06/01/26 19:19:25 dju4jbte0
みんなに、お別れを告げました。
ぼくの意識は、そこで終わりました。
「……うーん」
「気がついたもんよ!」
「無事?」
黒魔導士の子供が、目前の少年達にうろたえる。
体躯のいい日焼けした少年。銀髪と赤い瞳の少女。
「ぼくは?」
「森で倒れてたんだもんよ! サイファーが助けたもんよ!」
少年は満開の笑顔を子供に向けた。
「サイファーだ。覚えておけ」
「我名。風神」
「雷神だもんよ! 名前教えるもんよ!」
アレキサンドリアとリンドブルムに手紙を出して、
黒魔導士の村で倒れた少年。
「……ビビです」
黒魔導士の子供は、ぴったりとサイファー一行に張り付いた。
どうしていいのか分からないようだった。
自販機の使い方を知らず、携帯すら首を傾げる。
「記憶喪失?」
風神の質問に、ビビは口ごもった。
覚えてはいるんです。だけど。だって、僕は……。