06/08/29 01:28:39 HEGSp20r
長い、キモい、設定滅茶苦茶。でも私は謝らない。
深夜だし、埋め中ということで許して。
200×年。桐条グループラボ。
大勢の研究員たちが慌しく働く中、桐条武治はガラス越しに、
大掛かりな計器と、その隣で目を閉じて横たわる愛娘・美鶴を見つめていた。
弱弱しい白い肌に、幼さの残る小さな体。計器から出る何本ものチューブが繋がれたその姿は痛々しさすら感じさせる。
研究員「影時間終了時刻を過ぎました、が、・・・駄目です!
目視確認、および計器のデータからも、お嬢様にペルソナ発現の形跡は認められません」
武治「・・・ああ、そのようだな」
ガラス越しの父の声は、美鶴には届かない。
しかし、大きな安堵とそして微かな失望を滲ませたその表情に、美鶴の小さな胸は微かに痛む。
美鶴「また、私はお父様の役に立てなかったんだ・・・」
美鶴が中学に入学すると同時に、武治は自分の父が行った忌まわしい計画の全容を美鶴に話した。
武治「父が何をしたかったのかは、今となってはもう分からない。しかし、桐条の犯した罪は桐条が償わなければ。
わかるな、美鶴?」
美鶴「・・・はい、お父様」
武治「影時間の中を自由に動き回るシャドウに対抗するには、同じく影時間に活動する適性、
そして人を超えるもう一つの人格・ペルソナの発現が不可欠だ。
美鶴。なんとしてもペルソナを発現させるのだ」
幼い娘に言い放つ武治。その日から美鶴は、ペルソナ発現の実験体として桐条のラボに入ることとなった。
影時間への適応は、影時間の存在を認識することで容易に可能となる。(注)
しかしペルソナ能力は誰にでも目覚めるものではない。
桐条グループが長い年月と巨額の費用、そして多くの犠牲を払って突き止めたことは、
何らかのきっかけによって子供が召喚する、その際に召喚器を用いることで召喚の可能性は飛躍的に上がる、
という2点でしかなかった。(注)
そのような曖昧な情報だけで実験を繰り返さねばならない不毛な日々。
美鶴には改良を加えたさまざまな召喚器が試されたが、ペルソナが目覚める兆候はいまだ見られなかった。
武治「やはり駄目か。美鶴には適性がないということなのか・・・」
研究員「社長。ご決断くだされば、すぐにでも強制召喚器の準備はできますが・・・」
武治「! 私の娘を薬漬けの廃人にしろと言うのか?!」
研究員「い、いえ、そんな。しかしこれだけの設備と人的資源を投入しておきながら結果が出ないままというのも・・・」
武治「くっ!」
そう。武治は迷っていた。一夜、また一夜、実験が終わるたびに感じるのは、
愛する娘を危険な戦地へ送り込む日が先延ばしになったという安堵だけではなかった。
不毛な実験を繰り返しているのではないかという迷い、このままでは研究員たちの士気が持たないという焦り、
そして何より、結果の出ない実験を繰り返し日に日に衰弱していく美鶴の姿・・・
武治「もういっそ強制召喚器を使ってしまえば、皆が楽になれるのだろうか?・・・」
自分が何気なく漏らした言葉にあわてて首を振る武治。しかしその否定は、以前ほど強い調子ではなくなっていた。
実験が終わり、ベッドに横たわったままラボから医療病棟へと移される美鶴。
朦朧とする意識の中で、聞き覚えのある話し声が聞こえてくる。
幾月「そうか、反対されたか」
研究員「ええ。・・・正直、扱いにくい被験体ですよ。社長の娘では思い切ったこともできませんからね」
幾月「自重しろ。誰に聞かれているかわからんぞ?」
研究員「しかしこのままでは何一つ研究は進みません」
幾月「・・・ふむ、では少し事態を動かしてみるか」
どこまで聞こえていたのか、すでに美鶴は深い眠りへと落ちていた。
続く
注)ごめん、本当はどうだったっけ?
>>982
見れネエww