06/03/14 23:28:42 TkAGWH4Z
沈黙を破り、リーダーの男が思い出したように部下へ指示を出した。
「あぁそうだ。ヘリまで運ぶ前に検査しなくちゃな。みんな、彼女の服を脱がせ
。」
ナガセは突然の展開に戸惑った。
「ちょ…なにするのよ！」
いつもは軍人の顔で隠れているナガセの女の面が、反射的に出た。
「悪いね、規則なんだ。武器やら発信機やら持ち込まれちゃ困るだろ？よし、上
着だ。」
ナガセは抵抗した…が、腕は掴まれて動かない。いつの間にか足も押さえられて
いる。
「ちょっとまっ…！」
フライトスーツのファスナーが下ろされ、腕を掴んでいる二人がジャケットを脱
がせた。まさか雪山でタンクトップ姿になるとは思っていなかった。
「イイねぇイイねぇ」
例の敵兵が下心を隠しもせずナガセを見ている。
「…」
「よし。異常ないな。次は…」
その時だった。突然、男が現れた。
「よくやった小隊長。」
「は！中隊長殿。」
中隊長…筋肉質で強そうな男の視線の先には、タンクトップ姿で両腕と足を押さ
えられているナガセがいた。
「彼女がラーズグリーズか。いい身体をしているな。小隊長、ここを離れなさい
。」
「は…しかし…」
「ラーズグリーズを抱けば、いい自慢話になる」
「え…はぁ、しかし…」
「本国に渡す前、今しかチャンスはない。」
小隊長は諦めたように、部下に命令した。
「中隊長の命令だ。みんな、一時撤退だ。」「ちぇ。いいとこなのに。」
ナガセは焦った。
（冗談じゃない。誰がこんなオヤジと…しかもこの雪山で…）
しかし無常にも、手足が自由になったと同時に、ナガセは中隊長に押し倒された
。
「いや…ぁ…」