FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5at FF
FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5 - 暇つぶし2ch566:『覚悟』 ◆uWt7kdGYAc
06/10/13 22:38:41 FOXZvmKu0
「最近、姫様、あまり泉の水を飲めませんね? お体の調子でも悪いのですか?」
ふしぎな泉で、エイトが首を傾げる。
翡翠色の瞳と目が合って、オレは思わず苦笑する。
ヤバイな。ほどほどにしないと、いくらそっちの方面には鈍感な面子が揃ってるとはいえ、気づかれるのは時間の問題だ。
オレが夜中にこっそりミーティア姫様を連れ出して、この泉で逢い引きしてて、そのせいで彼女が大量の水が飲めない状態になってるなんて知られるのは、絶対にマズい。
だけど内緒の恋っていうのは密の味で、どうにも抑えることが出来ずにいる。

初めて逢った時、彼女は馬の姿だった。
エイトやトロデ王がオディロ院長暗殺未遂の疑いをかけられて、修道院の牢に入れられている時、鉄の処女からの抜け道がちゃんと使えるかどうかを確かめるため、オレは院を抜け出して馬小屋に向かった。
その時に心細そうに修道院の方を見ている白馬を見て、勘のいいオレは、すぐにエイトたちの馬だと見当が付いた。
だけど保護してやろうと近寄ったのに、これがなかなか頑固なレディで、一歩も動こうとしてくれなかった。
仇でも見るような目で睨まれて、あの時は本当にどうしようかと思ったもんだ。
後から聞いた話だけど、外に出られないはずのオレの頼み事が原因で、エイトたちが戻ってこないっていうのに、そのオレがちゃっかり修道院を抜け出してたのを見て、腹が立ったらしい。
あの時は侵入者があったことで監視の目が緩くなって、外に出ることができたんだが、まあ彼女がそう感じたのは当然のことだとも思う。

その時のことが心に残っていて、馬に嫌われるのは騎士としてのプライドが許さないって部分もあり、旅に加わった後は積極的に彼女の世話をするようにした。
エイトもトロデ王も、彼女を大事にしてはいたけど、馬に関しては素人で、世話の仕方が下手すぎて見ていられなかった部分もある。
その内に彼女のオレを見る目も優しくなり、言葉は通じないながらも友情らしきものが芽生えたと思った頃、この泉で彼女の真の姿を見ることになった。


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