06/03/06 03:57:07 HNs/YRCjO
王女可愛すぎ!!この展開に悶えるほどGJ!
挙式イベントより「私が他人の物になっちゃっていいの・・・?」
的な展開はどうでしょう。
336:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/06 05:01:23 uJD+dB/R0
可愛いなぁ王女
王女可愛いなぁ
337:見切り発車 幕間
06/03/06 19:16:23 206F3FTg0
親愛なる妹へ
ぼくが城を出てからだいぶ経ちますが、何か変わったことはないかい?
ぼくが添い寝をしなくても寝られるようになった?
風邪を引いたり、体調を崩したなんて事がなければいいのだけれど。
この手紙は、ルプガナという港町から、こうして手紙を書いてます。
此処に辿り着くまでに、なんども危険な目に遭ったけど、
ぼくの機転と実力のお陰で、生きて辿り着くことが出来たんだ。
特にあのドラゴンの角からの海峡越え、あれは是非見せたかったよ。
みんな、風のマントをつけたぼくにしがみついちゃってね。
無事に着地した後、二人がぼくを見る視線が憧憬に満ちていて、困ってしまったよ。
此から海に出るんだけど、きっと海の魔物だってぼくの剣術のと呪文でイチコロさ。
だから、心配しないでぼくがハーゴンを倒して帰るのを楽しみに待っているんだよ。
お前の大好きな兄より
-------------
はぁ……お兄ちゃんたら、相変わらずなんだから…
でも、こんな嘘丸見えの手紙送ってきて、どういうつもりなんだろ?
苦労してないといいけど、アレンさんとナナさん。
今度訪ねて来られたときに謝っておかなきゃ………
338:見切り発車 米
06/03/06 19:18:14 206F3FTg0
サマルの影が薄くなっていたのはわたしも気になっていたので、
発見されたサマルの手紙を公開します。
最後のは妹のぼやきです。
339:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/06 21:18:55 +5YuG1Gr0
ちょwwww妹もモエスwwww
340:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/06 21:51:51 ZTw5ixDn0
>ぼくが添い寝をしなくても寝られるようになった?
ちょっとまてこらサマルwwww
341:YANA 78-1
06/03/06 22:21:26 DEb4rurn0
『拝啓 母さん、私たちはもしかして、ガライさんにからかわれたのでしょうか?
それともガライさん自身、その情報が嘘である事を知らなかったとか?
私とゴドーは今、ラダトームに戻り、お城を探索しています。というのも、ガライさんの情報では、
太陽の石はラダトーム城に保管されているとのことだからです。
しかし、お城のあらゆる場所を探し回っているにも拘らず、それらしきものの影さえ見受けられません…』
カン、カン、カン…
「うー…見つけたと思ったんだけどな。こんな分かりにくいとこに階段が見えたから、今度こそって」
「地下のおっさんも知らなかった…これ以上の隠し場所があるってことか…?ふーむ…」
「ねぇ、もしかしてガライさん、勘違いとかしてたんじゃないかな?」
「だが、雨雲の杖はちゃんといわれた場所にあっただろ」
「そうなんだけどさ…」
わーーーーーーっ!
「「!」」
「聴こえた?」
「ああ。行くぞ」
・ ・ ・
「「「「クエエエエエエッ!!」」」」
「わわわわわっ!つ、ついてこないでよ~っ!」
バサッ、バサッ、バサッ
「はっ、はっ、はっ…わっ!!」
ガッ、ズザーーーーッ
「クエエエッ!」
「ひ…」
ザンッッッ
342:YANA 78-2
06/03/06 22:22:09 DEb4rurn0
「クエッ!?」
「え…」
「次!!せいっ!」
ザクンッッ
「クゥッ!」
「二人とも、伏せて!!」
「!来いッ!」
「!?ひゃっ!」
ガバッ
「マヒャドッッッ!!」
ビュウウウウウゥゥゥゥッッッッッ
「「!!!」」
ビキビキビキッッッ
「ミッションコンプリート、ってね」
「わ~…ありがとうございます」
「やれやれ。…おまえ、何やってるんだ、こんなところで。町の外は魔物だらけなのは知ってるだろ」
「はぁ…そうなんですが…」
・ ・ ・
「「魔物退治の特訓?」」
「はい…」
「………どう見ても逃げてるようにしか見えなかったんだが。これは俺の目が悪いのか」
「あはは…はぁ。そうなんです。僕、アルムっていいます。実はラダトームの新米の兵士なんですけど…お城でも一番弱くて。
だから、特訓してるんですけど…実戦になると、強い魔物ばっかりで、数も多いし、どうしても逃げちゃうんです…」
「まぁ、確かに、この辺りの魔物はちょっと戦闘初心者の手には余るかもね」
「だが、実戦ってのはそんなもんだ。怖いんなら、兵士なんてやめたらどうだ」
「そ、それはダメです!!」
「む…」
「みんな、ゾーマの影に怯えて、萎縮して、絶望しています。僕よりずっとずっと強いはずの、他の兵士さんたちも、
いざ魔王が本気になれば、こんな城や町なんて、あっという間に滅ぼされてしまうって…」
343:YANA 78-3
06/03/06 22:22:40 DEb4rurn0
「………」
「………」
「僕は、そんなのいやです。だから、弱くても、何の抵抗もしないでみんなを殺されるなんていやだから…」
「…ふぅ。まぁ、好きにすればいいさ」
「あの!」
「ん?」
「先ほどの戦いぶり、お見事でした!あなたの実力を見込んで、お願いがあるんです!」
「なんだよ」
「僕に、戦いを教えてくださいっ!!」
「え、えぇっ!?」
「いやだ」
「って即答!?ちょっと、考えてあげるくらいしないわけ!?」
「そこを、なんとか!」
「別に、意地悪でいってるわけじゃねぇ。単に、俺の戦い方がおまえに向いてないだけだ。
人に合わせた戦い方を教えてやれるほど、俺は器用じゃねぇしな。おまえ、敵の攻撃を真っ向から受ける覚悟があるか?」
「う…」
「さっきはたまたま、奴らの注意がおまえに向いてたから無傷で倒せた。
だが俺の本来の戦いは、肉を切らせて骨を断つやり方だ。度胸とタフさのない奴が真似したらあの世行きだぞ」
「………」
「でも」
「え?」
「戦い方を見て、何が不味いか見てやるくらいは出来る」
「!」
「じゃあ…!」
ザッ
「…殺す気でかまわん、全力でかかって来い」
「あ、ありがとうございます!」
「もう…こういうやり方しか出来ないのかしら、こいつは」
344:YANA 78-4
06/03/06 22:23:17 DEb4rurn0
・ ・ ・
~三十分後~
「………」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「………おまえ、ほんっっっっっっっとに弱いな」
「うぅ…」
「ちょ、ゴドー、もう少し他の言い方ないの?」
「じゃあ、採点よろしく」
「………………目一杯おまけして、20点」
「………」
ズゥゥゥン
「あ、ご、ごめんね、アルム君!」
「ほらみろ、どう見ても一般人並じゃねぇか。緊張して剣の握りがガチガチ、太刀筋は迷いっぱなし、身体能力は平凡、
そもそも本人が全力で切り込む根性なし。これなら九歳の時の俺のほうが強かったぞ」
「…すみません」
「………ただ、一つ気になるところがある」
「はい?」
「どうしたの?」
「おまえ、俺のどこを狙って切り込んできた?」
「?」
「はい…えっと…怒らないで、聞いてくれますか?」
「ああ。約束しよう」
「…腿と、股間の関節の辺りに」
「…やっぱりな。おまえ、一応、いわれた通り全力で殺りにきたらしいな」
「す、すすす、すみません!命の恩人に失礼とは思ったのですが、殺す気で来い、との指示でしたので…!」
「???なに、どういうこと?あたしにも分かるように説明しなさいよ」
「ん?ああ、普通、対人戦で切りかかるっていうと上半身を狙うことが多いよな?」
「うん」
345:YANA 78-5
06/03/06 22:25:16 DEb4rurn0
「だけど、こいつ、どうも俺の下半身ばっかり狙ってきてたみたいなんで、おかしいと思ってたんだ」
「?確かに狙いにくいといえばそうだけど、下半身を狙うとなんなのよ」
「いいか?こいつが狙ってきた部分…股関節は、人体の致命的な急所であり、死角でもあるんだ。どういうことかわかるか?」
「ううん。…そうなの?アルム君」
「はい。そこはですね、深い傷が入ると、たくさん血が出て、危ないんです。
あと、なんていうか…狙われると、すごく、避けづらいんです」
「ボキャ貧な解説だが…成る程、一応の性質は理解してるらしい」
「す、すみません」
「じゃ、あんた解説してよ」
「いいけど。…まず、人体で一番自由に動かせるのが、肩関節。こいつは球関節っていう種類の関節で、
更に関節窩(わ)っていう関節の嵌りが浅いから、とにかく可動率が高い」
「「………」」
「で、股関節も同じ球関節なんだが、こっちは体重を支えるためか関節窩が深い。だから肩ほどの自由度がなく、
移動や攻撃の瞬間なんかに狙われると避けにくい。踏ん張りが利かないからな、下手にかわすと」
「「………………」」
「で、性質の悪いことに、ここには…えーっと、なんていったかな、とにかく結構重要な血管が通ってて、傷むとかなり不味い。
俺も、攻撃中ここだけは狙われねぇようにいつも祈ってる。幸い魔物どもにそんな知恵は…どうした?」
「ごめん、もういい。私が悪うございました」
「す、すごいです!言葉の意味はよくわかりませんけど、すごく的確なことをいっている気がします!」
「おまえら………まぁ、とにかく。俺もここを狙われるなんて初めての経験だ。
もしおまえに相応の力量があったら、ちょっと梃子摺るかもな」
「そんなこと…」
「で、気になったんだよ。なんでおまえが、ソレを知ってるのか」
「あ、はい。僕は、勇気もなくて、実力も大した事ないから…せめて、自分の体や、魔物のことを調べて、
その性質に沿った戦いができたら、少しはマシかな、って、思って…書物を漁ったり、自分の怪我の経験を書き溜めたり」
「で、これか。…だが実践する根性がないんじゃな」
「…すみません」
346:YANA 78-6
06/03/06 22:26:04 DEb4rurn0
「ま、得意なことがあるんだ。あとは実戦で慣れるだけだろ。努力次第で伸びるんじゃねぇか?」
「ありがとうございます!」
「それまで死ななければ、の話だがな」
「あう…」
「ゴドー、一言多い」
「ふん。…さて、長居したが、そろそろ行くか」
「あ、待ってください!何か、お礼を」
「ん?いや、別に気にするな」
「いえ、駄目です!命を助けられ、修行までつけていただいて、何もお返しできないなんて!」
「そういわれてもな…」
「…あ、ゴドー。アルム君なら、何か知ってるかも?」
「あぁ?いやだが、こいつ新米だろう?そんな、ラダトームの古くからの宝を知ってるとは思えねぇんだが」
「何でしょう?何か、探し物でしょうか?協力させてください!」
「ん…じゃあ、一応聞くけど。おまえ、太陽の石って、知らないか?城にあるはずなんだけど」
「太陽の石、ですか?」
「話によると、真っ赤な水晶の玉らしいんだが…」
「はぁ…」
「…知るわけないよな」
「もしかして、アレの事かもしれませんね」
「「は?」」
・ ・ ・
~ラダトーム城、台所~
「いいですか?いきますよ?」
「「………」」
「えい」
ギッ
「わわ!?か、壁が回転した!?」
「隠し部屋…?」
「ははっ、とにかく中の階段を上ってください」
347:YANA 78-7
06/03/06 22:26:39 DEb4rurn0
「うわ、凄い本…これ、全部例の調べ物の…?」
「はい。こつこつ運び込んでたら、こんなんになっちゃいまして」
「ここはおまえの寝室か。なんでまた、こんなところに?」
「あはは。僕、新入りの中でも特別弱くて。お城の警護も任せてもらえないで、代わりに雑用の仕事なんかもやってるんです。
で、台所も近いし、丁度空いてたのを偶然見つけたんで、王様に許可をもらって間借りさせてもらってます。
一人部屋なんで、本を溜めても他の兵士さんに迷惑はかかりませんし」
「これを偶然見つけたのか…?どういう運だ、まったく」
「僕、昔から悪運が強いんですよ…っと、これですね」
ゴソゴソ、ポンッ
「これが…太陽の石?」
「わかりませんよ?僕が初めて部屋に来た時…ほら、そこに二つ、炎が燃えてるじゃないですか?
あれ、何をやっても燃え上がることも消えることもないんです。その二つの炎の間の宝箱に、保管されてたんです。
持ってると暖かいんで、寒い日はゆたんぽ代わりに使ってますけど」
「じ、神器をゆたんぽに…」
「いやぁ、おまえもしかしたら、将来大物になるかも知れねぇな」
「はい?」
「じゃあ、悪いけど、こいつはもらっていく。…城の連中には、すまないが上手く言っておいてくれ」
「大丈夫ですよ、皆さん、その石どころか、この部屋の存在すら忘れてたみたいですから」
「ん。わかった。…それと、まぁ、頑張れよ。俺は駄目だけど、その内いい師匠が見つかるといいな」
「はい!」
『母さん、二つ目の神器が手に入り、残すは聖なる守りのみとなりました。
そうしたら、あとはルビス様を助けて…決着の日は、着々と近づいています。 敬具』
348:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/06 22:31:23 ZTw5ixDn0
YANA氏の文章、戦闘描写が出るたびに思うんですけど戦いや人体に関する含蓄が
すごいなぁと思います。
どこで学んでくるんですか、そんなこと!?
349:暇潰し
06/03/06 23:55:07 pXbrcnMS0
皆さん乙です
YANAさんはアルム君のように勉強家なんだろうなぁ
とか思いつつ・・・
さて自分の作品ですが、考えた結果このスレに投下することにしました
「このスレが好き」という自分のわがままで決めてしまいました
反対意見ありましたら容赦なく言ってください
ツンデレは何とか頑張ります
が、あの主人公にツンデレはキツそうです。ごめんなさい
萌えるツンデレは見切り発車さんに期待w
それでは改めてよろしくお願いします
・・・・・作品タイトルでも決めたいなぁ
350:暇潰し
06/03/06 23:58:00 pXbrcnMS0
夜――アリアハンで迎える初めての夜である。
真理奈は夜中に目を覚ましてしまった。
ここは宿屋2階のベッドの上。
横にはスライムが「ピー・・・ピー・・・」と寝息をかいている。
微かに笑った後、ベッドを抜け出して窓を開け、窓枠に腰掛ける。
まったく静かな夜である。
家屋の軒先には明かりの炎が焚かれているが、空の色を変えたりする程ではない。
視線を少し上げると、数ケ所に設置されている、民家と同じく小さい炎の中に浮かび上がるお城が見える。
夜空に浮かぶお城というと不気味に聞こえるが、決して威圧感を与えるような風景ではない。
時々運ばれてくる風に髪を揺らされ、どこか懐かしいような香りを感じる。
そして真理奈は自分の家の事を思う。
母親は心配していないだろうか、と。
いやあの母親では逆に、帰った時に怒られるのを心配した方がいいかもしれないが・・・
(携帯繋がらないかな・・・?)
ふとそう思い、携帯を取り出してみる。
・・・・・・・・圏外だ。
(そりゃ当たり前か)
諦めの表情に苦笑を浮かべる。と、携帯が鳴り出した。
♪♪♪あの虹を~
「はいはいはい!もしもし?!」慌てて出る。
「ルビスです。ありがとうございました」
「あんたね~!!」大声で怒鳴ってから、はっとする。
・・・良かった。スライムは起きなかったようだ。
「あなたには申し訳ないと思っています。しかし、これしか時間も方法も無かったのです」
「はいはい、そ~ですか」投げやりに答え、窓の外に目を戻す。
351:暇潰し
06/03/07 00:00:16 pXbrcnMS0
「で?もう帰してくれるの?」
「・・・それはまだできません。この世界を救って下さい。そうすればあなたの世界に帰します」
「随分な条件だこと!」
「お願いするしかありません。私の力は、あの力には及ばないのです」
「偉そうなくせして役立たずね~」
「・・・1通だけメールを送れるようにします。お母様によろしく」
「え?!」ツーツー・・・・
「何なのよ!」
終了ボタンを押し、画面を見ると確かにアンテナが4本立っている。
「マジ?!」
慣れた手つきで母親のアドレスを呼び出し、メール作成画面に入る。
「えーっと、えーっと・・・何て書けばいいの・・・」
迷っていると、アンテナが3本に減った。
「え?!ちょっと待ってよ・・・」カコカコカコ
【お母さんごめんなさい。何か帰れなくなっちゃった。怪我とかしたけど、心配しないで――】
「って怪我したって言ったら心配するじゃん!」
アンテナはもう1本になっている。
「こら~ルビス~!まだ終わってないんだからちょっと待て~!!」
・・・・ちょっとだけ2本に戻った。
【――ちゃんと帰るから怒らないで待ってて。真理奈】
「よし!送信!」送信完了と共に、再び圏外に戻ってしまった。
「ふぅ・・・今度から着信拒否しよっかな・・・」
少し本気で考える真理奈であった。
352:暇潰し
06/03/07 00:02:32 NXxWxYnp0
夜空を見上げると、本当に真っ暗で星が良く見えた。
あの星のどれか1つに自分の故郷があるのではないか。
そんな思いがするくらい、自分の世界が遠く感じる。
「世界を救って下さい・・・か」
昨日までそんなことを言われたこともなければ、考えたこともなかった。
真理奈の世界も色んな危機に瀕していると言えるだろう。
しかし、その危機を救おうとしているのは全人類のごく一部の人である。
ほとんどの人はその日を精一杯生きるのみである。
真理奈とてその中の1人である。
こっちの世界の危機がどんなものか知らないが、本当にそんな事ができるのだろうか。
人1人の力なんてたいしたものではない事を真理奈はよく知っている。
漫画のように何か秘めた力でもあれば可能なのかもしれないが、そんな力を持っている訳ではない。
それに「世界を救う」と言われても漠然としすぎているし、事が大きすぎてさっぱり実感が沸かない。
「これからどうなっちゃうんだろ・・・」
自分がルビスに選ばれた訳や、この世界の事、それに元の世界の事・・・
色々と知りたいことはあるが、今日のところは寝るしかなさそうだ。
使わない頭で考えすぎて疲れてしまった。
(やるしかない、か。自分の世界に帰りたいし)
ベッドに戻り、スライムを起こさないように手に乗せる。
スライムが息をする度にその体が膨らみ、しぼむ。それの繰り返し。
その緩やかなリズムによって、真理奈の心はまどろみの中に誘われる。
「おやす・・み・・・」
そんな初夜だった。
353:見切り発車
06/03/07 00:21:53 go5pv3FB0
もーなによっ!!
「余所者には船を貸さぬのがこの街のならわし。すまんのう」だってっ!!
謝るくらいなら、さっさと貸してくれれば良いのにっ。
に、似てないなんて自分でも判ってるわよっ!!!いちいち指摘しなくてもいいじゃない……
あーあ、もうどうするのよ。買うだけのお金だって持ち合わせてないでしょ?
わざわざ長い道程、踏破して漸く着いたってのに。
やっぱり時間掛かってもムーンペタで船を造らせた方が………
や、もう一度あの道を歩いて引き返すのは、遠慮したい。
……うん、そうだね。ちょっと他行って考えよーか。
徒歩で情報を集めるには限界があるから、船が欲しいのになぁ。
あーん、もうこうなったらいっそのことラリホーで眠らせている間に……
……真っ昼間から酒臭いわね………うっるさ……………
や、やめてくださいー……おねがいしますぅー………は、はなし…………
………………あんの筋肉莫迦、どーして全く後ろを気にしないかな……
か弱いお姫様が酔っぱらいに絡まれるって、ベタなイベント起こしたのにっ!
……あんたもいい加減ウザイ。それ以上付きまとうなら、港に沈めるよ?
あ、ちょっ!なに二人して走り出して………っ!!
待て、待ってっ!!えーん、待ってよぉーー……………
(タッタッタッタッタ)
354:見切り発車
06/03/07 00:32:31 go5pv3FB0
YANA氏乙。相変わらず戦闘シーンを見てると、こうなんつうか刺激されます。
だけど、わたしが戦闘シーンを書けるのは、またまた最後なのさ~。我慢我慢。
で、次が嬉し恥ずかし温泉イベントですねっ!?
せっかくだからwktkさせて貰うぜっ。
暇潰し氏乙。初夜に妄想爆発。
然も何か期待されてるしっ!?執筆係氏帰ってこないかなぁ(遠い目)
>>335
>挙式イベントより「私が他人の物になっちゃっていいの・・・?」 的な展開
というのは、王国再興しなきゃいけないのに~って感じですか?
其れだとむつかしいかもしれない、けれどまだまだ先の話にはなると思うので練ってみたいとは思います。
取り敢えず、リクエストがあれば出来る限り応えていきたいとは思いますが。
ぁ、アンタたちのために、こ、応えてる訳じゃないんだからね……っ。
そ、そうしたら面白くなるかなーって思ってやってるだけなんだからっ!!
期待なんかしたって…だ、駄目だよっ!!
355:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/07 12:38:25 TuMiXqzdO
いけない子だなぁ見切り発車は。
356:見切り発車
06/03/07 17:06:01 3nZnyeDw0
はぁはぁ、はぁはぁ……もうっ!いきなりはし…………
(ガキーン ズシャァ! ブォォォ)
……街中にグレムリン!?どーして……って考えてる暇無いわね。
二人とも、もう戦い始めてるし。
ええい、マヌーサッ!!
あんたはいつまでも、大して威力もない槍で突いてないのっ!
アイツらラリホー唱えてくるから、コナンは早くマホトーンで封じて……………
って、云ってる側から眠らされてぇぇぇぇ!!莫迦っ!
ああもう、援護いくわよっ、バギッ!!!
(ズシャズシャズシャ)
やったっ、一匹やっつけたっ!アレン、止めをっ!!
(ザシュッ!!)
ふぅー、無事倒せたね………?なにキョロキョロしてんの?
女の子がおそ……わ…れ…………
(タッタッタ ガシッ)
………ああ、この子なのね………「怖かったですわー」だって、ふんっ。
……アレンもそんなにきつく抱きしめてなくたって………もう、いい加減離れなさいよっ。
あ、ちょっとっ!何処行くのっ!?あー腰に手なんか回してぇっ!!
ねぇ、この莫迦どうするのよっ!?…こっちに気が付かない振りするな、スケベゴーグルッ!!
ああ、もうホントにどうするのよ、此……棺桶にでも入れて引き摺ろうかしら。
357:YANA 79-1
06/03/07 17:10:58 wMsb4t4/0
『拝啓 母さん、黄金の国、ジパングを覚えていますか?以前、おろちが支配していた島国です。
そのジパングから、このアレフガルドに迷い込んだという夫婦が、ここ、マイラの村に住んでいるといいます。
夫婦の評判は良好で、旦那さんの方は、なんでも刀鍛冶や道具の細工などを専門とする職人さんとかで、村で商売をしています。
で、私たちはせっかくなので、伝説の武具について何か知っているのではないか、ということで、今お邪魔しています』
「………そう、ですか。おろちは」
「ああ。俺とアリスが、ぶっ倒した」
「あの…もしよければ、私たちがジパングまでお送りしますけど…」
「お気持ちはありがたい。だが、私は、妻を生贄の役目から逃すため彼女を連れ出し、ここに行き着いた。
自分勝手な事情で故郷を捨てた、その事実は拭えません。今更、どの面を下げて戻れというのです…」
「…そうか。まぁ、無理にとはいわねぇさ」
「それに」
「ん?」
「ジパングは、まだ国だけの脅威に止まっていたからよかった。それに、今はその脅威からも解放されている。
…しかし、この世界は。世界そのものが闇と絶望に包まれ、今にも滅びようとしている」
「「………」」
「こんな世界があることを知ってしまった以上、私は放って置くことは出来ません。やっと、この村での生活にも慣れてきました。
…もう二度と…自分の住む国を、見捨てたくはないのです…!」
「…そっか。あなたも、まだ諦めてないんですね」
「え?」
「俺たちは、ゾーマを倒すために伝説の武具を探している。何か、知っていたら、協力して欲しい」
「伝説の武具?王者の剣、光の鎧、勇者の盾のことですね?それは、頼もしい!ですが…」
「ですが?」
「率直にいいますと…三つの武具は、もう二度と揃わないのです」
「…なんだって?」
「どういうことなんです!?」
「はい。…三つの武具のうち、王者の剣は…遥か昔、大魔王ゾーマの手によって、粉々に砕かれているのです」
「!」
「そいつは…周到なことだな」
358:YANA 79-2
06/03/07 17:11:35 wMsb4t4/0
「ですが、ゾーマがそれほどまでに恐れる剣…もし健在であったなら、確実に奴を倒す決め手となったでしょう。
――何しろ、奴が剣を砕くのにかけた歳月は、三年に及んだといわれています」
「すごい…」
「三つの武具は、神代の時代…アレフガルドの開闢以前から存在したといわれている神具。その力も凄まじいものでしょう。
ですが、それも過去の話…今では、剣はおろか、盾と鎧もどこにあるか…」
「………なぁ、あんた。その、三つの武具だけど。それは、あんたが見れば本物かどうか分かるか?」
「はい?それは、もう。これでも幼少の頃より職人としての技術と知識の鍛錬は、怠ったことがありません故。
日常的なものから伝説で語られるだけのものまで、あらゆる素材・鉱物を知り尽くしております。
もし一目見れば、それほどの神器、ええ、見間違うはずがありません!」
「ゴドー?どうかしたの?」
「…そうか。じゃあ、この盾を見てくれないか?」
ドンッ
「は…?」
「あ…これは」
「ある洞窟で見つけた盾だ。不思議な光を放って、俺を引き寄せた。
前々からかなり強力な力を秘めてたとは思ってたんだが…生憎、俺にはモノの真贋がわからねぇんだ」
「………」
「もしかしたら…勇者の盾じゃねぇか、って」
「………すごい。なんて綺麗なミスリルだ。流白銀をこれほどの精度で加工するなんて、
まともに石炭を使っては熱量が足りない…そうか、言い伝えでエルフが…ブツ…ブツ…石炭の選別を…」
「お~い…」
ガバッ
「うわっ」
「素晴らしい!これは間違いなく、伝承に残る勇者の盾です!」
「わ、本物だったんだ。ってことは、ゴドー、あんた伝説の武具に選ばれたってこと?」
「………む」
「…しかし、盾だけでは…やはり、せめてあと剣だけでもないと、ゾーマは」
「…あんたは、そればっかりだな」
「は…?」
「え?」
359:YANA 79-3
06/03/07 17:12:10 wMsb4t4/0
「砕けたのなら、また作ればいい。あんた鍛冶師だろ?どうしてやろうとしない?」
「…無理を言わないで下さい。王者の剣はオリハルコンの塊。だが、もはやアレフガルドに、
剣の精製に使えるほどのオリハルコンは存在しません…材料がない以上、例えどんなに技術があっても」
「ふぅん。…その、オリハルコンっていうのは、どういうモノなんだ?」
「そうですね…本来は、神々の武器を鍛えるための金属で、人間に扱うことは適わない鉱物、と聞いています。
勇者の盾の素材、ミスリルも、光の鎧の素材、ブルーメタルも大変優れた鉱物ですが、性質こそ似ていても、
鉱物の頂点に君臨するオリハルコンには一歩譲る形になるでしょう」
「………」
「人間に扱うことは適わない?…じゃあ、手に入れても作れない、ってことですか?」
「…いえ、もし。もし伝承が全て真実なら………決して不可能ではないはずd」
「似てるんだな?」
「「は?」」
「勇者の盾に、そのオリハルコンは似てるんだな?」
「はぁ…はい。そうですね、勇者の盾が自ら引き寄せたというあなたでしたら、或いはそれを肌で感じられるかも知れません」
「もしかして…」
ゴソゴソ
「「?」」
「…こいつのことか?」
ゴトンッ
「!」
「……‥純正の、オリハルコン…!?そんな、こんな巨大な結晶が…!!これをどこで!!?」
「ビンゴか。…いや、なに、ちょっとした痴話喧嘩の果てに」
ボカッ
「…何言い出すのよ」
「…すまん、口が滑った」
「?…しかし、これは…むぅ…」
「…お膳立ては、揃ったぜ」
「………」
360:YANA 79-4
06/03/07 17:13:03 wMsb4t4/0
「あんたの力を借りたい。あんたは、この世界を見捨てないといった。俺も見捨てるつもりはねぇ。
…一つ、世界の救済に手を貸してくれねぇか?」
「…無論です。勇者の盾とオリハルコン、そしてその担い手。…これほどの巡り会わせ、間違いなく生涯に一度限りでしょう。
我が職人としての全霊を懸け、最高の一振りを鍛え上げて見せます…!是非、お任せを!!」
・ ・ ・
カポーーーーーーーン
「ふにゃ~…気持ちい~」
ザパーンッ
「マイラ名物・露天風呂、か~。鍛冶屋のお兄さんのお勧めだけはあるわねー…ふぅ」
「王者の剣は必ず明日までに仕上げるって意気込んでたな。ま、とりあえずゆっくりするか」
「うんうん。こんなにのんびりお風呂に入るなんて、どれくらい、ぶ、り………!!!!!??
ゴゴゴゴゴゴドーっ!!!?何であんたがいるのよーーーーーーっ!!」
「ここ、混浴だぞ。知らなかったのか?」
「なァーーーーっ!!?」
「大丈夫。見てないから。あと風呂で騒ぐな、迷惑だ」
「ううっ…」
「…泣かんでいい、泣かんで。大人しく浸かってろ。…タオル、とれるぞ」
「!」
チャプンッ
「~~~~~~」
「落ち着いたか?」
「ずるいよ…あたしばっかり慌ててさ。これじゃあたしだけバカみたいじゃない」
「…あのな。俺だって結構恥ずかしいんだぞ。必死こいて抑えてるだけだ」
「え…そうなの?」
「………」
プイッ
「あ、今あからさまに目を逸らしたでしょ!?やっぱり嘘だぁっ!」
「バカ、おまえ、そんな上目遣いで覗き込んだら見えるだろうがっ」
「見えるって………!!?」
バチャンッ
361:YANA 79-5
06/03/07 17:13:40 wMsb4t4/0
「………」
「…えっち」
「…そっちが勝手にやったんじゃねぇか。知るか」
「ねぇ、ゴドー」
「ん?」
「ギュッてして」
「はぁ?こんな格好でか?…馬鹿いうな」
「こんな時間だし、他に誰も見てないじゃない?ね?」
「俺は、そこまで分別なしじゃねぇよ。おまえと一緒にするな。もういい、俺はあっちで温まる。付き合ってられん」
プイッ、ジャブジャブ…
「ふーん。そういうこというんだ…」
「………」
「えいっ」
ザパーンッ、バフッ
「うおっ!?」
「ほーら、観念しなさいって!」
「な、何考えてんだっ、ば、おま、当たってる当たってる!」
「あててんのよっ」
「!!…!!」
「!?…!!!」
ジャバジャバッ、ムギュッ
「あ…あれ?何これ…?なんか、変な感触が…」
「…それは俺のお稲荷さんだ」
「!!!!!いやーーーーーーーーっ!」
ギュッッッッッ
アリスのこうげき!かいしんのいちげき!
ゴドーをたおした!
362:YANA 79-6
06/03/07 17:14:18 wMsb4t4/0
※ただいま大変お見苦しい場面があったことをお詫び申し上げます。そのまま暫くお待ちください。
「………ん?」
「あ、気がついた?」
「………あれ、俺は一体?ここは…マイラの宿屋か?」
「あは、あはは、ゴドー、温泉でのぼせて倒れたのよ?もう、世話焼かせないでよね!」
「そうなのか?…すまん。…にしては、いつつ…いつになく体が痛むな…特に下半身の」
「わ~っ!!そ、それよりほら、これ見て、これ!」
「ん?…なんだそれ。笛か?」
「うん。あんたを部屋に運ぶ途中の茂みで拾ったの。ほら、今までさ、拾い物が何かの鍵になったことって、沢山あったじゃない?
これもそうかもしれない、って思って、持って来ちゃった」
「成る程。いい心がけだな」
「でしょでしょ?さ、鍛冶屋のお兄さんのところに行きましょ。剣、そろそろ、出来てる頃かもよ?」
「そうだな。…ああくそ、それにしてもいてぇな…何なんだ?」
・ ・ ・
「おはようございまー…」
「しっ!」
「わっ!」
「ぐー…ぐー…」
「…(静かにして下さい。夫が起きてしまいます)」
「(すみません…)」
「(…どうかしたのか?)」
「(ゴドーさんと、アリスさんですね?)」
「「………」」
コクン
「(話は聞いています。こちらに…)」
363:YANA 79-7
06/03/07 17:14:58 wMsb4t4/0
「こちらをお持ち下さい」
「…!これは…」
「…つい先ほど、夫が誰にも知られたくない鍛鉄を行う時にだけ使う、裏山の鍛冶場から帰ってきました。
この剣を、完成させて。これを私に手渡すと、夫は泥のように眠ってしまいました」
「………」
スッ、ヒュンッ
「…綺麗」
「すごいな…まるで違和感を感じねぇ。俺の体の一部みたいだ。これが、あの石ころだったっていうのか…?」
「生涯最高の一刀だと。夫は太鼓判を押したようです」
「そうか…ありがとう、と伝えておいてくれ」
「はい。…ですが、夫が鍛冶場に向かう時、私にあそこまで嬉しそうに剣を打つ喜びを語ったのは久しぶりです。
私は世界を救う一振りを作るのだ、この国を救う一端を担えるのだ、と、まるで子供のようにはしゃいで」
「「………」」
「夫は、辛かったのでしょう。故郷で、何人もの娘が殺されるのを、ただ指を咥えて見ているしかなかった…
なのに自分だけは、私を連れて逃げ出した。それが今、漸く、あなたという勇者に協力し、かつての弱い自分と決別できる、と」
「………よかった」
「「?」」
「そう思ってくれる心が、今の俺には一番嬉しい」
「…ゴドー?」
『母さん、気のせいでしょうか。今朝のゴドーは、その…何だか、バラモスを倒した時のそれに近い…
柔らかい笑顔を、久しぶりに見せた気がするのです。あいつの中で、一体どんな変化が起こっているのでしょう…?』
364:YANA
06/03/07 17:24:25 wMsb4t4/0
相手のデレにはツンで応え、ツンにはデレで応える、それがツンデレカップルクオリティ。
何やってんだろうね、このバカップルは。
はい、そんなわけで二番煎じ「あててんのよ」ネタです。
思いつきにしては結構上手く纏まったんじゃねぇかと(ry
>>356
ちょwwwてつのやりカワイソスwwwww
流石サマルだ、役立たずでも何ともないぜw
GJ!!
365:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/07 18:19:17 2OambF4P0
サマルの鉄の槍。それは最強武器2択の内の1つ。
366:名無しでGO!
06/03/07 20:25:41 9qJlpsp10
>>暇潰し氏
文章は面白いがやはりスレ違いと思われる
向こうでやるとよろしかろう
スレリンク(ff板)l50
変な奴も出てくるかもしれないからな
367:名無しでGO!
06/03/07 20:27:32 9qJlpsp10
変な奴→変な事を言う奴
368:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/07 21:25:03 iG7FLW7e0
バカップル最高wwwwwwwwwww
369:暇潰し
06/03/07 23:58:27 q0O+qqpa0
>>366
そうですか
では向こうに行くことにします
すいませんでした
370:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/08 00:35:21 hL/dNVfp0
>>369
内容は良かったと思うよ。
向こうに行ってもガンガレ
371:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/08 00:55:38 cngt+PBi0
YANA氏の話に挿絵が欲しくなった。ファンす
372:YANA 80-1
06/03/08 01:57:59 +okm9zcs0
ドゴォォォォォォンッ
「~~~…いったー…な、なによ今のは!?受身を取る暇もなかったじゃない!」
「おかしいな…いきなり、体があさっての方向に走り出しやがったぞ?」
「ふーむ…何か仕掛けがあったとしか思えねぇな。もう一度調べてみよう」
「どうやってよ!?あたし、また突然今みたいに塔の外に放り出されるのはイヤだからね!」
「そうならないようにやるんだろうが。どっちにしても、後戻りは出来ねぇよ」
『拝啓 母さん、私たちは今、ルビス様を助けるため、マイラの西の塔に挑んでいます。
…で。勢い込んで塔に乗り込み、階段を駆け上がり廊下を走っていたところ、突然体があらぬ方向に曲がり、
塔の淵から身投げをしてしまったのです。あまりにびっくりしたのと、地上との距離がそれほどなかったせいで受身を取りそこない、
久しぶりに地面激突を味わってしまいました…一体、どうなってるんでしょう?』
「ほっほっほっ、お若いの。ここの回転床に嵌ったようじゃの」
「え?」
「…む…爺さん、あんたは?」
「わしは単なる世話焼き爺じゃよ。それより、お若いの。おまえさんたちが踏んだのは回転床といってな、とある法則にしたがって、
踏んだ者の進行方向を歪曲してしまう仕掛けなのじゃよ。この塔の至る所に施されておる」
「え゛。あれが、沢山あるってことですか…?」
「…だが、裏を返せばその〝とある法則〟さえ見破れば突破は可能、か」
「うむ。理解が早くて感心じゃ。…ところでおぬしら、〝妖精の笛〟を持っておるかの?」
「妖精の笛?なんですか、それ」
「まぁ、いいからいいから。どうじゃの?」
「………ん?おい、アリス。もしかして、おまえがマイラの茂みで拾ったっていう…」
「へ?…あーっ!!アレ!!」
ゴソゴソッ
「おお、それじゃそれじゃ。いやいや、天はやはりルビス様を見捨ててはおらなんだようじゃな、南無南無」
「え、縁起の悪い念仏唱えないで下さい!」
「爺さん、今、ルビス様っていったか?どういうことだ?」
373:YANA 80-2
06/03/08 01:58:33 +okm9zcs0
「ふむ。この塔に挑んでいるということは、おぬしらはルビス様を助けに来たのであろう?」
「ああ」
「ならば、この塔の5階に、ルビス様の石像がある。それこそが、ルビス様ご本人が、ゾーマによって姿を変えられたモノ。
石像の前で、妖精の笛を奏でるがよい。さすれば、封印は解けようぞ」
「うわー…割と適当に言ったのに、この拾い物の笛、本当に世界を救う鍵なんだー」
「爺さん。あんた、なんでそんなことまで」
「はてなぁ…なんでかは、わしにもわからん。ただ、いずれここを訪れる勇者を待っていた。
それだけなんじゃなぁ。…ルビス様のことを、頼んだぞ、若者よ」
「ありがとう。参考になった」
「任せて下さい!」
・ ・ ・
「とはいったものの…どうする?」
「この白黒の矢印みたいなのか。さっき俺たちが踏んだのは」
「回転床、だっけ?避けて通ろうとして通れないことはないけど…」
「この先も、避けられるように設置されてるとは限らん。階が低い今のうちに克服しておいた方がいいだろ」
「同感ね。ま、落ちると分かってれば受身の取りようもあるけど…同じ道を上るのは面倒だしね」
「あっちに、お誂え向けにバリアと宝箱と回転床の部屋がある。せっかくだから向こうでやろう」
「じゃあ、俺から行くぞ。まずは慎重に」
タンッ、クイッ
「!」
バリバリバリッ
「………」
「おかえり。どう?何かわかった?」
「第一声がそれか、おまえは」
「どうせあんた、それくらいのダメージ屁でもないんでしょ。で?どうだった?」
「…床に乗るまでは、普通に歩けた。だが、あれを踏んで前に進もうとしたら、急に体が左に進みやがった」
「なるほどね。ってことは、相対的に言って、床に乗った状態で右に進もうとすれば正面に進むんじゃない?次はあたしが」
タンッ、クイッ
「え!?」
バリバリバリッ…
374:YANA 80-3
06/03/08 01:59:04 +okm9zcs0
「………いたい」
「というかおまえはトラマナを使え、馬鹿者」
「先に言ってよ、もう!…でもおっかしいな…こんなはずじゃないのに」
「………ん?おまえ、今どの床を踏んだ?」
「え?どの床って…そこの」
「…俺の踏んだ床と違うな」
「どこが?」
「ほら、見てみろ。俺が踏んだのはこっちの白い矢印がこっち側を向いてる床。
それに対しておまえが踏んだのは、白い矢印があっち側を向いてる床だ」
「あ…そういえば」
「………もしかしたら、矢印が法則性の鍵を握っているのかもしれん」
タンッ
「………」
「…(さっきのあいつの言うことも一理ある。俺が踏んだ床…そこで右に意識を傾けて…!)」
――タンッ
375:YANA 80-4
06/03/08 01:59:38 +okm9zcs0
・ ・ ・
「…今、何階だ?」
「ひぃ、ふぅ、みぃ…四階かな?」
「上に行く階段はなし。…いつもの如く、何らかの仕掛けがあると見ていいだろう」
「うん」
「だが、当面の問題は」
「あの、宝箱ね」
「………どう思う?」
「周りは手摺もない絶壁。不自然に張り出した床。通り道には回転床。
ついでにいうなら、この階にあるのはあの宝箱だけ。…何かあるわね」
「だろうな。…だが」
「それが、どうしたっていうのよ!」
タンッ
「「………(落ち着いて、意識を床に合わせる…!)」」
タンタンタンッ…タンッ
「…ふぅ。仕組みを見切ったとはいえ、結構緊張するわね」
「神経泣かせなトラップだよ、全く。さて、箱の中身を、検めさせてもらうか――」
ガチャッ
「!…よろ、い…!?」
「ただの鎧じゃねぇ…王者の剣、勇者の盾…三つ目ともなると、もう偶然では片付かん。この感じは」
「光の鎧!」
「こんなところに…ルビス様と一緒の場所に隠すとは、随分厳重なことだな。神本人と同格か」
「でも、これで、三つの武具、揃ったね」
「…あとは」
「ルビス様を助けるだけ…!!」
376:YANA 81-1
06/03/08 02:00:47 +okm9zcs0
ヒューーーーッ、ストンッ
「…思ったとおり!見て、裏口よ!」
「塔探索の基本は落ちることと見たり、か。本でも書くか?」
「バカいってないで、ほら、急ぐわよ」
「ああ」
カン、カン、カン、カン…
「…仕掛けらしいものは回転床だけ。通路はほぼ一本道」
「今までの作りとは違うな。さっきまでの真っ当な迷宮作りは、ここには何もないと思わせるためのブラフか」
「ということは」
「近いな。この先に、ルビス様がいる」
・ ・ ・
ヒュゥゥゥゥ…
「塔の5階。広間。…じゃあ、この石像が」
「冷たい場所。…こんなところに、長い間閉じ込められてたなんて…」
「…アリス?」
「ううん、大丈夫。…それより、見て。この石像」
「ん…」
「これ、ルビス様自身なんだよね?綺麗な女性(ひと)だと思わない?」
「…ま、神だしな。人間のそれとは、元々規格が違うんだろう。笛を貸してくれ。封印を」
「うん」
パシッ
「…す」
377:YANA 81-2
06/03/08 02:01:52 +okm9zcs0
♪~♪♪♪♪♪♪、♪、♪♪♪♪♪~
「………」
「………」
カッッッッ
「!」
「っ!?」
シュゥゥゥゥッ…
「…な、なに!?どうなったの?封印は!?」
「………」
―――よくぞ、封印を解いてくださいました。心より、礼を申し上げます。
「!あ…ああああ、あなたが、ルビス様…です、か?」
「はい。私は精霊ルビス。この、アレフガルドを創った者です。
どなたかは存じませんが、ゾーマの戒めから解き放ってくださって、ありがとうございます」
「そ、そんなこと…ほ、ほら!ゴドー!あんたも何かいいなさいって!」
「ん…」
「ゴドー?………!!」
「?どうか、しましたか?…ルビス、様」
「っ………いえ。何でもありません。…時に、ゴドー。あなたは、どういった経緯でここに?なぜ私の封印を?」
「地上から、ゾーマを倒しに。
そうしたら、あなたの代行者を名乗る、エイドという妖精から、世界を救う鍵はあなたが握っていると聞きました」
「エイドが…そうですか。やはり、あなたが…。
では、あなたが私のことを知ったのは、エイドに会ってからということなのですね?」
「はい。そうなります」
「………そう…そうですか。今代の、あなたは、まだ………」
「?」
378:YANA 81-3
06/03/08 02:02:37 +okm9zcs0
「え?え?え?ルビス様?」
「…すみません。私的な話は終わりです。遠路遥々、このアレフガルドまでようこそいらっしゃいました。
喜んで、力をお貸ししましょう。まずは、お礼の印に、これをあなたに差し上げます」
「…これは?」
「聖なる守り、というものです」
「「!」」
「既にご存知かもしれませんが、聖なる守りは勇者の証。太陽の石、雨雲の杖を持つ者を魔王の島へ導く紋章です」
「これが…」
「それを持って、リムルダールの南東の島へ向かって下さい。…さて。
自由になった今、私はあまり長い間現界しているわけにはまいりません。疑問や質問があれば答えます。今のうちに仰って下さい」
「では、二つだけ」
「はい」
「俺は何故、エイドに…いや、あなたに選ばれたのです?」
「――」
「エイドもイデアも、それを語ることは許されてないといっていました。しかし、あなた本人ならば」
「ごめんなさい」
「む…」
「きっと、許してはもらえないでしょう。なんて勝手なことを、とお思いでしょう。
ですが…これを語れば、私はあなたという人間を否定することになってしまう…!それだけは、なりません」
「ルビス様…」
「…わかりました」
「ゴドー、いいの?」
「少しだけ、予想してた答えだ。別段、驚きはしねぇさ」
「すみません…本当に」
「いえ。――では、もう一つの質問を。よろしいですか?」
「はい」
「――、―――?」
379:YANA 81-4
06/03/08 02:04:15 +okm9zcs0
「え…?ゴドー、それ、どういう…?」
「…どうなんです?」
「………」
「…アレフガルド、そして地上。異なる二つの世界が繋がっているのは、恐らく元々ではないでしょう。
エイドの言が真実なら、アレフガルドは裁きを受けた地上の、神の救済を受けた一部の人間だけを導いた新天地。
それが地上と繋がっているはずがありません」
「あ…」
「答えてください。――このアレフガルドは、ゾーマによって地上と繋げられたのでしょう?」
「…仰るとおりです。そしてゾーマがもし倒れれば、ギアガの大穴は閉じ…」
――地上には二度と、帰れなくなるでしょう。
「―――――」
「…そうですか」
「ごめんなさい。…私には、どうすることも出来ません。結局、あなたの役に立つ答えは、何一つできませんでしたね…」
「………」
「それどころか、あなたのせっかくの決意を揺らがせるようなことを…」
「………」
「それでもどうか。私たちに、アレフガルドに力を貸して下さい…!」
「……ゴドー?」
「………わかったよ、アリス。腹は決まった」
「え?」
「?」
「ありがとうございます、ルビス様。その答えで、決心がつきました。…チャンスは一度だけ。
この最大の障害を、俺たちの手で必ず、打ち破ってみせます」
「あ…」
………チクン
「俺たちは行きます。ルビス様、どうか、見守っていてください。…アリス」
「え…あ…うん」
380:YANA 81-5
06/03/08 02:05:08 +okm9zcs0
「………」
「辛かったら、おまえはここで降りてもいいんだぞ。今回は本当に、勝っても負けても、帰れないんだからな」
「…意地悪、いわないでよ」
「違う。そんなんじゃねぇ。…おまえは、本当に、いいんだな?」
「しつこい!あたしは、あんたと、一緒に行くのっ!!前に言ったでしょ!?あたしはあんたの行く道を見たいの。
あんたを信じてるの!ゴドーと…二人なら…なんだって…乗り、越えて、いけるんだからっ!!!」
「………」
「…そうか。わかった。これで最後だ。――行くぞ、アリス」
「ええ!」
「ゴドー、待って下さい」
「は…?」
「ゾーマに挑む前に、地上の竜の女王を訪ねてください。きっと、奴の闇の力を打ち破る力を、貸してくれるでしょう」
「…はい。助言を、感謝します」
「ありがとうございます」
「アリスさん」
381:YANA 81-6
06/03/08 02:05:58 +okm9zcs0
「はい?」
「彼と、お幸せに」
「な…!?(/////)………は、い」
「ふふっ…ゴドー」
「はい」
「いつかきっと、この恩をちゃんとした形で返したいものです。それでは…」
ヒュッ…
「ルビス様…なんだか、寂しそうだったね」
「…そうなのか?俺にはちょっと、よくわからん」
「もう…あんた、そういうのには、本当に鈍いんだから」
「どういうのだ?」
「…もういい。ほら、行きましょう!」
『母さん、去り際のルビス様、なんだか…そう。ゴドーのことを見る目が、恩人とか、勇者とか、
そういう人を見る目じゃなかったと思うんです。なんだったんでしょう…?』
382:YANA 81-7
06/03/08 02:08:16 +okm9zcs0
――ふと。以前、ゾーマがこの世界に現れた時にエイド達に伝えた、もしもの時の勇者の選定の条件を思い出す。
『遥か昔、地上に舞い降りた一人の精霊がいる。その男の血と器を持つ人間こそ、勇者の――』
その時が、来てしまったのだ。
淡い期待と、いくらかの皮肉を込めて、このような命を伝えてはみたものの…実際はどうだ。
いざ、本人を目の前にすれば、結局、何をすることも出来なかったではないか。
…仕方ないだろう。今代の彼は、あの人の記憶を持ち合わせていなかったのだから。
それでも彼は、自分自身の意志で、アレフガルドを、世界を助けるために来てくれた。
そこに私の私情と都合を押し付けて、彼が今まで歩んできた人生をふいにすることが、どうして許されよう。
精霊神となって、すでに数万年。これほどの無力感は、あの時以来か――。
私と彼が。私とディアルトが、ブラックオーブの呪いを受けた怪物と共に、魔峰オーブの火口に落ちた、あの時。
私はどれほど、自分がただの一介の精霊の娘に過ぎなかったことを呪ったか。
五大家の名が何だ。神託が何だ。そんなもの、何も出来なければ、結局は同じではないか。
地上に落ちたディアルトの血筋は、今尚そこで息づいている。
そしてエイドが選定した若者は、間違いなく彼の面影を残していた。
何を、感情的になっていたのだ、私は。自身の立場も弁えず、本能の命ずるままに動いたことが、
あの日の悲劇に繋がったことを思い出せ――!
私は精霊神。まず考えるべきは、この世界の平和なのだ。
それに今代の彼には、既に、愛しい人がいるではないか。彼は人として生きている。
ならばそこに、何万年も昔の前世の話を持ち出すなど、無粋極まる。
さあ、懐郷に浸るのはここまでだ。私は見届けなければならない。ゴドーと、世界の行く末を…。
383:YANA
06/03/08 02:12:09 +okm9zcs0
ディアルトを知らない方のために。
「精霊ルビス伝説」って小説があります。
ドラクエ3の時代からずっと昔、ルビスがまだ一介の精霊だった頃、彼女の住む精霊の世界が崩壊するときの一連の物語です。
ディアルトってのは彼女の想い人で、作中終盤では結婚します。が、その矢先、それまでも結構やばかった大地が
最後の崩壊を始め、紆余曲折あってディアルトとルビスは、ブラックオーブの呪いを受けて怪物と化した男
(こいつが後の全ての魔王のルーツであるという説もあります)と火山の火口に落ち、地上に辿り着きます。
その後、ディアルトの血筋は地上に根付き、代々勇者の称号を受け継ぐその血筋の者は、常にディアルトとしての側面を持つとか。
で、共に地上に下ったルビスは精霊神となり、大地の守り神となりました。
彼女が一人の少女として、愛する者の腕に抱かれて眠ることができるのは、善と悪の戦いが終結した時。
つまり、3の段階ではまだ、神としての役目を果たさなければならなかった、と。
目の前に愛する人の生まれ変わりが自分を助けに来てくれているのに、結ばれることが出来ない。
その心中は、さぞや辛かったのだろうなぁ、と、この事実を知った私は思ったのでした。
以上、駄文スマソ。
>>371
き、貴公にそんなことをいわれても、う、嬉しくなどないのだからな!
しかし、挿絵はなぁ…これ、基本的に状況描写がないから、何が起こってるか分かってもらえてるか心配で。
アリスにしょっちゅう説明君になってもらってますが。あればこんなに嬉しい事はないですねー。
384:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/08 02:30:40 GP6yswWj0
俺も前から挿絵欲しいなと思ってたよ
誰か絵師さんいないかな
385:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/08 08:08:06 mL+RbWqPO
>>YANA氏
GJ。ルビスはツンデレじゃなかったのか。
>>見切り発車氏
まだとても若干先の話ですが水の羽衣は「スケスケ」らしいですよ。
386:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/08 12:55:33 Ybo3WzwEO
既にそんな雰囲気じゃないことはわかってますがwwwwwww
変態仮面キター!!!!!(゚∀゚)wwwwwwwww
387:見切り発車
06/03/08 16:35:27 6uH5kEIV0
なによ、船が手に入ったんだからよかったじゃない。
ならどうして機嫌が悪いのかって………?
むー、そんなの知るわけ無いじゃないっ!!ばーかばーかばぁーかっ!!
……あの娘さんと勝手に仲良くなってればいいでしょ、わたしに構わないで。
何よ、真剣な顔して。は?訊きたいことがある?わたしじゃなきゃ駄目?
…………し、仕方ないから訊くだけ聞いてあげるわ。ほら、早く云いなさいよ。
……先程抱きつかれたときより、ドラゴンの角であてられたときのほうが柔ら………
な、なにをこん、じゃなくて、え、えっとそれは、ほら、人に因ってサイズが違うし、
色々詰める人もいるからね、あの子がどうかは知らないけど。
それにあのときは、下着のストックが切れてて其れで………
って、な、な、な、な、なっ、な、なに云わせるのよーーー!!!
ばかばかばかばかっ!!ふむそうかって、それだけかぁ!!
然もそのままさも当然のようになに道具屋に入ろうとするなっ!!ちょっと待てぇーー!!
もう、待ちなさ………あげるって、魔除けの鈴じゃない。
ああ、さっきの戦闘で。でも此あげるならさっきの場所でまだ寝ている人にあげた方が………
……お金がないから二つしか買えなかったと。で、片方は自分の分。
じゃあわたしの分をあげるから……って、駄目なの?
ふぅ、まぁ貰ったもの人にあげるのもあれかぁ。まぁいいわ、じゃあ貰っておいてあげる。
いーい?仕方なくだからね?仕方なく貰ってあげるんだから、忘れないでよっ。
………もしかして此って、よく考えたらお揃い?
ちょっとっ!自分から渡しといて赤くなるなぁ!!わたしまで恥ずかしくなるじゃない………
388:見切り発車
06/03/08 16:47:46 6uH5kEIV0
>>YANA氏
もしかして、と思ってたら本当にイデーンキタ━━(゚∀゚)━━ッ!!
魔峰オーブの麓に住まう川辺の民ですな。
ああ、然し此でゴドーがわたしの頭の中ではいのまた絵になって動いてます。
そしたらサークレットもつけてないし、ツンツン頭でもなくなりました。いや、一応尖ってたか。
ロトの装具の件もどこぞで見たような気がしてたけど、アイテム物語出典だったんですね。懐かしいなぁ。
>>302
ぐ、偶然なんだからねっ!あんたを喜ばせるためにリ、リクエストに応えたなんて、
そんなこと、な、無いんだからぁ!
389:YANA 82-1
06/03/08 19:38:25 nrHTpb+n0
『拝啓 母さん、私たちは、地上に戻ってきました。
ルビス様の助言を元に、地上の竜の女王様を訪ねるために。…かくして、お城は見つかりました。
高い、高い山に囲まれた、とても人間の足では辿り着けない山奥。
ラーミアで大空から見下ろさなければ、到底見つけることさえ適わなかったと思います。
お城に住む妖精やホビットの話では、このお城は最も天界に近い場所であり、
女王様は神の使いであるため、人間が近寄れないように作ったのだとか…。
そうして私とゴドーは、今、竜の女王様と対峙しています』
「――成る程。お話はわかりました。よもや、別世界でそのようなことが起きていたとは…」
「神様の使いでも、知らないことあるんですね」
「………」
「アリス」
「あ…ご、ごめんなさい!そんなつもりじゃ…」
「いえ。この身を病に蝕まれ、早数百年…私の千里眼も衰えるばかり。かような叱責を受けても、反論の余地もありません」
「「………」」
「全て、承知しました。貴方方に、この光の玉を授けます」
スッ…
「わ…綺麗な玉」
「これは…?」
「もしその者が魔王を名乗っているのなら、それが必ず役に立つでしょう。
貴方がたがゾーマの闇の力に阻まれた時、それを掲げなさい。闇は、その力を失うでしょう」
「ありがとうございます。それで、あなたの病は…」
「…私ももう、長くはないでしょう。死に逝くのも時間の問題。さればこそ、私はこの一命を以って、次の世に繋ぐ命を生み出します」
「次の世に繋ぐ…命?」
「ふふ…アリス。女性である貴方も、いつかその喜びを知ることが出来ましょう?」
「…!女王様…子供を!?」
「む…」
「はい。…逝く前に、私も平和のために貢献できたことを嬉しく思います。これも、主神ミトラの御意志か…。
あの世で祈っていますよ、ゴドー、アリス。この世界に、一日でも早く平和が訪れる日を…!」
ピカッッッッ
390:YANA 82-2
06/03/08 19:39:06 nrHTpb+n0
「!」
「わっ…!」
「…卵、だね」
「ああ…」
そっ…
「…温かい」
「次の世の命か。そうだな、それがあるから、世界は続いていく」
「うん」
「行こう、アリス。こいつの世話は、ここのホビットや妖精がちゃんとやるだろう」
・ ・ ・
「んー!流石にいい眺めね。地上の空、雲、風。やっぱりお日様が出てると違うわね」
「今まで気付かなかったけど、そんな当たり前がない世界を見て、初めてそのありがたみが分かった気がする」
「だね。でも…」
「………」
「ゾーマを倒したら、この世界には、もう、戻れないんだよ、ね」
「…そうだな。今のうちに、目に、焼き付けておかないとな」
「珍しいね。ゴドー、今日はなんだかすっごく素直に答えてくれる」
「俺はいつでも、素直だ」
「嘘吐き~」
ギュッ
「…む………」
…ギュッ
391:YANA 82-3
06/03/08 19:40:09 nrHTpb+n0
「にゃっ………えへへ」
「…なぁ、アリス」
「なに?」
「決戦の前にさ。おまえの村に行っていいか?」
「え?」
「最後にお袋さんの顔。見たくないのか?」
「………」
「それに、俺もおまえの故郷、見てみたいから」
「………あのね、ゴドー」
「ん?」
「…母さんには、その」
「知ってるよ。わかってる」
「え…?」
「おまえのお袋さんには、例え勝っても俺たちが帰れないこと、知らせてないんだろ?…余計なことは言わない。約束する」
「………あり、がと。わかった、いいよ。…いこっ!」
「ん。ラーミア!」
バサバサッ
「クゥゥッ」
「もう一仕事、頼むぞ」
「クゥッ!!」
『母さん、突然ですが…久しぶりにそちらに帰ります。決戦前だからっていうのも、ありますけど。
…えっと、その…母さんに、会わせたい人もいるので。 敬具』
392:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/08 19:52:58 sV6OoxRN0
>>見切り発車氏
顔を赤くするスケベゴーグルかわいいよスケベゴーグル
>>YANA氏
いきなりアリスの母君登場ですか。
やはり母君もツンデレですか?
393:見切り発車
06/03/08 22:28:45 v9rBuVFW0
思ったより立派な船ねぇ。
此だけしっかりしていれば船酔いしないかしら………?
え、関係ないの?外海に出たらどんな船でも揺れるって………
あーあ、今から気が重くなっちゃったよ……アレンのせいだからねっ!
……魔除けの鈴って船酔いも除けてくれないかな………
(チリーン)
港の中は結構静かに進むんだねー。
……わたしだって、ずっと此なら平気なのっ。もう、人のこと莫迦にしてっ。
ねぇ!あそこ!なんか人の家があるっぽいよ。行ってみない?
財宝が沈んだって云われても……何処で沈んだかも判らないのに、ねぇ?
それにお礼よりも、その財宝をくすねた方がよかったりして。
でもさぁ、船に乗らないと行けないなんて、不便なところに住んでるわよね。
それにあの扉。銀の縁の扉は銀の鍵で開くって、みんな同じ鍵を持ってるのかな?
だったら、鍵を付けておく意味がないような気もするんだけど………
……ねぇ、そういえばさっきからちょーっとだけ気にかかってることがあるんだけど。
わたしたち、何か忘れ物してない?
394:YANA 83-1
06/03/08 22:39:34 L9U+VkQt0
「ん…あっ!!アリスちゃん!アリスちゃんじゃないかっ!?」
「あ、宿屋のおじさん。二年ぶりですねっ」
「いやぁ、見違えたよ!色っぽくなっちゃって」
「あはは、ありがとう」
「なに?アリスちゃんが帰ってきたって!?…おわっ、これまた随分立派になって!」
「あ、道具屋さん、元気そうで何よりです」
「はっはっはっ、あと二十年は現役よ!そっちの兄ちゃんは、あれか、アリスちゃんのコレかい?」
「え、な、もう、からかわないで下さいっ!」
「アリスねーちゃーんっ!」
ボフッ
「ひゃぁっ!もう、アレクね、どこに顔突っ込んでるのよ!」
「ねーちゃん、あいかわらずスキだらけだなー、あははっ」
「ふふっ…みんな、変わってないなー」
「随分、人気者なんだな」
「ん、そかな?…この村はいつもこんな感じなんだよ」
「ふぅん」
「何もない村でしょ?ごめんね、がっかりした?」
「何でだよ?都会とどっちがいいとはいわねぇが、ここにはここの良さがあると思うぞ。静かだし、落ち着く」
「ありがと。そういってくれるとあたしも嬉しいな…あ、ここよ、あたしの家」
「ん」
「母さん、元気にしてるかな…」
・ ・ ・
ガチャッ
「ただいまーーーーーっ!!」
「お邪魔します」
395:YANA 83-2
06/03/08 22:40:10 L9U+VkQt0
カタンッ
「わわわわっ!」
ガチャーーーーーンッ
「か、母さん!?大丈夫!?」
「あはは、急に開けるからびっくりしちゃったわ。お茶の用意をしてたんだけれど…ごめんね、すぐに片付けるから」
「俺がやります」
「あら、あなたがゴドー君ね。娘から手紙でお話は聞いているわ。アリスがいつもお世話になっています」
「いえ、俺も、アリスには助けられています…あ、その破片、危ないです」
「ごめんなさいね、いいのよ?そちらで座っていても」
「そうはいきませんよ、と…」
・ ・ ・
「改めて紹介するわね。こちらがあたしの母さん。…で、こいつがあたしのパートナーの勇者、ゴドー」
「初めまして、ゴドー君」
「こちらこそ」
「で、二人とも、いつ祝言を挙げるのかしら?」
「ブッ!!かかか、母さん、いきなり何言い出すの!?」
「………(汗」
「やっぱり、例の、大魔王を倒したあとかしら?それとも、そのあともう少し恋愛経験を踏んで…」
「まままま、待ってってば!」
「ふふ、冗談よ。アリスってば、相変わらずそういう話には免疫ないのね」
「う…」
「…ちょっとだけ、真面目な話をするわね」
「…はい」
「むー…」
396:YANA 83-3
06/03/08 22:40:41 L9U+VkQt0
「アリス。事情は、手紙で知ってるわ。今のあなたが、どれほどのものを背負って、どれほど巨大な敵に挑もうとしているか。
母さんに出来ることは、あなたのいうように、この事実を世間から隠すことだけだけれど…あなたの無事を、祈っているわ」
「…母、さん」
「…そして、ゴドー君。貴方がお父上の話をされるのを嫌っているのは知っています。でも、これだけは言わせて下さい」
「………」
「貴方のお父上のおかげで、今の私とこの子がいるのです。…どうか、今一度。あなたが、アリスを、護って上げてください」
「………」
「…おば様。一つ、勘違いをしています」
「はい?」
「アリスは、既に俺が守るまでもなく強くなっています。俺がこいつを支えた回数と、こいつが俺を支えた回数。
そこには決して、大きな差はありません」
「ゴドー…」
「ゴドー君…」
「…ですが。それでも敢えて、約束しましょう。俺が、アリスを死なせません。必ず」
「…ありがとう、ございます」
「さて…。挨拶も済んだし、俺はそろそろ行きますね」
ガタンッ
「へ?あれ?ゴドー、どこ行くの?聞いてないわよ?ちょ、待ってってば」
「何言ってる。おまえはここに残るんだよ」
「………は?」
「…?」
「一週間したら、迎えに来る。それまで、おまえはここにいろ。わかったな?」
「…!」
「ちょっと、まさかあんた、一人でゾーマを」
クイッ
「母さん?」
397:YANA 83-4
06/03/08 22:41:13 L9U+VkQt0
「ごめんなさいね、ゴドー君。ごゆっくり」
「…すみません。お手数をおかけします」
ガチャッ、バタンッ
「あ、ちょ、待ちなさい!」
「いいからいいからっ」
「もう、何で止めるの、母さん!」
「あのね、わからない?彼にも、お母さんがいるのよ?」
「あ………」
「あなたが大切な戦いの前に私に会いに来てくれたように…ゴドー君にも、家族がいるのよ。
その気持ちを汲んであげないと、嫌われちゃうぞ?」
「………うん。そうだよね。ごめんね、母さん」
「ん。素直でよろしい」
「…あ、そうだ。母さん、例の手紙だけど、今はどこに…?」
「うん?ああ、ほら、父さんがこの家を建てるときに、地下室のある家がほしいっていって、
結局物置にしか使ってなかった地下の隠し倉庫、あったじゃない?あそこに隠してあるわ」
「ああ、あそこ。確かに、入り口は物凄く分かりづらいし、安心ね」
「それが、どうかしたの?」
「ん…ちょっと。こっちで出来る最後の仕事、しちゃおうかな、って。
母さん、ごめんね。あたしの部屋、そのままだよね?ちょっとの間、部屋に篭もるから、夕方まで一人にしてね」
ガチャッ、パタン…ギィ
「…ふぅ。それじゃ、始めますか」
398:YANA 83-5
06/03/08 22:42:00 L9U+VkQt0
~一週間後~
コンコンッ
「はいはい…」
ガチャッ
「あら、ゴドー君。そろそろ来る頃だろうと思ってたわ。どうぞ、上がっていって」
「いえ、お気持ちだけ戴きます。俺は、アリスを迎えに来ただけですので」
「あ、ゴドー、早かったわね。もうちょっと待ってて、すぐに支度するから」
「外にいるぞ。準備は万全にな」
「わーかってるってば!」
・ ・ ・
「…よしっ!準備完了!じゃ、母さん。いってくるね」
「ええ」
「何度も言ったけど、もうあの地下室には入っちゃ駄目だからね?勿論、手紙もいじっちゃ駄目だよ?」
「はいはい。わかってるわ。でもそれは、いつまでかしら?あそこには、父さんとの思い出の品も結構あるから…」
「………っ…そうね、じゃあ」
「――私が、帰ってくるまで」
「…ええ、わかったわ。それまでは、我慢するわね。安心して、絶対に手紙のことは人に話さないから」
「う、ん。…ありがと」
「それじゃ、いってらっしゃい。私の可愛いアリス」
「うん。いってきます、母さん」
「――ゴドー君と、幸せにね」
「―――――かあ、さん?」
「うん?」
「…きづい、て…?」
「何のことかしら?大丈夫、心配要らないわ。母さん、ちゃんと約束は必ず守るから。
――『あなたが帰るまで、地下室にも手紙にも関わらないから』」
「!!っっっ!…」
「アリス。あなたは強い子よ。ゴドー君も言ってくれたじゃない?泣かないで。ほら、ゴドー君に笑われちゃうぞ?」
「っ…はい!母さん、今まで…本当に、ありがとうっ!!」
399:YANA 〝最後の手紙〟
06/03/08 22:42:58 L9U+VkQt0
『――これを読んでいるあなた。今、あなたの住む世界に、魔物はいますか?
あなたがこの手紙を読んでいるのが、私がこれを書いている時からどれだけ経った時代かはわかりません。
十年後かもしれないし、百年後かもしれない。それでも、魔物のいなくなった時代のために、これを残します。
この手紙は、この箱の一番底、束ねられた手紙の最後に保管します。ですので、この手紙を読んでいるということは、
あなたは今まで、私とゴドーが歩いてきた軌跡を知っているということになります。ですから、包み隠さず、お話します。
…私たちはこれから、最後の戦いに向かいます。
敵は大魔王ゾーマ。バラモスを越える、諸悪の根源。闇の世界の支配者。
私はこのことを、すぐに世間に知らせることを思いとどまりました。世界が混乱の渦に陥ることを、恐れたからです。
ですが、これを読んでいるあなたの世界に魔物がいないのなら…それは、過去のこととして、安心して語ることが出来ます。
もしあなたの時代に魔物を見たことがないのなら、私たちは戦いに勝ち、ゾーマを倒したということでしょう。
ですがその時、戦いでの生死を問わず、私とゴドーはこの地上にはいないでしょう。
なぜなら異世界への道は、ゾーマによって開かれたからです。奴が倒れれば、私たちはこの世界に戻ることは出来ないのです。
こんな突飛な話を、突然、こんな形で話しても信じてもらえないかもしれません。
でも、私にいえるのはそれだけです。あとのことは、これを読んでいるあなたにお任せします。
信じて世界に公表しても、嘘だと判断して焼き捨てても、私はそれに文句をつけることは出来ません。
だって、その世界は、あなたたちのものなのだから。
ただ、世界の脅威に立ち向かった二人の人間がいたということだけは、どうか、あなたの胸に秘めていてください』
アリアハン暦 664年 ○月×日 T.アリス
400:YANA
06/03/08 22:57:12 L9U+VkQt0
俺 た ち(ry
はい、いい加減しつこいですね。いややっぱり、これをやらんと締まらんというか(黙れキチガイ
手紙を指す意味での〝アリスワード〟はこれで終わりです。
これよりラストバトルに突入するわけですが、俺は別に、変わったことをやろうとはしません。
「ああ、やっぱりこうなるのか」っていう、王道中の王道を突き進む所存です。
しかし、その王道の展開を使って、如何に人を楽しませるかが腕の見せ所なわけで。
部屋の引越しにつき、ネット環境復活がおよそ二週間後になります。
クライマックス投下は…いつになるかなぁ。ちょいとわかりません。
もしかしたら早まるかも。せっかく盛り上がって?来たところですが、区切りがいいので一先ずここまで。
気長にお待ちください。
>>392
残念、実はアリスのおっかさんは第一部の終盤で既に登場してます。
そんなわけで、真っ当なお母様でありました。母は強し。
>>見切り発車氏
アレン「おおっ、ナナちゃん!
コナン「こいつは、さいこうだぜ!
*「ああ、このとしまで、
いきててよかったわい!
な展開キボンヌ(黙れキチガイ
401:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/09 00:41:45 7C3R8fVlO
敬意を評しつつ乙ッ!
今回も見応えタップリですね、泣けた…
故郷の地…そして、アレイ、ライナー、エデン、船長。
世話になり、共に戦い歩んだ彼らとの別離はいかに?
眼が離せませんね。
嗚呼、メイン、サブキャラクター含め絵板でもあれば溢れる妄想のはけ口になるものを( つД`)
402:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/09 01:28:24 kE+YCRJ8O
モンスターは全ての人の心の中に
それはゾーマにもなれ、スライムにもなれる
されど勇者も心に同居せん
遊び人から伝説まで
403:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/09 01:52:55 pYXLyGhm0
母さーーーーーーーん!!!(カダー○ュ風)
404:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/09 02:44:00 93wEeLwY0
オーケストラの勇者の挑戦の途中でファンファーレが流れる理由は
ゾーマのあまりの強さに意識を無くしかけてるとき、アレフガルドの大地を思い出している勇者に
精霊神ルビスの力によって勇者の心の中に不思議な力が芽生えたかららしいが…。
こんな王道展開かな?
405:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/09 03:22:41 Wm66ZuGYO
hosyu
406:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/09 10:44:13 OK7eLGkN0
ヤバイ涙腺が・・・・
407:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/09 15:07:51 oKUPIl3X0
ぐっ、な、泣いてなんか、ないんだからねっ!
408:見切り発車
06/03/09 23:33:41 LWn8qket0
だから、ごめんなさいって云ってるじゃない。
何度云えば気が済むのよ。もー、いい加減機嫌直して。
そりゃあ、棺桶に詰め込まれて放っておかれたら、怒るのはトーゼンよ。
わたしがやられたら、もう二度と立ち直れないくらいへこむわ。
だけど、仕方がなかったのよ。
ほら、助けたあの子とアレンはさっさと先に行っちゃうし、
そしたらほら、変なところに行かないかわたしとしては気が気じゃなくて……
じゃなくて!わ、罠かもしれなかったじゃない?
だったら独りで行かせるわけにもいかなかったし、わたし独りで引っ張るには重かったし。
だから仕方なく、彼処において行かざるおえなかったのよ。
でね、船が貰えることになったから、先に様子を見てから迎えに行った方が良いかなって思って。
け、決して忘れていた訳じゃないのよ?
もーほらっ!アレンも謝るの。ごめんなさいしてっ。
コナンもいつま…で………うぅ、騒いだら気持悪くなってきた………
はぁ、もーどうでもいいや……わたし、船室で休んでるね……………
べ、べつにおくってくれなく………うぅ……ゴメン、やっぱり肩貸して。
じゃあ…コナン……は気が済むま……ぅ…で…潮風にで…も当たっ…うぅぅ…てなさい………
409:見切り発車
06/03/09 23:36:17 LWn8qket0
>YANA氏
乙です。最終決戦、首を長くして待ってますね。
その間力不足ですが、細々とやっておきます。
M○○展開は(ry
410:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/10 03:35:10 TsDyb0dh0
サマル棺桶放置ワロスww
411:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/10 07:34:25 GF63dod1O
アレンとずっと二人きりを想像して顔を赤くする王女
412:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/11 00:12:09 SZywBqhQ0
>>YANA氏
鳥肌がたちまくりだわ
ここからの放置プレイテラキビシスwwwww
引っ越し引っk(ry
413:見切り発車
06/03/11 00:28:28 MR4mZH2N0
ぅ………ん……うぅー、気持悪いー……
未だ揺れてる。って、そりゃ海の上なら当たり前かぁ……
………どうしてアレンがベッド脇で寝てる………
…………………!!ふ、ふくっ、ふくのみだ………れはない、のね………
此は濡れタオル………あれからずっと付き添って…………?
…ね、寝相変じゃなかったかな!?寝言で変なこと云って………
ひぇっ!?ア、アレン起き………じゃなくて。なんで此処で寝てるのよっ!!
仮にも未婚の乙女の部屋で一晩過ごすなんて、どういう事か判ってるの!?
寝、寝顔が可愛かったって……へ、変なこと口走……………
ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかっ!!!
そんな莫迦なことばっかりいってっ!
ま、まさか、やっぱりわたしが寝ているときに変なこと………
もー出てってっ!出てってよっ!!
早く出てけーーーー!!
414:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/11 17:39:20 NfKbA3av0
今ちょうどDQ3やってるんだけどYANAさんの呼んでたら普通にやってるより
だいぶ感情移入しちまった・・・(つω;`)
415:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/11 21:05:40 QNZeMR160
YANAさんの読んでから、
DQ3やると物足りなくなるよなwww
416:見切り発車
06/03/12 02:23:31 spugabcv0
う~ん、地面に足を付けてるのに、未だ揺れている気がするわ……
でもやっぱり揺れない地面はいいなぁ。
んー、そりゃちょっとは慣れてきたけどさ、グラングラン揺れたらそりゃ気持悪くなるもの。
此からも船旅を続けること考えると、ちょっと気が重くなるよ………
此処が伝説の地、アレフガルドなのね。
わたしたちのご先祖様が此処で残した偉業を考えると、身の引き締まる思いだわ。
「お帰りなさいませロトの子孫たち」って何処行っても云われるのは、ちょっと嬉しい気がするな。
……アレンはそうじゃないの?俺は俺、ねぇ……
まぁそうカリカリしないで。民の期待の応えるのは為政者の義務ですのよ。
あー、なによーなんで笑うのー?せっかく真面目に云ったのにっ。
似合わないって………アレンのばかばかっ!!もー知らないっ!!
417:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/12 08:09:26 sV468M0M0
そういえばⅡの主人公達は王族なんだよなあ。
418:見切り発車 幕間
06/03/12 11:44:25 ixtSDU7j0
世界でただ一人の愛する妹へ
元気にしているかい?もう大分春めいてきたけれど、花粉症の具合はどうだろう。
鼻水と涙で苦しんでいる姿を思い返すと萌え、もとい心配でたまらないよ。
今回は、伝説の地アレフガルドからこの手紙を書いてるんだ。
ぼくの活躍で船を手に入れることが出来てね。
ちょっとだけ書くと、船を所有しているお爺さんの孫娘がグレムリンに襲われてたんだ。
ぼくたちは其奴と戦ってね。二人は早々に奴らのラリホーで眠らされちゃって。
だけど、ぼくの孤軍奮闘の結果グレムリン共を倒すことに成功したんだ。
それで孫娘を助けてくれたお礼にって、お爺さんが船を僕らにくれたんだよ。
戦いを見ていた娘は、ぼくらが港を離れてもずっと潤んだ目で見つめちゃってね。
でもぼくにはやらなければならないことがあるから、その目に気が付かないようにして再び旅路についたのさ。
そんなぼくをあの二人は頼もしげに、今まで以上に尊敬するように接してくるようになったんだけど。
ぼくらは此から、どうしてもってアレンが云うから竜王の城の跡地に向かうんだ。
まぁ、何があるとも思えないんだけど頭を下げて頼むから仕方がない。
また何処かの町に着いたら手紙を送るから、楽しみに待ってておくれ。
世界一頼りになる兄より
-------------
お兄ちゃん…………手紙の文字が水か何かで滲んでるよ……………
419:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/12 12:38:46 n4VUZL0L0
ちょwwwwwwサマルの扱いヒドスwwww
420:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/12 18:09:34 EUZOOuovO
サマルのキャラいいなぁ~
421:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/12 19:22:54 jVCrS6yKO
妹はおしゃまキャラで。
422:見切り発車
06/03/13 00:09:21 GKm1loJO0
あ、ねえ。此から竜王の城跡地に向かうんでしょ?
ほら此見てよ、この服もうボロボロなのね。足の辺りなんてふとももが………
(ガバッ)
イヤらしい目で見るなあっ!きょ、許可も出してないのにみ、見ちゃ駄目だよっ!!
でね、わたしは新しい服が欲しいのっ。それに武器だって未だに聖なるナイフ。
そりゃわたしが攻撃することは殆ど無いけどさ、心許ないというかなんというか………
もしかしたら竜王のお化けと戦うことになるかもしれないじゃない。
その時にわたしが戦力にならなかったら、困るでしょっ。
だからほら、早く行くのー。
(グイグイ)
ねぇ、これで良いと思うー?
ち、ちがっ……似合ってるとかじゃなくてっ!え?だったらなんなんだ………?
うーん…………や、そういうことだったのかな………
で、でも謝らないもんっ!あ…謝らないんだからねっ!!
さぁ、どうなの、此のみかわしの服っ!大丈夫!?変じゃないっ!?
……さっき云った………に、似あ………………うぅぅぅぅぅぅーーー
お、おじさんっ!此、10着下さいっ!!!!
423:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/13 00:29:30 3S9Q4knZ0
王女可愛いよ王女
424:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/13 07:38:50 Une0MwNqO
ドラクエ2にメダパニがあればなぁ。
425:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/13 10:28:39 weHzc8B50
ドラゴンキラーは武道家も装備できるべき
スレリンク(ff板)l50
426:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/13 12:18:31 jOtzQRJLO
すばやさ上げる呪文ってなんだっけ?ど忘れした
427:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/13 12:22:05 qkiVOp030
ピオリム?
428:見切り発車
06/03/13 23:32:23 OoAH/n230
へっへー、どうどう?似合う?格好いーい?
みかわしの服を纏って、魔導士の杖を持つと、ほら。
じゃっじゃーんっ、魔法使いみたいでしょー。
それにこの杖、実は振るうだけでね……えいっ!!
(ボッ!)
ほらほら、火の玉が飛ぶんだよっ!コナンの呪文と同じなんだよっ、すごいでしょー。
此で後は三角帽子でもあれば、絵本に出てくる魔法使いそのものなんだけどなぁ。
え?本に出てくる魔法使いはどれもこれもしわくちゃ婆?
そんなことないわよー。魔法使いのおばあちゃんだって若い頃があったんだから。
そのころはほら、きっと可憐な魔法使いの女の子だった筈よっ!!
ぶー、わたしが年取ったときにの話なんていーじゃないっ。アレンのいじわるっ!!
……………なっ、ば……っ!じ、自分で可愛いとか云っといて顔あ、赤くしないでよぅ………
あっ!ほ、ほら、彼処に階段があるよっ!下に降りてみようよっ!!
429:見切り発車 米
06/03/14 00:04:04 OoAH/n230
>424
2にはメダパニも温泉もないんですよね、はぁ………
430:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/14 01:07:13 PpgdoZgY0
すいません。アレンに萌えました。
431:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/14 07:40:24 DUrm4EDBO
やはり世界樹の葉を飲ませるときは口移しで
「アレン、何とも思わないの・・・?」
432:見切り発車
06/03/14 17:38:15 Qn1fQ0te0
上物は見た目立派な廃墟と化しているのに、地下は健在だったなんて……
しかも出てくる魔物が、また強くなってる。
……もしかして此は、本当に竜王のお化けがいるのかも………
だったら勇者アレフに恨みを抱いているだろうから、子孫であるわたしたちが目の敵にされちゃうかも。
………コナン、なに耳塞いでいるのよ?
ほら、ちゃんと五感を研ぎ澄ませておかないと、いざって時に反応出来ないわよっ。
わたしはもういつでも来いって構えてるから大丈夫。
と、とう………?あ、あれはいいのよ。人間誰しも苦手なもの………
そ、そんなことよりっ!だ、第一、女の子一人守れないでハーゴン討伐もなにもないでしょっ。
……何時までもグチグチ云ってると、火の玉飛ばすよっ!?
昔、竜王退治の時って、この島に船で渡ってくること出来なかったんでしょ?
あ、古のロトの時代もか。あんなに穏やかな内海なのにねぇ。
竜王や魔王の魔力で荒れ狂ってたって云うけど………
てことは、ここに竜王のお化けが居ても世界征服は企んでいないって事かな?
………いや、もしかしてわたしたちを酒の肴にするために誘い込んでるだけとか………
あっ!ちょっと待っ、置いてかないでっ!先に階段降りないでよーーー…………
(ザッザッザ……)
433:見切り発車
06/03/14 19:58:30 Qn1fQ0te0
あれだけ降りたと思ったら、今度は登って。
ねえ、アレン。この道で本当に良いのー?
竜王のお化けはこの先にいるのー?
というか、いったい此処にはなんのために来たのよー……
なに此の小部屋……もう行き止まりじゃないっ。
もーなんにも………あれ、なんだろあの箱、って宝箱っ!!?
よーし、開けちゃえっ。
(カパ)
……………此ってもしかして………ロトの剣?
でもあれぇー………鎧と何か感じが……レプリカ?
ではなさそうだけど、なんで此処まで感じる力が弱いの……おっかしいなぁ……
元々のロトの剣よりも力が落ちてるんじゃないの?
オリハルコンの剣がこの程度のものの筈がないのに……
神具は経年劣化なんてしないはずよ。まぁ人造神具なんだけどね、ロトの剣は。
どちらにしても、寧ろ年月を経ることは……
アレン、一応持ってこ?どうしてこうなってるのか気になるしね。
………で、行き止まりなんだけどさ。此からどうするの?
434:見切り発車 米
06/03/14 20:01:23 Qn1fQ0te0
伏線張ったら萌え成分が少なくなりましたorz
>>431
先に云っておくと、多分それ無理です。
いやまぁ、そういうの好きなので出来るものならやりたいのですが、
話の展開上恐らく……
じゃあ、誕生日ケーキ食ってくるノシ
435:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/15 00:26:30 IuuKldlC0
>>434
誕生日おめでとうございます。
怖いくせに虚勢を張る王女萌え
436:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/15 09:26:50 TN4YFjlZO
見切り発車さんHAPPY BIRTHDAY!
それにしても、名前に“米”が付いてるのは何故なんだぜ?
437:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/15 12:00:52 H+ii0NdsO
ヒント:テリーマン
そろそろアレンが何かの拍子で
王女に後ろから抱き付くようなトラブルが観たいですね。
438:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/03/15 12:51:39 4y1EhhI3O
ヒント:コメントと作品の区別
439:見切り発車
06/03/15 21:29:33 xSoDX6DM0
結局、さっきは道を間違えていたって事?
あ、いやロトの剣を見つけられたからそうでもないのかな……
だけど、いつも思うんだけどね。
アレンは道を選ぶときにいっつも一人で勝手に行っちゃうよね。
たまには、というかわたしたち仲間なんだから少しくらい話してくれても良いでしょ。
もー、そんなに信用ならない?そうじゃないなら……
……!か、か、か、かわいいって、それ、しんようと、か、かんけいないっ、じゃない………
でも、最下層がこんな作りだったなんて。
洞窟の中と云うより、立派な宮殿のような……
わ、わかってるよ!普通の宮殿の中にバリアなんて無い事くらいっ!
揚げ足とらなくてもいいでしょ……
それに、もしかしたらバリアのある宮殿だってあるかもだし………
あったらどうする?なんでも云うこと、聞く?
あれ……もーっ!ズンズン先行く………あてっ。
急に立ち止まらな、い…………で…………
440:見切り発車 米
06/03/15 21:39:28 xSoDX6DM0
ボーイ!おとなをからかっちゃいけないよ!
>>434-435
ありがとう。ケーキんまかったです。
>>436
>>438の云うとおりです。
コメントなのに付いていない時が多いのは、わたしが直ぐに忘れるからだ。
……あんまし意味無いですね。
441:見切り発車 米
06/03/15 21:42:24 xSoDX6DM0
アンカーがずれまくりorz
バリアに突進して棺桶に入ってくるノシ