クリフトとアリーナの想いはPart7at FF
クリフトとアリーナの想いはPart7 - 暇つぶし2ch762:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/02 15:46:05 6ocn7SUP0
いるッスよー


今日が初見だけど・・・

763:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/02 16:15:44 4c1WRH0WO
きのこの人と煩悩さんと店長がせめぎあってたころは凄かったな
あの活気がもう一度欲しい

764:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/03 20:52:02 uoCRryeC0
ワロタww
URLリンク(www.nicovideo.jp)

765:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/04 22:34:12 kJyYuFEWO
これまた懐かしいものを

766:1/8(506)
07/10/06 11:22:59 H72x171W0
アッテムトは北からの海風が冷たい、鉱山の街だ。街の北側は港の建設
も不可能なほどの断崖絶壁の海。南側はアネイル北の大砂漠ほどの規模で
はないが、砂の海が広がっていて旅人たちの行方を阻む。もうずっと昔か
ら、アッテムトは陸の孤島と称されるほどの辺境地だった。ハバリアから
続く街道も申し訳程度の砂利道で、ほとんど整備がなされてはいない状況。
領主のキングレオも自国の復興と自治に精一杯であり、アッテムトはすっ
かり取り残されてしまっている。
そんな寂しい街にクリフトがやってきてから、もうふた月が経とうとし
ていた。この地方でも名の知れた宗教大国サントハイムから派遣された神
官であるクリフトに、街の人々の期待もそれは大きなものだった。サント
ハイムの書庫で読んだ書物や、勇者ソロと彼の元に導かれた仲間たちと共
に世界中を旅した中で触れたことが、アッテムトに来てからのクリフトを
助けてくれた。エンドールからの物資援助を受けながら、魔物たちによっ
て壊された建物の修理をし、この痩せた大地でもできる作物や大地を肥や
す方法などを街の人たちに教えた。デスピサロの軍と発生したガスにより
多くの人々が命を落とし、弔いさえ満足にできなかったことを慮り、街の
北の丘に墓地を作った。さらには唯一この街の名前を世界に知らしめるこ
とのできていた例の鉱山の再調査をし、生き残っていたわずかな魔物を倒
し、そしてこの鉱山のほとりに温泉が湧いていることを発見した。寂しい
最果ての街に差し込んだ光。小さな希望の光に人々も絶望の淵から立ち上
がろうとしていた。


767:2/8(506)
07/10/06 11:23:58 H72x171W0
 見事なまでに壊されていた教会もなんとか修復工事を終え、教会とつな
げて住居スペースを作った。クリフトはそこに老神父と魔物の襲撃で夫と
3人の子供を亡くした夫人ハンナ、同じようにして孤児となってしまった
数人の子供たちと生活している。毎日街のことで忙しいが、時間のあると
きには子供たちの遊び相手となったり勉強を教えたりした。そして毎朝毎
晩、サントハイムをはじめどこの国よりどこの街より質素ではあったが、
教会でのお祈りを欠かすことはなかった。
 毎日毎日忙しく何かをしていれば考える暇さえなく、祖国のことを思う
こともなかったが、夜になりベッドに横たわり、ひとりきりで天井を眺め
ていると考えずにはいられなかった。最後にひと目その姿を見ることすら
許されなかった、最愛の姫君。あれからずいぶんと長い時間が流れたが、
今頃どうしているのだろうか、と。国王やブライのことも、城やサランの
町の人々のことも。クリフトは決して戻ることのできない祖国を、アリー
ナの幸せを思わずにはいられなかった。
「只今帰りました」
 体調を崩している老人の家へと様子を見に行ってきたクリフトが帰っ
てくると、教会の子供たちが一斉に出迎え彼の周りを取り囲む。
「おかえり!」
「おかえり、クリフト兄ちゃん。本を読んで!」
「一緒に外で遊ぼう!」
「お昼ご飯を食べてから、ね。ほら、ちゃんとハンナのお手伝いをしなく
ちゃ」


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07/10/06 11:24:51 H72x171W0
 元気いっぱいに自分の周りに纏わりついてくる子供たちの頭を優しく
撫でてやりながら、クリフトは子供たちを促した。子供たちはまた一斉に
台所に立つハンナの元に行き、テーブルを拭いたり料理の注ぎ分けを手伝
ったりし始めた。
「まぁったく、クリフトの言うことはよーっく聞くんだから」
 ハンナは少々あきれたように、それでもにこやかな表情で子供たちに向
けてそう言った。
 恰幅がよくおだんご頭のハンナはいかにも肝っ玉母さんと言った印象
だ。時に厳しく子供たちを叱ることもあるが、強い母性で子供たちをいつ
でも包んでいる優しい女性だ。亡くした家族のことを思いながら、この教
会で暮らす子供たちのことを我が子のように思い育ててくれている。
「ああ、そうそう。クリフト、さっき宿屋のご主人が来てね。街の入り口
のところであんたを待ってる人がいるって、知らせに来てくれたんだよ。
心当たりあるかい?」
 ハンナはスープをよそう手を止めてクリフトにそう言った。
「さっきですか?」
「ああ、ついさっきだよ」
「そうですか…。じゃあ、食事の前に行って来ます。客人を待たせている
のも申し訳ないですし」
「誰だろうねぇ?」
「この前ハバリアに薬草の買い付けに行った時、足りないものがあったの
で、もしかしたら持ってきてくれたのかもしれません。すみませんが、先
に食べていてください」
 再び出かけることになってしまったクリフトを子供たちが寂しげな様
子で見送る。夕食は必ずみんなそろって食べるのだが、朝と昼はこんな風
にクリフトだけ先だったり後だったりすることが多い。不規則な生活とい
うわけではないが、それだけクリフトは忙しいのだ。


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07/10/06 11:25:23 H72x171W0
 街の東側、少し斜面になった丘の上の教会から、細い道を下って街の入
り口の方向へと歩いていく。ちょうど昼食時とあって、道行く人の姿は少
ない。皆それぞれの家で食事をしている頃だろう。
「………?」
 街の入り口の小さな門のところまでやってくると、傍にあるベンチに腰
をかけている人物の姿が見えた。フードつきのマントを装備しており、脇
には大きな荷物を置いている。格好はハバリアからの使いの者であっても
おかしくはないが、その荷物の多さに少々違和感を覚えながらもクリフト
はその人物のほうへと近づいていった。
「……こんにちは。旅の方ですか? 私がクリフトですが…」
 そんな風に声をかけると、旅人は顔を上げてクリフトのほうを見上げた。
目深にかぶったフードからは、その表情はまだ捉えきれない。
「………」
「どうかされましたか?」
「………フト…」
「え……?」
「……クリフト」
 目の前の人物が立ち上がった。思ったよりもずいぶんと小柄な、少年の
ような見た目のその人は、小さな声でクリフトの名前を呼んだ。その声に、
クリフトははっとする。
「……あなたは…」
 旅人がかぶっていたフードに手をかけた。髪がひと房こぼれ落ち、フー
ドを脱いでしまうとあふれる鮮やかな髪。赤い、巻き毛。
「クリフト!」


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07/10/06 11:26:08 H72x171W0
 アリーナの姿がそこにはあった。仕立ての良い美しいドレスを着ている
わけでもない、髪をきれいに結っているわけでもない、あの旅のときより
もずっとみすぼらしい格好をしていたけれど、クリフトの目の前にいるの
は確かに、サントハイム国の姫君、アリーナだった。
「……姫さま、どうして…」
「来たの、あなたに会いに」
「誰かが一緒ではないのですか? どうして……」
一瞬、何が起こっているのかまったくわからなかった。この状況をクリ
フトは理解することができない。ただ呆然と彼女の姿を見ていた。兵士も
従者も連れずに、まさかアリーナがひとりだけでアッテムトまで来たとい
うのか。
「ひとりよ。ひとりで来たの」
「なぜ、そのような……」
「……クリフトに会いたかったからよ!」
 そう言うとアリーナはまだどこか現実だと認めきれていない様子のク
リフトに飛びついた。その胸に頬を寄せ背中にしっかりと腕を回した。
 温もりが伝わってくる。冷たい風に吹かれて冷えた身体が、温かなクリ
フトの体温に熱を取り戻していく。アリーナはそんな感覚をひしひしと感
じていた。しかしそれは、ただの身体の熱の変化を伝えているものではな
く、本当は彼女の心の中の消えかけていた小さな炎が力を取り戻している
ということ。冷えてしまった心がクリフトとの再会に、再び温かいものに
変わろうとしていた。
 アリーナはきつくクリフトに抱きつき、長い睫を伏せていた。
「……なぜ、そのようなことをなさるのです」
 クリフトはアリーナの肩を掴むと、強引に彼女を自分の身体から引き離
した。強い力で身体を押し戻されたアリーナは、ぽかんとしてクリフトの
顔を見上げるのみだ。


771:6/8(506)
07/10/06 11:28:12 H72x171W0
「一国の姫が、サントハイム王国の王位継承者である姫さまが、ただひと
りのお供も連れずに何と言う勝手なことをなさっているのですか! 陛
下や大臣殿はこのことを知っておいでなのですか?」
「……クリフト…?」
「今すぐ、お戻りなさい。あなたの国、サントハイムへ」
「でも、クリフト! わたしは……」
「何も聞くことはできません。もう、私はあなたにお仕えしているわけで
はありません」
「……どうして、そんなこと言うの?」
「私はもう、サントハイムの神官ではありません。あなたに仕えている家
来でもありません。今はここで暮らしている、ただの住民です。あなたと
の間に、関係はもうないのです」
 すがるように言葉をかけてくるアリーナに、クリフトは努めて冷静に対
応した。残酷な言葉を連ねることに心がひどく痛むが、そんな風に突き放
す以外に何もできはしない。何のためにサントハイムの国王が自分をこの
地に向かわせたのか…全てはアリーナのためであるのに。
 薄曇だった空がクリフトの心の中をそのままあらわしているかのよう
に、だんだんと暗くなっていく。黒い雨雲が押し寄せてきているらしく、
遠くで雷鳴も聞こえ始めた。それに気づいてまもなく、ポツ…と雨粒が落
ちてきた。すぐに雨脚が強まり肌に当たると痛いほどの大きな雨粒が落ち
てくる。
「……姫さま、とりあえずこちらへ。雨に打たれると身体に悪いですから」
 きつい言葉を投げかけてしまった罪悪感から、クリフトはまともにアリ
ーナの顔も見れなくなってしまっていた。そっけなくそう言うとアリーナ
に後をついてくるよう促し、教会へと向かって歩き始めた。


772:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/06 11:31:37 CSKC99DK0
支援?

773:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/06 18:45:12 FA9awGWC0
506氏ktkr

774:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/06 20:20:26 ve+em5GVO
506さんきたー!!!
っと、END.じゃないからまだ続きがある…のかな?

775:7/8(506)
07/10/06 22:09:36 H72x171W0
 様々な感情に飲み込まれそうになる。まだまだ未熟な精神の海に立つざ
わざわとした波風をクリフトはどうすることもできない。ただひたすら冷
たくアリーナに接するのみ。
 あの日、あの夜、城の城壁で…想いを押さえ切れなかったことが悔やま
れた。もっともっと自分が人間として、また神官として成熟していたら、
アリーナへの想いはただただひっそりと心の一番奥底に潜ませて、ずっと
彼女のそばに仕えることができただろうに。アリーナの幸せを近いところ
で見守ることができたはずなのに。もちろん、その残酷さに打ちのめされ
そうにもなっただろうけれど。
 様々なことを思い巡らせるうち、クリフトの歩みは知らぬ間にどんどん
と早くなっていたらしい。背後にアリーナの気配を感じられず、はっとし
て振り向くとふたりの間にはかなりの距離ができてしまっていた。歩幅の
全く違うアリーナは一生懸命追いつこうとクリフトの後をついて歩いて
きている。
 自分のことで精一杯になってしまっていたあまりにアリーナのことを
全く気遣えないでいた自分を歯がゆく思いながら、逆戻りをしてアリーナ
に近づこうとクリフトは身体の向きを変えた。
「……姫さまッ!」
 ゆるやかな細い坂道を登るアリーナの脚が折れ、小さな身体が大きく傾
く。赤い巻き毛が跳ねるように弧を描いた後、乾いた大地を舐めた。
「姫さま!」
 倒れてしまったアリーナのところへ戻ろうとクリフトが駆け出す。アリ
ーナの元へクリフトがたどり着くよりも前に、彼女は3つの人影に取り囲
まれた。



776:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/06 22:21:29 kvv8msNl0
506さんキタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!☆

そして支援。

777:8/8(506)
07/10/06 22:44:11 H72x171W0
「クリフト! 姫様をどこか安全な場所へ案内せい! このままでは風
邪をお召しになられる」
 アリーナのそばに駆け寄った人物のうち、一番小柄な者がクリフトに向
かってそのように声を掛けた。クリフトの表情が変わる。老齢だとわかる
そのしゃがれたような声はまさに、クリフトが幼少の頃より世話になって
きたブライの声だった。
「ブライ様…?」
「何をぼけっとしておるのじゃ! 早くせいと言うておろうに!」
「は、はいっ! こちらへ……」
 アリーナと同じく旅装束に身を包んだブライ。ブライが連れていたふた
りの男にも見覚えがある。制服を着ていないため初めはピンとこなかった
が、彼らはサントハイム城の兵士だ。
 アリーナはひとりで来たと言った。しかし今クリフトの目の前にはお供
とされる人物が3人。頭の中が整理できない。クリフトは妙な焦燥感に苛まれる。疑問符ばかりが浮かぶも、答えが見出せない。
 兵士のひとりがアリーナの身体を横抱きにして抱えあげた。クリフトの
記憶の中にはいつでも笑顔で、桜色に染まっていたアリーナ頬。今は血の
気が引いたように青く、大粒の雨が無情なまでに打ちつけられていた。
 


                          End.


778:506
07/10/06 22:47:02 H72x171W0
すいません。途中で書き込めなくなりました。
忘れた頃に今更、て感じで更にすいませんですorz



779:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/07 12:48:43 rnGahTEW0
506さんキターーー!!!
もう忘れ去られているかと思っていただけにうれしいぜ!!
そして、この先が気になるんだぜ!
このまましばらく置いておかれたら辛いんだぜ!

780:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/07 17:50:16 8u24+FX40
506さんがキ
        タ
         ァ
          ァ
          ァ
           ァ
          ァ
          ァ
         ァ
        ァ
        ァ
         ァ
         ァ
      ヽ\  //
        ∧∧ 。
       ゚ (゚∀゚)っ ゚
        (っノ
         `J

そして早速続きが気になる欲しがりやのアタシ…いつまでも待ってます。

781:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/07 20:34:20 I6evyWMB0
506さん、GJ!
ずーーっと待ってました!
続き楽しみにしています。

782:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/10/07 23:39:01 zDJUrtjBO
ああっ。
更に続きが気になる展開にっ!

506さんGJです!


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