07/01/20 22:17:57 Rw984DoM0
ちと乗り遅れたが、谷口ジローはどうだろう
「プロデューサー、あなたも歌をやっているんでしょう」
「・・・やっている」
「歌は好きですか？」
「さあ・・・どうかな。千早は？」
「私・・・？」
「・・・まだわかりません。この歳になってもわからない、本当のところは。それでどうなんですか、プロデューサーは。どうして歌を歌うんですか？」
「正直・・・よくわからない。あの天海春香は、そこに歌があるからだって言ったらしいが」
「違います」
「・・・・・・違う？」
「違います。少なくとも私は。そこに歌があったからじゃない。ここに、私がいるからです。
私にはこれしかなかった・・・これしかないから歌をやっているんです。
なにかをしていないと、自分が壊れてしまいそうだった。だからがむしゃらに歌を歌った」
「あれは・・・麻薬ですね」
「・・・麻薬？」
「そう。一度ステージで歌を歌ったら、そこであれを味わったら、日常なんてぬるま湯みたいなものです」
「私をしっかり見てください。私が逃げ出さないように」