05/08/19 01:44:51 I11W5ALY
――――――――――――――
何故だろう、空ろな表情で何事か思いを巡らすいつきから目が離せなかった。
白い肌、肩にかかる濡れた髪、さっき自分に触れたであろう唇。
その全てに吸いつけられるように、いつきを見ていた。
湯気の中にいる息苦しさとその暖気で、眩暈のような感覚を覚える。
それは多分、蘭丸の中に生じた熱のせいでもあった。
突然にいつきが苦しげな表情を見せ、湯の中に身を投じた時、
蘭丸ははっと我にかえり、岩陰から飛び出していた。
――――――――――――――