06/08/04 10:20:37 NR4fB6C1
また材料は思いがけないところにある場合もある。
スーパーの安売りで「ニンニク詰め放題」なるものがあったが、その中からアシュリーが
不気味に震える明らかにニンニクとは違う植物をビニール袋に入れていた。
2階の書庫で調べてみれば「マンドラゴラ」と言うもので、作用はこうなる。
「生で食すれば人体に眠る力を極限まで引き出し、一時的に気分が高揚する。
ただしこの作用によって凶暴な獣に挑みかかり、身を滅ぼしたものは数知れない。」
こんなものを気づかずに袋に詰めていた赤鼻のヒゲの男が心配である。
材料の中には条件つきのものだってある。
たとえば「満月の夜に殺された雄牛の右の角」だとか「月と太陽の光を一ヶ月浴び続けた水晶玉」、
「コウモリの中の貝殻」などという訳のわからないものや挙句の果てに
「十人の既婚の男に踏まれた馬糞」などというとんでもないものまである。
無論蔵書の中から抜き出したもののため、信用するかどうかは自分次第である。
材料集めには一部の仲間が協力しており、団体で各地をうろついている。
団体名は「アシュリー&レッド親衛隊」だそうだ。
手に入れるのは簡単だが色々大変そうな材料として「人の精液」というのがある。
「これを集める作業は2人には任せられない」と言ってさっき述べた親衛隊が集めているようだ。
当然のことながら精液を集めるということは夢魔のサキュバスまがいの事をするということであり、
眠っている男の部屋に忍び込み、隙を狙ってフラスコに精液を集めるのだ。
彼らに聞いたところ「そんな厳しい仕事でもないぞ。」とのことだった。だが私は絶対にしたくない。
この話はここで終わりである。次は調合のことについて話していきたいと思う。
それでは、また。