05/09/03 00:07:20 Eh6qta78
無駄に喋っては不利、と考えたいつきは開始早々口数が減った。
しばらく沈黙が続いた後、先に口を開いたのは政宗のほうだ。
「『いつきにござりまする。よしなに』・・・言ってみな」
「・・・・・・いつきに、ご、ござりま」
まで早口で言おうとして軽く舌をかみ、いつきは涙目で政宗を睨みつけた。
「大丈夫か・・・ちぃ-と難しかったようだな」
「・・・言える」
元来いつきは負けず嫌いである。政宗とてそれを知っている。
(Ha! かかったな・・・)
政宗のペースに巻き込んで、ぼろを出させようという作戦である。
「い、いーつーきに、ごーざーりまーすーる」
いつきは慎重に、一文字づつのばして発音していった。
語尾に「おじゃー」や「ほわー」が付きそうな口調に
(お前は義元か)
と心の中で突っ込みを入れた政宗であった。