05/08/10 12:35:55 h8/m3Ie+
ただ白いだけの世界。無数の弓矢がけたたましい虫の声のように鳴り響く。
血と刃の嵐の中を、少年は走っていた。
お手製である近距離専用の矢をすばやくつがえ、おびえた農民たちに向かって容赦なく射続ける。
戦う意思を失った農民たちは切り捨てるように薙ぎ払われ、白い大地を赤く染めてゆく。
視界の中の動くモノすべてを殺し尽くした時、少年に達成感とは違う、別の感情が湧き上がった。
「彼女の仲間を、殺してしまった」
殺したことに対する後悔の念を、自分が感じるなど信じられない。
感じてはいけない。
あの方の命なのだから。
森蘭丸に迷いなど無い。いや、無いはずだった。
彼女が、現れるまでは。
遅れてスンマセン。 長くなりそうなんで、いったん切ります。