ペルソナ3の桐条美鶴はりえりえ会長カワイイ part6at GAMECHARA
ペルソナ3の桐条美鶴はりえりえ会長カワイイ part6 - 暇つぶし2ch342:名無したんはエロカワイイ
06/08/23 03:48:02 fRDsrwQq
2008年春。父が亡くなった。僕に残されたのは、
権力争いの坩堝と化した島津グループ(婚約者の名字ってことでよろしく)と、
僕と使用人だけで住むにはいささか広すぎる家、
そして小さい頃から面倒を見てくれた爺やだけだった。

会社内部の腐った内部抗争がひと段落つく頃には、
あれほどの力を誇った島津グループの経営力はすでに磐石とは言えなくなっていた。
そんな時、重役の蛯原が目を付けたのが、同じく会社のトップを失い求心力が急落していた桐条グループ。
そして桐条の娘と僕との政略結婚だったのだ。

島津隆一郎(仮)「まったく、ふざけた話だ!2回りも歳の離れた娘との結婚だと?!時代錯誤にもほどがある!」
爺や「坊ちゃま・・・」
隆一郎「それよりもふざけているのは、あの蛯原なんぞの言いなりにならなければならない僕の不甲斐なさだよ!
父も父さ。始めから僕を正式な後継者と決めて、生前から内外に示しておいてくれれば
こんな無様な事態にはならなかったはずなのに。本当に、最後まで優柔不断な人だよ!」
爺や「・・・坊ちゃま、着きましたよ。ここが月光館学園でございます」
隆一郎「ふん、感動のご対面というわけかい?」

今日、桐条の娘と初の顔合わせをすることになっていた。
車の中でその娘がやってくるのを待つ。とんだ茶番だ。
どうにもイライラして、本日何本目かわからないタバコに火をつける。
これから女子高生が入ってくるのだから、タバコは控えるべきか? ふん、知ったことか。
それにしても、僕は何をこんなにイライラしているんだ?
傀儡であることにはすでに慣れきったはずだ。グループの未来もどうでもいいことだ。
それに、現役の女子高生と合法的に結ばれるんだぞ?なんて素晴らしくできの悪いハッピーエンド!
・・・などという下卑た発想をすぐに頭から振り払う。
相手は2回りも下だぞ。てんで子供じゃないか。

そうだな、イライラの原因はわかりきっている。
自分の人生が常に誰かの意図によって動かされてきたこと。そしてそれに抗うことのできない自分自身。
では、桐条の娘はどうなんだろう?
それまでの高校生としての生活もあっただろうに、突然の婚約話。
家のために全てを諦めたのだろうか? それとも・・・

と、車のドアが開いて、一人の少女が入ってきた。
美鶴「お待たせして申し訳ございません。桐条美鶴と申します」


息が止まるかと思った。
意志の強さがにじみ出ているかのような真っ直ぐな眼差し。ほんのり色づいた赤い唇。
透明な白い肌。流れるような赤い髪。凛とした声。
いや、いくら言葉を重ねても空虚に空回りするだけだ。そう、ただ一言、彼女は「完璧」だった。
無意識のうちに、しかし急いでタバコの火を消し、そんな自分に苦笑する。
隆一郎「いや、こちらも今きたばかりだ」
おいおい、なんて陳腐な台詞だ。そんな自分にまたしても苦笑する。
隆一郎「初めまして。僕が島津隆一郎です」
何か手持ち無沙汰で、手など差し出してしまった。まったく、握手などする場面か?
しかし律儀に握手に応じようとする彼女。
と、その手がかすかに震えているのが目に入った。
視線を彼女の顔に移す。
そこにあるのは、怯えや戸惑いを微塵も感じさせない強い決意の表情。その気丈さも好ましい。

隆一郎「これから、よろしく」

僕たちは握手を交わした。

>続く


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