06/03/09 17:34:06 wvVuMOMY
まさか、自分にあんな映画のヒーローのような体験のチャンスが巡ってくるとは、その時は夢にも思わなかった。
夜の繁華街の裏路地で、私はたまたまその事件現場に遭遇してしまったのだ。
「やめてください、お願いですから・・・」哀願するダンサーを取り囲むように
「いいじゃねぇかぁ、少しくらいつきあってくれてもよう!」と、3人のバーサーカー。
「・・・やめないか、悪党。」思わず、口をついで出てしまった挑発の文句。もう後には引けない。
逆上する3人のバーサーカー。ナイフを手にしたやつもいる。
ならば・・・と、私は左手で、頭からヅラを取り外す。
「ヅラキック!」私はすかさず、正面のナイフを持ったバーサーカーの鳩尾に蹴りを叩き込む。悶絶し、倒れるバーサーカー。
「ヅラ裏拳!」返す右拳を、唖然とするモヒカン頭の顔面に叩き込む。鼻の骨が砕け、昏倒する。
「ヅラエルボー!」もう一人のバーサーカーの頭蓋骨を砕く。
「ヅラチョップ!」残るひとりの頚動脈を断ち切る。
一撃必殺。
一瞬にして、私を取り囲むように倒れ悶絶する血ダルマが4つできあがった。
「次からは、相手を見て喧嘩を売ることだな・・・。」
返り血で真っ赤に染まったヅラを拭き取りながらそっと、私に勝利をくれたヅラにつぶやいた。
「被っててよかった、カツラさん。」