FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5at FF
FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5 - 暇つぶし2ch250:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/16 09:48:10 N8tOzHnd0


251:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/16 12:54:02 siaIR9oqO
今日こそ書くか。どうせ暇だし。

252:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/16 18:44:25 siaIR9oqO
と思ったけど
詩板でずっとポエム書いてた。
何やってんだ俺
orz

253:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/17 09:01:33 Zx29NopK0
kwsk

254:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/17 19:15:14 bt+tY1+ZO
>>253
詩板でポエム書いてました。
ただそれだけです
ポエムの内容は晒せません。非常に恥ずかしいので。

255:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/17 21:18:06 ivE2E+t0O
このスレ自体に長編を書き込むのは禁止?

256:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/17 21:46:33 6UfZ16WG0
俺的にはばっち来い

257:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/17 21:54:00 unPtAQ6G0
>>255
カモーン

258:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/17 22:52:36 ivE2E+t0O
なんかルールある? こういうのは駄目とか、読みたくないとか。もしくは読みたいものとか。
なんでもいいから教えてくれると助かる。
いまのところはオリジナルで行こうと思う。

259:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/17 23:01:11 UeGakpaY0
便乗して質問。
派生作品からネタをもってくるのはアリ?
ゲームには無いけど、小説とかマンガとかにある設定とか
あと、カップリングに制限はある?

ずいぶん前からネタだけならあるんだけど、まだ文章は影も形もない。
ネタ的にOKなら書いてみたいとは思ってる。

260:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/18 00:27:42 A4GIGBzW0
>>258 
オリジナルってのの意味がわからんけど。
書き初めの最初に、シリーズ名を書けばいいと思うよ。
もし、心配なら、話の傾向をちらっと書いておけば?

>>259
エロと男同士のカップリングは21禁鯖へどぞ。
他の点は別に気にしなくていいだろうけど、
「これはマンガ版由来です」とかあったらわかりやすくて
いいかも。


書きたい物を書く、感想がもらえなくても泣かない。
そんな気持ちで書けばいいと思うよー
書き手のひとりとしては、仲間が増えることを楽しみにしてる。

261:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/18 00:51:57 if+hlgCe0
あげ保守

262:259
06/04/18 01:39:14 6K4hsmY90
>>260
ありがとう。
今考えてるのは普通に男女の超ほのぼの系だから、問題無さそうだね。
んじゃ、思い切ってがんばってみる。
ネタスレで多少書いてるし、他の小説スレとか見てたから、心構えもたぶん大丈夫。

問題があるとすれば、あまり時間に余裕がないのと、超遅筆だってことくらいかな!

263:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/18 07:35:18 8/4skKsn0
1年ぐらいなら待てる。

264:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/19 09:30:03 LNjQqDd+0
         ハ,,ハ  
        ('(゚∀゚∩_ おいらをどこかのスレに送って!
      /ヽ   〈/\ お別れの時にはお土産を持たせてね!
     /| ̄ ̄ ̄|.\/
       | .モツ煮..|/
        ̄ ̄ ̄
現在の所持品:たばこ・ライター・コーヒー・ブラックブラック・枕・ケータイ電話
睡眠薬・聖教新聞 ・ダッチワイフ・外付けSCSI340MHDD・ネットランナー4月号
TYG02・小嶋進社長・ゲルトモ・ディプスファンタジア・抵抗1kΩ(黄紫橙金)・媚薬
バーボン・メシマズ嫁のお手製弁当・吉牛の割引券・銀魂1巻・将棋の駒(角行)
ジンギスカンキャラメル・ホットカーペット・第三のビール・笛・nintendoDS・執刀用メス
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265:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/19 23:01:42 hdvSjdReO
念のため保守

266: ◆nefbuGknog
06/04/20 12:32:39 AJg5uOQS0
DQ8主姫スレ向けにと思って書き始めたはずが
なんかあっちに投下するには微妙になってしまったので
こちらお借りします。
いや自分的には主姫を全力で応援してるつもりなんですが、
やっぱカプスレにはちょっと……

267:遠い約束 ◆nefbuGknog
06/04/20 12:33:26 AJg5uOQS0
どうしたんだい?なにを泣いているの?
ああ、怪我をしているね。怖がらなくていい、こっちにおいで。
道に迷って……そうか、それで。災難だったね。
行き先は?ああ、そこなら途中まで送っていけるよ。
さあ、ここに乗って。
……そうだね、それまでお話をしようか?かなり長い話になるけどね。

昔々、ある国の王様が、一人の男の子を拾った。
その子はね、道端にたった一人で倒れていたんだって。
目を覚ましたときには、自分の名前のほかには何一つ覚えていなかった。
かわいそうに思ったんだろうね、王様はその子をお城に連れて帰った。
そして、男の子はお城で、それはそれはかわいらしいお姫様に出会ったんだ。
お姫様は男の子に「お友達になりましょう」って言ってくれた。
同じくらいの年の友達がいなくて、ずっとさびしい思いをしていたんだって。
そして二人は、お互いに一番のなかよしになった。
男の子はお城で小間使いとして働いていたし、お姫様もいろんなお勉強で忙しかったから、
いつでも一緒にはいられなかったけど、
それでも二人で遊んでいるときが一番楽しくて、男の子は幸せだった。


268:遠い約束 ◆nefbuGknog
06/04/20 12:34:37 AJg5uOQS0
そのうち、大きくなった男の子はお城の兵士になった。
かわいいお姫様も大きくなって、それはそれはきれいなお姫様になった。
お姫様はそれは上手にピアノをひいて、すばらしくきれいな声で歌った。
兵士になった男の子は一緒に遊べなくなったけど、
お姫様のひくピアノやお姫様の歌う歌をきくだけで幸せだった。
一緒に遊べなくなっても兵士はお姫様が大好きだった。
でもね、大人になったお姫様は、遠くの国にお嫁に行くことになったんだ。
兵士はそれを聞いてとても悲しくなった。
お姫様のピアノや歌をきけなくなるだけじゃない、
お姫様が他の人のお嫁さんになってしまうのがとても悲しかったんだ。
そんなある日……とても恐ろしいことが起こった。
突然、お城が茨に包まれた。
お城の宝の杖を奪った道化師が、城に呪いをかけたんだ。
王様は魔物の姿に、お姫様は馬に変えられた。
お城のみんなは茨に飲み込まれてしまった。
たった一人……あの兵士だけが無事だった。


269:遠い約束 ◆nefbuGknog
06/04/20 12:35:10 AJg5uOQS0
ああそうだね、君が知ってるとおりだよ。有名な……おとぎばなしだ。
兵士は王様とお姫様を連れて旅に出た。
旅の途中で知り合った仲間たちと一緒に、呪いを解くために世界中を回った。
いろんな人と出会って、いろんなことを知って、
そして復活した暗黒神を仲間と一緒に倒した。
お姫様たちにかけられた呪いは解けて、世界に平和が戻ったんだ。

戦いが終わって、兵士はお城に戻った。もちろん王様やお姫様も一緒にね。
でも兵士はあまりうれしくなかった。
お姫様が元に戻って、お嫁に行く話も元に戻ったから。
それに旅の間にわかったんだけど、
お姫様のいいなずけになった王子様はとってもいやな奴だったんだ。
お姫様だってそんな人と結婚するのはいやだったみたいだ。
毎日悲しいピアノの音が窓から流れてきていた。
そして結婚式の日……
お姫様と結婚したのはあの兵士だった。
実はね、兵士のお父さんは、王子様だったんだ。
もしその王子様が国を継いでいたら、
お姫様と結婚するのは兵士だったのかもしれない。
お姫様がいないと幸せになれないと思った兵士は、
そのことを自分の叔父さん、姫の嫁ぐ国の王様に話して、
そして兵士はお姫様と結婚できることになった。
お姫様も兵士が好きだといってくれて、
二人は幸せに暮らした。ほんとに幸せだったんだ。

270:遠い約束 ◆nefbuGknog
06/04/20 12:35:59 AJg5uOQS0

でもね、お話はここで終わりじゃないんだ。
……最初はちょっとした違和感だった。
いつまでも若々しい、そんな風に思われていた。
でも10年経ち、20年経って、流石に誰もがおかしいと思った。
彼は……年をとらなかった。

彼のお父さんは王子様だった。
だけど、旅の間に知った彼の秘密はそれだけじゃなかった。
竜神族って知ってるかい?
人間の姿にも竜の姿にもなれる、とても強い種族だよ。
実は……彼のお母さんは竜神族の娘だったんだ。
二人は愛し合い、引き離され、母を取り戻そうとした父は死んだ。
悲しみの中で母は子供を生み、そのまま力尽きた。
子供は記憶を奪われて追放された。
そして、王様に拾われたんだ。
半分人間の彼は竜の姿にはなれない。
でも半分竜神族の彼は、竜の寿命を受け継いでしまった。
千年、二千年、どれほど続くか分からない竜の寿命を。

271:遠い約束 ◆nefbuGknog
06/04/20 12:36:36 AJg5uOQS0

彼は苦しんだ。
誰もが年を取っていく中自分ひとりは取り残されていく。
王様が亡くなっても、仲間たちが年老いても自分は若いままだ。
お姫様も苦しんだだろうね。
自分が年をとっていくのに彼は若いままだ。
でもお姫様は変わらなかった。変わらずに彼を愛してくれた。
彼は何度もお城を去ろうとしたよ。
でもそのたびにお姫様はこう言った。
『私が嫌いになったの?そうじゃなければずっと一緒にいて。』
嫌いになんてなれるはずがなかった。
きれいなお姫様はきれいな女王様になり、きれいなおばあさんになった。
年をとっても本当にきれいだったんだよ。
お姫様、いや女王様は、子供が一人前になったらさっさと王位を譲って
彼と二人で小さな離宮に引きこもった。
彼がなるべく人目に触れることのないように。
仲間たちもよく訪ねてきた。彼らも、年をとらない彼のことを
おかしな目で見たりはしなかった。
でも彼らも年老いて、やがて来ることが出来なくなった。


272:遠い約束 ◆nefbuGknog
06/04/20 12:37:11 AJg5uOQS0

年をとってもお姫様はとてもきれいだった。
彼はずっとお姫様を愛していた。
お姫様も彼を愛していた。
でも、でもね……お姫様はだんだん体が弱っていった。
だんだん、眠ってばかりいるようになった。
若いままの彼は、そんなお姫様とずっと一緒にいた。
そして……ある日、お姫様はね、彼に向かって
『私がいなくなっても幸せでいてね』って言って、そして……





ごめん、みっともないところを見せちゃったね。
うん、心配しないで。もう大丈夫。
話を続けるよ……ほんとに大丈夫だから。

273:遠い約束 ◆nefbuGknog
06/04/20 12:38:16 AJg5uOQS0
お姫様がいなくなって、彼は旅に出た。
年をとらずいつまでも死なない人間がそこにいれば
子供たちのためにも国のためにもならないし……
え?ああ、そんなことはないよ。
彼は死のうとしたことも、お姫様を忘れようとしたこともない。
そんなことをしたら、お姫様を覚えてる人は誰もいなくなってしまうよ。
それにきれいな顔も、きれいな声も、無邪気で優しい心も、
一緒に暮らした幸せな日々も、何一つ忘れられるものか。
そしてお姫様が最後に残した言葉も。
『私がいなくなっても幸せでいてね』
……だからね、彼は幸せにならなくちゃいけないと思った。
一番幸せだったのは、お姫様がいて、王様がいて、仲間たちがいて、
大好きな人たちと一緒にすごした時間だった。
だから、もう一度はじめからやり直そうと思った。
いろんな人に会って、いろんな人を好きになって、
一緒に幸せになるために……彼は、もう一度旅に出たんだ。
そしてまだ、旅を続けているんじゃないかな。
この空と海と大地のどこかで……ね。


さあ、もうお行き。ここからなら一人で大丈夫だから。
この道をまっすぐ行って、ドラキーの壁画が見えたらもうすぐだ。
ちゃんと橋を渡るまで、もううかつに人間に話しかけちゃいけないよ。
君はいいスライムだけど、そう分かってもらえるとは限らないからね。
え?なんだい?
……うん、僕は幸せだよ。

(終)

274:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/20 18:45:51 C3F6OESmO
悲しいお話ですね。
なかなか良かったです。

275:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/21 09:49:21 AFmZDaIx0
保守

276:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/21 13:06:20 EzR/yCcZ0
>遠い約束
元ねたはちらっとしか知らない自分でも
とても読みやすくてわかりやすくて楽しめました。

277:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/21 23:36:56 ClFMsQTJO
上げ

278:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/22 09:39:23 7jFnlYvR0
下げ

279:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/22 19:28:49 GRgw0ozF0
はげ

280:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/22 20:27:20 x38vuHWQ0
>遠い約束
悲しくも美しい話をありがとうございました。
語り口がやわらかく、すらすらと読むことが出来ました。

281:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/22 22:00:28 S1Ugu/nL0
>遠い約束
主姫スレでも充分いける話ではないですか!!
爽やかに感動しました。

282:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/22 22:25:27 GoOpH11i0
ぐは。な、泣ける(ノД`) 
感動しました。書いてくれてありがとう!

283:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/23 01:40:32 SLNEG3iz0
またまた落下。
めぐれメタルの冒険 4 導かれし者たち
スレリンク(ff板)

284:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/23 21:36:36 xuXTlfQE0
ドラキーの壁画の意味がわからない自分は負け組

285:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/23 21:43:45 O/skA7WL0
>>284
DQ8の三角谷っていう場所の看板の様なものです。
まさに「おいでませ!」って感じのドラキーの巨大な壁画でございます。

286:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/23 22:51:18 xuXTlfQE0
>>285 
アリガト。
すっかり記憶から抜け落ちてた。見てるはずなんだけど。

そうだとわかると、作品の読後感が倍増って感じ。
もともと、ところどころにちりばめられた「ちゃんと語って
ないけど、ゲームやった人にはニヤリとしてしまえる表現」が
ストンストンと胸に落ちて来る感じで、気持ちよかったんだ。
面白かったよ。




287:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/24 22:57:18 D3VnABxVO


288:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/25 09:15:59 6iultWi80


289:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/26 09:03:25 a18t9XWW0


290:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/26 11:21:34 YtqAkIMK0


291:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/26 17:44:56 d0dtqrexO


292:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/26 19:01:43 qmfk6NGQ0


293:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/26 21:23:22 DmSXxboX0


294:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/26 21:45:55 H8za5cVf0


295:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/27 09:59:55 +A5Jr5J50


296:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/28 09:50:35 X33JCWCe0


297:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/28 20:48:23 963l2iSPO
このスレだけは落とせない!
FF12スレ乱立トラウマ保守!!

298:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/29 09:43:45 Xmj2CY970
ラトーム氏生死確認sage

299:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/30 00:59:18 Su9Pcbad0
しゅ

300:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/30 03:37:48 w04nGP6X0
300


301:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/04/30 21:47:30 Su9Pcbad0
しょ

302:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/01 08:39:24 MgdKJUFd0


303:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/02 10:14:15 0mlwdQH40


304:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/03 12:48:26 COxUB0p70


305:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/03 15:47:40 VyFAIJgm0
>>遠い約束
うあ、自分8未プレイだったんで
途中でネタバレ(なのかそうでないのかわからないけど)っぽい部分を
焦って飛ばしたんだけど

ラストの優しい文章でマジ泣きしてますよ
最近心がささくれてたのかもしれん ともかくGJっした!

306:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/03 17:20:25 I3EGo/eyO
ぬるぽっぽっ

307:アルミラージ斉藤 ◆nVUuKCCk76
06/05/03 21:36:48 ykjhhwPa0
応援しますとも

308:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/04 23:03:28 zgpyhsIv0
保守

309:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/04 23:12:08 KDXvz4Kh0
保守

310:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/05 09:24:17 gtQIeVWp0


311:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/06 09:30:06 OWHsqU9s0


312:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/06 23:56:29 RG/AdPUS0
うじょ

313:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/06 23:58:47 nQkPnxwB0


314:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/07 13:42:59 Nt6omHPW0
きゅ

315:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/07 15:05:39 jJl60Djh0
くれいん

316:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/08 09:34:28 Q4fYQguL0
しー

317:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/08 18:33:20 vXqB9T7K0
ぱらだいす

318:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/09 00:31:14 KXOHaWz+O
にて

319:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/09 10:13:20 u8XLsW9f0
イルカ

320:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/09 15:35:49 EgV4dgW+0
餌付けする

321:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/09 20:04:19 HX4oI9U90
そういや、DQ2でゲームブックしている人はまだ健在か?

322:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/10 01:16:24 uTRSr1z/0
上記の日本語意訳

DQ2の物語の中(位置と所在)で、ゲームブックを読んで現在遊んでいる(現在進行中)人は、
まだ元気で活躍しているのか?

>>321が訊きたいのはそういうことか?違うんなら、文章書き直せ

323:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/10 10:33:29 Fa360MyL0
【皆で】ゲームブックスレ【選択】

324:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/10 21:32:21 EficRzRH0
もぎゅ

325:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/10 21:52:15 Is2UgQNZ0
>>322はモグリ

326:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/11 01:04:58 BMfuvR4G0
>>325>>321

327:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/12 13:45:20 TjP6kOZa0
もふ

328:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/12 14:55:54 hNrLHF6o0
>>321
もしかしてギバ節スレの事か
現在も健在。今はハーゴン城まで行ってる
何度も落ちたが今part5

329:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/13 09:46:25 x10Bjz8v0
ほぼまりもんば の 「ほ」

330:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/14 12:59:16 FMYMJZAc0
ほぼまりもんば の 「ぼ」

331:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/15 00:15:15 kOtOTT4v0
ほぼまりもんば の 「ば」

332:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/15 21:50:10 kOtOTT4v0
……

333:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/16 10:19:58 2NeMcmER0
更新しない、譲らない。
さすがの俺も不満が。。。

334:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/17 08:32:35 mPF/MGDP0
1にちに1れすはつけないとねぇ

335:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/18 09:54:18 sIN7U7Z90
1にちに1れすはつけないとねぇ

336:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/18 22:30:49 hk+qtB9G0
1にち1ぬるぽ

337:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/19 09:19:35 Y6FgTg2b0
null pointerだっけ?

338:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/19 20:19:51 dxhSwiHp0
ガガッ

339:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/20 23:36:57 r/3Gw0br0


340:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/21 19:11:03 iucEOoSI0


341:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/22 10:38:00 bkG1eLNx0


342:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/23 10:06:07 hxKsZ1Hd0
帆足キタコレ




343:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/23 13:27:38 C2yWluaZ0
FFは13で完結するそうだし、そろそろこのスレも盛り上がってください

344:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/23 20:56:02 5tw6ZE230
>>328
ショボちゃんのスレはまだハーゴン城まで進んでないyo
今は満月の塔攻略中

345:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/24 08:04:42 0aFuDvDj0
肝心な人がいないことにはこのスレもうだめかもわからんね

346:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/25 09:37:55 +NEfg7sR0
最近俺以外の書き込み少ない

347:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/26 00:28:40 vQTOCSZw0
あの復活の書き込みから早半年か。
自分の生活が第一とは言え、また音沙汰無しだとさすがにちょっとなあ…
掲示板もなくなっちゃったし、どうすりゃいいんだか。

348:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/26 09:17:30 YouFtDbI0
「譲るアクション」して反応なしで今の状況なら文句も言えんのだが・・・

349:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/26 11:30:40 hbrxseMn0
漢なら黙って密かに独自で保管しておく。
そして、いざというとき「こういうこともあろうかと思って」と、差し出してみるのも一興。

ま、ジリジリ待ってるのも何だから、リレーでも書くか?



――そこは百年を経て、なおも華やかに栄える王城。

咲き誇る花園にも勝る、古王国の誇る可憐な一輪の名花と呼ばれた姫の、
その揺りかごともなった懐かしい居城であった。



350:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/28 08:31:41 EyPc3WBBO


351:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/28 22:26:20 a5NWLwZh0


352:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/29 00:40:23 EByuReDqO


353:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/29 02:48:56 B4K2u/FD0
ほしゅ

354:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/30 13:46:04 Ilp7hQ6Y0
だしゅ

355:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/30 22:24:56 PENnx8kK0
>>356
合言葉は「のばら」
よく憶えておくのです

356:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/31 00:38:42 CXT2EE570
貴様反乱軍だな保守

357:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/05/31 02:01:18 PPOksS020
えにくすはふかくこころにきざみこんだ

358:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/01 10:04:46 23f0EVo90
1日1レス。これ特殊。

359:☆スター☆
06/06/01 23:31:56 xl8a0lKBO
じゃあな。またな。

360:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/02 01:21:48 HtphznpK0
>>349
それ元ネタなに?

361:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/02 03:18:06 Ikb9QHcT0

>>360
花のように綺麗なお姫様

と 

百年  

が、キーワードかな

362:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/03 09:44:53 a98jwCyW0
1日1レス。これ特殊。

363:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/04 09:09:52 p5AHhMFu0
1日1レス。これ特殊。

364:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/05 11:57:35 1kFlQ0dP0
1日1レス。これ特殊。

365:あぼーん
あぼーん
あぼーん

366:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/06 09:52:33 cc0wAnab0
1日1レス。これ特殊。

367:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/07 00:09:12 W1mchXlz0
管理人さん復活!でもageない

368:ラトーム
06/06/07 21:09:56 xRwTbZeY0
お久しぶりです。
長い間、留守にしてしまいまして、すみませんでした。
お待ちいただいた方への感謝の気持ちや謝罪の気持ちを
どう表せば良いのかわかりません。
ぼちぼちと保管作業を再開いたします。
まずは、保管用の掲示板を新しくしました。
URLリンク(yotsuba.saiin.net)
以前の物と違い、upするデータの無い場合は、書き込めません。
(宣伝書き込み対策です)
圧縮にはzipをお使いください。

また、dat落ちした過去ログをほぼ全く拾えない状況にありまして
保管希望スレの過去ログを提供してくださる方にも、こちらの
掲示板をお使いいただければ幸いです。
過去ログをご提供いただけたスレの作品のみ、保管対象として
考えさせてください(千一夜スレも含め)。

なお、こういった状況ですので、新管理人として立候補される方が
いらっしゃれば、データはお渡しします。

369:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/08 08:47:53 6l/2iDfm0
キタ━( ´∀`)´_ゝ`)`Д´)´Д`) ̄ー ̄)-_-)・∀・)´・ω・)=゚ω゚) ゚Д゚)゚∀゚)━!!

370:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/09 10:29:21 v9WO+WAn0
1日1レス。これ特殊。

371:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/10 01:17:22 +eNSkijf0
着々と更新されてる!
管理人さん、乙華麗!

372:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/10 15:38:23 WyZkL13B0
キタ━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━!!!
まってました!!

373:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/10 17:47:23 Bzi2sO7m0
お疲れ様ですラトームさん。
御サイトはいつも利用させてもらっています。

374:あぼーん
あぼーん
あぼーん

375:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/12 04:49:22 oxaibQNk0
? あぼーんされるような内容が書いてあったっけ?

376:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/13 03:28:03 kGK+vb4y0
>>375
スレリンク(ff板)l50

ここの533と同じだったような気がする。


377:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 00:02:55 AE14msMJ0
>>376
ありがと。
なんであぼーんかわからんね。

378:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 00:56:49 QC6HhvN60
これがおれのスレッドだったら、やっぱりあぼーんしてもらうよ

379:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 05:04:28 vzf6ph7dO
あっー

380:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 21:01:21 Xc3CirLx0
投下したものに。一日たってもレスが一つもないと来るものがあるな。
暫くまた休養とるか。。。

381:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 21:46:28 2BEF7FOO0
んなモン日常茶飯事じゃ!
…と、思う自分は感覚がマヒしてるのかな。

楽しければ良いと思うよ。そう言う気持ちって作品からも良く伝わってくる
ように思う。

382:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 22:01:04 Xc3CirLx0
>381
確かに自分が楽しめて書けてればそれで良いんだろうけれど。
ええと、書くには書けるけれど自分の分の燃料じゃちょっときつくて、
応援が欲しいなーって時無い?てか、今の俺がそうなだけなんだけど。
てなわけで、ここ最近投下頻度が落ちてるわけですね。

よくよく考えてみたら、このスレに愚痴しか書いた覚えがないや。。。
ごめんよ。

383:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 22:33:04 2BEF7FOO0
>>382
スレ内の投下人と読み手の相乗効果って事か?
そりゃ難しいと思うよ、たしかに理想的だけどさ。

扱う作品やスレの性質によっても違うだろうけど
まずは自分が楽しめてるのが前提で良いんじゃないかな?
足りなくなったら他所で息抜きしてくるのも良いだろうし。
たまにならここで愚痴ったって良いんじゃないかな?
一人で頑張り続けても、それが苦痛…とは言い過ぎかも知れないけど
疲れたなら休むのもアリだと思う。

上手く言えないんだけど、なんか書き手のテンションみたいなのが
作品にはよく出るもんだなって思う。
何言ってるか分かんない文でごめん。
とにかく楽しんだら良いと思うんだ、たぶんそう言うのって伝わっていくもんなんだと思う。

384:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 22:46:08 RoaqzsQx0
>>382
社会的に上手い(別にファンでなくても上手いと思うレベル)人に、
レスつけ難いと言うのはある。
読み手が気持ちを上手く表現できないとか。
「上手ですね」とは書けないし、「面白かったです」と書くのも恥ずかしい。
涙が出るほど感動した作品に、感想を送れなかった過去を今悔やんでたりする。

385:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 23:29:24 5xicyduO0
>「上手ですね」とは書けないし
よく知らない作品のssだけど、文章が上手いと思った場合、こういうレスするのはやっぱり失礼なんだろうか。
素朴な疑問。

386:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 23:30:05 j7A4mz1J0
そんなときこそ「乙」のひとことですよ……<384
書き途中なら「つづき待ってる」でもいいし。

387:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 23:30:50 j7A4mz1J0
>>385
いいんじゃないの?


388:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/15 00:09:50 s1dl3tX60
ギタリストの某松本氏に「ギター上手ですね」とはさすがに胃炎
そんな感じ

389:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/15 13:25:19 zbkJBGKeO
匿名掲示板はそれを気にしないから良いんじゃないかなと思う

書いてる人がみんなかどうかは知らないけど、プロって人も多いわけじゃないだろうし
感想なんだから失礼にはならないと思う。
自分だったら嬉しいけどなあ…。

390:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/15 18:40:01 Jkp20ErS0
キタ━━(゚∀゚)━━ッ!!ってレス付くのが何気に好きなのは俺だけだろうか。

391:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/15 21:36:11 vVbJYSq60
>>389
プロはまずいないと思いますよ。
ほとんど趣味で書いてる人

392:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/17 17:00:39 gBub7GnO0
1日1レス。これ特殊。

393:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/18 09:26:04 EgXaUN1FO
あげますね

394:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/19 21:43:36 +c+c1qdV0
1日1レス。これ特殊。

395:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/20 23:54:33 +7sWYR81O
ブライ「保守じゃ」

396:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/21 11:38:49 C2K8ajJq0
「ガンガン保守しようぜ!」

397:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/22 23:18:41 VrFYOH/d0
保守がてらに。
DQ3女勇者でいいなら今度書くか?
執筆は遅いが。

398:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/23 01:37:56 gCEzFOjb0
>>397
待ってます

399:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/23 11:02:37 nRnUJWhG0
そいじゃ書いてくるわ。
なるべく早めに投下しよう。

400:月光 ◆HQOE8rQ11A
06/06/23 17:26:17 4e4D8A8o0
 月が綺麗だ。
 飾り気のない自室のベッドの上、壁に背をもたせて空を見上げながら、勇者セレナは漫
然と思った。
 ひょっとしたら、これがこの世界で最後に見る夜空なのかもしれない。そう思うだけで、
胸の奥が締め付けられるように痛む。やりきれない思いは胸の中で穏やかに渦を巻き、た
め息となって口からこぼれた。
 魔王バラモスは倒れた。勇者セレナとその仲間たちによる偉業である。かくして世には
平穏が戻り、もはや日々に何の憂いもない、そのはずだった。バラモスを倒せば世界は平
和になると、そう信じていたのだ。あの時までは。
『我は大魔王ゾーマ。闇の世界の支配者なり』
 脳裏にこだまする声に、セレナは身体を震わせた。誰が思っただろう、バラモスさえ凌
駕する魔王の存在など。そんなものに、人の身で勝つことが出来るのか。
「……勝たなきゃならない。この世を闇になんかさせない」
 セレナは呟く。目を閉じると、旅で出会った人々の顔が脳裏に浮かぶ。
 ―月を、見上げる。
 月光は冴え冴えと輝き、街はまどろみの内に沈んでいる。セレナは立ち上がり、部屋を
見渡した。十六年間、過ごした部屋だ。バラモスを倒しに旅立った時と、何も変わってい
ない。
 柱に歩み寄ってみると、幼い頃につけた傷がまだ残っている。
「毎年一回、背を測るのを楽しみにしてたっけ」
 最後に測ったのはいつだろう。一番上の傷はもうとっくに追い越して、首ほどまでの高
さしかない。ふと思い至ってセレナは懐から小刀を取り出した。柱に背をつけ、顎を引い
て手を頭の上に乗せる。
「このくらいかな……と。大体だけど」
 おおまかに見当をつけて柱を手で押さえ、小刀で印をつける。一歩引いて柱をしげしげ
と見やってセレナはうなずいた。
「大きくなったんだなあ。私も」
 嬉しそうに笑った顔が、ふと愁いの影を帯びた。
 幼い頃、母と一緒に過ごした幸せな時間。明日も明後日も、そのまた先もずっと、ずっ
と続くと信じていた平穏な日々。
 もう、あの日々は二度とは戻ってこないんだ。

401:月光 ◆HQOE8rQ11A
06/06/23 17:27:32 4e4D8A8o0
 鼻の奥が熱い。喉がゴツゴツと痛む。泣いてはいけないと思えば思うほど、我慢が出来
なくなってくる。
「……行きたくないよ」
 弱音が漏れる。肩が震える。拳を握り締め、セレナはうつむいたまま呟いた。
「帰れないかもしれないなんて、嫌だよ。母さんに、皆に会えなくなるなんて、そんなの
……」
 糸が切れたようにその場にへたり込み、自分で自分の身体を抱きしめるように両腕を肩
に回す。震えてる。恐怖で? 寂しさで? あるいはその両方で?
「……っく、う、ひっく……う、うう……」
 強かった父さん。父さんも、こんな気持ちで二度と帰れないかもしれない旅に出たんだ
ろうか。勇者と呼ばれて、皆の期待を背負って、たった一人で。
 私には仲間がいる。……でも。
「私は、父さんほど強くはなれないよ……」
 何て、弱い自分。嫌気が差す。ふがいなさに涙がこぼれる。後から後から溢れてきて止
まらない。涙の海に溺れてしまいそうだ。
 ―月は、あくまで冴え冴えと輝き続ける。
 どれだけの時間、泣き続けていただろう。セレナは一つ息を吐くと、袖で濡れた頬をぬ
ぐった。顔を上げる。と、視界の端に何か光るものを見たような気がした。
「……?」
 光はベッドの脇に置いた道具袋の中から放射されている。セレナはのろのろと道具袋を
まさぐった。
「……あ」
 光の玉。竜の女王より託された、神秘の品。袋から取り出して手に持つと、玉はより一
層の輝きを放った。
『もしそなたらに魔王と戦う勇気があるなら』
 竜の女王は言った。
『この光の玉で一時も早く平和を取り戻すことを祈ります。生まれ出る私の赤ちゃんの為
にも……』
 セレナは光の玉を見た。
 ……暖かい。まるで、母さんみたいに。
 魔王と戦う勇気があるなら。病に伏した竜の女王はそう言った。あのとき、私はどうし
た?

402:月光 ◆HQOE8rQ11A
06/06/23 17:28:24 4e4D8A8o0
「……うなずいた。戦うと、そう決めたんだ。この道は、自分で選んだんだ」

 ……勇気が、あるなら。

 セレナは立ち上がった。濡れた瞳に、自らの平穏だった日々を精一杯焼き付ける。
「もう、行くよ」
 セレナは誰ともなく語りかける。
 自らの記憶に、あるいは幼かった頃の自分に。
「もう、戻って来れないとしても、私には悔いはないよ。……だってさ」
 言葉を切り、微笑む。
「これは、私が決めた道。私だけの道なんだ。誰にも譲れないし、譲っちゃいけないんだ
と思う……だから」
 セレナは扉の取っ手に手をかけた。息を吸い、吐く。
「……ばいばい」
 パタン、と扉を閉める音が、主をなくした部屋に響く。
 月光降りしきる中、勇者は再び旅立つ。帰らずの決意を胸に秘めて。



403:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/24 08:56:52 SYwIA4wt0
。・゚・(ノД`)・゚・。GJ!

404:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/24 10:08:06 MXMoBTAL0
GJ!!
陽の光が届かない夜を照らそうとする月。
まさにそんな勇者の決意が胸にしみたゼ!
とくに
>> ―月は、あくまで冴え冴えと輝き続ける。
このくだりでぐっと来た!

もう一度GJ!!


405: ◆HQOE8rQ11A
06/06/24 13:35:20 L+Jhc1Kz0
>>403>>404
あり。いいリハビリになった。
また気が向いたら投下するわw

406:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/25 01:19:07 t60WfD+U0
切ないなあ。

407:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/26 21:36:52 p66qqhCH0
作品投下は完全に書ききってからの方がいいよね?

408:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/26 22:13:55 wvnbCgRl0
>>407
読者の自分は、必ず続けてくれるなら、途中でも可だな
「緊迫の以下次号!!」とかね
尤も、物語が完結するまでは、感想は投下できないと思われ

409: ◆o7JDqGUgsg
06/06/27 23:43:42 9DXGXYO80
>>408
ご返答ありがとうございます。
かなり思い入れのアルキャラクターを主人公にして書いてるので、必ず完結させるつもりです。
ので、少しずつまとめながら投下していこうと思います。
定期保守のように?w

これから投稿する作品は『Fainal FantasyⅥ』の世界崩壊後、ロックが仲間と合流するまでの話を妄想で書かせていただいたものです。
拙い部分もございますが、どうぞよろしくおねがいします。

410:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/06/27 23:44:40 9DXGXYO80
俺は、また……大切な人を…………

 狂った魔導士の哄笑。
 悲鳴を上げる大地。沸騰する海。
 真っ二つに折れる船体。転げ落ちる仲間たち。
 過去を封印した殺し屋。老いた青魔導師。幼き画家。踊り戦うモーグリの戦士。世界最速の翼を持つギャンブラー。心優しき獣少年。忠誠心の厚い侍。女好きの国王。王族でありながら自由気ままに生きる武道家。潜在的に魔力を持った、人間ではない少女。
 そして―


「…………っ……!」
 無限に続くかと思われた悪夢にさいなまれ、ロックは目を覚ました。
 ぐっしょりと汗をかいている。寒い。汗をかき始めてから時間が経っているようだ。
 しかし、何故だか視界が白んでいる。鼻先がなんとなくむずがゆい。
「……? 何だ、これ?」
 手を顔に当てると、薄く、やわらかい感触。つまみあげてみると、それは白い布だった。これを顔にかぶせられていたらしい。
 柔らかな感触が全身を包み込んでいる。ベッドに寝かされているらしい。
 ロックは上半身だけ起こし、周囲を見回した。テーブル、イス、暖炉。散らかった床。そして、地下へと通じているであろう階段。
 見たことのある場所だった。忘れようのない……
「おぉ! ロック! 目が覚めたのかい!?」
 どこか白々しい調子の声が聞こえた。声の方へ顔を向けると、一人の老人が感極まったような表情で―これもどこかうそ臭い―外へ通じる扉をくぐってこちらに歩み寄ってきていた。見知った顔だった。
 コーリンゲンに住む不思議な老人。
「じいさん……。あんた、まだ生きてたのか?」
「生きてた、生きてたさ! ロック、あんたは死んだと思ってたよ。あぁ、死んだとばっかり思ってた」
 冗談めいた言い方をしているが、どうやら本気でそう思っていたのかもしれない。顔にかけてあった白い布をまじまじと見つめながら、ロックは苦笑した。
「相変わらずだな」
「相変わらず? あぁ、相変わらずさ。何があってもワシはワシのままさ。変わるはずがないだろう? けっけっけっ……」
「……?」
 本当に相変わらずだった。この変わり者の老人は、おかしな言い回しをしては相手を困らせている。
 老人が近くのテーブルからイスを引っ張り、そこに座るのを待ってからロックは問い掛けた。

411:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/06/27 23:46:02 9DXGXYO80
「あんたが生きてるってことは、レイチェルも無事なんだな」
「あぁ、無事ともさ。いや、既に死んでるから無事って言うのかね、あれは? けっけっけっ……」
「俺はどれくらい眠っていたんだ?」
「もうすぐ一年になるかねぇ? いや、もう一年経ったかな? どっちだったかねぇ?」
「一年……」
「驚いたよ。本当に驚いた! 世界が引き裂かれたあの日、あんたはコーリンゲンの近くの浜辺で倒れてたんだ。
 あんたを見つけるのがもう少し遅かったら、あんたは波にさらわれて海の底だった! おしいことをしたかね? けっけっけっ……」
「世界が……引き裂かれた…………」
 その言葉に、寝ている間に見せられた悪夢が脳裏をよぎる。
 狂った魔導士の哄笑。
 悲鳴を上げる大地。沸騰する海……
 真っ二つに折れる船体。転げ落ちる仲間達。
「他に……他に誰かいなかったか? 俺の仲間は!?」
「いーや、倒れていたのはあんた一人さ、ロック。他には誰もいなかった、いなかった」
「……そう、か…………」
 思わず沈んだ声がこぼれる。が、誰もいなかったということは、どこかで生きているかもしれないということでもある。あまり悲観しないようロックは心がけた。
「そぉーさ! 今じゃケフカ様がこの世界の神様。逆らうものは、裁きの光でドカーンさね」
「裁きの光? ケフカが神、だって? 世界はどうなっているんだ? 教えてくれ」
「いいとも。よく聞きな」
 老人は懐から折りたたまれた一枚の紙切れを取り出した。それを広げ、ベッドの上―ロックの膝の上あたりに広げる。
 それは地図だった。しかし、見知った地図ではない。
「誰が図ったのか知らないけどね。もう新しい世界地図なんてものができあがってるんだ」
「……随分と、酷い有様だな…………」
 崩壊前にあった大きな大陸は、全てケフカによって引き裂かれてしまったのだろう。中くらいの大陸や小さな大陸が散在するようになっていた。
 まるで、一枚の紙切れを年端もいかない子供がビリビリに破き、くしゃくしゃにしてしまったような……
「コーリンゲンはここさ」
 地図の北西の隅っこを示しながら老人は言った。手を動かしながら続ける。

412:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/06/27 23:46:55 9DXGXYO80
「ケフカ様が作られた『ガレキの塔』はここ。この塔から人々を監視して、逆らった者は裁きの光でドカーン! さ。まさに神様気取り、けっけっけっ……」
「………………」
「奇跡だか、狙ったんだか知らないけど、跡形もなく消え去った都市は二つだけさ。帝国首都ベクタと、機械文明国フィガロ」
「フィガロ城が!?」
 老人の言葉に、ロックは驚愕の声をあげた。
「あぁ、そうさ。実際に見たわけじゃあないが、跡形もなく消え去っちまったそうだ」
「………………」
「そういえば、あそこの王様とはお友達だったんだっけ? 残念だったねぇ、けっけっけっ……」
「いや……」
 当時、あの城にエドガーがいないことはわかっている。しかし、あの城には何度も訪れた。門番の男とは世間話をするくらいの仲であった。
 地図上の、本来ならフィガロ城があったであろう小さな砂漠を見つめ、ロックは呆然とした。
「大地は少しずつ腐ってきているよ。草木は枯れ、人々の生きる気力も枯れ、命も枯れ……ワシと同じさ。ただ、ただ、死を待つのみ」
「………………」
 身近な者の死と、老人の言葉を耳にして、ロックの心に絶望が芽生え始める……
「ロック」
 うつむくロックに、老人は声をかけた。この不思議な老人の、真面目な声を聞いたのは初めてではないだろうか。ロックは、老人へと顔を向けた。
 ……この老人の、こんな真面目な顔を見たのは初めてではないだろうか。
「あんたはこれからどうするんだい?」
「これから……?」
「そうさ。この世界は終わりだろう。静かに滅びへと向かっている。でも、あんたの仲間は生きてるんだろう?」
「……わからない…………飛空挺が壊れて、みんな空へ投げ出されたんだ。さらに、三闘神の暴走……もしかしたら…………」
 ごッ!
 衝撃とともに視界が回った。何が起きたのかわからず目を白黒させていると、老人の怒声が耳を貫いた。
「何を……?」
「落ち込んでいる場合ではないじゃろう! たとえ大地が裂けようとも、たとえ海が枯れ果てようとも、あんたの仲間は生きている。ロック、あんたが信じている限り……!」
「……じいさん…………」
 老人の拳は固く握られ、震えていた。その理由は、ロックを殴った痛みだけではないのだろう。
「まだ、立ち上がれないのかい?」

413:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/06/27 23:47:39 9DXGXYO80
「………………」
 ふと気づくと、老人の顔にはいつもの胡散臭さが張り付いていた。
「なら、一つ。立ち上がるに足る情報を教えてあげようじゃないか」
「情報?」
「そう。地図を」
 老人のしわがれた手に従い、再び視線を地図上に落とす。
「三闘神が暴走した影響で、海底から姿を現した土地が二ヶ所あるそうだ」
「海底から?」
「地上は全て探し尽くしたのだろう? ならば……」
「まさか……さまよえる死者の魂を呼び戻すことのできる秘宝は……!」
 無言で老人はうなずいた。真面目を演出しようとしているのだろうが、口元が笑っている。
 先程の顔と声は気のせいだったのだろうか……?
「一箇所はコーリンゲンから北西に行ったところにある小島。地図上で言えば南東の隅っこさね」
「すぐ近くの島に村があるみたいだけど?」
「サマサの村さ。だから、たぶんこの島は伝承にあるエボシ岩の洞窟がある島だろうね。つまり、ここはハズレ。けっけっけっ……」
 無意味にじらすが、ロックは苛立ったりはしなかった。いい加減、慣れるものだ。
「……もう一箇所は?」
「ガレキの塔のある大陸の北の果て。ここに、新たに大地が浮上したらしいよ」
「そこに、幻の秘宝が……?」
 地図の一点、中央より少し下に位置する半島を見つめながら、ロックは震える声でつぶやいた。
「可能性はあるね。どうだい? 立ち上がれそうかい?」
「…………世界……だいぶ様変わりしたもんだな……」
「………………」
「……もう一回りくらいするか」
 ぽつりとつぶやいた。老人の顔に、偽物でも嘘っぱちでもない、本当の笑顔が浮かんだ。




ひとまずここまで。
続きはまた後日、投稿させていただきます。

414:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/28 11:56:07 0Vd+hCwR0
>>410-413
FF6キタ━━━(゜∀゜)━━━ !!
あのイベントに繋がる話ですね。続きを楽しみに待ってます。
じいさん実は(?)良いヤツなんだな。
タイトがあの台詞を連想させるのは気のせいか、楽しみで仕方ないけど
タイトルでもう目が潤んできたw

415:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/28 17:22:46 8fH5/60Y0
うん・・・これはなかなか楽しみだ・・・

416:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/06/28 22:06:47 XmLKYjpT0
セリス地下室倶楽部の大作数年がかりでやっと保管しました。
ったら、なんだか楽しみな新作がキテル━━━(゜∀゜)━━━ !!

今日の更新「偽りの果実」は1500行もある大作でした。
千一夜で一番の大作で、テキストオンリーで84kbあります。
ファイルサイズ基準なら、FF8の「かまいたちの夜」という作品が
140kbありますが、これにはAAの重さが響いているので、別物ですね。

またしばらく更新休みます。
ちょっとずつ毎日更新して、10日くらい休んで、また更新という
リズムがちょうど良いようです。
ってことで、トリップテスト。これであってるかな。

417:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/28 22:28:10 JVksVkoc0
ラトームさんキタ━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━!!!!!!

418:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/06/29 01:50:08 Y/gHROs50
休むとかいっておいて、アグスレ22と23のログを保管しました。
いったんテキストに落としてコピペしたので、読みにくいような気も
します。でも読めなくはない‥‥?
あの形式でなら、おそらく他のスレの過去ログもうpできると思いました。
たぶん。

ログ倉庫を更新してみて、他のスレの保管は進むのに、セリス地下室倶楽部
だけが残っていた理由を思い出しました。
大作があったんで、作業終了にできなかったのでした。
作業終了したスレを圧縮してしまおうかとも思いつつ、作業が面倒で
投げたままになってます。現在70Mあるうち、半分以上は過去ログだし……。
100Mまでは鯖代が変わらないんで、お金に響くようになったら考えます。
安い鯖ですが、おかねだいじにってことで。

>417 
ノシ

419:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/29 13:04:19 5rKcrsyf0
復活宣言キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!

420:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/30 21:28:22 KM+0ZxDH0
これはワクワクする展開ですね

421:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/02 01:48:45 J/sUDZZ70
>>413
ktkr!
FF6スキーでロックスキーとしては楽しみで仕方ない。テーマを聞きながら正座してる。

422:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/03 22:15:35 eNQnEdCL0
ほしゅったり

423: ◆o7JDqGUgsg
06/07/04 20:33:22 Leb1H91Z0
たくさんの感想、ありがとうございます。
同じ趣味趣向の方がいると、創作意欲が沸きますね。

泣かれたり正座とかされちゃあ頑張らないと!w

424:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/07/04 20:36:07 Leb1H91Z0
>>410-413の続きになります。
FainalFantasyⅥ 外伝 ~断てない鎖~


 翌日。世界が崩壊しても、日は変わらず登る。だが、日の出とともに聞こえるはずの鳥のさえずりは、聞こえなかった。それは朝の静けさというよりは、死をおとなしく受け入れてしまったような静けさだった。
 迫り来る死の雰囲気を感じながら、ロックは作り笑いを浮かべながら口を開いた。
「じいさん。この一年―いや、一年も経ってないんだったか?」
「さあ。どうでもいいことさ。けっけっけっ……」
「ははっ。とにかく、世話になったな」
「何を今更。ロックのためなら何だってやるさ。こんなワシと普通に接してくれるのは、あんただけだからね」
「おいおい、そう卑屈になるなよ」
 ロックの苦笑に、老人はうそ臭い笑みで返した。
「ま、せいぜい頑張りな」
「あぁ。……レイチェルを、頼んだぞ」
「任せておきな。あんたの宝物は、ワシが大事に、大事に、とっておくさ」
「……よし、行くか」
 頬を叩き、ロックは気合を入れて、歩き出した。


 海岸沿いに歩きながら、ロックは老人とのやりとりを思い出した。

425:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/07/04 20:37:12 Leb1H91Z0
『南西にある半島。そこにある女の墓があるよ』
『墓?』
『あぁ。世界唯一の飛空挺を持つギャンブラー、セッツァーの親友、ダリルの墓さ』
『セッツァーの、親友……セッツァー、無事だろうか……?』
『なんだ、セッツァーとも知り合いなのかい?
 まあ、セッツァーの話は今は置いといて……その墓の近くにチョコボが一羽、いるはずさ』
『あんたのか?』
『そうさ。連れて行ってくれ。ワシの最後の財産さ』
『……いいのか?』
『言っただろう? ロックのためなら何だってするってさ。けっけっけっ……』
『………………』
『もうワシには乗る力も無い。元気良く走らせてやったほうが、あいつも喜ぶだろうさ』
『……じゃあ、ありがたく乗らせてもらうぜ』

 老人曰く、ただのチョコボではないらしい。その脚力は山をも走破するほどだとか。
 たとえそれが嘘だとしても、足があるのは嬉しいことだった。ロックは歩調を速めた。
 ダリルの墓へ向かって―


「ここか……」
  大きな岩を削って作られたような巨大な墓を、ロックは見上げていた。
「こんな凝った墓を作るなんて、セッツァーらしいぜ」
 視線を下げ、墓石の一点―素人目にはわからないほど巧妙に作られた小さなスイッチを見つめながら、苦笑した。
 押してみたいが、今は
「で……この辺にチョコボがいるって言ってたけど…………」
 あたりを見回すが、それらしい姿は見当たらない。
「ファルコン!」
 チョコボの名を呼んでみる。チョコボだというのに、名がファルコンとは……名付け親のセンスを少し疑う。
 この墓の主、ダリルの飛空挺の名から取ったのだ、と名付け親はいっていたが。
「………………」

426:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/07/04 20:38:08 Leb1H91Z0
 しばらく待ったが、返事はなかった。
 もしかして、世界崩壊の折に死んでしまったのではないだろうか……?
「……ファルコン!」
 ―ェェ…………
 不安に思いながらも、もう一度呼んでみると、かすかな鳴き声が聞こえた。
「……墓の近くじゃなかったのか?」
 再び聞こえてくる鳴き声。見回すと、砂漠の方から何かが砂煙を上げながらこちらへ接近してきている。
 目を凝らすと、それがチョコボであることがわかった。そして、何かに追われていることも。
 こちらへと走ってくるチョコボの背後には、チョコボよりも大きな鳥の姿。体調は三メートルを超えているだろう。凶悪な鳴き声を上げながら、逃げるチョコボをくちばしで捕まえようとしている。
「クエー!」
「モンスターか!」
 腰の短剣を抜き、ロックは戦闘態勢に入った。
 チョコボは風のようにロックの横を駆け抜けると、ダリルの墓の影に身を潜めた。チョコボを追っていた怪鳥は、目標をロックに移したようだ。大きなくちばしを開いて、こちらへと降下してくる。
 呪文を唱えながら、横っ飛びに怪鳥の突進をかわす。すぐに振り返り、魔法を放った。
「―グラビデ!」
 怪鳥を中心に、空間がが歪んで見えるほどの強力な重力が発生する。怪鳥は必死に羽ばたき、抵抗するが、やがて地面に押し付けられる。その上にロックは飛び乗り、首にナイフを突き立てた。
 素早く後退すると、直後に怪鳥の首から青黒い血が飛び散る。怪鳥の悲鳴は、やがてごぼごぼと不快な音に変わり、その音も、聞こえなくなる。
 完全に絶命したのを確認してから、ロックは墓に向かって声を上げた。
「ファルコン、出てこい! もうモンスターは退治した!」

427:断てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/07/04 20:39:06 Leb1H91Z0
 しばらく待っていると、墓石の影から一羽のチョコボが現れた。あの怪鳥に追われていたため、この近くにいなかったのだろう。
「お前がファルコンか?」
「クエ!」
 ロックの呼びかけに、そのチョコボ―ファルコンは力強く声を上げた。
 見た目はごく普通のチョコボである。怪我もしてないようだ。特徴といえば、首にバンダナを巻いていることくらいか。
「このバンダナ……」
 自分の頭に巻かれているバンダナを外し、ファルコンのバンダナと見比べてみる。
 ……同じデザインである。
「あんのじじぃ……」
 実は、このチョコボの本当の名は『ロック』だったりしないだろうか……? そんな不安が脳裏をよぎる。
「……ロック?」
「…………クゥ?」
 恐る恐る呼びかけてみると、そのチョコボは怪訝な表情でこちらの顔を見つめてきた。どうやら、『ファルコン』で合っていたようだ。
「ふぅ。……いいか、ファルコン。これからお前は俺と旅をするんだ」
「クエェ?」
 チョコボ用の装具を示しながら言うと、ファルコンは再び怪訝な表情でこちらを見つめる。
「じいさんに頼まれたんだ。『連れて行ってやってくれ』ってさ」
「クゥエ、クエ!」
 ロックの言葉に、ファルコンは元気良く声を上げると、背を向け、座り込んだ。装具を着けろ、ということだろうか。
「言葉がわかるか。利口なやつだな」
 鞍をかけ、轡(くつわ)をかませ、ロックはファルコンの背に乗った。鐙(あぶみ)にしっかりと足をかけ、手綱を力強く握る。
「俺の名前はロック。トレジャーハンターだ。これからよろしくな、ファルコン!」
「クエッ!」


続きは後日。
どう考えてもSSではありません。本当にありがとうございました。

428:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/04 20:47:51 RRG6K5hi0
いやいや、見事なSS(サイドストーリー)ですよ。
そうか、ロックはチョコボに乗って、フェニックスの魔石のあるダンジョンに行ったんだぁ、と納得しちゃいました。
こういう本編の隙間を埋めるような話は大好きなので、続き期待してます。
じいさん、良いキャラですね。

429:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/05 15:41:27 fAiTELR90
一瞬で隠しスイッチを見つけるあたりがロックだな。流石大泥b、げふん、トレジャーハンターだ。

430:断てない鎖 修正 ◆o7JDqGUgsg
06/07/05 17:44:52 1sTCmc620
× 押してみたいが、今は
     ↓
○ 押してみたいが、今はチョコボとの合流が先決だ。


431:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/07 01:08:16 AxzuD5K3O
GJです
続きは長々と待たせてもらうんで

432:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/07 09:18:59 JmaqyXdT0
待つ楽しみ堪能中。

433:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/07 09:19:45 JmaqyXdT0
そーいえば七夕か。
FFDQのシリーズで、七夕ぽいイベントのあるやつってあったっけ?

434:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/07 10:22:29 ZipqhYs80
落ちそうなのでage

435:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/08 11:49:00 Ulun/aTqO
保守

436:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/08 18:56:43 gON+Zp9c0
保守

437:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/07/10 00:03:11 sUJuBkZ60
雨の季節ですね。
up用の掲示板がなんでか動かないのでご迷惑をおかけしております。
なんで動かなくなったかな。

438:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/07/10 00:04:28 sUJuBkZ60
そんなこんなで、またしばらく更新休み予定です。

439:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/11 13:04:12 +lsUL9nY0
保守

440:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/12 00:14:28 7qjQsNjM0
ほしゅ

441:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/12 03:27:26 xdYk7PZQO
あげますね

442:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/07/12 21:45:09 BknEaYQZ0
作品up用掲示板を置き直しました。今回は無事動いている模様。

このところあげてくださる方が多いですね。ありがとうございます。

443:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/12 21:47:04 jBG6WRNs0
乙彼です。
でもageる意味はないような。

444:FFTで
06/07/13 19:08:33 NpGLs9470
この日、暗くじめじめとした骸旅団のアジトには、旅団の主立った幹部が集結していた。
定例の会議である。
しかし、そこにはいずこかへ姿を消して久しいウィーグラフ団長の姿はなく、
副団長のギュスタヴとウィーグラフの妹であるミルウーダが頭領不在の旅団をまとめる
二大幹部として団の主導権を握り、その他の中隊長、小隊長クラスがいて
なんとか統率を保っているという状態であった。
この日はミルウーダの持ち出した議題を巡って会議が紛糾していた。
それはギュスタヴ派の略奪・暴行問題である。

もともと旅団の中でも荒っぽいことで知られるギュスタヴの部隊であるが、
ウィーグラフがいなくなってからは規律が乱れること甚だしく、
旅団が黙認している富豪や貴族に対する略奪のみならず、
規則として厳禁しているはずの平民・貧民に対しての同様の行為が
白昼堂々と行われるようになっていたのである。
それは食糧、物資の強奪のみならず、強盗、暴行、放火、誘拐、強姦、殺人にも及び、
それらの野蛮かつ凄惨な行為が、かつては貧民の救世主として称えられ、期待された
骸旅団の評判を著しく低下させるということになっていた。
しかし、ギュスタヴは団長不在の旅団の中でナンバー1の実力者であり、
これらの乱行を苦々しく思ってはいても口を出せる者はいなかったが、
最近はウィーグラフ団長を軽んずる発言も目立つギュスタヴの目に余る行為に
ついにミルウーダが会議を通じて苦言を行ったのである。
しかし、ギュスタヴは行為そのものの存在は認めたものの、
自らの積極的介入は否定し、しかも部下の行為にはそれなりに同情すべき
ことがあるとして、なんらかの処分を下すことすら拒否したのであった。

445:ためになる話
06/07/13 19:09:38 NpGLs9470
「それでは、副団長は旅団の規則をどう考えているというのか!?」
誠意のないギュスタヴの態度に激昂したミルウーダは声を荒げて叫んだ。
彼女はもともとすぐに感情的になる性格で、その点が実兄の跡を継いで
団長になるにはネックになるであろうといわれるところであった。
「旅団の規則を否定することは、旅団の存在をも否定することになる!
 旅団がただの盗賊団になりさがってもそれでいいと副団長はいうの!?」
ミルウーダは声を震わせてそう叫んだ。
これまでの不満がここで一気に噴出したという感じだった。
響き渡った彼女の怒声によって会議の場は静まりかえり、
出席者のすべての目が怒れるミルウーダと一方のギュスタヴに注がれた。
だが、ギュスタヴは平然として、薄笑いさえ浮かべている。
その態度がミルウーダの炎のごとき怒りに油を注ぐ結果となり、
さらにミルウーダが口を開こうとしたときにギュスタヴが突然それを遮った。
「ここにいる誰が旅団を否定するといったんだ? 
 貧民に対する略奪行為は厳禁、それは我が旅団の原則だ。
 だがな、現実を見てみろ。うちの組織は今や虫の息だ。
 団員は豆のスープどころか水も飲めねえで寝込んでるやつもいる。
 空腹と病で毎日死者が出ている。
 こんな状況で、何もかも原則通りにいくと思うか?
 そりゃあ、ウィーグラフが定めた原則は美しいと思う。
 だが、こんな現実を前にしては書生の理想論と一緒だ。
 そのうえ、その当人が尻尾を巻いて逃げだしたとあっちゃあ……」
ギュスタヴがそこまでいうとミルウーダの顔色が変わった。
「なにっ!!??」

446:ためになる話
06/07/13 19:11:54 NpGLs9470
ミルウーダは立ち上がって腰の剣に手をかけ、気色ばんでギュスタヴに挑む風を見せた。
ギュスタヴは平然とはしているが、ミルウーダをにらむ目の色が変わり、
ミルウーダが剣を抜けばいつでも応戦するという構えをとった。
「もういっぺん言ってみろ!団長が、逃げ出しただと!?」
そういってミルウーダがさらに一歩を踏み出すとギュスタヴも立ち上がった。
まさに一触即発、旅団の二大幹部が衝突する危機となったが、他の幹部数人が
あわててミルウーダに駆け寄り、散々になだめさとしたため、
彼女はなんとか椅子に腰を下ろした。同時にギュスタヴも席につく。
間髪入れず、会議の進行役がこの件については保留とする旨を発言して
慌ただしく一同の賛同を得、次の議題に移ったためにそれ以上の衝突は起こらなかったが、
会議はそれ以降非常に気まずい空気の中で進められた。
旅団の会計担当であるミルウーダの副官が旅団の収支や財産目録を読み上げ、
今月の旅団の財政も非常に厳しいことなどを告げた後、
財産管理など旅団の会計管理の一切を担当する会計をミルウーダに再任する旨の
裁決が採られ、全会一致で再任が決定した。
その後も行方不明となっている団長の消息に関する報告や
これからの旅団の方針について淡々と進められたが、
ミルウーダとギュスタヴは一言も発言をせず、
次の会議の開催日を決定してようやく閉会した。

447:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/13 19:12:54 NpGLs9470
「今日の会議は大荒れでしたな。」
ギュスタヴ一派の有力幹部であり、会議にも出席した男が
会議を終えて別室にてくつろぐギュスタヴに向かって苦笑しながら話しかけた。
「まあ、いつものことだ。慣れてる。」
テーブルの上に足を投げ出したギュスタヴはウイスキーの瓶を片手に、笑いながらそういった。
「まあ、ミルウーダは奴なりに兄貴の旅団を守ろうという気持ちがあるんだろうがな。
その分、一般の団員には情が薄いんだろうぜ。
略奪なんて正規軍でも普通にやってることだ。
まったく、ああいう頭の堅いのが上にいるとやりにくいよなあ。下級の団員が哀れだな。」
ギュスタヴはそういってウィスキーを瓶を直接口にあてた。
一気にかなりのアルコールを飲み干すと、右手で口を拭きながら、
かたわらに控えている幹部に向かっていった。
「だが、まあ、ああいうのも旅団には必要なんだろうぜ。」
「しかし、今日のミルウーダの剣幕を見ていると、
我々に刃を向けるのも時間の問題のような気もします。」
「そのときはミルウーダを返り討ちにして俺が団長になるだけのことだ。
俺は逆にそうなることを望んでるだがなあ!」
ギュスタヴはそういってウィスキーをかっくらうと、大口を開けて笑った。

448:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/13 19:13:54 NpGLs9470
一方、自室に戻ったミルウーダの表情はギュスタヴとは対照的な悲壮さであった。
彼女はまるで病人のようにふらふらと部屋の中に入ってくるなり、椅子に腰を下ろすと、
テーブルに肘をつき、頭を抱え込んだ。彼女のブロンドの髪も乱れ、精彩がない。
今日の会議のこともあるが、ここのところのミルウーダはずっとこんな風だった。
元気がなく、夜は眠れず、体調も悪く、微熱が続き、いつも頭痛があった。
ウィーグラフが姿を消してからというもの、ミルウーダは一人、
兄の不在中、旅団が存在意義を失わぬよう孤軍奮闘していたのだが、
ここにきて様々な矛盾が噴出し、彼女の努力も限界にきていた。
彼女の理想を理解する者は少なく、逆にそれと正反対の考えの者の数は多かった。
いまの骸旅団は単なる盗賊団以外のなにものでもなかった。
絶望のミルウーダが唯一生きるためのよりどころとしようとした組織が、
この世から消え去ろうとしていたのだ……

449:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/13 19:14:33 NpGLs9470

「では、わたしはこれで失礼いたします。」
ミルウーダの副官が会計関係の書類をおいて、静かに部屋から立ち去った。
ミルウーダは何も声をかけなかったが、副官が立ち去ると黙ってその扉を見つめた。
やがて視線をテーブルの上に置かれたひとかたまりの書類に移すと、
その中にある一冊の小さな帳簿を手にした。
それこそは骸旅団のすべての収支が記された帳簿だった。
彼女がページをめくると、最近の旅団の家計がいかに厳しいかということが一目でわかった。
収入は有志からの寄附のほか、貴族や富豪から略奪した金品が主で、
旅団が経営する農場や商店からの収益を足しても高が知れていた。
支出は、団員の給与や旅団として必要な武器・物資・食糧のための費用、
作戦遂行に係る費用、貧民に対する慈善事業金、そのほかの雑費であり、
すべてが不十分であった。
ミルウーダは帳簿をめくり続け、ある支出の項目で視線を止めた。
そして彼女は異様な興奮をもって、そこに書かれた文字と数字を見つめた。
息が上がり、顔は赤くなった。目は異常な輝きを見せた。
そこには『パララ村への慈善事業金 300,000ギル』と記載されていた。
30万ギルは貧乏な旅団にとって負担となる数字だった。
帳簿にはほかにも同じような額の慈善事業金が別の村名とともに記されていた。
旅団がする慈善事業とは、貧民に物資や食糧を配ったり、炊き出しをしたり、
場合によっては直接現金を配布したりするものだ。

だが…飢饉と疫病に見舞われ、困窮を極めるパララ村に一切お金は渡っていなかった。
パララ村に限らず、帳簿に記されたここ3ヶ月の慈善事業金は
実際には一度もその目的のために支出されたことはなかったのだ。
それは、すべて旅団の出口で止まっていた。
出口とは旅団の会計担当最高責任者であるミルウーダ・フォルズのことだった。
金はすべてミルウーダの手許で止まっていた。

次回 ミルウーダの天国と地獄

450:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/07/13 21:45:37 1a4DFAXc0
FFT━━━(゜∀゜)━━━ !!
これはタイトルが「FFTでためになる話」?
それとも「ためになる話」?
実は無題? 後日のタイトル発表を待て?
次回のミルウーダの話は、別編なの? それとも同じ話で続くの?

など、保管を考えると疑問がいっぱいw
どこかでお答えいただけるとありがたいです<作者さま

それはそれとして、続きお待ちしてます。
硬派なFFT楽しみだー。


451:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/07/13 21:48:33 1a4DFAXc0
興奮して事務連絡忘れてた。

千一夜の更新再開しました。
予告より長めに休んでしまいましたけど、また10日くらい続けて
更新できれば良いなと妄想中です。
これから保管するログだけのインデックスを作りましたし、
過去ログをupしてくださる方、スレの保管を担当してくださる方、
お待ちしておりますm(._.)m

>443
age無くても保守はできるんですよね?
でもわざわざ上げたくなるということは、よっぽど危険そうな順番に
あったのかなと。

452:fft
06/07/14 18:34:44 7ZqBrX9N0
あまり深く考えていなかったです。
では、タイトルが「ためになる話」。
「ミルウーダと地獄」とかは章名っつーことで。
次も同じ話です。
あと残念ながら硬派ではありません(^^;)

453:fft
06/07/14 18:37:27 7ZqBrX9N0
ミルウーダが最初に旅団の金に手をつけたのは5ヶ月前のことである。
彼女が悪質な地主から救ったある家族の幼子が病に冒されていた。
このままほっておけば命に係わるが、医者にかかれば治る病気であった。
だが、医者に診せるためのお金がその一家にはなかった。
かといってミルウーダにも金はない…
ミルウーダは貧乏人だけが泣かなくてはならない世の中の不条理さに腹を立てたが
いま怒ったところで子供の命を助けることはできない……
そこで彼女は生まれて初めて旅団の金に手をつけたのである。
先月に会計担当に着任したのが事の運びを容易にした。
たったの10,000ギル。
この程度ならば2,3ヶ月で返済できると考え、武器購入の名目で帳尻を合わせた。
しかしその工作をやったあと、彼女の心境は戦々恐々となった。
(どうしよう…いくら貧民を救うためとはいえ、旅団の金に手をつけてしまった…
 このことがばれたらただでは済まない…)
不名誉な罵声を浴びせられながら処刑されることを思うと恐ろしくてしょうがなかった。
いかに気丈な人間といえども、引け目を感じればたちまち弱くなるものである。

454:fft
06/07/14 18:38:17 7ZqBrX9N0
そんな恐怖のうちに一週間、二週間が過ぎ、やがて一ヶ月が経過したが、
ミルウーダの不安とは裏腹にそんなことに気がつく者は誰もいなかった。
もともと会計や計算が苦手な者たちである。
大ざっぱな旅団の会計に少々工作をしたところで気づかれる恐れはないのだった。
ミルウーダは胸をなで下ろした。
その頃には、旅団の金に手をつけたという罪悪感はかなり薄くなっていた。
借りた1万ギルを返すのも馬鹿馬鹿しいような気持ちになっていた。
変に返そうとすれば、そのときに流用が露見するかもしれないのだ。
結局、ミルウーダは金を戻すのを止めた。
帳簿の工作が案外簡単に行くという経験だけが彼女の心のなかに残った。

455:fft
06/07/14 18:38:57 7ZqBrX9N0
これ以後、ミルウーダは会計担当という地位を利用して、
ちょくちょくお金を流用するようになっていた。
貧窮にあえいで旅団を抜けようとしている同志に密かに金を融通してやったり、
団員募集のエサとなる入団時の手付金に色をつけてやったりした。
新しい団員の獲得はそのままミルウーダ一派の勢力拡大に繋がるのである。
旅団の金に手をつけるときはいずれ返す返すと思いながらだが、
しばらくすると借りたことを綺麗さっぱり忘れていた。
人間というものは貸した金のことはいつまでも覚えているが、
借りた金のことは忘れやすいものなのである。
そして、彼女は横領を正当化する理由も考え始めた。
(この金はどうせギュスタヴたちが酒にして消えてしまう金だわ……
 それならその前にわたしが有効活用した方がマシよ……)
(先週、貴族どもから強奪した20万ギル……
 あの作戦を指揮したのはわたしよね……
 わたしがいなかったらどうせ入らなかったお金だわ。)

456:fft
06/07/14 18:39:41 7ZqBrX9N0
そんなことを繰り返しているうちに、どんどん罪悪感は薄くなっていった。
立場を利用して自由に扱える団の金が
自分のものであるかのように錯覚するようになっていた。
額も大きくなり、その用途は限りなく私的なものになっていった。
お金をたくさんもっている自分がなぜこれほどまでの空腹に耐えなくてはならないのか。
それは非常にナンセンスなことに思えた。
ある日、彼女は食品を扱う商人をひそかに呼び出した。
彼女は一枚の紙を見せて、そこに書かれた食料を指定の場所に運びこむように命じた。
商人はその紙を見て不審の色を見せた。
彼はいつも旅団に食糧を調達していたのだが、今回に限っては内容がいつもと違うのだ。
いつもより量は格段に少ないが、逆に質はかなり良いものになっている。
「これで…いいのですか?」
商人は疑わしげにミルウーダに尋ねた。
ミルウーダは暗い視線を商人にぶつけて答えた。
「そのとおりにしなさい。ただし、このことは他言は無用よ。特別な用途に使うのだから。」
しかし、清廉なるミルウーダが本格的に欲望に目覚めるのはこれからなのである。

457:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/15 16:02:24 MnGA/UwHO
ラトームさんお疲れ様です!!

458:fft
06/07/15 21:37:58 sM/fiGx70
ある日のこと。
ミルウーダはイグーロスにおける隠密任務の決行に加わった。
それは旅団員の数名が地方貴族に化け、
畏国の大貴族どもが集う華やかなる舞踏会に潜入し、
そこに出席した重臣や貴族どもから重要な情報を聞き出すという計画であった。
この作戦を決行するにあたっては、多少なりとも貴族に化けられるだけの教養と
外見をもった団員が選抜されなくてはならなかった。
その結果、数名の男の団員とミルウーダが選ばれたのである。
ミルウーダは数少ない女の団員であるだけでなく、
貴族になりきるだけの教養と才能も十分に兼ね備えていると判断されたのである。
ミルウーダは、この時点で相当な額の旅団の資金を使い込んでいたのだが、
それにしても、貴族に対する嫌悪感が消えたわけではなく、
貴族に化けることにはかなりの抵抗があった。
しかし、旅団の重要なる任務ということでやむを得ず了承したのである

459:fft
06/07/15 21:38:31 sM/fiGx70
当日、ミルウーダは風呂に入って汚れを綺麗に落とし、髪を整え、化粧をし、
旅団が苦労して調達してきた舞踏会の衣装に着替えた。
その衣装は相当にセンスの悪い、しかも時代の遅れの代物だったが、
貧乏人のミルウーダにとっては豪華絢爛たる女王のドレスに見えた。
その上、ほかの貴族に化けた団員たちがこれまたたちが悪い連中で、
ミルウーダが本物の貴族の令嬢のようだ、とか、
舞踏会のどんな令嬢でもミルウーダの美しさにはかなわないだろう、
などとおべんちゃらを言って褒めちぎったので、
ミルウーダもすっかりその気になってしまった。
旅団が用意した馬車を駆って、目的の舞踏会場に乗り込んだときには、
「貴族なんていっても所詮はお金をかけて着飾っているから豪華に見えるだけなのよ。
 わたしだって衣装次第でこれくらいにはなるのだわ。」
などと、任務そっちのけで、すっかりお嬢様気分であった。
しかし、そこは生まれも育ちも貧乏人の悲しさである。
舞い上がっていたミルウーダも会場に足を踏み入れて3分でぼろが出てしまった。
まず、舞踏会場の常連というような気合いの入った連中の中にあっては、
旅団が見立てたミルウーダの衣装などダサくてしょうがない。
足を踏み入れるなりこれがすぐに数人の失笑を買った。

460:fft
06/07/15 21:41:22 sM/fiGx70
そして、もともと礼儀作法なんて学んだこともないミルウーダが
貴族社会の作法などを知っているはずもなく、
情報を得るにもどうやって貴族に話しかけたらいいのかさっぱりわからず、
(これまたダサい)取り巻きとともに場違いな空間の中にポツンと取り残された格好になり、
彼女が馬車の中で仲間相手に空想していたような、
「きっと貴族どもはわたしの姿を見つけるなり浅ましく群がってくるのでしょうね」
「貴族の女共は本当の美しさがどういうものかを知って悔しがるのよ」
というようなことは一切起こらなかった。
それどころか、悪質な貴族のなかには浮きあがったミルウーダを馬鹿にした発言や、
これみよがしに侮辱する発言をするような手合いもいて、
ミルウーダは悔しさのあまり頭突きをしてやりたいようなありさまとなった。

結局、舞踏会ではなんの情報も得ることなく、任務は完全に失敗に終わり、
偽貴族の仲間が恐れたとおり、ミルウーダは帰りの馬車の中で周囲に当たり散らしたのである。
彼女はこの任務そのものよりも、周到な用意をしなかった旅団に対して恨みを向け、
「旅団さえきちんとした衣装を用意してくれればこんなみじめなことにならなかったのに!」
と、まるで自分の母親の見立てに腹を立てるワガママ娘のように泣きじゃくった。
意気消沈した仲間らはミルウーダをなだめながらも、
その衣装はレンタル物できちんとした状態で返さなければ
弁償しなければならないから、どうか破かないでくれと懇請するのだった。

461:fft
06/07/15 21:42:38 sM/fiGx70
次の日、ミルウーダはなんのためらいもなく、旅団のアジトを抜け出し、
変装をして街に出向くと、街一番の仕立屋のドアを開けた。
もちろん、今度こそきちんとした衣装をつくり、もう一度舞踏会に潜入するためである。
いわばリベンジであったが、旅団にはそういった再任務の予定はなかった。
もちろん、衣装を仕立てるための予算も用意されていない。
だが、会計担当のミルウーダはいくらでも数字を工作することができたのである。
彼女は慈善金の名目で50万ギルを捻出し、それで新しい舞踏服を仕立てようとしたのである。
昨夜さんざん恥をかかされて夜も寝られなかったミルウーダの目は血走っていた。
しかし、今日の行動にはなんの迷いもなかった。
仕立屋にいま社交界でもっとも最新の衣装を注文し、代金を支払ってしまったミルウーダには
もはやあとには引けないという覚悟があった。
そして、一線を越えてしまった者特有の、
舞い上がったすがすがしさがその気持ちを支配していた。

462:fft
06/07/15 21:43:24 sM/fiGx70
しかし、新しい衣装を揃えればそれでよいというものではない。
指輪やネックレスや靴などのアクセサリーもそれ相応のものがいる。
そして、なにより必要なのが令嬢の作法だ。
基本的な知識は街の本屋で本を購入して理解するとしても
実際に身につけるためにはそれなりの訓練が必要になるだろう。
ミルウーダは礼儀作法を教授してくれるという教室に密かに通うことになった。
もちろん、これらのことはすべて旅団の金から支払われた。
また、彼女は特別任務だといってたびたびアジトを空けるようになったが、
旅団の最高幹部のすることなので、その行動を疑う者はいなかった。

そして、骸旅団のアジトで定例の会議が行われ、
ミルウーダとギュスタヴがその席上でやり合ったその日が、実に舞踏会の当日なのであった!
ミルウーダはすでに完成した衣装やアクセサリーを秘密の場所に隠し、
相当にぼったくられた礼儀教室で学んだ令嬢の作法を完璧にマスターし、
あとはこっそりと夜にアジトを抜け出して舞踏会に出るだけであった。
自らもこんな状態でありながら、彼女はギュスタヴの略奪行為を難詰したのであった。
だが、彼女の中で、そのことに矛盾はなかったのである。
なぜなら、彼女の行動は重臣から情報を聞き出すという重要任務のためだからである。

ミルウーダは視線を釘付けにしていた帳簿や、その他の書類を金庫に入れて鍵をかけた。
そろそろ時間である。
彼女は、やっと来た晴れ舞台に向かうため、こっそりとアジトを抜け出したのであった。

463:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/17 15:52:46 ygaaE3PR0
保守は・・・まだいるよ

464:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/07/18 22:14:29 CS1A6GtD0
ミルウーダGOGO!

業務連絡です。
また2週間くらい更新止まります。サイトの掲示板の方も
このスレもレス入れる余裕無さそうです。すみません。
7月に入ってから忙しくなり、いろんなことに手が回らず、
すみません。cgiの置き直しにも時間かかって、お待たせしたし。

ついでに。
保守がてら、千一夜サイトとあなたとの出会いはいつどこで?
を書いていただけるとちょっと嬉しいです。
理由は後日。

次の更新は、昼寝士さんにいただいてる宿題からですかね。

465:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/19 14:06:15 dRQSivcD0
初めての2ちゃんスレがファリス超萌えの確か9ぐらいで、
SSと言うものを知る。その勢いで2作ほど投下してしまったり。
その後で何気なく全スレチェックしてたら千夜一夜っていういかにもSS置き場な場所発見して現在に至る。


466: ◆HQOE8rQ11A
06/07/19 14:13:16 n7Rnjkeo0
DQの二次創作ねーかなと思って探したら発見

467:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/19 16:21:31 DcaY2Ce00
アグスレからのリンクだったり

468:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/19 23:50:35 xbTFd4pM0
トーナメントから。
「SS」という物の存在を知ったのもこれがきっかけでした。

469:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/21 01:29:13 Qbihybq20
もうすでに覚えていない…いつだろう?

470:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/21 03:05:52 h9vyOCdx0
やれやれ… 全く私は気付くのが遅すぎましたね。このスレの存在に…
某スレでラトームさんに間接的に教えて頂きました。今は、バルフラSS書こうかとスレの様子見してます。
全部出来たらここに落とした方が良さそうですかね…

471:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/21 14:35:50 pGXvaEW20
エロパロ板から来ますた。
保管庫の方にはいつもお世話になっていますよと。

472:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/22 22:09:25 oqdRyqgN0
某スレとか言われてもわからんしな。


473:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/22 22:28:02 mhK7QSj+0
板内をふらふら見て回ってて、たどり着いたような気がします。
ラトームさんの前の管理人の方の時でした。

474:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/22 23:09:21 xiwEKNcT0
某スレが数ヶ月前の祭で落ちていたときに知りました。

475:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/24 01:24:19 M1kCqp0B0
全員違う感じ?

476:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/24 07:18:18 jU+z22N30
『かなり真面目に~』のほうに投下しようと思ったんだけど、スレ違いかと思って聞いてみたらここを紹介された。
時期は結構最近だな……今年の6月ごろ。

477:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/24 09:14:19 0sjCCu2S0
>>475
そうでもない。
よく見れば「板内巡回で発見」が4人。
あとは
アグスレ、トナメ、某スレでラトーム氏、エロパロの不明、かなり真面目~スレ
から一人ずつ。

478:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/24 17:39:36 NnREUZ0S0
恋スレからきました。記念カキコ。

479:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/26 02:03:38 f/55HTYn0
ティファ×ルードって需要あるかな

480:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/26 02:53:41 ek60y88a0
ティファ、エアリスのカプ話なら専用板をお勧めする
向こうでSS投下が可能だし、レスも多いよ

481:アルミラージ斉藤 ◆nVUuKCCk76
06/07/26 05:17:00 hEV9XPFs0
あげ

482:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/27 06:50:42 7L4nSnl30
1日1レスこれ特殊

483:ギの人
06/07/27 16:50:13 imqluG7nO
>ラトームさん

復活オメ&更新お疲れ様です。
このスレだけは今でも巡回してますよ。


484:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/07/27 19:04:13 uYypvmZg0
業務連絡です。今のくそ忙しさが来月もずっと過ぎまで続くと
決定しますた、もう踊るしか。
              Å
            / \  ハッ
          ヽ(´Д`;)ノ
             (  へ)
             く
どのくらい忙しいかと言うと、
エンドールに店を買うためにネネにこき使われている時の
トルネコ並みです。しかも銀の女神像ナシ、みたいな。
それでもトルネコには愛のお弁当があったもんなー。売るけど。
考えたら、ネネにこきつかわれてるわけじゃないし。
愛っていいなーいいなあああーーーーー

レスでもなんでもないただの愚痴ですみません。
レスはまた今度に。
次の更新はきっとかくじつにお盆すぎてます…。うぇ


485:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/27 22:30:53 Gfdki0wS0
>>484
ラトームさんキタ━━(゚∀゚)━━!!!!
何も出来ないけど、せめて一緒に踊らせてください
              Å
            / \  ハッ
          ヽ(´Д`;)ノ
             (  へ)
             く


486:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/28 02:32:28 nHWNqPGb0
他スレで見つけたSSもここで紹介していいんですか?
あまりにも上手で感動しました、はい。

487:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/28 20:41:46 fu/G7bIP0
>486
今も存続しているスレだったらそのスレのurlを貼っておく、というのは?
勝手に転載されたら作者もあまりいい気持ちにはならないような気がする。
書かれてからずいぶん時間がたっていて書いた人も見かけない、というのなら話は別だが。

488:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/29 18:13:52 ldjBkXhF0
とりあえずそのSSを教えてほしいな・・・

489:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/30 12:06:58 ppfX4+V70
>>486
すごい生殺しなんだけど…

490:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/31 10:35:53 jq6W5VOB0
「ライアンですが、場車内の空気が最悪です」ってやつじゃね?
SSという感じではないけど。

491:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/31 18:29:45 G0sQOvBe0
各自、そうだと思われるSSを紹介していくと面白いかもね。

492:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/07/31 20:45:46 9ov4b2Tb0
昔某スレで何気なく書き込んだ「こんなSS書いてほしいかも~」
に即座に反応し素晴らしいSSを書いてくれた職人がいたおかげで、
こういうSS関連のスレを見るようになったよ
題材はFF9です


493:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/02 08:20:04 5fRU5xht0
保守

494:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/03 01:02:18 WHtWVz9x0
>>492
FF9好きだから読んでみたい
保管庫にある話?

495:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/03 20:52:47 9ldcc8hq0
まだ完成していないんですが、レス数にして30ぐらいの(ss=ショートストーリーとはいえないぐらいの)作品を貼ると迷惑ですか?
面白いかどうかは別にして。


496:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/03 23:15:30 R+mBWGqf0
まずは完成させてはどうか

497:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/04 01:44:33 ZMqKI9Vh0
まずは完成させようと思って書き始めてから早3ヶ月。
遅筆と多忙のコンボを甘く見ていたことを痛感。
前半の終わりが見えかけてきたことだし、少なくとももう3ヶ月はがんばってみるか。

495とは別人ね。

498:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/06 00:20:26 DyUy1U+P0
書き上げることが大事だよな、やっぱ。
途中までであげられると、感想も出しにくいし。
がんがれ。

499:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/08 01:14:16 ZWOTNOJY0
ほしゅいる?

500:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/08 02:52:57 oWHxaVdi0
去年よく流行った一連のカプばな~スレは
クラウド関連の良SSが沢山投下されてたっけ。

クラウド(FF7)×サンチョ(DQ5)とかクラウド(FF7)×すぎやまこういち(作曲家)みたいに、
カップリングはぶっとんでたけどw

501:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/09 22:09:08 myL3PVZq0
そういえば以前ラトームさんが、
>dat落ちした過去ログをほぼ全く拾えない状況にありまして
とおっしゃっていたような。
ということは気に入ったSSを見つけたらうpしていくしかないのかも。

かくいう自分は、我ながら気に入っていたSSをデータあぼん&投下したスレdat落ちの
コンポで永久に失ってしまった…
もっとバックアップをちゃんとしておかなかったことが悔やまれる。

502:ギの人
06/08/10 01:03:25 SxD3QT6x0
●あるからURLさえ分かれば過去ログ取れるけど…。
全部は無理だが少しなら取ってこようか?

503:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/12 03:06:16 ZlkS1VQu0
職人さん降臨待ちsage

504:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/13 20:56:59 0Hr8V/lg0
ギの人キタ━━━(゜∀゜)━━━ !!!!!
とりあえず、完結小説があった過去スレです
スレリンク(ff板)
スレリンク(ff板)
スレリンク(ff板)

505:ギの人
06/08/13 21:42:51 PIUlyqx90
>504

千一夜のアップローダにあげておきました

506:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/13 22:02:32 0Hr8V/lg0
ありがとうございます

507:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/15 01:36:04 5ngruidb0
今夜は半分ほど投下します。ジャンルは昼メロ?
題は『勇者の宿命』です。

 大魔王が倒れし後、アレフガルドには平和が訪れた。しかし数百年の後、竜王と名乗る強大な魔がこの地を再び闇に閉ざした。
 この世に光ある限り、必ず闇は存在する。それはこの世の理だ。しかし世界の人々にとってはそんな理はありがたくない。どんな時代の人間だって平和に暮らせるならそれを望む。
 そういう意味ではその時代が丸ごと不幸であったと言える。
 彼─アレスが生きたのはそのような暗黒の時代の始まりであった。アレスは、彼の家系が伝説の勇者ロトに連なると幼い頃から祖父に聞かされ続けてきた。
 アレフガルドでは多くの者が怪しげな家系図を持ち上げて「我こそはロトの正統な子孫だ」と主張していた。ロトが大魔王を倒した後、どのようにしてその後を過ごしたのかは定かでない。妻を娶って子をなし、数百年の後に無数の子孫へとつながっているのかもしれない。
 だが確たる証拠はなく、いずれも笑い話の類として扱われていた。─アレフガルドを治めるラダトーム王室としても、「伝説の勇者の子孫」などという存在が伝説でなく現実に存在してもらっては困るという事情が存在した。
 失政を犯した際に伝説の勇者とやらが信望者を連れて王宮に乗り込み、「この国を大魔王の魔手から救ったのは我が祖先だ。その正統なる子孫たる我こそがこの国を治めるのにふさわしい」などと主張する事態も想定されるからだ。
 閑話休題。だからアレスも祖父が繰言のように言うのを半ば聞き流し続けてきた。剣術や魔術を学んできたのも別に勇者の末裔としての自覚に目覚めたからと言うわけでなく、自衛の為という程度の動機であった。
 しかし彼が成人したとき、彼の年老いた祖父は彼を家の地下室に連れて行った。そして「これがお前の宿命だ」と言いながら古い宝箱から取り出して見せたのだ─その青き鎧を。
 アレスの父はアレスがまだ幼い頃、魔王が現れた直後に死んでいた。死因は山菜採りに山奥へ行き怪物に襲われたためと町の人々、またアレスには説明されていた。
「しかし真実は違う。お前の父は魔王討伐のための修行に出て、怪物に返り討ちに遭ったのだ」

508:ここまで
06/08/15 01:37:49 5ngruidb0
 アレスは父の最期の姿を覚えている。母は「幼い子供に見せるものではない」と反対したが、祖父は半ば強引にアレスに「それ」を見せたのだ。
 スライムの集団に襲われてその消化液にまみれ、わずかな遺留品がなければ本人とはわからない無惨な姿だった。数日間は食事がのどを通らなかった。
 しばし過去を思い出したが、祖父は変わらず話を続けている。
「魔王は間接的にお前の父を奪ったのだ」
 その言葉にアレスは白々しさを感じた。父は自ら魔物の巣窟に入り込み、当然の結果として反撃に遭っただけだ。それも、最下等の魔物たるスライムを相手に。
 冗談じゃない。祖父は父と─自らの息子と同じ目に孫を遭わせるつもりなのか?確かにアレスは父とは違い、幼い頃から剣術や魔法の修行を積まされていた。それは─死地に赴かせるつもりだったからなのか?
「さあ、お前も旅立つのだ。かつて我らの遠き祖先ロトがそうしたように─」
 天井を仰ぎ見るような姿勢で祖父はとうとうと謳った。その感極まったのか、自己陶酔した様子に、ついに長年アレスが溜め込んできたものがもれ出た。
「じいちゃんは─俺が死んでも構わないというのか……」
「ん?」
「親父みたいに、俺がみじめに野垂れ死んでも構わないってことかよ!」
「アレスよ……」
「俺は……勇者なんかにならなくていい。ただ……平和に暮らせればそれでいいのに……」
「─お前はそれでもロトの子孫なのか!そんな弱音を吐くことが許されると思っているのか!」
 祖父は激怒した。これほど激しく怒る祖父を見るのは初めてだった。しかしアレスも後には引けない。
「ああそうさ……勇者の子孫?そんなものが何だってんだよ。
 この鎧だって本物かどうかも分からないし、本物だとしてもうちの先祖の誰かが盗んだものかもしれないじゃないか!
 それに─仮にこの鎧が本物で、俺が本物のロトの子孫だとしても、何で俺が戦わなきゃならないんだ。
 お城には俺より強い戦士なんてごまんといるし、他にも自称ロトの子孫はたくさんいるだろうさ」
「この─軟弱者が!」
 突然、アレスの視界に何かが飛び込んできた。それが祖父の樫の杖だと気づいたのは、顔を横殴りにされた後のことだった。

509:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/15 21:22:34 V4hHDlWm0
堀井雄二×坂口博信でカプばな~
スレリンク(ff板)
クラウド×すぎやまこういちでカプばな~
スレリンク(ff板)

こういうのはFFDQのSSのうちに入るのだろうか

510:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/15 21:43:49 Fi0NXWks0
そういうのも全部挙げていったらきりがないよ

511:北風
06/08/15 22:46:15 5ngruidb0
『勇者の宿命』続きです。

「やっと─我らが真のロトの子孫であると証明されるときが来たというのに、世界の危機が訪れたというのに─このすくたれ者め!」
思わず身をかがめたアレスに、祖父の折檻はなおも続いた。
しかしアレスは反撃をしようとは思わなかった。まさか老人、それも血のつながった祖父を殴るわけにはいかない。
それにアレスも修行を積んできた身。年寄りの打擲など守りを固めれば十分耐えられる。
(ま、じいちゃんもじきに収まるさ)
 そうアレスが諦観したときだ。急に祖父が動きを止めた。そして顔をひきつらせ─どうっと倒れた。

 祖父の葬儀はしめやかに行われた。魔物が跳梁跋扈する時分、葬儀など珍しくもない。
 むしろ突然の心臓発作とはいえ、曲がりなりにも天寿をまっとうできただけアレスの祖父は幸せな方だったろう─というのが周囲の人たちの慰めだった。
 アレスは地下室であったことを母親にも語らなかった。祖父の尊厳を守るためにも、それがせめてもの最後の祖父孝行だと考えたからである。
 葬儀の翌日─アレスは例の地下室にいた。アレスの目の前には『ロトの鎧』が宝箱から出されていた。アレスは視界に鎧を入れながらも、心はどこか遠く離れたところにあるようだった。
「この鎧がうちにあったから─親父も、じいちゃんも、もっと昔の先祖たちも─」
 ロトの子孫だという自負、あるいは妄執。それに囚われた人生を送ったのだろう。
祖父が見せた激怒も今までの人生で溜め込んできたものが吹き出ていたのだということに気づいた。
祖父は(いや、それ以前の先祖たちも)自分がロトの子孫であるということを誇りに思ってきたに違いない。現にそれを裏付ける証拠─『ロトの鎧』もある。
しかし平時にそれを主張しても他の有象無象の自称ロトの子孫と一緒くたにされるだけである。第一勇者が活躍するにふさわしい場所がない。
そして─かねて望んでいたように、世界の危機が訪れた。それはなんと罪深い望みであったろう。平和をもたらした勇者の子孫が、世界の危機を望むとは。
しかしもはや自身はすでに年老い、戦うことはできない。自然と息子(アレスの父)孫たる自分に過剰な期待を抱くに至ったのだろう。

512:北風
06/08/15 22:47:33 5ngruidb0
「くそ、ロトの子孫だなんてくそくらえだ!」
 アレスはすべてが馬鹿らしくなった。

 やがてアレスは旅立った。
 父の死の真相、祖父の妄執、そして憤死。知ってしまった今、アレスはそれらを無視することも、誰かに話して心の荷を軽くすることもできなかった。
 もはやアレスの心はアレス自身のものとは言いがたかった。父、祖父を含め、ロトの子孫を称することでひそかな誇りを保ってきた自らの家系に縛られていたのだ。
 また同時に、世界の危機を望んだ祖先たちの罪深い望みを償うという意味合いもあった。奇しくも祖父の言った「宿命」という言葉が浮かんでくる。
 その際アレスはあのロトの鎧を身に着けていた。ただし色を塗り替え、ロトの紋章たるラーミアの意匠を隠した上で。ロトの子孫を名乗ることを拒む─それがささやかな「宿命」への抵抗だった。

 さて史書にアレスの名は残されていない。ただ、当時は無数の自称ロトの子孫が竜王討伐に旅立ち、そして帰ってこなかったということが記されているだけだ。
 そして「ロトの子孫」というブランドは一時的に下落し、伝説は忘れ去られた。
 伝説が復活するのは、真のロトの子孫がラダトーム城に現れ、時のラダトーム王ラルス16世が全面的な支援を宣言して後のことである。
 真のロトの子孫たる勇者は廃墟となったドムドーラの町でロトの鎧を手に入れたという。それはかつてアレスが祖父に地下室で見せられ、その後自らまとって旅に出たあの鎧と酷似していた。
 ドムドーラの町は完全に破壊されていた。わずかな生存者によりその鎧の前の持ち主が武器屋の主人ユキノフだということは判明している。しかしユキノフ以前の持ち主が誰であるのかは不明である。
 その鎧がアレスの家に伝えられていた『ロトの鎧』と同じものであるか。
 アレスの家系が本当にロトの子孫であったのか。
 そして何よりもアレスがその後、勇者の一人として旅を続けられたのかどうか─それは鎧だけが知っている。



513:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/16 08:52:55 ykt4BDrH0
いやあ、こういうの好きやわぁ・・・
GJ乙!

514:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/16 11:32:01 0jbQs0i50
こういうローテンションな作品もたまにはいいかな、ってぐらい。

515:絶てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/08/17 07:38:56 TPODGtfF0
やばやば、かなり間が開いてしまってます orz

>>424-427の続きになっております。
FainalFantasyⅥ 外伝 ~断てない鎖~


「―とは言ったものの、まずはどこへ行こうかな……?」
「クーエェ?」
 ファルコンの背に寝転がり、地図を眺めながら、ロックはぼんやりとつぶやいた。ちょうどファルコンとロックの後頭部が当たる形である。
 よく見れば、コーリンゲンのある大陸には、他に町や村がないようだった。あるのはコーリンゲンと、ダリルの墓。そして、大陸の北方に位置する建物だけだった。
「無策に行くのは危険、か。海を渡る前に、この『竜の首コロシアム』ってところに行ってみるか」
 竜の頭のように歪んだ半島。その根元―まさに竜の首に位置するであろう建物を眺めながら、ロックは起き上がった。体を反転させ、しっかりと座る。
 コロシアム……たしか、円形闘技場のことだと記憶している。戦いを生業とする施設であるならば、何か情報がつかめるかもしれない。
「蛇の道は蛇、ね。よし、行くか」
 手綱を操り、ロックは一路、北へ―

「こいつぁ速い! 本当に山をも駆け登りそうだな!」
 ファルコンの想像以上の脚力に、ロックは歓声を上げていた。
「じいさんの言ってたことは伊達じゃなかったんだな!」
「クーエェ!」
 ロックの言葉に気を良くしたのか、ファルコンは更にスピードを上げた。
「はっはっは! あまりはしゃぐなよ!」
 老人の言葉通り、大地は枯れてきているのだろう。草花の色が薄い。空も、常に薄い黒雲が張っていて、まだ朝であるのにどこか薄暗い。
 しかし、風は気持ちよかった。脚力の優れたチョコボの上から感じる風は、崩壊前に彼の仲間―セッツァーの飛空挺『ブラックジャック』のデッキから感じたものによく似ていた。チョコボの上でそれほどの風を感じられるとは、やはりファルコンは只者ではないんだろう。
「風は……まだ生きてる。みんなも、きっと生きてる!」
 確かな希望を胸に、ロックは一路、北へ―

516:絶てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/08/17 07:40:50 TPODGtfF0

 砂埃に汚された白壁。妙に毒々しい紫色の屋根。
「壁はしょうがないとして、屋根は設計者のセンスを疑うな……」
 竜の首コロシアムを半眼で見上げながら、ロックはぽつりとつぶやいた。
 確か、オペラ座の屋根も紫色だったが、あの紫には気品があった。塗料の質も落ちてきているのだろうか。
「……さすがに、中には入れられないかな。ファルコン、ここで待ってろ」
「クエ」
 指示に答え、ファルコンは入り口の横に座り、毛づくろいを始めた。
 開放されている木製の扉を開け放ち、建物の中へ入る。
 建物の中は喧騒にあふれていた。赤茶のタイルが敷き詰められた床。頑丈そうなグレーの石壁。正面には少し先に低めの階段と、その左右には一つずつカウンターが設けてあった。そして、その右側のカウンターには―
「このオルトロス様がコロシアムの受付をしているなんて……トホホ」
 右側のカウンターには、タコがいた。
 うねる八本の足を操り、数枚の書類に同時に何かを書き留めている。
「あー、オルちゃんじゃないか」
「誰だ!? このオルトロス様を『オルちゃん』などと呼ぶやつは!」
 持っていたペンを放り、オルトロスは怒鳴り声を上げた。
「よ。お前も生きてたのか。本当にしぶといやつだな」
「お、お前は! いつぞやのドロボー野郎!」
「ド・ロ・ボ・ウ? 俺を呼ぶならトレジャーハンターと言ってくれ」
「同じようなもんやないか」
 いそいそと放ったペンを拾いながらオルトロスはつぶやいた。
「ちっちっ! 大違いだぜ!……ところで、こんな所で何をやってるだ?」
「見てわからんのかいっ! 受付をやってるんや!」
 オルトロスは机をバンバン……もとい、ピタピタと吸盤で叩きながら怒鳴り散らしてくる。
「なんで受付なんかやってるんだ?」
「いやぁ、それはその…………言えん。かっ、考えがあってのことや!
 それと、いま俺様は書類の整理で忙しい。コロシアムに参加するんやったら、階段の上にいるやつに言ってくれや」
「ふーん……? ま、別にいいけどな」
 適当に話を切り上げて、正面の階段に足をかけると、背後からオルトロスの声が聞こえた。

517:絶てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/08/17 07:42:22 TPODGtfF0
「そうそう……しょうもないアイテムを賭けてもダメだよ~ん。テュポーン大先生が出てきて君におしおきしちゃうよ!」
「……テュポーンもいるのか…………」
 本当にしぶといやつらである。
 階段を上りきると、正面の大きな扉の前に正装の男が立っていた。彼に言えば、コロシアムにエントリーできるのだろう。
「コロシアムに参加しますか?」
「いや、今はいい。それより、ここの責任者はどこにいる?」
「オーナーでしたら、酒場にいらっしゃるでしょう。酒場はそちらに」
 男の示す先には『INN』と記された看板の掲げられた両開きの扉があった。宿屋兼酒場、ということなのだろう。
 扉を開くと、ロビーよりもあふれる喧騒がロックの体を打った。
 宿も、酒場も、よく賑わっていた。観客だけでなく、参加者もくつろいでいるのだろう。剣や棍棒を持った男や女達が酒を酌み交わしていた。
 酒場内を見回すと、カウンター席の隅っこに腰掛ける身なりのよい初老の男性が目に付いた。おおよそ、コロシアムという名前と不釣合いの格好で、空のグラスを片手にバーテンと談笑しているようだ。
「もしかして、このコロシアムのオーナーでいらっしますか?」
「んん? その通りだ」
「お隣、よろしいでしょうか?」
「構わんよ」
 男性―オーナーの許可を得て、ロックは隣の席に座った。
 自分用に適当なものを注文し、さらに一品。
「俺からオーナーへ、彼の好きなものを」
「おぉ、悪いな。それじゃあ、こやつと同じものをもらおうか」
 しばらくして、ロックとオーナーの前に頼まれた飲み物が置かれる。グラスに口をつけてから、オーナーは口を開いた。

518:絶てない鎖 ◆o7JDqGUgsg
06/08/17 07:44:30 TPODGtfF0
「それで、ワシに何のようだ?」
「……ちょっと、探し物をしていまして。もしかしたら、オーナーならご存知では、と思ってここまで来たんです」
「ほう。その探し物とは?」
「…………さまよえる魂を蘇らせる秘宝」
 ロックの言葉に、オーナーの眉がぴくりと動いた。
「……ほう」
「ご存知でしょうか?」
「…………そういった秘宝の類の話はよく聞く。が……すまん、死者を蘇らせる秘宝の話は聞いたことがない」
「……そう、ですか……」
「まあ、こんな施設だ。聞きまわれば、誰かしら知っている奴がいるだろう。そう気を落とすな」
「……はい。ありがとうございました」
 グラスの中身を一気に飲み干し、その場を立ち去ろうとしたロックは、ふと思い立って口を開いた。
「ところで、受付にいたオルトロスはなんでここで働いてるんです?」
「受付にいるオルトロス? あいつは、借金を返せないので受付で働かせることにした。全部返すには百年くらいかかるな」
「借金、ですか……」
 何か釈然としないものを感じつつ、ロックはその場を後にした。


続きは後日。
こういうのはよくないって言われてるので、肩身が狭いです。

519:断てない鎖 修正 ◆o7JDqGUgsg
06/08/17 17:58:42 EleQg59B0
タイトル
×絶てない鎖
○断てない鎖

×「それで、ワシに何のようだ?」
○「それで、ワシに何の用だ?」

タイトル間違えるなんて orz

520:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/18 22:26:27 03XVFTW00
ヤンガス・・・・


ヤンガス・・・・


はぁ・・・はぁ・・・・


らっー


らっー





雷光一閃突きィーーーーーーーッ!!!!!


521:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/21 00:02:58 3FPX/jEB0
ぐっ

ぐっっっ




ぐぅらんどくろーーーーす!


522:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/22 10:32:12 EEHMDP8x0
ククールなのか○チェロなのか

523:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/23 04:32:50 YObzPshl0
ageとこう

524:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/25 00:33:11 fRXHbrbN0
○チェロって書くと、弦楽器ができます、っていってるみたいだな

525:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/25 11:03:08 voeF/5KN0
それはない

526:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/27 11:17:33 sTfEbRoE0
×チェロ……

527:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/28 19:39:51 j1b2coHr0
☆チェロ

528:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/08/28 20:07:37 v6EoGv+o0
□チェ□

業務連絡です。
中秋の名月あたりに更新のびます、スミマセンorz

ログうpなど、ありがとうございました!

引き続き、ログなど募集中です。
ぐふっ






529:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/08/31 07:17:22 fLkdtkjuO
保守

530:ラトーム ◆518LaTOOcM
06/08/31 18:30:42 dXgRPSNT0
>>504-505

ちょっと時間が出来たので、とりあえずログうpだけ完了。
ありがとうございました!

URLリンク(yotsuba.saiin.net)
URLリンク(yotsuba.saiin.net)
URLリンク(yotsuba.saiin.net)



531:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/09/02 04:46:55 Ov8J1/WB0
乙です!

532:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/09/02 16:19:42 2XIX2SwpO
保管庫みれないorz

533:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/09/04 17:26:33 hrt3opFnO
保守しときます

534:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/09/06 23:40:35 vCp/8jSdO
あげまする

535:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/09/09 00:06:09 0fEIk2s20
ほしゅしゅ

536:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/09/12 09:10:04 JCOvLN2P0
ほしゅり

537:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/09/12 17:28:34 ajOdqIdiO
千一夜の過去ログにいくつか短編があったと思うのですが、持っている方はいらっしゃいますか。
以下の三つです。

FFDQ千一夜物語 第五百五十夜
スレリンク(ff板)

FFDQ千一夜物語 第五百五十一夜
スレリンク(ff板)

FFDQ千一夜物語 第五百五十二夜
スレリンク(ff板)

FFDQ千一夜物語 第五百五十二夜の2
スレリンク(ff板)



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