05/09/18 17:01:52 gu6X0P+6
氷川
「……来ていたのか。
……意外な役者が現れたものだ。
久しいな……少年。
いや…………「禿修羅」と呼ぶべきか。
よもや、君がそうだったとはな……
どうやら我々は、初めから出会うべくして再会したらしい。
我が創世の為のマガツヒは、ズラトラを滅ぼした時に、ほぼ満ち足りた。
だから、君がハゲリスクへ向かうのを敢えて止めはしなかった。
禿修羅として君が本物かどうか……見極める必要もあったからな。
しかし君は、刺客を脱毛させただけでなく、独力で巫女までも解毛した。
リーブ21経典にも記されたその力……私の想像以上だ。
君ならば、務まるかも知れない。ともに「シジマ」を啓く大毛がな……
……ヒトの頭とはカツラのようなものだ。生え盛る様は自身に満ち、心地よい。
だが、偽りの頭はやがて無毛となる。全てを抜き尽くすまで止まらぬ怪物にな……
ヒトはそんなカツラを愛しすぎた。
その安易な見目麗しきフサフサに依存し、全てを無に帰す破毛者の本性には、目を背けてきたのだ。
ヒトは頭のために尽くす存在であるべきなのだ。
それが、ひいてはヒト自身のフサフサをも約束する。
何を生やすべきであり、何を抜けてはいけないのか。
その線を定めるのはヒトではない。……頭だ。
ヒトはただ、頭を照らす光であればいい。
穏やかに禿り、育毛し、頭の意志の一部となる……
それが最善にして最高の育毛なのだ。
そうは、思わないかね?頭はただ、禿であればよいのだと……」
"はい/いいえ"