ドラクエ3~そしてツンデレへ~ Part2at FF
ドラクエ3~そしてツンデレへ~ Part2 - 暇つぶし2ch50:YANA 68-3
06/01/26 23:42:49 vvvSMveG0
「…!おお、ゴドー殿!ささ、上で王様がお待ちですぞ!」
「ああ、すまない」
 カツン、カツン…
「ゴドー、いよいよ終わりだね」
「…長いようで、短かい旅だったけど…終わらせに、行くか」
「…うん。でもさ、あたしたちは…ここからが始まりでしょ?」
「…違いねぇ。じゃあ、〝始めに行く〟とするか」
「うん!」
 ギィッ

「おおゴドーよ!待ちかねたぞ!」
 カッ、ザッ
「はい。…勇者ゴドー、只今帰還しました」
「(ゴドー…やったね)」
「よくぞ魔王バラモスを打ち倒した!新たな英雄の誕生じゃな」
「は…」


「―――さすがオルテガの息子!国中の者がそなたをたたえるであろう」


「―――え?」
「………」
「さあみなの者! 祝いの宴じゃ!」
 オオオオオオォォォォォッ!!
 アリアハンの勇者、バンザーイ!
「ま、待って下さい、王s」
 スッ
「!…ゴドー」
「………」
 フルフルッ

51:YANA 68-4
06/01/26 23:43:27 vvvSMveG0
「でも、そんな…あんたの目的は…!」
「…今は、いい。魔王が滅んで、おまえがいて…今はそれだけで、十分だ…」
「……っ…」

「大臣!演奏の準備を!」
「はっ!全員、構え!…始め!」
 ターン、タタタターン…

 ――ピシャアアアアアァァァァァンッ 

「!!?なんじゃ!?」
「!?ゴドー!」
「…!!」

 ピシャアアアァァァァンッ、ピシャアアアァァァァンッ
 う、うわああああぁぁぁぁっ!!
 ボシュンッ、ボシュンッ、ボシュンッッッ 

「なに!?兵士に雷が…!?何が起こって…!?」
「…赤い、霧…?」
「え?」
「…上だっ!!」
 キッ
「!?……………ちょ…ちょっと…何よ、あれ…」


52:YANA 68-5
06/01/26 23:44:22 vvvSMveG0

 ――ふふふ…喜びのひと時に 少し驚かせたようだな。

「ひ…ひぃ…」
「………」
「何なのよ、これ…悪い夢でも見てるの…?」

 我は、闇の世界を支配する者…。
 このわしがいる限り やがてこの世界も闇に閉ざされるであろう。
 さあ 苦しみ悩むがよい…そなたらの苦しみは 我が悦び…。
 命ある者全てを我が生贄とし 絶望で世界を覆いつくしてやろう。

「………何者だ、おまえは」

 む?…貴様は…そうか、貴様がバラモスを…そうか、丁度よい。…よく覚えておけ、人間ども。
 ――我が名はゾーマ。大魔王ゾーマ。全てを滅ぼす者なり。

「…大魔王…」
「…ゾーマ」

 そなたらが我が生贄となる日を、楽しみにしておるぞ…くははははははっ!

 シュゥゥゥゥゥッ…

「………」
「………」

53:YANA 68-6
06/01/26 23:49:37 vvvSMveG0
 ヨロッ
「!」
「お、王様!大丈夫ですか!?お怪我はありませんか!?」
「なんとしたことじゃ…やっと平和が取り戻せると思ったのに…闇の世界が来るなど、皆にどうしていえよう…」
「王様…」
「………」
「………」
「大臣…ゴドー…大魔王ゾーマのことは、くれぐれも内密にな…」
「は、はい…」
「………王様」
「………ゴドー。…そなたなら、或いはゾーマをも」
「!っ!!!」
「…いや、よい。聞かなかった事にしてくれ」
「………」
 クルッ
「!ちょ、ゴドーっ!?どこ行くのよ!?」
「――」
 ギィ…バタンッ
「………ゴドー…。…っ」
 キッ
「…なんじゃ、そなたは…わしはもう疲れた…下がってよいぞ」
「娘よ、王様はお力を無くしておられる。用があるのなら、私が代わりに――」

「―――あなた達はいい。そうやって、勇者の起こす安易な奇跡に縋って、待っていればいいんだから」


54:YANA 68-7
06/01/26 23:50:15 vvvSMveG0
「…?」
「な…」
「あなた達は、一度でも考えたことがある?世界の全てを、望んでもいないのに背負わされた重圧を!
 あなた達は、想像したことがある?そんな周囲の期待から逃げず、たった一人で、本気で全てを救おうとして、
 皆が当たり前に得られる幸せを、笑顔を、友達を、通り過ぎて戦い続ける苦しみを!!
 あなた達は味わったことがある?世界中から存在を祝福されながら、〝勇者の息子〟という記号でしか見られない虚しさをっ!!!」
「………」
「………」
「……っ……それだけです。失礼しました」
 ダッ、バンッ…カンカンカンカン………ギィ、ギィ、ギィ

 ――笑っていた。嬉しそうだった。私に優しく笑み掛けて、抱きしめて、好きだといってくれた。
 その笑顔が、再び消えた。あいつの顔は、以前のしかめ面に戻っていた。…それがきっと、あいつの勇者としての在り方だから。
 あいつはまた、勇者に戻った。今度こそ、全てを終わらせるまで、あいつにあの笑顔は戻らない。
 …そして、あいつはきっと、世界を救う。心と体を、鋼と剣で武装したまま。あいつは全ての闇を振り払う。

 ――そうして、最後に残ったあいつは、何を思うのだろう…?

55:YANA
06/01/27 00:11:18 ddNrmQOs0
 俺 た ち の 戦 い は こ れ か ら だ !  完







うん。嘘。引かないで下さい。
第二部 「ギアガ激動編」 完
…やっと、やっと長かった第二部が終了…しんどかった。
そして第三部、全体的な尺はまず第二部に及びませんが、ラストバトルの長さだけは比になりません。

…蛇足ですが、これだけ云わせてください。
それぞれの章にテーマソングをつけるなら、
第一、二部が「未来(あす)への咆哮」、
第三部が「GONG」です。
第二部は正統派の、弱き者を強大な魔物から守る勇者の物語。
そして第三部は…守りを捨て、未来を勝ち取りに行く勇者達、そして残された全てのか弱き人々の戦いの物語。

俺の人を楽しませる器が許す限り、どうか最後まで、二人の往く道を見届けて欲しいです…。

56:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 00:18:28 ciqkzEro0
ゾーマ様キタ━━(゚∀゚)━━ッ!!

57:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 00:18:34 VwOk20C80
ああ、一瞬本当に終わるのかと思ってあせった・・・
ゴドーとアリスのカップル本当に好きになりそうなときだったからな
第3部楽しみだ。


58:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 00:20:29 /h/bwEh+O
第二部完(゚∀゚)キタコレ!!

YANAさん乙です

59:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 00:35:41 BedNbFPNO
YANEさん超GJです!!(゚∀゚)
コレ、アニメにならんの?wあまりの物語に全身鳥肌総立ちです!!1111


そしてだんご氏=箸休め氏も超乙ですた!(`・ω・´)

60:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 00:45:57 Xh9rG5fXO
相変わらずGJです
BGMもハマってる!と思いきやナイルの流れ~で違和感がw
……イシス?

いやー燃えました。第三部期待

61:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 02:06:29 2waey+SS0
ドラクエ・FF版入れねぇなーとか呑気に思ってたら落ちたのか。
くそー、データ残してねぇよ…orz
まとめサイトあるけどやっぱスレ独特の空気がなー。

ってかだんご=箸休めさんお疲れw
ぶっちゃけ全然気づいてなかったですwww
シンシア良かったねー、ホントに良かった…。

YANAさんGJ!!二部完乙!!
気になるのはその他のキャラの再出があるのかってとこですww
そしてゲームやり直して気づいたが、サイモンの息子ってホントに出てるのなwww

では、皆ココだよageでwww

62:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 15:16:41 BedNbFPNO
神竜編はどうなるのかな~とふと思った。(´・ω・`)

神竜なかったらそれはそれで寂しいけど、話繋ぐのにやっぱ無理あるのかなぁ…

個人的には神竜編はすごく読ませていただきたいです。

63:YANA
06/01/27 16:58:30 xYsehYUf0
>>62
………。

1>とある事情で矛盾が生じるので、書かない(推奨)
2>エンディングやそれまでの流れとは全く無関係な、お祭り要素の一巻として書く(いつになるか保証できない)
3>それより次回作を見てくれ。こいつをどう思う?

さあ選べ(ぉ
第三部の展開を考えると、「天界」だの「神」だのが頻繁に語られる神竜編は、あってはならない矛盾になります。
…というのも、第三部の土台にあるのが、「精霊ルビス」の世界だから。
察しのいい人がどれだけいるかわかりませんが、俺から言えるのはこれだけです。

64:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 17:29:13 QFnto/mb0
てことは。
神竜編があるのなら、その舞台は異世界である必要が出てくるわけですね、おにーちゃん。

65:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/27 23:14:14 si3dsBj10
>>63
2に1票

66:YANA
06/01/27 23:56:34 MbdrR5Mz0
実は、二部中盤辺りを執筆中に、本気で考えたんです。神竜編をどうするか。
でも、アレフガルドや地上にまつわる、精霊神たるルビスたちの物語を
無視することが出来ず、あえなくストーリーに組み込むことを断念。
やるなら、世界を作ったルビス達「精霊」を蔑ろにせず、且つ、
神竜やゼニスらの「神」というポジションを確保した上で、独立したシナリオでやらにゃあなぁ、と。

ネタはあります。えぇ、山ほど。
ただし、クオリティは保証しません。今以上にやりたいこと全開、
どう見ても作者のオナニーです本当に(ry なことになります。それでもいいのなら…

劇場版!○○○○ー○!!(ネタバレワード)
ある日ゴドーとアリスが目覚めると、そこは天空に浮かぶ見知らぬ土地だった!
一方同じ頃、別々の場所で意識を取り戻す三人の仲間!
洞窟を進むと、そこには格闘場が!集結する勇者と愉快な仲間たち!
やめろ、ライナー!武器を収めろ、エデン!謎のトーナメントで繰り広げられる、猛者たちの宴!!
その頃アレイは観客席で菓子を売っていた!!
俺達をここに呼び出したのは誰だ?事件の背後に見え隠れする「かみ」の影!!
本編で実現されなかった夢のチームが、今、実現する!!!


…あなたは、こんなのを読みたいですか?

67:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/28 00:09:25 OsqeGct40
ああ、一寸読みたいかもなぁ。

(説得開始)
書いてたわたしが云うのもなんだが、此処に書いてるだけだって(ry
つうか、わたしのは間違いなくオナニーだったし。
まぁ、わたしたち読み手は与えられたものを貪るだけです。
書きたいのなら、是非。

68:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/28 00:12:30 Io8PZqEJ0
>>66
おもしろそうwwwwww
折角ネタあるんなら是非

69:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/28 01:02:35 mVbpJhGf0
ルビス様とゾーマ様がツンデレというのもなかなか面白い

70:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/28 01:48:18 14cB2OmV0
とりあえず、完全に番外編って形なら読みたいかなぁ…

だって、物語的にはゾーマ倒したら地上戻れないハズだし…違ったっけ?

71:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/28 02:03:58 hPE6uUWy0
>>70
違わない。

72:YANA
06/01/28 15:37:46 G6OAI4220
>>66
………。

なんだこの最高に頭の悪い構ってちゃんレスは。だから変なテンションの時レスをするなとあれほど… orz
よし決めた。書こう。ガチで書く。もう何も云うまい。
決定事項は、
「時間軸はゾーマ戦以降ではない、いつか」
「でも神竜が真の勇者の称号を得た者にしか会わないという設定は有効」
であるというニ点。
気長によろしく。

73:YANA 第三部序説-1
06/01/28 18:35:56 y1jyAXu60

 ――勇者ゴドーの伝説。

 このギアガの地に住む者ならば、知らぬ者などいないだろう。
 今では記録の上でしか確認することが出来ない「魔物」と呼ばれる、人に仇為す邪悪なる生命種。
 ニ百年前、それを世界から根絶したとされている、完全無欠・無敵と伝えられる英雄の逸話である。
 が。当時、確かに実在したとされる彼に関する記録には、謎が多く残る。

 時にアリアハン暦864年、この地から、オルテガと呼ばれる勇者が旅立った。
 旅の目的は、魔王バラモスの討伐。
 …かの者は、当時でこそそれほど名が知られていなかったが、
 その強大な力と、率いる数多の魔物の軍団でいずれ世界を手中に収めようとした、醜悪な怪物である。
 しかしながら、勇者オルテガの魔王討伐は、彼の「魔物との死闘の末、火山の火口落下」という形で、失敗に終わった。

 …勇者ゴドーの名が初めて歴史上に登場するのは、その十余年後である。
 彼はオルテガの嫡男であり、父同様、勇者の称号を授かりアリアハンを旅立った。父の無念と遺志を、その胸に。
 世界各地に逸話を残す、勇者ゴドーの、魔王討伐の伝説はこれより始まるのである。

 ロマリアの地に曰く、盗賊に盗まれた金の王冠を奪還、かの盗賊も討伐。
 バハラタの地に曰く、人攫いを討伐し、人質の男女を救出する。
 黄金の国に曰く、五つ首の巨大なクチナワの変化を滅す。
 サマンオサの地に曰く、王に成りすました怪物を倒し、国の危機を救う。

 これ以外にも、その年代の、いくつもの国・町などの危機を救った伝承には、決まって勇者ゴドーの名が称えられている。
 彼は魔王討伐の道中、これだけの、否、記録に残っていないものも含めれば、それこそ数え切れないほどの人間を救っているのである。
 …そうして、最終的に彼の魔王討伐が成功したかというと…ここからが、歴史学者の学説が分かれるところだ。

74:YANA 第三部序説-2
06/01/28 18:36:41 y1jyAXu60
 勇者ゴドーが、バラモスを倒し、アリアハンに凱旋したという記録は確かに残っている。
 しかし、その凱旋の日付の時点で、「世界中の魔物が消えたという記録が何一つ残っていない」。
 伝承によれば、「魔王を倒せば、その魔力で形成されている魔物の肉体は力の供給を失い、自壊する」とされている。
 もし彼が本当に魔王・バラモスを倒したのであれば、世界中の魔物は凱旋の日付の段階で消滅していなければならないのである。

 だが、その記録が、無い。

 勇者ゴドーの伝説に否定的な立場をとる学者は、バラモス打倒の報告を捏造だとすることが多い。
 又、凱旋の直後から、彼が歴史的に表立った活躍をしなくなったことも、彼が真相が世間の公になることを恐れ逃亡したのだ、
 とする見方を強める要因の一つといえよう。

 とはいえ、彼がそれまで行った人道的救済活動を鑑みるに、そのような捏造をやってのけるような人物とは、到底思えない。
 無論、現在も大半の学者は彼の功績を考慮し、バラモス打倒に関しては真実であったとしている。

 そして、もう一つ、不可解な点がある。
 前述したように、彼はバラモス討伐の凱旋の直後、行方を暗ましている。
 厳密には、それ以後も世界各地で彼の姿を見た、という証言は残っている。
 だが、その様子はそれまでのように、歴史的偉業をなすわけでもなく、目立った活躍をしているわけではない。
 つまり、彼は凱旋以後、勇者としての活動はしていない。

 ………だが。彼がそうして、勇者としての活動を停止した数ヵ月後…世界中の魔物は消滅したのだ。

 これこそが、勇者ゴドーの伝説における、最大の謎である。
 各地の記録を見ても、その時代に世界規模で活躍していた勇者といえば、彼一人である。
 彼以外の勇者が、魔王を討伐したとは考えにくい。
 加えて、魔物の消滅が記録された日付以降、彼の姿を見たという者は、世界中を探しても、誰一人存在しない。記録も残っていない。
 これだけの材料が揃いながら、魔物の絶滅と勇者ゴドーの間に関連性を見出すなという方が無理な話だ。
 彼が魔物絶滅に関わる〝何か〟をしたのは火を見るより明らかである。

75:YANA 第三部序説-3
06/01/28 18:38:59 y1jyAXu60
 そうしてその〝何か〟について学者たちが議論している最中のことであった。
 …ここに一冊の本がある。タイトルを『偽神のノート』…現在の義手・義足技術の発展に多大な貢献をした、
 世界的医学者〝L.S.ライナー〟女史が、若くしてその命を閉ざさんとする晩年著した自伝。
 これの出版が、〝何か〟の議論に一石を投じた。
 ライナー女史は勇者ゴドーと同じ時代に生き、また彼の故郷と同じアリアハンで、当時闇医者を営んでいた。
 その彼女が執筆した自伝には、一部で勇者ゴドーの名を何度か目にすることが出来る。
 彼女が自伝で言うには、「ゴドーは大怪我をするたびに自分の研究室に来て治療を依頼して」いたのだという。
 そして、驚くべきことに、そこには歴史学者なら誰もが興味を持っている〝勇者ゴドーの凱旋後の空白〟も記されていた。

 …しかしながら、その内容は、にわかに信じられるものではなかった。
 最初こそ歴史学者はこの自伝に群がったが、その内容のあまりの突飛さ・現実離れした単語の羅列に、次第に狂人の妄想だとか、
 天才にありがちな性質の悪い悪戯だとかいわれるようになり、目もくれなくなっていった。
 実際、ライナーという人物はかなりの変わり者で有名だったらしく、ゴミ捨て場の地下に住んでいたとか、
 魔物を解剖するのが趣味だったとかいう逸話が有るくらいだ、無理もないだろう。
 二百年後に生きる私だって、実際に読んでも信じられなかった。


 ――――そう。あの手紙が見つかるまでは。


 アリアハンから遠く離れた、辺境の地の名も無い村。伝説の時代から姿を変えず残り続ける、保守的な山村だった。
 先日、その村にある一つの民家の隠された地下倉庫で、大量の手紙の束が発見された。
 その文面は、一人の少女が、母に自分の旅の過程を知らせるものだった。
 …どうやら、魔物のいた時代のものだったらしく、彼らとの戦いの様子も散見できる。

 だが、ここからが問題なのだ。
 少女の手紙には、頻繁に「勇者ゴドー」の名が登場する。
 更に言うなら、文面からいって、彼女は旅立ちの時からずっと、彼と苦楽を共にしていたと見ることが出来る。
 それだけなら、勇者に憧れる少女の悪い冗談として流すことが出来るかもしれない。だが、そうもいかないのである。

76:YANA 第三部序説-4
06/01/28 18:39:50 y1jyAXu60
 手紙の日付を見る。
 …二百年前。そう、勇者ゴドーの時代、それもその全てが二年間という、短期間の間に投函・配達されたものだ。
 鑑定の結果、インクと消印も偽造でなく間違いなく当時のものであることが証明された。
 ――二年間。歴史に詳しい諸兄ならご存知だろうが、この期間は、勇者ゴドーの旅立ちから、魔物根絶までの期間なのだ。
 勇者ゴドーの伝説が記録としてまとめられ、学者以外の人間も閲覧できるようになったのは、今から凡そ百年前のこと。
 つまり、当時の彼女が「勇者ゴドーの活躍に準(なぞら)えて、手紙の内容を改竄することは不可能」ということである。

 これを踏まえた上で、手紙の内容を紐解く。
 少女はゴドーとの旅での出来事を、事細かに手紙に記していた。
 …ロマリアの金の冠。バハラタの人攫い。黄金の国の怪物退治。サマンオサの偽王打倒。

 各地に残る逸話の記録された日付。そして、それらが記された手紙の日付。二つの間には、誤差といえる誤差が殆ど無い。
 この手紙の主が勇者ゴドーと実際に旅をしていたのは、最早疑うべくも無いだろう。


 さて。長くなったが、いよいよ本題に入る。
 誰もが気になっているだろう。勇者ゴドー、凱旋以後の動向…勿論、それもこの手紙の中に記されている。
 しかし、驚愕するような内容ではない。強いて言うなら、内容・日付などの記録の綿密さが、『それ』より遥かに増している程度。
 ――賢明な諸君なら、既にお察しのことと思う。我々は、「彼の動向を既に知っている」のだ。
 私がこれについていうべきことは一つ。

 ――『偽神のノート』に、嘘は一切書かれていなかった。

 ここに二つの記録が、偶然にも長き時を超えて存在し、同じ歴史を語っている。 


77:YANA 第三部序説-5
06/01/28 18:40:27 y1jyAXu60

 …しかしながら、かの本が語ったのは、ほんの一部分だけに過ぎない。

 これよりこの手紙によって語られるのは、歴史の裏側、もう一つの伝説。

 伝えよう。今まで、名も無かったこの物語を。

 認めよう。いつの世も世界は完璧な英雄を求め、時代を必死に生き抜いた人間を神格化する。その偶像に甘えてしまう我らの弱さを。

 受け容れよう。手紙に語られる勇者は、伝えられているような超人ではない、我々と同じ不完全な人間であったことを。

 私は名づけよう。この、時の彼方に忘れられた、闇の世界の語り部に。

 この手紙を遺してくれた、少女の名をとって。
 

 『アリスワード』――と。

78:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/28 20:20:29 dmfkMv5UO
普段はROMってる私ですが是非見たいです、番外編。

79:名無しでGO!
06/01/28 22:19:21 W+DojnOB0
FFTのデュライ白書みたいな展開になってきましたね
期待してます

80:名無しでGO!
06/01/28 22:31:38 W+DojnOB0
始まりの部分ね

81:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/29 00:01:08 unNlmTNm0
ヤベェ…チョー続きがwktk!!

82:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/29 01:24:42 4L4oLJIY0
>>YANA氏
超乙であります!!
第三部、こういう展開大好きなんですわwwwww
期待しまくりんぐwwwwwww


>>だんご氏
遅ればせながら乙乙乙でござる!!!
これ読んでもう一度4をやりたい気がわいてきましたwww
上手く言えないけど本当に面白かったです!
またあなたの文に会えたら嬉しいなぁ
ありがとう

83:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/29 11:26:01 yHPwQZ2dO
横槍なレスだけど、ゲームじゃゾーマ破壊直後に世界が分断されてしまうけど世界が完全に分断されるまで多少時間がかかるとか、
キングヒドラに親父がぬわーされたあと一旦引き返すことができるわけでとか、
ゾーマ倒しても魔物が消えないよこの野郎仕方がないから神に訊けとか、
魔王の一番強い魔物軍団は実は神界を襲ってて一掃できるのは勇者だけ、とか、とかとか。

時間軸や設定に絶対無理、ということのない話は作れるんじゃないかなぁ。とふと神竜編を思い出してしまった俺はまた思ってしまうのです(´・ω・`)

とにもかくにも読みたいってだけなんで、おとなしく待つしかないのですが。

第3部、序説からなんかすごいのでこれからもワクテカしております。

84:YANA
06/01/29 13:34:30 aNz95iev0
83よ、すまん。せっかく案を出してもらって何だが。
その四つの案、どれか一つでも採用するとエンディングと
それまでの流れ全部台無しにする自信あるわ(;´Д`)

>世界が完全に分断されるまで多少時間がかかる
確実にクライマックスの展開に水を差します。

>一旦引き返すことができる
必殺を誓って敵地に乗り込んだゴドーは何があろうと敵に背は向けません。
(おろち戦ではアリスを守ろうとしたから。今回はアリスも必殺の覚悟)

>仕方がないから神に訊け・魔王~神界を襲ってて
しつこいようですが、この世界で「神」とはルビスのことです(公式設定)。H井氏はどうやらなかったことにする気みたいですが。
神竜のことは下界の人間は知りません。
あと魔王倒して魔物が消えないとやっぱりラストに水を差します。

神竜編に合わせてラストの展開を変える、っていう選択はまずありません。
かなり早い段階から、この展開の為に伏線を張りに張ったので。
まぁ、最後まで見届けて欲しいってのが本音です。

85:YANA 68-1
06/01/29 18:35:38 rzAgdKgp0

 コオオオオオォォォォォォ…

「………」
「…クゥゥゥ」
「…ご苦労様、ラーミア。こんな陰気臭いところまで、よく飛んでくれた」
 ザッ
「………ゴドー…」

『拝啓 母さん、まずは、ごめんなさい』

「………なんで、ついてきた」
「…当たり前でしょ。あんたを一人にしたら、何をしでかすかわからないもん」
「…おまえは、事の重大さをわかってるのか?」
「………」

『村には暫く、帰れそうにありません』

「…ギアガの大穴。いつかの祠で聞いた言葉…〝全ての災いはそこからいづる〟…」
「………見張りの兵士さんに聞いたわ。あたしたちがアリアハンでゾーマを見たのと同じ頃…
 ここが大きく裂けて、何かが通り抜けて行ったって」
「…ここが、奴の居場所に繋がってるのは、多分、間違いねぇ」
「………」
「…だが、この先に何があるのかは分からん。無事奴のもとに辿り着けるかも保証できん。無駄死にするだけかも知れない」
「………」

『私たちの旅は、終わってなんかいませんでした』

86:YANA 68-2
06/01/29 18:36:11 rzAgdKgp0
「…もう一度云う。おまえは残れ」
「…やだ」
「………アリス」
「だって」
「聞け。…俺は嬉しいんだ。もう一度、親父を超える機会が巡ってきた。今度こそ、奴を倒せば、王様も俺を」
「うそ、だよ」
「………」
「…あんたはもう、気付いてるはず。どんなに頑張っても、王様はあんたとオルテガさんを別々には考えない」
「………」
「それに、今のあんたの顔は、バラモスを倒した時の百万分の一も嬉しそうじゃないよ…?」
「………」
「…あたしは、こんな中途半端なところであんたと別れるなんてやだ。せっかく、せっかくここまで来たのに…」

『これからが、本当の始まり…』

「………ねぇ、ゴドー。勝負、しようか?」
「…勝負?」
「うん。あんたが勝ったら、あたしはここに残る。でもあたしが勝ったら、あんたと一緒にここに飛び込む…どう?」
「…いいだろ。で、勝負の方法は?」
「………キスして」
「―――は?」
「あたしが満足したら、あんたの勝ち。もし満足できなかったら、あたしの勝ち」
「…なんだそれ」
「心配しないで。あたしは、真剣に審査するから」
「………………いくぞ」
「………………うん」

『もしかしたら、もう帰ることはないかも知れません』

87:YANA 68-3
06/01/29 18:36:43 rzAgdKgp0
「………ん」
「………」
 スッ…
「………………不合格。あたしの勝ちね」
「…理由を聞かせろ」
「今のあんたは、空っぽだもん。そんな気持ちの無いキスじゃ、女の子は動かないよ?
 …理想的なのは、バラモスを倒した時のキス。…うん、あれくらいあったかくないと」
「………」
「約束よ。あたしはあんたと一緒に行く」
「…一つ訊かせろ」
「なに?」
「…おまえは、何が目的で俺についてくる」
「…も、もう…それ、本気でいってるの?」
「当たり前だ、ふざけて訊くか」
「………好きな人の力になりたいっていうんじゃ、駄目、かな」
「(/////)………っ………ああ、もう、分かったよ。好きにしろ。知らねぇぞ、どうなっても」

『でも、心配はいりません。私たちは、必ずこの世界に平和をもたらします』

 ザッ
「…秒読みは無しだ。一思いに行くぞ」
「うん」
 ダンッッ
「………っ…!」
「…っ……」
 ヒュウウウウウゥゥゥゥゥゥ………

『――それと、一つ約束をしてください』

 ―――――――――――ストンッ

88:YANA 68-4
06/01/29 18:37:18 rzAgdKgp0
『これから先の手紙は全て、念のため今までの手紙も一緒に、誰の目にもつかないところに隠して下さい』

「………………あれ?」
「………」
「…地面。…ううん、それだけじゃない。草原に…海?…どこ…?ここ…」
「…アリス。空を見てみろ」
「?………太陽が…ない…?」

『そして、誰にもその内容を口外しないで下さい。この事実は、多分、世界中を恐怖に陥れるから…』

 ――何か降ってきたと思ったら、あんたたち新入りかい。
「…ん?」
「…へ?」
「よう、あんたたち、上の世界から来たんだろう?」
「…上の…」
「世界?」
「おう、時々、上の世界の住人が、ギアガの大穴を抜けてここに降ってくるんだ」
「…悪い、おっさん。状況が掴めねぇ」
「そうだな、まずはこの世界の名前から教えようか。それ以上のことは、東に渡ってラダトームで聞いたほうが早い」

『全ての災厄の原因が住む世界。それは、私たちの大地の下に確かに存在します。その世界の名は――』

「ここは闇の世界、アレフガルドだ」

                〝アリスワード〟 第三部 「アレフガルド激震編」

89:YANA
06/01/29 18:44:04 rzAgdKgp0
一応追記。
神竜編、番外編ではありますが、ゾーマ編以降の展開が全く内容に関係しないかっていうと、
実はそうでもありません。途中で、ちゃんとゾーマ戦以降の展開とリンクします。
ヒントをいうなら、『ひぐらし』の罪滅ぼし編を想像していただけると早いです。
(分かる人が何人いるかわかりませんが)

もし本編とのリンクについて心配されてる方がいる場合、そういうことでお待ち下さい。


90:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/29 23:41:03 vp0rXhag0
「アリスワード」がタイトルなんだね
wktk

91:YANA 69-1
06/01/30 18:18:33 PBuAHprZ0
『拝啓 母さん、お返事を、ありがとうございます。
 それでは、全てをお話します。…まず、魔王バラモスは、本当に倒すべき敵の、手下の一人にしか過ぎませんでした。
 そして闇の世界、アレフガルド。全ての災厄の原因…大魔王ゾーマの世界。でも、そんな世界にも、人間は住んでいます。
 私たちは今、その世界の人々を治める唯一の国、ラダトームに来ています。
 …しかし、この世界は暗黒に包まれ、太陽が空に昇ることはありません。…国の人々は言います。
 ゾーマはそうして人間の希望を奪い、絶望を啜り、憎しみを食らい、悲しみの涙で喉を潤す…。
 …かくして、ゾーマの思惑通り。この国の人々は、今、絶望に包まれています…。
 私とゴドーは、何とかゾーマを倒す術を知るべく、ラダトームの王様を訪ねましたが…』

「………なんじゃ、そなたたちは。見ぬ顔じゃな…」
「………」
「そうか、そなたらもまた、上の世界から来たのか」
「はい。…私たちの世界も、ゾーマの脅威に晒されつつあります。ですので、ギアガの大穴を通り抜け…」
「…よい。みなまで言うな」
「…?」
「え…?」
「…わしはラルス。一応は、この国を治める王を務めている。…だが、それも肩書きだけのもの」
「「………」」
「ここに来るまでに、凡その事情は聞いているのではないか?…この国にあるのは絶望だけ…既に誰も、希望を失っておる…」
「…王様!それは」
「アリス」
「…っ……」
「…そなたたちは、ゾーマを倒すためにアレフガルドに来たのだろう?」
「はい」
「…ふむ…そうだな…そなたらがこの国に希望をもたらすというのなら、わしは待つとしよう…
 入用なら、この城の空き部屋を使ってくれ。必要なものがあれば――」
 ・ ・ ・
 ボフンッ
「………」
「…ねぇ、ゴドー」
「…なんだ?」
「…勇者って、何なのかな?…」

92:YANA 69-2
06/01/30 18:19:06 PBuAHprZ0
「…どういう意味だ?」
「だんだんね…あたし、分かんなくなってきちゃった」
「………」
「アリアハンの王様…この国の王様…皆、都合が悪いことがあると人任せで…」
「…しかもこの国は、その、人に頼る気力すらも、失いかけてると来てる」
「うん。………ねぇ。…人間って、本当に、救う価値があるのかな…?」
「…アリス?」
「だって、そうでしょ?…あんたがどんなに頑張っても…ううん、きっと、誰が頑張ってもそう。
 皆、勇者、勇者っていって…こんなんじゃ、何をやっても、人間なんか滅んで当たり前だよ…」
「………」
「ゴドー、今からでもきっと、遅くない。勇者なんてやめて、あたしと一緒に村で暮らそう?」
「冗談じゃねぇ…俺の今までの苦労を無駄にする気か、おまえは。大体、奴を倒さねぇと遅かれ早かれ」
「わかってるよっっっ!!!」
「!…」
「だって、何をやっても無駄じゃない!?みんなみんな、危なくなっても自分じゃ何もしなくて!
 あんただけが、傷ついて、倒れて、それでも立ち上がって頑張って!!それで危険がなくなっても、また大変になれば人に頼って!!」
「………」
「ゾーマを倒しても、倒さなくても関係ない!!…人間なんか…人間なんか…っ!!」

 ――コンコンッ

「っ……」
 グシグシッ
「…どうぞ」
 ガチャッ
「!…大臣さん」
「ゴドー殿と、アリス殿でしたな」
「はい」
「………はい」
「ゾーマを倒すのに有力な情報をいくつか持参しましたが…お取り込み中でしたかな?」
「………いえ。どうぞ、仰って下さい」

93:YANA 69-3
06/01/30 18:19:37 PBuAHprZ0
「はい。…まずは、この国の海岸から、向こうの大地にそびえる、靄(もや)の掛かった城…ご覧になられましたか?」
「…はい」
「あれが魔王ゾーマの居城。しかしあの島は絶海の孤島。回りは岩山に囲まれ、船で入ることは適いません。
 まずはあの島に渡る手段を手に入れねばなりますまい」
「…何か、手掛かりは?」
「この国に、古い言い伝えがあります。…雨と太陽が合わさる時、虹の橋ができる。…何かのお役に立てばよいのですが」
「…雨と太陽、か」
「………」
「そして、この国に伝わる、三つの伝説の武具」
「伝説の武具?」
「遥か昔、この国に保管されていたものです。…王者の剣、光の鎧、勇者の盾。
 …残念ながら、今は魔王に奪われてしまい、行方不明ですが」
「…なによ、結局あたしたちで探すしかないんじゃない」
「アリス」
「…ふん」
「いや、お恥ずかしい限りです。…ですが、逆にいえば、魔王がそれらを警戒したととることも出来ます。
 伝説の武具があれば、奴を倒すことも或いは可能かと…」
「…わかりました。何とか、探してみます」
「…どうかお気をつけて。これまで数多の勇者が魔王を倒そうと旅に出ましたが…帰った者は、誰一人おりません」
「…心配には、及びません。私たちは」


 ――そう、あの――さえも。


「―――」
「――え…?」
「?どうか、なさいましたかな?」
 グイッ
「ヒャッ!!」
「今、何ていった」
「で、ですから、魔王を倒そうと旅に出た者は、誰一人」

94:YANA 69-4
06/01/30 18:20:45 PBuAHprZ0
「違うっ!!その後だっ!!」
「え、は…そ、そう…あの〝オルテガ〟さえも…と」
「――」
「…そんな…こんなことって…ゴ、ゴドー!」
「…そいつは、何者だ」
「………実は、オルテガ殿は発見された当時瀕死の重傷を負っていて、その際記憶を無くされたらしく…
 ご自分の名前と、アリアハンという土地から来たという以外のことは、何も」
「!!」
「アリアハン…間違い、ない…!」
「?…???そ、それがなにか…?」
「…親父が…生きてた…?………………アリス」
「…何よ」
「…勇者がどうとか、人間がどうとかは…とりあえず後回しだ」
「…聞くまでもないだろうけど。なにするつもり?」
「親父を追う」
「うん。わかった。そういうことなら、あたしも反論できない…でも、追って、それからどうするの?あんたは」
「………」
「もし、あんたがオルテガさんを今も許してなくて、殺したりするために追うって云うなら…あたしはあんたを止める。
 …あの時、あんたがあたしにしてくれたように」
「………………わからねぇ。俺も、どうしたいのか」

95:YANA 69-5
06/01/30 18:21:20 PBuAHprZ0
「………そう。そう、かもね」
「…でも」
「うん?」
「少なくとも、俺は世界が滅ぶのをただじっと待ってるなんて、ごめんだ。…例えそれが、おまえと一緒だったとしても」
「…はぁ。ゴドーは、やっぱりそうだよね。もしかしたら、オルテガさんを追いかけてる内に、答えが見つかるかもしれないし…。
 …あたしもそれに、賭けてみるわ」
「…アリス」
「なに?」
「…その。また、よろしく頼む」
「…うん。よろしくね、ゴドー」

『母さん、私は今、迷っています。人間を救うべきか。このまま、ゴドーの往く道を助けていいか。
 でも…あの人は救おうとした。私は、あの人と同じ道を往くことで、答えを探そうと思います。 敬具』

96:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/30 21:43:08 dvtOhIIxO
3の時から伝説の武具なんだっけ?

97:YANA
06/01/30 22:18:54 n/UWnN6y0
そういや作中では、伝説っていわれてませんね。

>「その昔 王者の剣は魔王により砕かれ~」

昔ってのがどれくらい昔なのかわかりませんが、とりあえずここでは100年以上は昔と考えてます。
あと、あの三つの武装は(人の住む)アレフガルド創世の時代以前に作られた神具(公式設定)ですので、
まず間違いなく伝説級の存在、という意味もこめて。この辺は、最後の方でも説明があります。

そんなわけで、便宜上「伝説の武具」という扱いにしましたが、気に障ったらすみません…。

98:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/30 22:20:43 Ktp0FrVdO
違ったような希ガス

99:YANA 70-1
06/01/30 23:37:12 n/UWnN6y0
『拝啓 母さん、そういえば、まだお話していませんでしたね。
 私はもしかしたら、帰れないかもしれません。ですから、今のうちに話しておきます。
 あの人…オルテガさんは、ゴドーのお父さんです。今まで黙っていてごめんなさい。
 本当は、バラモスを倒して、全部が終わったらお話するつもりだったのですが…今度の戦いは、本当にどうなるかわかりません。
 魔王を倒すことを諦めて、世界が滅ぶのを待つか…魔王に戦いを挑み、負けてしまうか…勝てる可能性はあるのか。
 …前のお手紙で、私たちは今後、オルテガさんの軌跡を辿ることになったことは、話したと思います。
 それで、大臣さんにオルテガさんのお話を更に言及したところ…』

「オルテガ殿は、火傷による重傷を負い、暫くは寝たきりでした。
 ですがこの国の現状を聞き、数年の療養生活の後、ゾーマを倒すため旅立ったのですが…」
「火傷…火山に落ちたときのものか。まさかあの火山が、この世界に繋がってたとはな。
 …で、おy…オルテガは、どちらに向ったか、わかりますか?」
「いえ…申し訳ありませんが…」
「仕方ないわね…どうしようか?」
「ふむ…大臣さん、この近くに、何か、旅の手掛かりになりそうな場所はありませんか?」
「それでしたら。…船をもらったといいましたな?でしたらまずは、大陸の南、砂漠の町ドムドーラに向われるとよいでしょう。
 町としての規模はここより大きいですからな、何か有力な情報を掴めるかも知れませんぞ」
「ありがとうございます…」
「ああ、それと」
「?」
「参考までに、もう一つ。………〝魔王の爪痕〟のことは、お聞きになりましたかな?」
「…いえ」
「ここより北西に、洞窟があります。その最深部に、この世の全てを拒む、巨大な地割れが口を開けております。
 それは魔王がこの世界に現れた際に出来たとされる、曰く付きの地割れでして…それに由来し、〝魔王の爪痕〟と呼ばれています」
「全てを拒む地割れ…」

100:YANA 70-2
06/01/30 23:37:48 n/UWnN6y0
「手掛かりになるかな…行ってみようか?ゴドー」
「行かれるのでしたら、どうかお気をつけて。あの洞窟は、魔王の爪痕の影響か、あらゆる呪文が封じられてしまいます」
「はい。色々とありがとうございました。…それと」
「…?」
「先ほどは、取り乱してすみませんでした。…狭量な自分を、許して頂きたい」
「ゴドー…」
「…ふむ。感情は表に見せず、しかしその心はどこまでも真っ直ぐに…いやはや、貴公は、オルテガ殿とよく似ている」
「………」
「ゴドー。…こういうのは、喜んでもいいと思うよ?」
「…行くぞ、アリス」
「あ、もう。待ってよ!」
 ・ ・ ・

 ―――で。

「はぁ…はぁ…はぁ…」
「………」
「ゴドーぉ…ちょっと待ってよぅ…」
「…いいけど。大丈夫か?おまえ」
「あう…呪文を使えない、っていうのがこんなにきついと思わなかったわ…」
「…無理だったら、外で休んでてもかまわねぇぞ」
「む、なにそれ、どういう意味よ。…あたしはお荷物だっていいたいわけ?」
「いや、そういうわけじゃ…」
「別に、あたしが軟弱なわけじゃないわ。あんたのタフさが異常なのよ…ふんだ」
 プイッ
「………少しはマシになったみたいだな。ほら、階段が見えたぞ」
「…うん」
 ・ ・ ・

 オオオオオオオォォォォォ…


101:YANA 70-3
06/01/30 23:38:18 n/UWnN6y0
「…っ……」
「………………凄い邪気。何よこれ…正気の沙汰じゃないわ」
「…これが…魔王の爪痕…くそ、冗談じゃねぇ、頭がどうかなりそうだ…」
「え?…ちょ、ちょっと…確かにこの空気は体に悪いけど…あんたがそんなに成る程じゃ…」
「おまえこそ…何でそんなに元気なんだよ…ゲホッ!」
「!も、もう、さっきの勢いはどうしたのよ。ほら、しっかり…」

 ―――ピカンッ

「…ん…」
「?どうしたの?」
「…今何か、地割れの中で光ったような…?」
「はぁ?…まさか、気のせいでしょ」
「…いや、確かに光った…」
 ザッ、ザッ…
「あ、ちょっと、そんなに近寄ったら危ないわよ!」
「………」
「………ほら、何もないって」
「……っ」
 ズッ
「!!ゴ、ゴドー!本当に大丈夫!?」

 グオオオオオオオオォォォォォッ!

 ズンッ
「!ヒドラ!?」
「っ…!(馬鹿な…俺がここまでの接近を許すだと…!?そうか、ここの強力な邪気に紛れて…!)…くっ…!!」
 チャキッ…
「グオオオッ!!」
 ゴオオオオォォォォッ

102:YANA 70-4
06/01/30 23:38:52 n/UWnN6y0
「そんな炎で…!」
 タンッ
「…!ゴドー!!?」
「…(くそ…体が云うことを…!)」
 ズルッ
「!!!ゴドーーーーーーッッッ!!!!」
「(あ…まず…)」
 ヒュウウウウウゥゥゥゥゥゥッ
「グルルルル…」
「………許さない。あんただけは、絶対に!」
 チャキッ、ブンッ
 ・ ・ ・

 ―――消えろ。

 消えろ消えろ消えろ消えろ消えろきえろきえろきえろきえろきえろキエロキエロキエロキエロキエロ。

 …なんだこりゃあ。痛くも痒くもねぇ。

 帰れ帰れ帰れ帰れ帰れかえれかえれかえれかえれかえれカエレカエレカエレカエレカエレ。

 …そうか。全てを拒絶するとか、何とかいってたな。…ここにあるのは、あらゆるものを拒む想念だけ。

 出ていけ出ていけ出ていけ出ていけ出ていけでていけでていけでていけでていけでていけデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケ。

 ――そう。例えそれが、死であっても。ここにおいては、死ぬことさえも拒絶される、ということか。

 失せろ失せろ失せろ失せろ失せろうせろうせろうせろうせろうせろウセロウセロウセロウセロウセロ――――!!!


103:YANA 70-5
06/01/30 23:39:28 n/UWnN6y0
 ――ああもう、うるせぇな。そんなに消えて欲しいなら、さっさと帰らせてくれ。
 いつまでもここにいると、あとであいつに小言を云われるんだよ。

 ――ポウッ

 ?…なんだ?…光。…俺が帰れないのは、おまえが俺を呼び止めるからか。
 成る程…おまえ、俺の気を引くためにここの邪気に混ぜてあんな気分の悪い方法を…。
 …ちっ、仕方ねぇ。云いたいことはあるが、ここから出るためだ、付き合ってやるよ――!!

 ・ ・ ・
「はぁぁぁぁっ!!」
 ザシュッ
「グギャァァァッ!」
「…っ…(魔法なしの単独の戦いも…あたしじゃこの辺りが限界か…)」
「グオオオオッ!」
「(でも安心して、ゴドー。あんたの仇くらいは、刺し違えてでも…!)」
 ゴオオオオオォォォォォッ
「いくわよ、アリス!!――!?」
 グイッ

 ゴオオオ、パァンッッッ

「――よう。まだ死ぬには早いぞ、アリス」
「――ゴドー?…なんで、だってあんた、地割れに」
「ちょっと待ってろ」
 ダンッ
「!?グオ…」
「くたばれっ」
 ザン、ザン、ザン、ザン、ザンッッッ
「!…!!…」
 ボトボトボトボトボト、ズズゥンッ

104:YANA 70-6
06/01/30 23:40:30 n/UWnN6y0
 ・ ・ ・
「ふん…」
「…ねぇ、ホントに、大丈夫?」
「だから、心配ねぇって。事情は今話したとおり。あの地割れには危険はない。あれはただ、全てを拒む力しか持ってねぇ」
「それはわかったけど…さっき、今にも死にそうな顔してたじゃない、あんた」
「ああ、それはこいつが原因だったらしい。もう何ともねぇよ」
「?………盾?…あ、そういえば、さっきあたしを炎から庇った時も、その盾が炎を弾いて…?何なの、その盾」
「よくわからん。…ただ、何とか俺があの地割れに落ちて、見つけるように仕向けたかったらしい。それで、あんな面倒を…」
「???」
「だが、この盾が凄い力を持ってるらしいことは分かったから、とりあえず使わせてもらうことにした」
「ふぅん。…でもよかった。あんたが無事で」
「…すまんな。ちょっとの間とはいえ、心配させて」
「…ふぅ、いいわ、もう。いい加減、慣れたもん。それに、へばってるあんたっていう貴重なものも見れたしね」
「………」
「あ、あはは、冗談、冗談よ。予定外の戦力アップも出来たし、ほら、こんなとこ早く出て、ドムドーラに行きましょ?ね?」

『母さん、魔王の爪痕には、なんだか凄い盾が眠っていたみたいです。もしかして、これが大臣さんの言ってた伝説の武具…?
 あはは、そんな都合のいい話、ありませんよね! 敬具』


105:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/30 23:45:41 ROGMddbE0
>>YANA氏
乙です。

>王者の剣

『その昔 王者の剣は 魔王によりこなごなに くだかれたとききます。
 しかし その魔王ですら王者の剣を くだいてしまうのに3年の年月を 要したとか。
 いやはや すごい剣もあったもんですね。』

マイラの商人だったかがこんなこと言ってたハズ
ただこれも伝聞口調ですから、真偽のほどは微妙ですがね

106:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/31 01:33:28 X9j+fnun0
三つの武装はお城の宝って話はあったなー。
表現は作家さんの好きで良いと思うが・・・。

107:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/31 09:42:16 960GmhDQO
YANE氏乙です。

実際魔王の爪痕はやくそう持ってれば勇者一人でなんとかなるんだよなー。と思ってしまった俺は冷めてますかそうですか。ゴメンナサイorz

王者の剣ってその剣が剣の中の王者だから王者の剣なんだったような希ガス。定かじゃないけど。
なんだかんだ言って1~3のみの流れだけを見ても矛盾点はあるんだよね。
1・2で勇者ロトが使った武具がロトの装備と言われるようになった、って設定だけど2のロトの兜がありえないとか3で勇者の盾とすでに名がついているとか…
だからあんま気にしなくてもいいんじゃないかと思いますよ。これはYANE氏の作品なんだし。

矛盾点と言えば他にギアガにいた竜の女王。竜王って竜の女王の子孫だと思ってるんだけど分断された世界でどうやって竜王がアレフにきたのかとか。
あと3では1の範囲しかアレフガルドがない→2の世界はいつどうやってできた?など。

チラ裏だけど分断されるのに時間がかかるのでは?と思ったのはこの理由からなんですよね。

それとルビスの世界では完全にそうなのかもしれませんが、魔物も魔王の力で具現化しているものと、そうではなく単に邪気の影響で悪くなっているものの2種類がってのが一応公式だったような。
重ねてDQモンスターズのことも考えると魔物はそれ自体で生きていると考えるのが普通になってきそうですし。

108:YANA
06/01/31 13:54:18 YN934zuR0
>だからあんま気にしなくてもいいんじゃないかと
そういってくれると助かるます。あと原作の矛盾点は、出来るだけ埋めるつもりでプロット書きますた。
…でも俺の名前は家屋の雨除けじゃないんだorz

ちょいと時間がないので次回予告だけ。
次回はスレタイの原点に返り、テーマ「ツンデレ」と「エロス」
………ここんとこ真面目なシナリオが続くので、ちょっと息抜きを(でもフラグ回収はするw)

109:YANA 71-1
06/01/31 18:42:08 eJIY+V4c0
『拝啓 母さん、ラーミアもいないので、久しぶりの船旅です。…といっても、海岸沿いを小さな船で航海しただけですけど。
 さて、そうして着いた砂漠の町、ドムドーラ。砂漠の町という事もあり、この町では水が貴重です。
 ですが、町の井戸は涸れ果てる寸前で、やはり町の人も元気を失っています…。
 そして私たちは、オルテガさんの手掛かりを探し、町の人に聞き込みをしているのですが…』

「………駄目だな、手掛かりになりそうな情報はねぇ」
「うん…オルテガさん、ここには寄ってないのかな?」
「ま、親父が旅立ったのはもう何年も前の話らしいからな…仕方ねぇといえば、仕方ねぇ」
「…でも、あんたは諦めないんでしょ?」
「どうやら俺のしぶとさは親父譲りらしいからな。…大臣さんの話を聞いたときから、どうももう死んでるっていう気がしねぇんだ」
「…ふぅん。親子の絆、っていうのかな?」
「よしてくれ、俺と親父に限って。…そうだな、することもないし、そろそろ武装の新調くらいするか。
 バラモス戦以降、まともに買い替えしてねぇから、ここらでやっておいていいだろう」
「そうだね」
 ・ ・ ・
「…力の盾?悪いが、あいつが使うには小回りが利かねぇな、これは。俺はもう、いいのを持ってるし」
「いやいや、にいさん、こいつはただの強固な盾じゃないんだ。掲げるとなんと、持ち主の傷を癒すっていう…」
「…?」
「…!」

「…ふぅ。あたし用の装備は、ラダトームの方で揃っちゃったし、この町のお店は戦士用の装備ばっかりだし、暇だなー。
 …何か面白そうなものは…と………?………なにこれ」
「…?…どうした、アリス。何か珍しいものでもあったか?」
「………」
「?(何見てるんだ…?)」
 ヒョイッ
「………なんだこれ」
「わっ!!!ちょっとゴドー、声くらい掛けてよ!もう、びっくりしたー…」
「声なら掛けたぞ。…で。おまえ、こんなのが欲しいのか」

110:YANA 71-2
06/01/31 18:42:41 eJIY+V4c0

        〝あぶない水着 価格:78,000G〟

「ち、違うわよっ!…そ、その…こんな、見るからに防御力無さそうで恥ずかしい水着が、どうしてこんな高いのかなー、って…」
「ん?ああ、ねえさん、そいつはシャレで置いてあるんだ」
「シャレ、ですか?」
「ああ、こんな世界だからな、そういうバカをやるのもいいだろうってな。見ての通り、ただの水着だから、
 それ買って着て、魔物と戦おうなんて考えなさんな」
「し、しませんよ、そんなこと!」
「同感だ」
「………」
「なんだ」
「…ねぇ、ゴドー。これ、あたしに似合うかな?」
「医者に行くぞ」
「まま、待ちなさいって!誰が戦闘に使うっていったのよ!?あたしはただ…その…似合うかな、って、訊いただけじゃない」
「………仮に似合ったとしよう。だが、この値段は手がでねぇ」
「わ、分かってるわよ。…いいじゃない、話くらい。見たくない?あたしの水着姿。興味ない?」
「………」
 クルッ
「あ、こら、ゴドー!!」
「やってられねぇ…宿をとりにいく」
 ・ ・ ・
 ボフンッ
「もう…ちょっとくらい付き合ってくれてもいいじゃない…」
「あのな…当初の目的忘れて、寝言を言うのも大概にしろよ」
「…ぶー。何よぅ…あたしのこと好きだっていってくれたじゃない…もうちょっとさ…相手にしてくれてもさー…」
「…っ…」
「むー…」

111:YANA 71-3
06/01/31 18:43:13 eJIY+V4c0
 コンコンッ
「む…どうぞ」
 ガチャッ
「…すみません…」
「?どちら様?」
「…あの…こちらに、上の世界から来たという勇者様がいらしていると聞いたのですが…」
「ああ、そりゃ俺だ。その話は、誰から?」
「はい。この町で聞き込みをしている勇者様が、何でも上から来たらしいと噂されていまして」
「あー、あれねー。ま、不都合はないから、ちょっと口を滑らしちゃったんだけど」
「つかぬ事をお訊きしますが…勇者様は、今、上の世界に戻る術をお持ちですか?」
「?…ああ、ちょっと疲れるけど、瞬間移動の呪文で何とか行き来することは出来る」
「それでは…その…お願いが、あるんです」
「…いいよ、話してくれ」
「…(こいつは本当に…人助けだと見境がないんだから)」
「はい…自己紹介が遅れましたね。私の名はレナ。昔、アッサラームという町で踊り子をしておりました」
「ふむ(あー、そういえば…何だか足運びが一般人と違うな)」
「ですが、嫌なお客に迫られて…逃げ出してしまったんです…」
「どこにでも、バカな男はいるのね」
「で、行き着いた先がこの世界、か。…それで、俺たちに何をしろと?」
「…もし。もしあれば、でいいんです。勇者様がこの先アッサラームに立ち寄ることがあれば…座長に私の無事をお伝え下さい」

112:YANA 71-4
06/01/31 18:43:49 eJIY+V4c0
 ・ ・ ・
 ~アッサラーム・楽屋~
「…そうですか。レナちゃんが、そんなことを」
「ああ。…どこにいるかは云えませんが、無事生活しています、だそうだ」
「(で、早速そのため〝だけ〟に来ちゃうんだもんね。全く、相変わらずお人好しっていうか、何ていうか…)」
「胸の支(つか)えが取れました。知らせてくださって、ありがとうございます。お礼に、これを差し上げます」
 ゴソゴソ…
「?…うわ(これ、さっきの水着じゃない!?)」
「………」
「魔法のビキニ、というモノです。見た目はただの水着ですが、魔力的な洗礼が施されているので、下手な攻撃なら通しません」
「いいんですか?これ、貴重なものなんでしょう?」
「いえ、心配していたレナちゃんの無事を知らせてくれたのです。これくらいは」
「わー、ありがとうございます!」
「………ありがとうございます」
「ね、ね、着てもいいでしょ?」
「…やめとけ」
「む…何でよ?座長さんの話聞いてたでしょ?装備品としての実用度なら、申し分ないじゃない?」
「………」
「…そんなに見たくないの?あたしの水着姿…」
「………」
「…もう!知らない!」
 ダッ
「!お、おい、アリス!」
「先にドムドーラの宿に戻ってて!あたしはこの町で憂さを晴らしてくから!べーっだ!!」

「………………まいったな」

113:YANA 72-1
06/01/31 19:27:26 AMVy3X1S0
「…ゴドーのバカ…嫌なら嫌って、はっきりいえばいいのに…っ…バカ。大バカゴドー…」

 ちょいと、そこ行くお嬢さん!

「へ?なに?あたし?」
「おお、やっぱり!私の友達!」
「は?(友達?…誰よ、このおじさん)」
「よく来てくれました!ささ、どうぞ、品物を見ていってください!」
「ちょっと、あたしは今、機嫌が悪いの。押し売りならまたにしてくれる?」
「おお、これは悲しい!私の友達は不幸に遭っている!いけません、私としたことが…」
「わかったら、さっさと」
「ずばり当てましょう!あなたは、男性のことで怒っていらっしゃる!」
「う…(聞いてないし…しかも当ててるし)」
「わかります、わかります、意中の男性が自分に冷たい!これは悲しいことです!そんなあなたにはこれです!!」
「………なにこれ」
「見た目はただの金のネックレス!しかし、これをつけた男性はたちまち女性の誘惑の虜に!
 あなたの意中の男性につければ、必ずやその男性はあなたに振り向き、あなた無しではいられなくなるはずです!」
「………本当?」
「ええ、勿論ですとも!もし男性に何の変化もないようでしたら、どうぞ返品にいらして下さい!」
「(キュピーン)買ったわ。いくら?」
「16000Gになります」
「高いし!!」

 ~二時間後、ドムドーラの宿屋~
「はぁ、はぁ…散々値切り倒して2000G…覚悟はしてたけど、これ…もしかして騙されたかな…」
 カン、カン、カン…
「(…さて。問題は、これをどうやってあいつにつけるかね…
 警戒心の強いゴドーのことだから『つけてくれ』ってストレートにいっても怪しまれるかも…うーん)」
 ガチャッ
「ただい………?」
「すぅ…すぅ…」
「………………寝てる。………チャ~ンス!」

114:YANA 72-2
06/01/31 19:28:03 AMVy3X1S0
 ・ ・ ・
「…これでよし、と。あとはこいつが起きるのを待つだけね」
「…すぅ…すぅ…」
「そうだ、今のうちに水着、用意しておこうっと」
 ゴソゴソ…ゴソゴソ…
「すぅ…ん………」
「わっ!」
「…ん…?………」
「あ、あはは、ただいま。おはようゴドー。…き、気分はどう?…」
「………………」
「………………」
「………………」
「…ゴドー?…(うーん…やっぱりあたし、騙された…?)」
「……………………………………………………(゚Д゚)?」
「え?『その手に持ってるのは何だ?』…もう、忘れたの?アッサラームで座長さんにもらった水着じゃないの」
「( ´Д`)………」
「なに?…『着てみてくれ』?………そんなに、見たい?あたしが、これ着てるところ」
「 (・∀・)…」
「(すごい…効果覿面じゃない!ありがとう、私の友達!←※錯乱中)…ふふん…しょ、しょうがないなぁ…ちょっとだけだよ?」
「キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!」
 ・ ・ ・
「どう?…似合う?」
 クルッ
「(*´Д`)ハァハァ…」
「えへへ、ありがと」
「(*´Д`)…」
「え?何?…『その格好でぱふぱふしてほしい』?…ぱふぱふ?…何だか前にも聞いたことある気がするけど…なにそれ?」
「(・∀・)…」
「………『胸と胸の間に』…!!!!!???(////////) ばばばばばば、バカいわないでよっ!!
 そそそ、そんな、そんな恥ずかしいこと…出来るわけないでしょ!!?」
「………(´・ω・`)ショボーン」
「…っ…そ…そんな顔したって駄目なんだからね!………」

115:YANA 72-3
06/01/31 19:28:33 AMVy3X1S0
「(´・ω・`)」
「………」
「(´・ω・`)」
「………ああ、もう!!…わかったわよ!や、やればいいんでしょっ!?」
「(`・ω・´)シャキーン!」

「い…いくわよ?(あうぅ…確かにゴドーは積極的になったけど…なんだか、変なことになってきてる…)」
「(*´Д`)…」
 ギシッ…
「ん…」
 ふにふに…ぱふぱふ…
「ん…ふぅ…」
「)´Д`(」
 ぱふぱふ…むにむに…
「…はぁ……ど、どう?…気持ちいい?」
「(*´Д`)ハァハァ、ハァハァ…」
「…っ…そ…そんなこと…いわないでよっ…死ぬほど恥ずかしいんだから…」
「―――(*゚∀゚)=3 ムハーッ!!」
「!!きゃっ!」
 ボフンッ
「ちょ、ちょっとゴドー、いきなりなにす…ふわっ!?」
 ビクンッ
「(*´Д`)ハァハァ」
「はぁ、はぁ…何…して…やめ…」
「(*´Д`)ハァハア」
「『ナニをしている』って…ホント、やめ…んっ!」
 ビクビクンッッ
「ひ…ひぐ…(…こんな…こんなのやだ…あたし…あたし…!!)」
「(*´Д`)ハァハァ」
「…そうだ…(あのネックレス…あれをとれば…!)」
「(*´Д`)ハァハァ」

116:YANA 72-4
06/01/31 19:29:04 AMVy3X1S0
「ん…っ!」
 ブチッ
「(*´Д`)ハァハ………………(;゚Д゚)!?」
「はぁ……グス…はぁ…はぁ…」
「………………………」
「…ヒック…ゴ、ドー…?」
「………………………」

 ―――さて。説明せねばなるまい。
 アッサラームの怪しげな商人がアリスに売りつけた金のネックレス。
 原理は不明だが、このネックレスは、装備した男性の基本的な人格はそのままに、性的欲求という一点のみを強化する代物である。
 本能から来る欲求を、内的要因である理性のみによって抑えつけるのは難しい。欲求を抑える決め手は、いつでも外的要因である。
 例えば上の立場にいる者からの命令であるとか。例えば金銭の不足であるとか。…例えば、性交渉相手の意思の尊重であるとか。

 ゴドーという人間が他の男性に比べて性的欲求が小さいかというと、決してそんなことはない。
 彼はただ、常に冒険で生き残る上で、性的欲求よりも生命活動に関わる欲求を優先させているに過ぎない。
 だがここに、一時的にせよ性的欲求が他の欲求を上回った。加えて、多少受動的とはいえ、欲求を扇情したのはアリスである。
 誘ったのがアリス自身で、ゴドーの性的欲求は強化されている。ここに、彼の欲求を抑える外的要因は存在しない――!

 ただ。このネックレスは装備者の欲求の指向性を定め「性格」を変化させるだけであり、当人の「人格」を入れ替えるわけではない。

「………………………」
「………………………」

 ―――まぁ、有体に言えば。彼はネックレス着用時の自分の行動を、全て記憶しているのである。

「…っ!!!!!!」
 ダッ、バンッ
「あ、ゴ、ゴドーっ!待って!!」
 ダダダダダダダッ…
「っ…追いかけないと!服、服!!」

117:YANA 72-5
06/01/31 19:31:16 AMVy3X1S0
 ・ ・ ・
 ザッザッザッザッザッ
「はっ、はっ、はっ、ちょ、ゴドーっ!待ってってばっ!!」
「…っ……」
「話を聞いてよ!」
「………」
 ザッザッザッザッザッ
「はっ、はっ…もう…ボミオスっ!!」
 キュウウウウッ
「!」
「捕まえたっ!」
 ガシッ、ドザーーーーッ…ゴテンッ
「………………」
「はぁ…はぁ…はぁ………ふぅ。いきなり逃げないでよ…ゴドー」
「………すまん」
「え?」
「…言い訳をする気はねぇ。頭を冷やして、落ち着いてから謝ろうと思ったんだが…その、こうなったら仕方ない。
 煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」
「…だーかーらーっ!話を聞いてっていってるでしょっ!!」
 ・ ・ ・
「………つまり、俺がおかしくなったのは、その妙なネックレスのせいだと?」
「…うん。あんまりゴドーが冷たいから…つい、カッとなって」
「………」
「………やっぱり、怒ってる?」
「………逆だ。きっかけがなんであれ、俺はそれをつけている間、ちゃんと意識があった。
 あの衝動を抑えられなかったのは、間違いなく俺のせいだ。………すまん」
「あ…あんたが謝らないでよ…悪いのはアレつけたあたしなんだから…あたしの方こそ、ごめん」
「いや、俺が悪い」
「ううん、悪いのはあたし」
「「………」」

118:YANA 72-6
06/01/31 19:33:16 AMVy3X1S0
 ―――キラッ
「ん…?」
「?…どうしたの?」
「…いや。そこの茂みで、今何か…ん」
 ゴソゴソッ…グイッ
「………なにこれ?…結構大きいわね」
「…石か?………いや、違う…この感じは…あの盾に似てる――?」
「?」
「…何かの役に立つかも知れん。とっておこう」
「ふぅん………で。さっきの続きだけど」
「アリス。…ごめん」
「だから、悪いのはあt」
「違う。…昼間の、水着の事(まぁここはずっと夜だけど)」
「………」
「見たくないわけじゃなかったんだ。…ただ…」
「…ただ?」
「………」

 ――俺は、おまえにイカれちまってるから。おまえの、そういう格好を見たら平静を保てねぇかも、って。

「―――」
「…あと、おまえの水着姿を他の奴に見られたくなかった。…ごめんな。それだけだtt――!?」
 ギュッ
「お、おい!」
「…ゴドー」
「…なんだよ」
「…大好き」
 チュッ
「………(…まいった。俺は近い将来、こいつにだけは勝てなくなるかも知れん)」

『母さん、あなたは、父さんと結婚する前、どんなことをしましたか?どんな喧嘩をしましたか?
 もしかして、水着のことで喧嘩とか…しましたか?もししたのなら…私はちゃんと、母さんの血を受け継いでます(笑)。 敬具』

119:YANA
06/01/31 19:41:11 AMVy3X1S0
Q. レナのキャラが原作と違いませんか?
A. 仕様です。プレイには(ry

Q. ネックレス着用時のゴドーが凄い顔してますが?
A. 外見上は変わらず、いつもの無愛想です。
  あの時の彼の感情の変化を読めるのは、アリス・アレイ・ライナーの三人くらいです。
  AAは彼の心理変化を分かりやすく表したものです。

白状しよう。この展開やりたいが為に第一部から頑張ってきますたよ、俺は。
スマソ、ちょっとの間留守にすると思うので、暫く宜しく。

120:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/31 19:43:07 960GmhDQO
ゴドーバロスwwwwwwwwwwwwww
なんだかんだ言って彼も16歳ですものね。(笑)

YANE氏乙でした。ヽ(・∀・*)ノ

121:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/31 20:53:06 ZCBTxMXx0
ボミオスにワラタwww
しかしこれがやりたいが為に書いてきたってのも凄いなwww

122:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/31 20:59:43 JO7cEWhH0
俺は今まで以上にYUNA氏を尊敬するようになった。

123:YANA
06/01/31 21:25:29 B1XnIPc30
>>120
だから俺の名前は家屋の雨除けでも

>>122
FF10のヒロインでもないんだってばヽ(`Д´)ノ ウワァァァン!!

124:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/31 23:17:15 D40hq+/n0
>>NAYA氏
乙ですwwwww

不覚にも顔文字ゴドーにモエスwwwwwwww
こんなに笑ったのは久々かもしれんwww

125:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/31 23:30:25 oSNpBAPG0
KANA氏GJ!!!!!!
顔文字にはしてやられたぜ。

126:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/01/31 23:59:18 7oO2xom+O
NANA氏乙wwwww

127:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/01 00:30:34 cSHt+MQdO
YANA氏GJ!!!!!!

128:120
06/02/01 01:16:40 uml9/PumO
ごめん、俺ずっと間違えてたんだな。orz
本気でゴメンナサイorz本当に今まで気付かなかったorz
家屋の雨避けって名前のことさしてたのか。ずっと『(・∀・)?』こんな感じでしたorz

129:名無しでGO!
06/02/01 01:17:53 8nrqj+z+0
YANA氏グッジョブ
続きをお待ちしております

130:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/01 14:28:36 vQzvevO90
ネックレスがバイアグラ並に使える装備じゃないかwwwww

131:YANA
06/02/01 17:33:13 5tbCV2iO0
金のネックレス→着用すると性格が「むっつりスケベ」に
ドムドーラ→あぶない水着(高額にてまず購入不可)、踊り子レナのイベント
アッサラーム→レナイベントですぐさま代用品(魔法のビキニ)入手、金のネックレスがボッタクリ商人によって販売

これだけの材料が揃っててコンボさせない手はないwww
※向こう一週間取材にて作者休載。何かあれば答えますが掲載は一時休止のこと。ご了承を。

132:名無しでGO!
06/02/01 18:46:10 9cazBW0MO
掲載再開の際には節穴で応えよう

133:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/02 21:32:39 ZQoO8CNK0
昨日、久しぶりにカーチャンから電話があった。
「ちゃんとご飯食べてる? 部屋きれいにしている?」
心配してくれているのだろうか。 漏れは素直に現状を伝えた。
「まぁ、部屋はヒドイもんだよ、でも野郎の一人暮らしはそんなもんさ。 メシは毎日コンビニ弁当だよ、自炊ダルい。」
「あらあら・・・。」
「まぁ、こっちはこっちで何とかやってるから、カーチャンも健康に気をつけてくれや。」
と、軽く答えた。

でも、火曜日はカーチャンのパートが休みの日だというのを忘れていた。
昨夜、友人と飲みまくって帰ったのは深夜。
部屋が見違えるほどキレイになっていて、コンロの上にはカレーができていた。
まさか! と、思って部屋に入ると手紙が・・・

○○へ
ズボン2枚と上着3枚とクツをもってきました、ソファーは押入れに入れちゃいました
冷蔵庫に福神漬とめかぶのサラダが入ってます
カレーを作っておきました ご飯は6時ごろに炊けるようにセットしてあります
コタツをかってにまたつくりましたがいやだったらふとんは
押入れに入れておいてもいいと思います

  ――どうも勝手におじゃましました
          かぜひかないようにね!!

んで、冷蔵庫には漏れの大好きなチューハイの缶と、ビールが入ってました
ビールはあまり好きじゃない・・・カーチャンは大好きだけど。
つまり・・・漏れが帰ってきたら一緒に飲もうと思って・・・ゴメン カーチャン。
実家が遠いというわけじゃないが、それでも普通に電車で2時間以上かかる場所からわざわざ漏れのためだけに・・・
今さっきカーチャンに電話しました、ゴメンネ アリガト・・・カーチャン


134:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/02 22:40:09 zSbDCHIx0
押し入れからローラ姫の日記が発見されました。
長くないものなので、保守がてら書き込んでみたいと思います。

-------------

○月×日

今日は竜王の手下に攫われてしまいました。
なんのためか知りませんが、何処かの洞窟に閉じこめられてしまったようです。
ドラゴンさんが門番やっているようですが、ときどき聞こえてくる唸り声が怖くてたまりません。
わたしはこのまま殺されてしまうのでしょうか?
グスグス泣いていたら、ドラゴンさんがわたしを威嚇しながらノートとペンをくれました。
何かの気晴らしになるかもしれないので、此から日記を書いていきたいと思います。

ああ、お父様早く助けて。

135:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/03 01:00:44 TonOpcFw0
保守?いらない?ww

136:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/03 02:00:28 2h2d/a0dO
ドラクエⅠの世界に何故押し入れが

137:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/03 03:09:37 JaJ/udOtO
ドラゴンさんはツンデレでした
まで読んだ

138:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/03 10:35:58 DrtHcVInO
書き手さん達はみんな当時からのVIPPER?
ここの住人さんも交じってる?

139:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/03 19:44:30 IJGj64wU0
>>138
わたしはスレがvipにあったときからの住人ですがなにか?執筆係さんの降臨を待ち悶えています。
と云うわけで、今日のローラ姫の日記です。

------------

△月□日

今日は何処かの戦士さまがドラゴンさんに追い返されていました。
この暗い洞窟から出られると思ったのに、ドラゴンさん強すぎです。
このまま誰にも助けられなかったら、わたしはいったいどうなってしまうのでしょう?
ドラゴンさんの美味しいおやつになるのは、ちょっと遠慮したいところです。

此を書いているときに部屋の松明が消えてしまいました。
暗いところが怖いとグスグス泣いていたら、ドラゴンさんが入ってきたのです。
そのまま大きなお口を開けてたので、とうとう食べられてしまうのねとこの世を儚んでいたら、
松明に火を付けてくれました。御礼を云おうとしたら、思いっきり威嚇されてしまって怖かったです。

お父様はいつ助けに来てくれるのかしら。

140:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/03 20:00:05 0Rc97iq4O
ちょっと面白いw

141:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/03 23:50:05 +s8Gknu30
ドラゴンたん萌え

142:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/04 00:31:17 /oCAY4EA0
まさか、ドラゴンがツンデレですか?w

143:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/04 11:36:47 Lv7bQJmjO
モンスタ―がツンデレ・・・悪くない

144:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/05 00:02:45 vW6W0fFK0
×月○日

洞窟の中にいると朝も昼も判りませんが、
一日一回、朝にドラゴンさんが吼えるので辛うじて日付が判りますが。
ここに来てからだいぶ経つのに、一向にお父様の助けが来ません………
今日は外も寒かったのでしょうか、洞窟の中がとても冷えました。
何度もくしゃみをしてしまい、風邪を引いてしまいそうになりましたが、
ドラゴンさんが入ってきて、薪に火を付けてくれました。
お部屋は煙たくなりましたが暖かさには勝てません。有難く暖をとらせていただきました。
でも…お部屋から出るときに、此方を向いて威嚇するのは吃驚するので止めて欲しいです。

お父様は……わたしなんてどうでも良いのかしら。

145:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/05 00:08:22 CsEU/LX70
日記の写しを間違えてしまいました。

×洞窟の中にいると朝も昼も判りませんが、
○洞窟の中にいると朝も昼も判りません。

146:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/05 00:44:32 O1Q7K35OO
俺の中でのローラ像が変わっていく。

147:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/05 00:46:32 xI64TyoT0
ドラゴン倒すのがかわいそうになってきたw

148:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/05 19:52:22 kRnFrC670
□月×日

今日も何処かの戦士さんが、ドラゴンさんに追い返されていました。
ドラゴンさんはとっても強いのでもう期待はしていなかったのですが、
それでもやっぱり一寸はショックです。
もうわたしは此処で一生を終える運命なのでしょうか……

わたしが閉じこめられている部屋には寝床がないため、いつも毛布にくるまって地べたに寝ています。
流石にこんな日が続くと身体が軋んできて、横になるのが辛くなってきてしまいました。
それから何度溜息を吐いたでしょう。
いきなりドラゴンさんが部屋に入ってくると、わたしを威嚇してきます。
そのまま部屋の中央で座り込むとわたしを手招きしたので、いよいよ覚悟を決めました。
だけど、ドラゴンさんはお腹の上にわたしを寝かせると、目を閉じてしまいました。
暖かくて柔らかく、とっても心地が良かったので思わず御礼を云おうとしたら、
目の前で大きく口を開け牙を煌めかせたので、そのまま食べられちゃうかと思いました。

お父様はなんて、だいっ嫌い。

149:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/05 23:07:21 cQmbSp3/0
俺もドラゴンのおなかで寝てみたい

150:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/05 23:23:29 sE450Qwf0
ドラゴン萌え

151:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/05 23:53:26 O1Q7K35OO
殺すんじゃなくて追い返してんのか。結末が気になる。

152:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/06 03:05:13 tqMk91T60
なんか平井堅の君は僕の友達のプロモ思い出した、アレ泣けるんだよなぁ…

153:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/06 23:01:32 w7VFmsmG0
△月○日

久しぶりに太陽の光を見たとき、何故か知らないけど涙が出ました。

そう、わたしは洞窟から出ることが出来ました。
今までも何度かドラゴンさんと戦っていた戦士…いえ、勇者さまが助け出してくれました。
ドラゴンさんも強かったのですが、蒼く輝く鎧と盾を身につけた勇者さまのほうが更に強かったです。
長い戦いの末にドラゴンさんがうずくまり、とどめの一撃を与えようと勇者さまが剣を振り上げたときです。
ドラゴンさんが此方を見て、ニヤッと笑ったように見えました。わたしにはそう見えたんです。
其れを見て、わたしはとっさに叫んでしまいました。
勇者さまはわたしに気が付くと、閉じこめられていた部屋から出してくれて、話を聞いてくれました。
良くしてくれたことなど、全部聞いてくれた勇者さまは、薬草でドラゴンさんの傷を治してくれました。
ドラゴンさんは躯を起こすと、唸り声を上げましたが攻撃しては来ません。
長い幽閉生活で体力の落ちていたわたしは、勇者さまに抱えられて洞窟を出ました。
最後にドラゴンさんに御礼を云おうと思ったのですが、いつものように威嚇されちゃいました。
結局、最後迄ちゃんと云えなかったので、日記ですけど此処でお礼を書かせていただきたいと思います。
ありがとうございました、ドラゴンさん。

勇者さまも………ありがとう。

154:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/06 23:05:25 4Gfg/YMK0
あの童話っぽいやつか
てか姫の心境がダークになっていきそうでコワスwww

155:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/06 23:08:05 w7VFmsmG0
発見されたローラ姫の日記は此処で終わっていました。
YANA氏もそろそろ帰ってくるかと思うので、頃合いかと。
で。このドラゴン、経験値も普通のに比べて高いので、竜王の血族だったら面白いですよね。

DQ2でネタを練ったりなんかもしてますが、ソル・シエールに冒険に出ているのでなかなか。
ま、もし期待してくれる人がいたなら気長に待っていてください。

156:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/06 23:09:55 w7VFmsmG0
>154
もっと先も発掘した方が良かったですか?
だったら押し入れを漁りますが。

157:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/07 02:44:24 mUxnSlMX0
良かったよぅ
ハッピーエンドで良かったよぅ
てか続きがあるなら希望したくはあるがキリも良いし
無理にやらんでもいいような
そちらさんに任せます

158:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/07 23:24:00 px0MHOBi0
保守がてらに書き込み。

>157
日記の残りの発掘は大変そうなので、>153で〆と云うことで。
どうせあれです。残りは皆の知っている流れでしかないし。
と云うわけで次回作にご期待下さい。


159:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/08 02:02:44 AA4LZtUV0
いい加減クロノトリガーゼノギアスDQ2,3FF5,6崇拝してるおっさん死ねば?

1 :ゆとり世代代表 :2006/02/04(土) 23:43:56 ID:C64G4e0a0 ?#
今やるとグラフィックに萎えてやる気おきないから

あの2Dの雰囲気がいいとか言ってるおっさんは死ね

今の時代についていけなくなったおっさんは
一生昔の思い出に浸りながらクロノトリガーやってろばーか^^あはははは♪

ネ申ゲーを馬鹿にしている奴らに制裁を!
スレリンク(news板)

160:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/08 08:30:58 KsxGFeHGO
次はムーンブルク王女(2ね)の日記を探してくんない?

161:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/08 23:32:37 +Ovcvsa/0
>160
日記形式じゃないのであれば直ぐにでも。

と云いたいところですが、日記の方が良いんですかね?
いや未だ全然なんですよ。色々と試行錯誤をしてはいるんですが。

162:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/09 02:08:36 2WtRPmRgO
なんか日記っていう形が面白そうだだけどね。お任せするよ。

163:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/09 22:23:09 Ht5mxrZq0
YANA氏はそろそろ戻ってくるんだろうか

164:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/10 09:51:16 eN0w2qZ40
保守

165:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/10 15:28:10 9OSo5dFH0
まぁ気長に待ちますか

166:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/11 19:39:24 i+9Yxc5E0
保守

167:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/12 06:40:05 lh/5hLAq0
保守

168:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/12 08:40:07 WR8IL8YhO
あげ

169:pppoe224.45.west.osaka.dcn.ne.jp
06/02/12 08:50:40 Vorw5rKR0
まだ戻ってこないのか?

170:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/12 14:03:17 rxQOYvLx0
きっとみんなバレンタインの準備に忙しいんだよっ!!

171:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/13 14:11:29 Ags6v88s0
保守

172:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/13 23:01:14 kFClz0LK0
神がメインだからか雑談もないな

173:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/14 20:52:35 7cVMxy/20
ほしゅ

174:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/14 21:41:27 sxRiHefs0
バレンタインネタでも仕込んでるのかとwktkしてたが
気長に待つか

175:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/14 21:48:05 1AkIcflq0
ていうかDQの世界観でバレンタインってあんのかな
言い始めるとキリないがw

176:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/15 00:18:48 qCxy3DUz0
かつて、闇の世界に陥れたアレフガルドを大魔王の手から開放したという勇者ロト。
光の玉を奪い、アレフガルドを恐怖のどん底に陥れた竜王を倒し、
アレフガルドに平和をもたらした勇者ロトの子孫、アレフ。
彼らが命を賭してもたらした平和は、大神官ハーゴン率いる邪神の軍勢によって破られた。

彼の軍勢はロンダルギアの地平から、ロトの血脈を守っていたムーンブルクに奇襲を掛け、攻め落とした。
ハーゴンの野望は、禍々しい神を呼び出し世界そのものを破滅させること。
勇者の血を同じく受け継いでいたローレシアとサマルトリアは、王子たちをハーゴン討伐に向かわせる。
彼らの故事に習い。その受け継がれる血に世界の希望を託し。


今は昔。
既に伝説でしか語られることのない、ロトの勇者たち。
地上から姿を消したその血脈。人々の記憶から消えゆく、その最期の戦い。
今から紐解く物語は、その戦いの記録である。

177:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/15 00:20:26 qCxy3DUz0
うぅ……此処は………?
って、言葉が喋れるっ!?前足じゃない……指が五本ぁ……鏡はっ!!!?

(ドタバタ)

戻ってる、戻ってるよ!!夢じゃなかったんだ!!!
あの鏡には人間のわたしが映っていて、鏡から出た太陽のような光で照らされたかと思うと割れちゃって。
その後人間に戻って、気を失っちゃったんだ…。
………ちょっと待って。あの時わたし、何か着てた?姿が戻ったと、き………
まさか、見られた?全部見られた?余すところ無く見られた?その上介抱された?アイツらに………?

(コンコン)

ちょ、ま―――

(カチャ)

は、は、は、は、は、は、は、は、入って、くるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
バギィィィィィィィィィ!!!!!

(ズシャズシャズシャズシャ)

178:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/15 00:28:21 qCxy3DUz0
見切り発車万歳。

YANA氏の帰りが遅くなりそうなので、予定を繰り上げて練り上げてみました。
ホントにこの形式で良かったのかとも思うのですが、もう知らん。
の割には、今でも自問自答中。でもあんまり悩むと禿げそうなのでこのくらいで。
2は物語自体が短い上に且つ途中からなので、今回はのんびりゆったり行きたいかと。
もしも気に入ったら、是非書き込んでください。声援があるから僕たちは頑張れるんだっ!!とかなんとか。

さて、其れでは此から暫くのお付き合いを宜しくお願いします。

179:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/15 00:39:54 0LSM/o7D0
声援があるから僕たちは頑張れるんだっ!!


こうですかわかりません><

180:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/15 00:46:36 rqAXW71vO
見切り発車万歳!ローラに続き王女も人物像に期待

181:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/15 09:18:57 Zhjv/QXJO
2の王女はほっかむりに萌えだとか(なんとか)


182:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/15 13:18:39 3ST7Dgvc0
2の三人と7の最初の三人は頭部が似通ってるよね
それはともかく期待してます。頑張れ!頑張れ!

183:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/15 18:02:55 VjVJUed/0
wktk

184:見切り発車
06/02/16 00:06:12 ory7gTBB0
だから、悪かったって謝ってるじゃない。
色々思い出して気が動転してたんだから仕方ないでしょ。
ちゃんとベホイミだって掛けてあげたんだからもう平気よね。だからそんなに痛そうな顔しないで。
むー、未だ足らないなら、好きなだけ掛けてあげるわよ。ほーらベホイミベホイミベホイミ……

でもねー、いきなり入ってきたらそりゃ吃驚して当然よ。心の準備ってものが………
ノックしたって、わたしが応える前にドア開けたら意味無いじゃないのっ。
大の男が二人もいるんだから、もう少し気を利かせなさい。

―――それに、みたんでしょ?わ、わた、しのは、は、は……………
な、なんでもないっ!!なんでもないったら、なんでもないのっ!!
………あんまりしつこいと、またカマイタチで切り刻むわよ。

で、此からどうするの?わたしは今の状況判ってないんだから、ちゃんと教えてよねっ!!

185:見切り発車
06/02/16 00:11:44 ory7gTBB0
展開考えると、既に後悔が襲ってきていたり。練りが足りないというのはこういう事ですね。
そういう自戒を込めてハンドル付けてみました。
因みに、今回は終わりありきではじめたので最後まで頑張れると思います。多分。

>179
確かにそう取られてもおかしくない書き方でしたね。
申し訳ない。照れ隠しを付けるぐらいならそんな文付け足すなと、反省。

186:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/16 02:32:37 6WrHko0hO
>>見切り発射殿
王女が既に抱き締めたい程カアイイ
漏れにもバギしてぇ~(*´д`)ハァハァ

187:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/16 08:33:33 TDfEhopYO
王女のハダカ・・・
なっ、ばっ、おま、あんなお子様のハダカなんて興味ねーよ!

188:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/16 16:45:35 iBgBZpla0
wktkほしゅ

189:見切り発車
06/02/16 17:45:11 DZsBnsYL0
風の塔~?
そのくらい知ってるわよっ!!全く二人して莫迦にしてっ!
此処一帯はムーンブルクの領土なんだから、わたしが知らないはず無いじゃない。
……まぁ、今ではその国も無くなっちゃったんだけどねっ。
あー、もう二人してそんな昏い顔しないのー。男なんだからシャキッとなさいっ。

風の塔に行きたいって、風のマントが目当てなんでしょ?
ずーっと前から、わたしが生まれる前からその話はあるみたいだけど、誰も実物を見た人はいないのよ。
そんな実在すら怪しいもののために、あんな遠いところまで行く気なの?
其れに高いところから落ちたときに少しだけ空を飛べるって、なんの役にたつのよ………
てか、コナン!貴方もヘラヘラしてないで、あの脳味噌筋肉になんか云ってやってよっ!!
そのくらいの寄り道いいだろうって………あーもう、のんびりシスコン王子には期待しないわ!!!

だから、わたしは先を急いだ方がいいんじゃないかって云ってるのっ!
け、決して面倒臭いとか、高所恐怖症だとか…そんなんじゃ………
そ、それに……っ!ううん、やっぱなんでもない―――
ん?なによその手は…………わんっ!!

…………………………………………………~~~~~~!!!
な、なっ、なにっ、な、なっ、なにやらせるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!

190:見切り発車
06/02/16 17:54:37 DZsBnsYL0
この後、とある呪文で宿屋の一室がボロボロになり、修理費を請求されたことは想像に難くありません。

どう見ても話が進んでいません。本当に(ry
で。色々悩んだ挙げ句、三人には名前をCDシアターから頂いて付けることにしました。
やっぱりサマルは置いてくるべきだったか………

191:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/17 00:38:15 3sezYl+60
ありゃ大分時間経ってるのにレスなしかyp
GJ!
それはともかく作者さんのコメントと内容は分けたほうが良い希ガス
まぁ何にせよ続き期待しとります

192:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/17 01:24:40 cftMp1E9O
>やっぱりサマルは置いてくるべきだったか………

このツンツンめw

193:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/17 07:29:05 IDtV290DO
風の塔から飛び下りるときは
「当ててんのよ!」希望。

194:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/17 17:04:50 nyPH7pE30
犬王女モエス

195:見切り発車
06/02/17 17:59:58 VjlrnrFb0
もうっ!!そっちじゃなくてこっちっ!!
この山脈を大きく北から迂回しないと風の塔には行けないのよ。
其れとも、山登りでもする気?
全く……自分から行くとか云っておいて、そのくらい調べておいておきなさいよ。
そうね、昔っからそうだった……考えるより先に…………
なっ、なっ、なにっ!?い、いきなり声掛けないでよっ!!吃驚するじゃないっ。
ちゃんと一言断ってからにしてよねっ、もう。

そんなにゴチャゴチャ云うなら、待ってれば良かったって………?
なぁに、そんなにわたしに付いてきてもらいたくなかったのっ?
其れに、もしわたしを置いてきてたら、道間違えて余計に時間が掛かってたんだよ。
一寸は感謝してくれるのが筋ってもんじゃないの?
……ちょ、待ってよっ!!なんでいきなり早足で……付いて行けないじゃないっ!!

そんな云い方……もしかして怒っちゃった…?
待ってっ………あーん、ごめんなさいっ。お願いだからおいてかないでよー………

196:見切り発車 米
06/02/17 18:08:48 VjlrnrFb0
やっと街を出ることが出来ました。相変わらず足の遅いパーティーですね。

>191
>190の一行目が本文だと思われたって事ですよね?
だったらごめんなさい、其れコメントですorz
なんか、今回は紛らわしい書き方することが多いですね、反省。
今後こういう事がないように、ハンドルに米時は米を入れてみるテスト。

>193
其れは無理です。
と書こうと思ったのですが、考慮してみた結果いけそうかもしらん。
あんま期待されるとプレッシャーに負けそうなので、適当に待っていてください。

197:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/17 21:08:17 3sezYl+60
話の進み具合はそこまで気にならんよ
王女が如何にツンデレであるかが重要なのだ!
あと俺191だけど俺が勘違いしただけだから気にせんといてや

198:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/18 00:16:47 F9OtgcRc0
見切り発車氏って前に4の話書いてた人?

199:見切り発車
06/02/18 02:02:34 Dpt7jUET0
あ、あんまり端っこ歩かないでよ………
怖くなんか無いもんっ!!で、でもさく、柵一つ無いんだよ?
足を踏み外したら、あ…危ないじゃない…?

ひゃあ!!
かっ、かぜが、風がぶわーって………こ、怖かったわけじゃ………!

(ガシッ)

きゃあ!!!
い、いきなり手なんか握らないでよっ!!
引っ張ってくから……?じゃなかったらって、そんな……っ!
わたしひとりでこっから降りられるわけ無いじゃないっ!!
それに、一人で待つのだって無理よ………此処の魔物強いもん……

…………い、良いわ…わかった。てっ、て、手で繋がれててあ、あげるわよ。
わっ、わたしのラリホーだって、必要でしょ。其処のシスコン王子より強い回復呪文だって使えるし。
だ・か・ら、仕方なく繋がれていってあげるのっ!わかったっ!?
ほら、そうと決まったらちゃっちゃと行くっ。目的果たして、こんな処さっさと出るのよっ!!

200:見切り発車
06/02/18 02:08:31 Dpt7jUET0
>198
うわぁ!!ばれたっ!!逃げろっ!!

って、別に隠す必要もないし逃げないし。ハンドル変えたのは自意識過剰のためです。
まぁ、公然の秘密と云うことで。
うーん、やっぱりキャラクターの差別化が上手く出来てないかなぁ?
どうしても似通ってしまうような気がするんですよね、書いていて。むつかしいもんだ。

201:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/18 05:02:06 Vmo2LAa2O
携帯から失礼します。やっぱり、元だんごさんでしたか。自分はこの作風が大好きです!真面目なシンシアの話をみるかぎり…素人とは思えねぇです。まったり頑張って下さい!!携帯からごめんなさいm(_ _)m

202:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/18 08:47:27 RQh999fRO
「当ててんのよ!」に加えて
頂上に到着→下から強い風が→ムーンのスカートが→
まで書いてくれたら抱かれていい。

203:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/18 13:50:46 XGcboxyhO
発車氏乙です。

…にしてもYANA氏はまだかなぁ。

204:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/18 21:01:26 zyHIUQjQ0
気長に待とうぜ
見切り発車氏が間を有効に使ってくれてるんだしさ

205:見切り発車
06/02/18 23:03:13 Dpt7jUET0
此が風のマント………本当にあったんだ。
でも、見た目は普通のマントにしか見えないよ、一寸ヘンテコな形の。本当に此で空を飛べるの?
え……?試さないよー試さないよー……だってっ!!こ、こっ、こっ………
いっ、いいのっ!そういうのはぶっつけ本番で!魔法の道具は失敗、しないんだから……!!

ねぇ、それよりもっ。
屋上になんて上がる必要なかったんじゃないっ!!
最初からわたしが見つけた、あの階段を降りていれば良かったのにっ。
宝は絶対てっぺんにあるもんだー、なんて威張りくさっちゃって。
そんなに簡単に手に入る物だったら、とっくに他の誰かが持って行っちゃってるはずでしょっ!
そのくらい考えれば直ぐに判りそうなもんなのに………

なによ………なんか文句あるの?
もう、ほらぁ。早く出ましょうよ、こんな塔。
………なにしてるの、手握ってよっ。
なんでって、何云ってるのよ……またあの柵もないところを通ることになるじゃないっ!!
ほらっ。早くぎゅ、ぎゅっ…ぎゅーって、しっかり、にっ、握ってよねっ!

206:見切り発車
06/02/18 23:10:23 Dpt7jUET0
執筆係氏とYANA氏、帰ってこないかなぁ。

>202
よしわかった。隅々まで綺麗にして待ってろっ!!

207:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/19 12:39:19 4hQBfxy8O
>>206
今からシャワー浴びてきますね

208:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/19 12:55:46 NyeHhnfi0
ナンだこのうほっな流れw

209:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/19 23:57:02 NyeHhnfi0
ホシュ?

210:見切り発車
06/02/20 01:59:49 f+gTCZkC0
何よ、さっきの女の人は。
アレンのこと、見るなり駆け寄ってきたけれど。目なんか潤ませちゃって……
昔、ローレシアのお城で働いてた人なの?
ふーん、其れにしてはとーっても親しそうでしたけれど?
なーんでわたしが機嫌損ねなきゃいけないのよ。
貴方が誰と仲良くなろうがどういう関係になろうが、わたしには関係ないもん。

…ちょっと外で風に当たってくる。


………誰?
お城の……そう。逃げた、のね………
貴方一人いようがいまいが、結果は変わらなかったわ。
……助かった命、せいぜい大切になさい。

はぁ……なにやってんだろ、八つ当たり?情けないなぁ……
なんでこんなにイライラするのよっ!!あーむかつくっ!!

211:見切り発車 米
06/02/20 02:02:29 f+gTCZkC0
萌え成分が足らなくてごめんなさいorz
なんかイベント突っ込んだら、こんなのになっちゃいました。
改めて力不足と執筆係氏の偉大さを実感。

212:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/20 07:40:08 4vNMSbWkO
鬆大シオ繧後€�

213:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/20 12:47:58 CaHZwTXv0
萌えとは伏線が必要だったりするしツンが多めなのが好きな人も居るんじゃないかと
なにはともあれ書けば力は付くでしょう
読むだけのこちらからすると文句の付けようはないけどな!

214:見切り発車
06/02/21 01:14:26 mp6lvD070
はい、ベホイミ。まったく、呪文だって無限じゃないの。
少しは頭使って戦いなよ。

なによ、別に愛想良くなくたって良いじゃない。
愛想良くしてモンスターが一網打尽になるんだったら、幾らでも良くしてあげるわよ。
だけどね、戦ってモンスター倒して、最後にハーゴンやっつければ良いんだから、
仲良しこよしなんてやる必要ないでしょ。
其れにねぇ、どーせ向こうだってなんとかしなきゃなんて思ってないわよ。
コナンは気を回しすぎなの。

このまま進むとムーンブルク城のそばを通るわね……お城に寄るわ。
……大丈夫。お城が、みんながどうなったかわかってる。
だけどね、ローレシアにロトの印、サマルトリアにロトの盾が伝わっているように、
ムーンブルクにはロトの鎧があるのよ。
無事に残っているかは分からないけれど……探す価値はあるでしょ。

平気よっ!!――わたしなら平気。だから、行くの。

215:見切り発車 米
06/02/21 01:18:09 mp6lvD070
>213
そう云っていただけると光栄です。
まぁ然しだ。もし気になるところやら文句があったらいってください。
批判は甘んじて受け、以後の糧にします。
お褒めの言葉だったりしたら、勿論踊りだすけどなっ。

216:見切り発車
06/02/22 00:28:12 H/C8JfSr0
……………こんな………
なんて……有様なの………怨嗟の……呻きで満ちて………
………みんな……………
大丈夫……大丈夫だから、探しましょう。
……待って、向こうから何か……?

お、とう…さま……?お父…様……お父様ッ!!!
お父様ッ!!!わたしは此処に居ますっ!!
わたしですっ、ナナです!!貴方の娘の………!!!
呪いも解けて……みんなの仇を討つために旅をしているんですっ!!
二人に………たすけ……られ……………て………………
………わ、からな……いの………?そう……………

ごめんなさい、手間取らせちゃったわね。早く………
なによ、同情なんかいらないわ。だから――

(ギュッ)

ちょ、離し………うぅぅぅ……ふぐぅぅうわぁぁぁぁぁぁぁぁん…………!

217:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/22 03:00:24 9rDMWFaV0
ここコメントする人減ってきちゃってる?神には頑張っていただきたい
ホシュ?

218:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/22 07:06:29 s8Gzi8PIO



219:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/22 08:39:33 yrtTvSujO
ドラクエ2やったことないけどこのシーンにはぐっとくる。

220:見切り発車
06/02/23 02:24:09 r4iLd7Ki0
あーあ、結局無かったわね、ロトの鎧。
……ハーゴンの軍勢がどっかに隠したんだと思うの。
んー、こんな短期間で破壊されている可能性はないと思うのよ。
わたしも何度か見たけれど、あの鎧に宿る力は濃すぎて呪いかと見紛ったほどだもん。
あれだけのものを破壊するのは、恐らく無理よ。
余程道から外れた力を使えば可能性はあるけど……

な、なによー。どうしてお城に寄ったのかって?そ、そんなのロトの鎧の為よ。
あんな思いしてまでって……装備できるの…………
ち、違うよっ!!ちがうよーちがうのーちがうんだからー……
ほ、ほらっ!わたしって非力な女の子でしょ?
だから、やっぱり壁役が居ないと呪文だってロクに唱えられないしっ。
だからねっ、ちょっとやそっとのことじゃ倒れないように………

あ、ちょっと………もうっ、莫迦王子のせいで変なこと云っちゃったじゃないっ!!
アレンっ、待ってよっー……

(タッタッタッタ………)

221:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/23 20:59:43 yV8iq7GUO
いい子だのう王女

222:見切り発車
06/02/24 00:49:06 xl0FPSXA0
この祠を抜けないと、向こう岸には渡れないのよ。
少し前から海のモンスターが強くなってきてね。
じゃなかったらムーンブルクから船………も無理か………
もー、そりゃわたしも悪いけどさ、そんなに気を遣わないでよね。
雰囲気悪くなるじゃない。
そんなのどうでも良いって云ってたじゃないかって?そんなこと忘れちゃったわよー。

ふーん、此処の祠に二人で一度来たんだ。
追い返された?わたしを連れてこないと通せないって……?
ちょっと待って。もしもフツーに通行出来たら、どうするつもりだったの?
なにっ!?なんで其処で目を逸らすのっ!!?
もしかしてそのまま先に進むつもりだったのっ!!?犬に変えられるのを知ってて!!?
もう、信っじられないっ!!!!
可愛かったじゃないかって……自分が可愛くても愛でられないわよっ!!!
其れにアンタたちっ、わたしが擦り寄っていったら邪険に扱ったじゃないっ!!
あーそうだった、思い出した………手で追い払ったわよね!?シッシッてっ!
あの時、どれだけわたしが哀しんで絶望したか、アンタたちには判らないでしょ!!!
あーもうこの憤りをどうしてくれよう………なによ!?

………………わんっ!

…………………………………………バカァァァァァァァァァーーーーーー!!
バァギィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

(ズシャズシャズシャズシャ)

223:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/24 01:08:25 H7TpWFKnO
ちょwwww王女wwwww

224:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/24 02:22:11 vRHEkll70
バギワロスwwwwwwww

225:見切り発車
06/02/24 17:05:12 7wIGa5o40
ねぇ………ホントにこの砂漠渡るの?
水とか食べ物とか、蓄え充分だっけ?広いんだよ、この砂漠。世界で一番おっきいんだよ。
なんとかなるって………やっぱり脳味噌まで筋肉で出来てるんでしょ………
そりゃ此を越えないと、ルプガナへは行けないけどさ………
いっそのこと山脈越えしてロンダルキアに行くとかっ!?
……お願いだからそんな可哀想を見る視線をこっち向けないで………

えっ、はっ!?やっ。は、肌が焼けるのが厭だとか、髪の毛が荒れちゃうなぁとか、
やっぱり暑いから汗くさくなっちゃうなぁとか、そしたらやっぱり厭が…………とか
そ、そんなことおもってないよーそんなりゆうでしぶってるんじゃないよー………

わ、わかったわよっ!もうグチグチ云わないわよっ!
反対する理由もな、ないしねっ………………

うぅ……アレンのばかぁ…………

226:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/24 17:21:13 UkNmsP4/0
そうか・・・普通に考えれば王女日焼けなんかしないよなW

227:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/24 18:01:33 25Mess+pO
日焼けあと萌え

228:見切り発車
06/02/24 18:31:36 9X6/iosc0
ミスッたぁー………ちょっと切腹してくる。
×可哀想を見る
○可哀想な子を見る

229:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/24 22:06:41 UkNmsP4/0
切腹よりも続ききぼん
ダメか?w

230:見切り発車
06/02/24 23:35:05 E7d0dBjF0
み、水………もう無いんだっけ………
暑いよー咽乾いたよー干涸らびるー死ぬー………
なによー。わたしはちゃんと訊いたでしょ、準備は出来てるのかって。
それなのに深く考えず砂漠を越えようとしたのは貴方じゃないっ。

良いよそんな無理しないで。自分のぶ、ん………
なんでそんなに持ってるの?干し肉まであるんだ………
ああ、そうだった。昔っからコナンは気が利くというかマメだったような気がする。
良い奥さんになるわよ、きっと。


ねぇ、わかってる?
もしもコナンが水とか食料を準備してなかったら、
このオアシスにたどり着くこともなく、今頃モンスターのお腹を満たす羽目になってたのよ?
ホントもう考え無しなんだから……結果オーライじゃ済まないわよっ。
えっ……え?五月蠅く云う割に、何もしてなかったじゃないかって…………
そ、それはあれよ…ほら、アレンがちゃんとリーダーやれるかってね……
決して面倒臭かったとかそんなことはないのよ?ないんだから。ないんだからねっ!?
あ、話は最後迄聞きなさいよっ!!自分から訊いたくせにぃ!!
全くもうッ………でもコナンたら、何時の間に準備してたのかしら…?

231:見切り発車
06/02/24 23:35:58 E7d0dBjF0
>229
ノ続き

232:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/25 04:28:34 Rwdonyl30
本当に仕事が速いな!

233:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/25 08:23:40 DAvTszqvO
なんか、恋愛まで書いてくれそうな気がする。

234:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/25 09:27:17 DAvTszqvO
ふと思い立ったんだけど
王女が水の羽衣を装備して
「あんまりジロジロ見ないでよ!」
とか言っといて
「ちょっとだけなら・・・いいよ」
というシーンを作ってくれれば掘られてイイ。

235:見切り発車
06/02/25 18:33:28 HF6sl8aE0
くんくんくんっ………
あーやっぱり臭うー………汗もいっぱいかいたし当然よね。
顔も髪も砂まみれ……ずっと気を遣ってたのになぁ。
滅んだとはいえ、一王国を背負うべき王女がこれじゃあお父様に叱られちゃう。
あー、でも犬だった頃はずーっと臭かったっけか………
誰かに世話されてたわけでもないし、雨に濡れても任せるがままだったし。
毛を梳くにもあの指じゃねぇ。ああでも肉球はよかったなぁ、プニプニしていて。
プニプニプニプニ………やっぱり自分で触った方が気持ちいいかも。
人間に戻して貰ったんだよね、あの二人に………
お父様、お城のみんな……仇はきっと……………

………よしっ、水浴びしてこよう。
二人は………寝てる。よし、今のウチに………

236:見切り発車
06/02/25 22:06:31 YCFZg18n0
(チャポン)

うーん、冷たくて気持ちいいっ。さっぱりするなぁ。
ホントは熱いお風呂に入りたいけど、そこまで云うのは贅沢か。
あーあ、鼻の皮も剥けちゃって………砂漠は陽の光が強すぎるのよね。
他の処は露出してないから、あんまり焼けないけど……そばかすになっちゃうかなぁ………
せめて鐔の広い帽子でもあれば顔を守れるのに。
この世界になんで帽子の一つも売ってないのかしら。
第一、わたしが被れる帽子が非売品てどういう事よ………

(ガサガサ)

っ!?何………?
…………………………………きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
ちょ、アンタたちなにし………見るな覗くな凝視するな!変態ッ痴漢ッ犯罪者ッ!!!
マヌーサマヌーサマヌーサマヌーサマヌーサッ!!!
此で…………って、駄目じゃん!!向こうから見たらわたしがいっぱいじゃんっ!!!
そんな目でわたしの幻を見ないでよぉ……!!莫迦ぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ラリホーラリホーラリホーラリホーバギッラリホーラリホーバギッラリホーバギバギバギーーー!!

(ズシャズシャズシャズシャズシャズシャズシャ)

237:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/25 22:22:03 DAvTszqvO
ちょ、GJ!!

238:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/25 22:22:03 Rwdonyl30
やべぇマヌーサテラエロスwwwwwwww

239:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/25 22:23:11 5gIsPmBnO
王女サイコー! 王子達も期待通りの行動! 俺もバギで斬られたい(´д`)

240:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/02/25 22:53:49 KvE8zekY0
なんだこりゃ




萌えるじゃないか

241:YANA 73-1
06/02/26 01:26:00 UHYaAorn0

 ―――バタンッ

「っもう!何よ!どこのお店もやってないじゃない!」
「………」
「ほら、ゴドー!ボサッとしてないで、次いくわよ、次!!」
「ん?………ああ」

『拝啓 母さん、ここは酷い町です。
 城塞都市メルキド。町の周りを高い城壁で余すところ無く囲った、アレフガルド一の防衛施設を誇る大都市です。
 …ですが、町の人々は、こんな城壁など魔王の力に掛かれば何の役にも立たない、それどころかどうせ働いても
 世界は滅ぶのだと絶望し、ラダトーム、ドムドーラの何倍もの無気力に包まれています。
 人々は賭博に溺れ、商売も行わず、寝たり遊んだりするばかり…心なしか、ゴドーの気も沈んでいる気がします』

「たのもーっ!」
 バンッ
「…ん?…むにゃむにゃ…騒々しいな…今日は休みだよ」
「いいから!売ってるもの見せてよ!!」
「何慌ててるんだい…そんなに必死にならなくても、世界はどうせ近いうちに滅ぶんだ、諦めなって。ふぁ~…」
「っの…だーもぉっ!猫も杓子も同じ事ばっかりいって!!あんたたち少しは働きなさいよ!!」
「働いたら負けかな、と思ってる」
「ムキーッ!!」
 ・ ・ ・
 ~宿屋~
「はぁ…もう。お店って言うお店、みんな言う事は同じね。寝てるか遊んでるかどっちか…」
「………」
「『今の自分は勝ってると思います』じゃないってのよ、バカじゃないの!?
 何だか知らないけど、何もしないで勝てる勝負があってたまるかっていうのよ…ちょっとゴドー、聞いてるの!?」
「…ん。ああ、すまん。少し、考え事をな」
「?」
 ギシッ…

242:YANA 73-2
06/02/26 01:26:36 UHYaAorn0
「………(ラダトーム、ドムドーラ…どちらも陰気だったが…ここは比じゃない。
 何度危機を脱しても、人は脅威に自ら抗おうとはしない。その原因。
 …無為、依存、堕落…この世界を包む絶望を砕くのは何だ?………………そうだ。それこそが)」
 カタンッ
「ん…」
「わ」
「失礼。隣、いいかな?」
「あ、はい」
「………」
「…フーンフフンフンフンフンフンフン♪」
「…詩人か。いい声だな」
「ホント。ただの鼻歌なのに…」
「あはは、ありがとう。ごめんね、相談の最中に邪魔しちゃったかな。つい癖で…」
「いや、構わない」
「うんうん。ね、ね、よければもっと聴かせてくれない?」
「うーん…ごめんね、人に聴かせる為の歌は、竪琴を使うって決めてるんだ。生憎、あれは家に置いて来ちゃってさ」
「妙な話だな。詩人が楽器も持たずに、何をしてるんだ」
「ん?ああ、僕は詩の材料になりそうな話を探すために、たまに世界を旅して歩き回るんだ。
 そういうときには、竪琴は置いていくことにしてるのさ。…あの竪琴の音色は、ちょっとワケありでね」
「?ふーん」
「…ちょっと待った。世界を旅して回ってる。そういったな?」
「?うん。それがどうかしたかな」
「…オルテガ、という男を、知ってるか?」
「!ゴドー…」
「…いや、知らないな」
「そうか…じゃあ、雨と太陽が合わさる時」
「虹の橋が出来る、かい?」
「「!」」
「アレフガルドの神話なんかをちょっと齧った人間なら、割とよく知ってる言葉だね。…もっとも、その真意を知る者は限られるけど」
「…なら話が早い。この言葉の意味を知っていたら、教えてくれないか?」

243:YANA 73-3
06/02/26 01:27:06 UHYaAorn0
「…熱心だね。君たち、この世界の人間じゃないだろう?」
「む…」
「!…」
「ははは、構えなくていいよ。…うーん、僕もね、この世界の人たちの倦怠感には辟易してるんだ。だから、分かるんだ。
 …何かをなそうと必死になってる人間の目。この世界では貴重なんだよ、そういう意志はさ」
「…食えねぇ奴だ」
「…掴めない人」
「うん、どっちもよく言われる」
「…ふっ」
「…ふふっ」
「…ははっ。それで、例の言い伝えだけど」
「ああ」
「詩の材料を探してこの町の神殿を訪ねた時、そこの主に聞いたことがある。
 けど、あまり声を大にしていっていいことじゃないと思うんだ」
「…なるほど。確かにそうかも」
「条件か。どうしろと?」
「そんな難しいことじゃないよ。…君らが目的とする何かをなした時。
 それを元に、詩を作らせて欲しいんだ。他の誰よりも先に、僕に、さ」
「へ?」
「…なんだ。それでいいのなら、お安い御用だ。
 …とはいっても、俺はそっち方面はからっきしだから、どこまで協力できるかわからんが」
「いやいや、事を終えた後、ちょっと話を聞かせてくれればいいんだ。本当にそれだけ」
「…わかった」
「ありがとう。じゃ、いいかい?まずは…」

244:YANA 73-4
06/02/26 01:27:41 UHYaAorn0
 ・ ・ ・
「…ありがとう。大体わかった。要するに、その三つを集めればいいんだな?」
「そう。…その三つを集めるって事は、魔王にでも挑むつもりなんだろうね、君らは」
「「………」」
「僕は腕力も魔力も無いから、このくらいしか役に立てないけど。君らの無事を祈らせてもらうよ」
「…ううん。本当に、ありがとう。アレフガルドに来て、あなたが初めてだもん」
「?」
「こんなに快く、あたしたちに協力してくれたのは。なんとなく、勇気が出てきちゃった」
「はは、買被りだよ。僕はただ、新しい詩を紡げればいいだけなんだから。…さて、次はどこに向おうかな、っと」
 ガタンッ
「あ、待って」
「うん?」
「名前。まだだったよね?よかったら…」
「ああ。僕はガライ。ご覧の通りの吟遊詩人さ」
「ゴドーだ」
「アリスよ。よろしく」
「こちらこそ。また、いずれどこかで逢おう」
 ギィ、バタン

「…驚いた。あんな人も、いるんだ」
「…ふぅ。これでまた、面倒が増えたな」
「?なに、どういうこと」
「わからんか。俺たちがあいつから情報を得た以上…俺たちはあいつの要望に応える努力をしなくちゃならねぇ」
「あ」
「…要するに。形はどうあれ、何もしないで後には引けなくなった、ってことさ」

『母さん、今日は不思議な出会いを経験しました。暗闇に包まれた世界で出会ったその人は風に舞う木の葉のような人で、
 絶望にも依存にも振り回されず、ただ自分の道を往く…ああきっと、あの人の詩はさぞ美しいのでしょうね。 敬具』


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