06/12/10 11:46:45 C/E9lSAr0
それで、だ。
かいつまんで説明すると、俺達は逆に麻薬を強奪して全部焼き捨てた。
煙を吸って麻薬業者の連中が愉快な事になってたが、風上にいた俺達にはどうでもいい事だった。
そうなった経緯、アグリアスや麻薬業者と色々とあったがよく覚えてねぇ。どうでもいい。
仕事がおじゃんになったもんで収入は無し。むしろ手裏剣とか消費して出費がかさんだ。
赤字だ。俺は悪くない、アグリアスのせいだ。
何もかもがどうでもよくて、俺は今日もムスタディオの家の屋根で寝転がる。
タバコを咥えて火を点ける。紫煙が青い空に溶ける。
結局灰色の日々は変わらない。
黒い方向に行こうとすると、白い奴が俺を灰色のところまで引きずり出しやがる。
いつか俺もあいつ等みたいに白い世界で暮らせるのだろうか。
冗談じゃない。平和を通り越して退屈な日々をただ送るなんて。
しかし、だ。
「ラッド! 今日はアリシア達と一緒に仕事に行ってもらうぞ!」
「今回の儲け話は、ちょっと男手が必要で……いいかな?」
「とゆー訳でラッド! あんたも来なさい!」
「……かったりーなぁ……」
こうして俺はアグリアスに尻を蹴られ、アリシアに手を引かれ、儲け話の仕事に行く。
タバコをふかしていると、アリシアがそれを奪った。いつもは嫌がらないのに何でだ?
抗議の視線を送ってやると、アリシアは恥ずかしげに微笑んだ。
「お互い身体に障るから……ね?」
マジかよ。
どれだけ黒い世界に帰ろうとしても、白い世界に引っ張られる。退屈な白い世界に。
空を見ると雲は青の一割を占める程度で、機工都市ゴーグは今日も晴れだった。