学になった。