FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5at FF
FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5 - 暇つぶし2ch413:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/06/27 23:47:39 9DXGXYO80
「………………」
 ふと気づくと、老人の顔にはいつもの胡散臭さが張り付いていた。
「なら、一つ。立ち上がるに足る情報を教えてあげようじゃないか」
「情報?」
「そう。地図を」
 老人のしわがれた手に従い、再び視線を地図上に落とす。
「三闘神が暴走した影響で、海底から姿を現した土地が二ヶ所あるそうだ」
「海底から?」
「地上は全て探し尽くしたのだろう? ならば……」
「まさか……さまよえる死者の魂を呼び戻すことのできる秘宝は……!」
 無言で老人はうなずいた。真面目を演出しようとしているのだろうが、口元が笑っている。
 先程の顔と声は気のせいだったのだろうか……?
「一箇所はコーリンゲンから北西に行ったところにある小島。地図上で言えば南東の隅っこさね」
「すぐ近くの島に村があるみたいだけど?」
「サマサの村さ。だから、たぶんこの島は伝承にあるエボシ岩の洞窟がある島だろうね。つまり、ここはハズレ。けっけっけっ……」
 無意味にじらすが、ロックは苛立ったりはしなかった。いい加減、慣れるものだ。
「……もう一箇所は?」
「ガレキの塔のある大陸の北の果て。ここに、新たに大地が浮上したらしいよ」
「そこに、幻の秘宝が……?」
 地図の一点、中央より少し下に位置する半島を見つめながら、ロックは震える声でつぶやいた。
「可能性はあるね。どうだい? 立ち上がれそうかい?」
「…………世界……だいぶ様変わりしたもんだな……」
「………………」
「……もう一回りくらいするか」
 ぽつりとつぶやいた。老人の顔に、偽物でも嘘っぱちでもない、本当の笑顔が浮かんだ。




ひとまずここまで。
続きはまた後日、投稿させていただきます。


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