FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5at FF
FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5 - 暇つぶし2ch424:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/07/04 20:36:07 Leb1H91Z0
>>410-413の続きになります。
FainalFantasyⅥ 外伝 ~断てない鎖~


 翌日。世界が崩壊しても、日は変わらず登る。だが、日の出とともに聞こえるはずの鳥のさえずりは、聞こえなかった。それは朝の静けさというよりは、死をおとなしく受け入れてしまったような静けさだった。
 迫り来る死の雰囲気を感じながら、ロックは作り笑いを浮かべながら口を開いた。
「じいさん。この一年―いや、一年も経ってないんだったか?」
「さあ。どうでもいいことさ。けっけっけっ……」
「ははっ。とにかく、世話になったな」
「何を今更。ロックのためなら何だってやるさ。こんなワシと普通に接してくれるのは、あんただけだからね」
「おいおい、そう卑屈になるなよ」
 ロックの苦笑に、老人はうそ臭い笑みで返した。
「ま、せいぜい頑張りな」
「あぁ。……レイチェルを、頼んだぞ」
「任せておきな。あんたの宝物は、ワシが大事に、大事に、とっておくさ」
「……よし、行くか」
 頬を叩き、ロックは気合を入れて、歩き出した。


 海岸沿いに歩きながら、ロックは老人とのやりとりを思い出した。


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