アグリアス様に萌えるスレ Part30at FF
アグリアス様に萌えるスレ Part30 - 暇つぶし2ch505:ラムザのお人形 1/6 ◆WVAHnGXcls
06/12/19 20:26:57 nBNunmbF0

※これは某ゲームのパロディです。元ネタ知らなくても楽しめるのでご安心を。

とある街とある宿、ラムザの部屋にアグリアスが訪れた。
「ラムザ。部隊の装備品の件で話が……ラムザ?」
机の上で何かを布巾で磨いていたラムザは、アグリアスの呼びかけに気づき振り向いた。
「あ、アグリアスさん。何か御用ですか?」
「ああ。装備品の件なのだが、真言を使えるラファとマラークの武器は後回しにして、
 今は儲け話を円滑に進められるようラッド、アリシア、ラヴィアンの装備を優先―。
 さっきから気になっていたのだが、それは何だ?」
ラムザが手放さず持っている人型のそれをそれを見てアグリアスは言った。
するとラムザは少し照れながらそれにバンザイのポーズを取らせた。
「お人形ですよ。久し振りに手入れしようと思って、綺麗に拭いていたところです」
それは木彫りの人形だったが、人の形を成しているだけでずいぶんとお粗末な出来だった。
胴体に丸い頭が乗っかり、手足は一応の関節をつけてはいるが、どうにも荒削りだ、
これといった装飾も無く、顔もどっちが前でどっちが後ろか解らない有様。
「少年が騎士の人形で遊んでいる姿を見た事はあるが、何だかずいぶん適当な作りだな」
「はは……仕方ありませんよ。士官学校に入る前のディリータが作った物ですから」
「む……あの男がか?」
アグリアスにとってはオヴェリアをさらおうとした印象の悪い男だったが、
ラムザからわずかに漏れ聞いた話で妹を亡くした可哀想な男らしいと知っていた。
そして、ラムザの幼馴染みだという事も。
「誕生日プレゼントを贈るお金が無いからって、一生懸命作ってくれて……。
 兄上や父上からもらった衣装や雅な剣より、この人形の方がずっと嬉しかったです」
「……そうか…………」

506:ラムザのお人形 2/6 ◆WVAHnGXcls
06/12/19 20:27:32 nBNunmbF0
懐かしさに浸るラムザを見て、自分では立ち入れない世界をアグリアスは感じた。
ラムザは人形をそっと机に置いて、アグリアスと向き直った。
「それで、ええと、ラッド達の装備でしたっけ。そうですね、検討してみます。
 でもアグリアスさんに新しい強い剣を用意したいですし、
 それとそろそろエクスポーションとフェニックスの尾の補給も必要ですから」
「そうか……解った。それと私の武器なら、できれば……」
「ラムザ、ラッド、いるか?」
アグリアスの言葉をさえぎって、部屋の戸が開きムスタディオが飛び込んできた。
ラムザは視線をムスタディオへと向けて「何だい?」と微笑む。
「ラムザだけか。悪いんだけど、ちょっと来てくれないか?」
「何かあったのか?」
「ボコの具合が悪いんだ。今、ラヴィアンがなだめてるんだけど……。
 こういうのはラムザの方が知識あるだろ? ちょっと診てやってくれないかな」
「解った、すぐ行くよ。アグリアスさんはここで待ってて、話の続きを聞くから」
「ああ、解った」
うなずくアグリアスを見て、ラムザはムスタディオと一緒に部屋を出て行った。
一人残されたアグリアスは、ふと机の上に置いてある人形に視線を向ける。
「あの男の手作りか……ふむ、どれ」
持ち上げてじっくり観察してみる。士官学校に入る前のプレゼントという事は、
その時の年齢も推察でき、年齢を考えればそれほど悪くない出来に見えてくる。
「ふむ……手足も一応動くのか。首も回るのだな……」
カシャカシャともてあそんでるうちに、何ともいえない感情が込み上げてきた。
アグリアスは人形にお辞儀をさせて声を裏返して言う。
「コンニチハ、僕ラムザクン」
そうやると何とも愛嬌たっぷりに見えてくるから不思議だ。

507:ラムザのお人形 3/6 ◆WVAHnGXcls
06/12/19 20:28:09 nBNunmbF0
そしてふと、思い出す。こないだ鉄巨人労働八号が動き出した姿を。
「どれ……鉄球変形ー! なぁんて……」

ボキン。
コト。
コロコロコロ……。

「…………はぁぁぁっ!? く、首がぁぁぁっ!」
テーブルの上に転がった首を慌てて拾い上げ、アグリアスは元の場所に押し込んだ。
「だ、大丈夫だ。こんな物、こうして押し込めば……!」
コロリ。
「押し込めば……」
コロリンコ。
「…………」

―誕生日プレゼントを贈るお金が無いからって、一生懸命作ってくれて……。
―この人形の方がずっと嬉しかったです。

人形を抱えて青ざめるアグリアス。
「いかん……いかんぞこれは……何とかして元に戻さねば……」
ラムザが戻ってくる前に。と、慌ててアグリアスは部屋を駆け出し、自室に戻った。
「のり、のりはどこだ。確かここに……あった。接着合体ー!」
ガシーン!
「これでよし!」

508:ラムザのお人形 4/6 ◆WVAHnGXcls
06/12/19 20:28:41 nBNunmbF0
「何がよろしいんですか? アグリアス様」
と、部屋に入ってくるアリシア。
「ぬはーっ!? いいい、いや、何でもない」
人形を背中に隠し、アグリアスは冷や汗を思いっきりかいた。
「そうですか? 何だか様子が変ですけど……」
「変じゃないっ」
「何かあったんですか?」
「何もないっ」
「はぁ……」
アグリアスに押し切られ、アリシアは眉根を寄せてしまう。
何とかこの場から脱出せねばならない。アグリアスの脳は現在フル回転だ。
「あ、そうそうアグリアス様。私達の装備の件、どうなりました?
 儲け話部隊とはいえ、やっぱりちゃんとした装備がないとつらいんですよ。
 この前だって刃の通じない巨大な白虎と戦って……。
 ラッドがリヴァイアサンで押し流したら、幸い逃げていってくれましたけど」
「あ、ああ。結局退治できなかったという例の儲け話か。難儀だったな。
 様々な状況に対処できるよう柔軟な装備を整えるよう私からラムザに言っておく」
「さっき言いに行ったんじゃないですか?」
「も、もう一度言いに行くのだ!」
アリシアに背中を隠したまま、アグリアスは部屋から飛び出して行った。
そしてラムザの部屋に戻り、ドアを閉めるのも忘れ机に一直線に向かい、人形をそっと置く。
「よし、完璧だ!」
「何がだよ」
ラッドがベッドに腰かけていた。
「は、はうあー!? ららら、ラッド、いつからそこに!?」
「いつって……ついさっきだよ。ラムザの奴どこ行ったんだ?
 それに今お前が持ってきたのは何だよ。……あん? 人形かそりゃ?」
ベッドから起き上がり、机までやって来たラッドは乱暴な手つきで人形を持ち上げる。

509:ラムザのお人形 5/6 ◆WVAHnGXcls
06/12/19 20:29:13 nBNunmbF0
「はわっ!? らら、ラッド、もう少し丁寧に……」
「騎士様がお人形遊びか? 女の子らしいところもあるもんだな。
 ……ん、こりゃ素人の手作りだな。懐かしい、俺も作った事があるぜ。
 間接のところで苦労したんだよなぁ、例えば首なんか、こう……」
「ただいまー。ボコは足に棘が刺さってただけでし……」

ミシッ。
コト。
コロコロ…………。

開けっ放しにされていたドアから部屋に笑顔で入ってくるラムザ。
それとほぼ同時に首が転げ落ちる人形。
全身を凍りつかせるアグリアス。
転げ落ちた人形の首を見るラッド。
「何だ、取れたぞ……」
「あ、あ、ああ~……」
人形の惨状を見てラムザがうめき声を出し、瞳を潤ませた。
それを見てラッドは人形の持ち主が誰だか気づく。
「これラムザのか? いい歳こいてこんな人形後生大事に持ってんじゃ……」
「疾風! 地烈斬!」
ドンッ、とラッドの足元が弾け飛んだ。
「あわびゅ!?」
ラッドの手から人形がテーブルに落ちる。
ラムザは闘気をみなぎらせながらラッドへと歩み寄った。
「波動撃!」
「ぐぼげ!?」
腹部に強烈な気の一撃を喰らい悶絶するラッド。
「連続拳!」
「ぎゃぶほあっ!?」
顔に、胸に、腹に、手に、足に、ラムザの鉄拳が乱舞する。

510:ラムザのお人形 6/6 ◆WVAHnGXcls
06/12/19 20:29:48 nBNunmbF0
「ららら、ラムザ。そ、それくらいにしてやった方が……」
「裏回し拳!」
今度は遠心力を乗せた一撃をラッドのテンプルに打ち込み、ぶち倒すラムザ。
倒れたラッドに馬乗りになると、胸倉を掴んで引っ張り上げ、顔面にパンチパンチエルボー。
「虚栄の闇を払い、真実なる姿現せ、あるがままに!」
「ら、ラムザー! それはやめ……」
「アルテマ!」
「ぐげあぁっ!!」
悲鳴を上げて破滅の光の中に消えるラッドとラムザ。
距離が近すぎてラムサも巻き添えを受ける大惨事となったのだった。
そして事件のすべてを知るアグリアスは、今さら言うに言い出せずひたすら二人にケアルガを唱えた。

―後日。とある街とある宿、ラッドがアグリアスの部屋を訪れた。
「アグリアス、ちょっと来い」
「……はい」
ラッドの言葉に従順に従うアグリアスを見て、アリシアとラヴィアンは目を丸くした。
そしてアグリアスはラッドに宿の裏口まで連れてこられる。
「さて、俺が何を言いたいか解ってるな?」
「……うむ」
「首の取れ方が不自然だった。何かのりでくっつけてあったような感じでよぉ」
「…………うむ」
「……お前だろ、壊したの」
「……………………そうです」
ガクリとうなだれるアグリアス、降参のサインだ。それを見てラッドはため息をついた。
「俺の装備に呪縛刀二本とシーフの帽子とブレイサーを回せ」
「そ、そんな高価な品は、ちょっと……」
「回せ」
「……はい」
こうして事件はラッドが泥をかぶる形で解決したのだった。

   お し ま い

511:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/19 22:09:16 AFIYaKkd0
相変わらず仕事の早い行く人氏乙であります。
ラムザ容赦ねぇなww
実は人形壊したのはラッドじゃなくてアグたんだと知ったらどうするんだろうか。

512:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/19 22:19:19 bt13tNTx0
んで元ネタって何ですか

513:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/19 22:27:35 6f3JZp8p0
>512
デスクリムゾンていうゲームだよ。

514:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/19 22:40:02 Gp9WKjzyO
>>511
そりゃお前、キッツイお仕置きが待ってるんだろ
性的な意味で

515:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/19 23:09:50 BTcCRpjBO
せっかくだから俺はこの堅物のアグリアスを選ぶぜ

516:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/19 23:15:13 +WN/BZEF0
>この前だって刃の通じない巨大な白虎と戦って……。
>ラッドがリヴァイアサンで押し流したら、幸い逃げていってくれましたけど
どう見てもムティカパですwwwこの後ラムザがオイデゲーをするのかwww

517:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/19 23:18:23 C1H8rrEq0
俺もよく消防時代は友達のガンプラの股関節をヘシ折っちゃったもんだ。

518:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 01:19:10 o9fKM7kl0
キンキンカンキン!こどものこ~ろの夢~は~色あせない~らくが~k(ry

丁度そのシーンをゲームでやってたとこだからハゲワロス

519:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 14:16:46 JW4zFdPv0
>>515
何を言ってるんだ
アグたんは柔らかくてフワフワなんだぜ?

520:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 15:08:35 dRPt0odg0
アグたんのとろけるおっぱい

521:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 18:32:41 cUQWmL0A0
アグリアスさんのおっぱいに顔をうずめて頬をスリスリするのがアグスレ住人の夢。

522:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 18:50:54 wt1Ss/8u0
>>521
おれは
アグリアスさんのおっぱいに顔をうずめて頬をスリスリしているラムザを見て
汎用女キャラにおっぱいに顔を埋めさせて~と迫って殴られるのが夢です

523:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 19:15:20 nHSbwdHaO
>>521
俺は離れた所から見てるだけでいいや

524:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 19:18:28 dRPt0odg0
アグたんの体臭スーハー・・・

525:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 22:30:39 M1w8otqr0
…加齢臭

526:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 22:32:09 VLxHlYWS0
>>525
メリアドール乙

527:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 22:39:00 wt1Ss/8u0
むしろラファ?

528:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 22:49:06 LpyFWk8YO
ウチのアグさんはシャンタージュの香りが取れなくなっている気がする

529:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/20 22:54:34 FcmitKCT0
元ネタはうたわれるもののトウカだろ?
コレ
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)

530:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 00:18:38 1uXrbUdV0
じゃ元ネタはデスクリムゾンで

531:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 12:25:48 KF6+jZzH0
なんで声ヲタって、声話になると必ず穴子推奨すんだろ。
元々のキャライメージや、物語の空気ぶち壊して冷めさせるだけじゃん。
いつも出てきて、きめぇよ。

532:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 13:46:51 qpUnnKvM0
いつの話してんだよ。
スレの空気ぶち壊すだけじゃん。
急に出てきて、きめぇよ。

533:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 15:00:14 HFS5P28v0
>>529
今日届いたDVDでそれのアニメ版を見たぜ。
ハクオロの愉快な行動をアグたんに置き換える事で二度楽しめたw

534:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 17:28:51 KGyYwf08O
ハクオロ→ラムザ、トウカ→アグでも一切問題が生じない気がするのが恐ろしい
ムスタ防壁とかな

535:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 17:46:30 bSeEsavkO
カウボーイビバップのヴィシャスとか、マジでカッコイイんだけどなぁ…>若本
日本刀&美形つながりでエルムドア…は流石に狙い過ぎかw

536:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 17:46:44 897USVEo0
>>532
それだけ声オタは罪深いんだよ

537:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 18:38:53 NWutOaBQO
行く人氏乙であります!てっきり慌てたアグが急いで首をくっつけ直すもうっかり背中向きなってて犯行が露見する流れだと思ってたら…ラッド。・゚・(ノД`)・゚・。

538:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 18:53:08 SATmdlHw0
うひょー。
遅レスだが行く人さん、乙!
ラムザの切れっぷりに笑いました。

539:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 21:00:42 kSR8GnT60
実はアグたんが犯人だと分かったらラムザに何をされるか・・・

540:行く人 ◆WVAHnGXcls
06/12/21 21:01:35 RIESAdpb0
>>534
>ムスタ防壁とかな
もー、そういう事を言うー。

541:盗み食いとかしちゃいけません 1/7
06/12/21 21:02:08 RIESAdpb0

※これも某ゲーム、つか『うたわれるもの』のパロです。

とある街とある宿。
アグリアス・オークスは宿にある庭で剣の鍛錬をしていた。
当然消耗する。体力とか消耗する。するとお腹が空く。
「むっ……小腹が空いたな。何か食べる物はないか……」
今日泊まっている宿はまさに『泊まる事』のみに特化した宿であり、
食堂や酒場の類は一切置いていない小さな宿だった。
「誰か、何か持ってないか……」
たかが小腹が空いた程度で隊の保存食に手を出す訳にもいかず、
アグリアスは自室に戻りアリシアとラヴィアンに訊ねてみた。
「お酒ならありますけど、肴はちょっと切らしてますねぇ」
「むう、そうか……アリシアは何か持っていないか?」
「いいえ。でも、ラッドなら色々溜め込んでますから、何かあるはずです。頼んでみては?」
「ラッドか……まあ頼んでみよう」
言われてラッドとムスタディオの泊まる部屋に行ってみるアグリアス。
ノックを一回、直後中からドシャッと大きな音がしたのでアグリアスは部屋に踏み込んだ。
「どうした!?」
「あ、アグリアスか……驚かすなよ」
そこには鞄を引っくり返して中身をぶちまけているムスタディオの姿があった。
「荷物の整理でもしていたのか? ……おい、それはラッドの鞄だろう」
「いや、ちょっと小腹が空いてな……ラッドがいないもんだから、ちょっと無断で拝借しようと」
「まったく、お前という奴は……ラッドはいないのか?」
「俺もさっき部屋に戻ってきたんだけど、そん時にはもうラッドはいなかったぜ。
 ……おっ、食べ物はっけ~ん。ちまきとかいう異国の食べ物だ。いただきまーす」
笹の葉を解きちまきを食べるムスタディオを見てアグリアスは眉を釣り上げた。

542:盗み食いとかしちゃいけません 2/7
06/12/21 21:02:40 RIESAdpb0
「おい、了解もなく勝手に……」
「アグリアスも食うか?」
差し出されて、小腹がクゥと空腹を訴える。
「むっ……見慣れぬ食べ物だな。これは米を使っているのか?」
どんな味がするんだろう。好奇心がふっと湧いて出て、空腹感を後押しする。
「……まあこんな物のひとつやふたつで怒るほど狭量ではあるまい」
そう言ってムスタディオからちまきを受け取り、食するアグリアス。
「どうだ? いけるだろ」
「うむ……これはなかなか。ちょっと酸っぱいのがいいアクセントになって……」
ミシッ、ミシッ、ミシッ。
「ムッ!?」
廊下の足音に気づき、ムスタディオは窓を開けて外側にぶら下がった。
「ムスタディオ?」
「アグリアスも!」
切迫した物言いについ釣られてアグリアスも窓の外側にぶら下がった。
二階の高さだから、注意して飛び降りれば少し足が痛い程度だろう。
ガチャリ、扉が開く音がする。
「ムスタディオ、いねーのか? ……何だ、俺の荷物が……」
アグリアスとムスタディオは指を震わせながら窓に張りつき、ラッドの声に耳を傾ける。
(なあムスタディオ。たかがおやつを食ったくらいで、なぜ隠れねばならんのだ?)
(いや、なんかヤバイと思ってつい……)
(正直に勝手に食った事を謝ればいいだろうに……)
(まあ、そうなんだけど……つい……)
「あれ? ちまきがねーぞ」
ラッドの声にビクンと反応する二人。怒るかな、怒らないかな。ドキドキ。

543:盗み食いとかしちゃいけません 3/7
06/12/21 21:03:12 RIESAdpb0
「ムスタディオの奴がつまみ食いでもしやがったのか?」
(ピンポン大正解。正確にはアグリアスも一緒だけどな)
(お前の甘言が無ければつまみ食いなどと……)
「ったく。あれ腐りかけてたから、俺以外のやわな連中の腹じゃもたねぇぞ……下痢確定だな」
(えっ、何か酸っぱいと思ってたら……)
(うそ、腐りかけ……?)
ショックで窓から手を離してしまう二人。
ヒュー、ドシン。高ハイトから落下した二人は尻餅をついてダメージを受けた。
その衝撃が下腹部を強く揺さぶる。
「あぐぅっ!?」
「こ、この落下の衝撃とは異なる痛みは……」
グキュルキュルキュ~。
二人の腹が悲鳴を上げた。
「い、いかん。トイレ、トイレに行かねば!」
「お、おうっ!」
腹を抱えてひいこら言いながら二人は宿屋の正面入口に回り、
男女兼用の宿屋に唯一無二のトイレの戸に"ほぼ"同時に手をかけた。
脂汗をかきながら睨み合うアグリアスとムスタディオ。
「……悪いなムスタディオ、先に使わせてもらうぞ」
「ちょっと待てアグリアス、俺の方がちょっとだけ早かったぞ」
「そんな事はない、私の方が早かった」
「鈍足のホーリーナイトに俺が遅れを取る訳ねぇだろ」
二人の視線がぶつかり火花を散らす。
「貴様はレディーファーストという言葉を知らんのか」
「男女差別反対! 何て言うかもー男女の立場逆転するくらいの勢いじゃん現代日本!」
「そんな遠い異国の事など知るか! 漢字知ってるからって日本文化に迎合しておらんぞ!」

544:盗み食いとかしちゃいけません 4/7
06/12/21 21:04:16 RIESAdpb0
もう言葉では解決しない。同時にそう悟る二人。
アグリアスは剣を抜いた、ムスタディオは銃の撃鉄を起こした。
殺気、鋭い殺気が互いの身を切り刻む。
眼が獣のように野性味を増し、しかし狩人のような冷徹さをも持った鋭い眼差しになる。
「うおおおおおっ!」
「でやああああっ!」
同時に叫ぶ二人。

グ~キュルキュルキュ~。

「あぐぅぅぅぅっ!」
「はおぉぉぉぉっ!」
同時に叫ぶ二人、二回目。
「い、いかん……今剣を振るったら……」
「今、発砲したらその衝撃で……」
同時に言う二人。
『堕ちる』
ゴクリ。二人はうなずき合った。
「と、とにかく武力的解決は避けよう……」
「同感だ、そ、それでトイレの優先権だが……」
と、そこに。
ゴロゴロゴロゴロゴロ。
「アグリアスさん、ムスタディオ、危な~い!」
ラムザの声と騒音に振り向く二人。
迫る鉄球。
「労働八号に待機を命じたら丸くなっちゃって、この宿傾いてるみたいでー!」
人より大きな労働八号。丸まっても廊下を埋めるだけの横幅あります。逃げ場無し。
今、あんなもんにぶつかったら間違いなく、堕ちる!

545:盗み食いとかしちゃいけません 5/7
06/12/21 21:04:55 RIESAdpb0
最悪の未来を想像し顔面蒼白になる二人。
「くっ……こうなったら! 命脈は無常にして惜しむるべからず……」
「アグリアス! 聖剣技で止めてくれるんだな!?」
アグリアスはムスタディオの両肩を掴み、転がってくる労働八号の方へと突き出した。
「葬る!」
「ちょっ」

「ムスタ防壁!」

ムスタディオの背中を蹴飛ばして労働八号にぶつける。
アグ蹴りによる背中からの衝撃+労八体当たりによる腹筋への衝撃=堕。
労働八号はムスタディオという障害物に衝突し、
宿屋の微妙な傾斜を解決し見事労働八号は止まった、ムスタディオの腹の上で。
「ぐ、ぐえぇぇぇ……」
か細い悲鳴とともにヒクヒクと痙攣するムスタディオと、漂う異臭。
アグリアスはあえて鼻を押さえず、瞳に涙を浮かべた。
「すまぬ、この犠牲無駄には……」
異臭のせいでムスタディオの介抱に戸惑いを見せるラムザを捨て置き、
アグリアスはトイレの戸に手をかけた。
ガチャッ。
「……む?」
ガチャガチャ。
「…………あれ?」
ガッチャガッチャガッチャ。
「………………ええぇ!?」
鍵がかかっている。
「の、ノックしてもしもぉ~し! ど、どなたですか!? トイレにいるのは誰!?
 ででで、できれば早目に出ていただけると助かるんですけど!」

546:盗み食いとかしちゃいけません 6/7 
06/12/21 21:05:27 RIESAdpb0
アグリアス必死の嘆願に、後ろから声。
「あ、すみません。さっきトイレ使った時……」
振り向く。ムスタディオと労働八号を挟んだ向こうでラムザが申し訳なさそうな顔をしていた。
「ドア開けるの面倒くさくてテレポで入って、鍵閉めて、そのままテレポで出ちゃいました」
「……という事は、このトイレは……無人」
顔面蒼白の上、脂汗を滝のように流し出すアグリアス。
「ら、ラムザ! テレポで出入りしていたのなら、お前が中に入って鍵を開けてくれ!」
「あ、はい」
テレポをして姿を消すラムザ。
テレポをしてその場に現れるラムザ。
「……すみません。ちょっとここからトイレまで距離があって難しいみたいで……」
「な、ならばもっとこっちに近寄ってテレポを……」
「でも、何かムスタディオから変な異臭がするし……近寄りたくないです」
「ららら、ラムザぁ。た、頼むから……」
「それよりムスタディオをこのまま放っておく訳にも……。
 ちょっとそっちから労働八号を押してもらえませんか?
 そっちに押すとアグリアスさんまで潰れちゃうし」
「そ、そんな……労働八号を押そうとして踏ん張ったりしたら……。
 ろ、労働八号! 動け、自力で動いてそこからどけ!」
「システムエラー! 再起動ノタメ一時間ホド機能ヲ停止シマス!」
「労働八号ー!?」
動かぬ労働八号を前に、開かぬトイレの戸を後ろに呆然とするアグリアス。

ぐきゅ~きゅるきゅる。

お腹が悲鳴を上げる。アグリアスも悲鳴を上げる。
「あっ、あぐ…………あああぁぁぁぁぁぁっ!!」

547:盗み食いとかしちゃいけません 7/7
06/12/21 21:05:59 RIESAdpb0
その日、蹴破られたトイレのドアの弁償代をラムザは支払う事となった。
そしてアグリアスは……ドアを蹴破った拍子に少し致してしまいまして、
半泣きになりながら洗濯をし、風呂屋へと赴くのだった。

―後日。
「ラッド。うまいケーキが手に入ったのだ、食わんか?」
「おお、たまには気が利くじゃねぇか騎士さんよぉ」
ムスタディオの提案でアグリアスは賞味期限が完全に切れたケーキをラッドに渡した。
そして先日必死に習得したテレポを使い鈍足問題を解決すると同時に、
トイレの中に入り鍵を閉めそのままテレポでトイレから出て、
ムスタディオと一緒にラッドの様子を観察した。
ラッドは宿のロビーで見張りをしながら読書を続けている。
「……一向にトイレに行こうとせんぞ」
「……しかも平然としていやがる。おいアグリアス、本当にあのケーキ賞味期限切れてたのか?」
「もちろんだ。嘘だと思うなら食ってみろ」
「クソッ、作戦練り直しだ。今度は賞味期限なんて生温い事言ってないで下剤入れようぜ下剤。
 ほれ、アグリアスも食え。このケーキは安全だ」
「そのようだな。モグモグ……うむ、うまい」
と、そこに宿の二階から降りてきてラッドに話しかけるラムザ。
「ラッド。処分しようと思ってた期限切れの保存食が無くなってるんだけど、知らない?」
「ああ、俺が処分しといた」
「捨てておいてくれたのかい?」
「いや、もったいないから食った。俺腐ってる物とか平気だし」
「相変わらずだなぁラッドは……」
二人の話を聞き、アグリアスとムスタディオは顔を見合わせ、腹部に手を当てた。

ぐきゅるきゅるきゅ~。

   Fin

548:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 21:57:39 6YV6Iyvf0
GJ!

>鈍足のホーリーナイトに俺が遅れを取る訳ねぇだろ

笑ったwアグリアスのmove3はもはやチャームポイントだなw

549:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 22:40:15 HQGvcMWb0
> =堕。

超端的な表現に吹いたwwwGJw

550:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 23:14:39 WwhbQSgsO
こんなに微笑ましいスカトロ劇を、僕は初めてみたよ

551:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 23:36:50 6jcaoC770
アグリアスって性格キツそーだよね。

552:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/21 23:43:28 V84f9sFY0
俺の中で
うたわれるもの=スカトロ
になった。

553:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 00:05:36 LRDAbhDi0
>>551
だが、それがいい

554:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 00:39:48 RGDrV6qyO
>>541-548乙&GJ!!!新しい自分に目覚めてしまいそうになった

555:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 00:54:46 awLzQiZ20
FFTリメイクのムービー、結構あるらしいな。
アグたんもたくさん出るといいねぇ。
例のオープニングらしきムービーでの登場だけだったら泣くぞ・・・。

556:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 00:55:33 pjmNjPfQO
正しくうんこたれるもの

557:屋根裏散歩士 ◆0MKMjdfW.M
06/12/22 01:22:47 DafOyHVO0
>>475
>>555

戦闘中のセリフをまとめて冒頭でムービーにしてくれたらなと妄想しております。
例えばゴルゴラルダだと


編成画面→アグやムス太の在不在で違うムービーのフラグ→

ガフとニセオヴェリアのいるところにラムザたちが駆けつける~
招待をあらわしたガフとラムザのやりとりでラムザの出自がばれる~
「私はお前を信じる!」

というふうに戦闘画面前にムービーにしてもってきてほしいと思っていたのです。
「ならば私が護ってみせる!」も戦闘中だし。



個人的にこのシーンはジークデンと対になっている気がしてならないのです。
ディリータの「アルガスの次は、おまえの番だッ!!」のセリフといい、
ラムザの名乗っている姓がかわることといい。

558:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 01:23:48 DKy3r+df0
追加シナリオがきっとあると胸をときめかせているのは俺だけではあるまい

559:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 01:31:55 Q6Y8Dyts0
あーあるといいね、アグリアスとかアグリアスとかアグリアスとかED後の話とか
問題は追加シナリオがさらに駄目ぽな出来じゃなきゃいい

560:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 01:42:49 2+y0mw3K0
ぶっちゃけアグリアスさんの出番ってそこで終りだからなぁ
物語の根幹にかかわってはいるが、限りなく脇役

ゼイレキレでガフと一緒に王女倒すルートとか追加されてたらどーしようw

561:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 05:03:54 0d/9FoDJ0
北天に帰還→のし上がって組織を乗っ取る→南天と教会撃破→畏国王
もちろんアグたんは殺さず妻にしてエンディングで刺されます

562:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/12/22 09:51:07 ycLBQXe40
>>532
ヲタ同士だけで死ぬまで言ってろってこった。カス


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