05/10/09 10:21:48 uNWzR6FV
>>227の続き
くしゃくしゃ。
春香の頭を撫でてやった。
「あの、プロデューサーさん」
「なんだ、春香?」
「その…それで、さっきのつ、続きは…」
「春香、すまん。さっきはつい勢いで……」
「どうして、謝るんですか?」
「それは、、俺が春香のプロデューサーだからだ。この世界に身を置く以上、犯してはならないタブーがある」
俺の言葉が終わらないうちに、春香は
「好きになっちゃいけないってことですか?」
「春香」
春香の腕に力がこもる。
「私の最初のファンになってくださったのは、プロデューサーさんですよね?あの時の言葉…嘘だなんて言わせません、私」
「嘘じゃない」
「だったら!」
「好きだよ、春香。好きだからダメなんだ。今は」
「芸能界の掟って…そんなに大切なんですか?何よりも、一番大事?」
「さっきも言ったじゃないか。春香を一番大事に思っているって」
「プロデューサーさん…」
「プロデューサーに求められる冷静さや客観性、、アイドルとの適切な距離を保てなくなってしまう」
「そ、それは、確かに……」
「掟だからじゃない。俺が、わかっているからだ。もし今、一線を越えてしまったら…俺はもう春香のプロデューサーではいられなくなる」
春香の腕から力が抜けていく。
今度は俺が春香を強く抱きしめる。
「あっ」
「春香。俺の夢なんだ。俺の我が儘なんだよ、これは」
「どういうことですか?」
「他の娘じゃダメなんだ。俺が本当にプロデュースしたいのは―夢を一緒に追いかけて、叶えさせてやりたいのは、春香だから」
「だから、、だから今は許してくれないか?」