06/04/16 01:24:44 W22PGGK6O
激しい雨が降る中、一人の美しい女性がいた。
彼女は傘もささずに、ビショ濡れになっていた。
泣いている様だったが、雨でよく分からない。
恐らく、自分が泣いている所を人に見せたくないのだろう。
何があったのだろうかと考えながらも私は彼女にみとれてしまっていた。
少しすると彼女はこちらに気が付いたようだ。
そして、私にそっと微笑みかけてくれた。
その笑顔は死んだ娘にそっくりだった。
そっと微笑み返すと、再び彼女は微笑んでくれた。
私は彼女に近付き、何も言わず傘に入れてあげた。
彼女は一瞬驚いたようだったがすぐに笑顔を見せてくれた。
私は持っていたあんパンを差し出した。
お腹が減っていたのだろう。
彼女の目には涙がうかんでいた。
恋人に捨てられたのか・・・しかしそんなことはもうどうでもいい。
私は彼女と共に生活することにしたのだから。
ジャム著:出会い より一部要約して抜粋。