FFの恋する小説スレPart5at FF
FFの恋する小説スレPart5 - 暇つぶし2ch700:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/13 04:11:15 ExNTDCHB0
>>694-696
各人の個性が行動によく出てると感心させられます。
って言うか楽しそうな親父連中がイイ!
リーブが持っていたのがケット・シーの初期装備「へんしん」のマテリアじゃなくて
ホントに良かったと思う今日この頃ではありますがw、続きも楽しみにしてます。

701:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(34)
06/06/13 04:20:06 ExNTDCHB0
>>680-683より。
----------

 ―ミッドガルの住民達に対する最低限の責務であり、最高の仕事。

 説得と視察のために、何度も歩いたミッドガルの雑然とした街並みが。
 自分に向けられた多くの住民達の表情や、声が。
 そして、この都市を去っていったあの老夫婦の笑顔と、後ろ姿が。
 彼女の言葉から一瞬にして思い起こされたそれらの記憶に、リーブは
言葉を止め、足下を見つめた。

 ―願わくば、自分達の作った新しい都市で暮らして欲しい。

 地面に転がったぬいぐるみを今一度拾い上げれば、懲りもせずに愛くる
しい笑顔を向けてくれる。「何度もすまんな」と呟くかわりに、優しくその額を
撫でてやる。
 こうして幾分か落ち着きを取り戻したリーブは、改めて問うのだった。
「……なら聞かせてくれへんか? 今回の配置転換の意図は何やったんか」
 今さら引く気はない。この後事態がどう展開しても後悔はしないだろう。
ただ、納得のいく回答を聞くまでは、追及の手をゆるめるつもりはなかったし、
とうに覚悟はできている。
 ひときわ強い風がリーブの背を叩いた。飛ばされてしまわないようにと、
ぬいぐるみを脇に抱え直す。
 そうして、彼女からの返答を待った。

702:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(35)
06/06/13 04:24:59 ExNTDCHB0



 電話を手にしたまま、本来ならこの場所からは見えないはずの空を見上げて
息を吐き出す。それからゆっくりと、彼女は語り始めた。
 しかし残念ながらそれは、リーブの問いに対する返答ではなかった。
「……リーブ君。あなた……神の存在を信じる?」
 通信の向こうにいる男に向けて問いかける。ロケットが墜落した地点から
プレートを挟んでちょうど真下に位置する五番街の一角に、彼女は立っていた。
『いきなり何ですか?』
「私、神なんて存在を信じてなかったわ。いいえ、今でも信じてない」
『はあ……』
 電話の向こうでリーブが呆れ声になっているのは気にせず、彼女は話を
続ける。
「でもね……。今は、今だけなら信じても良いかもしれない。そう、思っているわ」
『そう思わせる根拠が……あるんですか?』
 リーブの問いかけに応じるようにして、彼女は背後にそびえる建物に向き直ると、
それを見上げた。
「ええ。今、私の目の前に」

 彼女の前には、教会があった。
 その頂に、ロケットが突き刺さったまか不思議な教会が。

703:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(36)
06/06/13 04:58:41 ExNTDCHB0

                    ***

 リーブがその光景を目にする頃には、頭上高くで輝いていた太陽は姿を消し、
すでに月が顔を出していた。
 結局、あれから一旦は本社に戻ったリーブは、軍への出動要請や関係各所への
手続をひとまず「主任不在」として済ませ、それから現地へ向かったからだった。
 実際に現場を目の当たりにした今でも、目の前の光景を信じられずにいた。
ロケットの推進剤として用いられる燃料は可燃性が高く、一般的には打ち上げ後、
燃焼は制御できないはずだ。墜落したとなれば機体は破壊され、爆発は避けられ
ない。そう考えるのが自然だった。
 だがプレートを突き破ったロケットは、教会の屋根に突き刺さった状態で原形を
とどめていた。機体に加わる衝撃を、プレートと教会の屋根が吸収してくれたのだろうと
漠然と考えたが、それはあまりにも不自然で、まさに「奇跡」としか言いようのない
現象だった。
「……神は、おるのかも知れんな」
 日中、電話での会話を思い出したリーブは思わず零すのだった。
 いっそ滑稽にも映るその光景を見やりながら、どこか他人事のような気になったのは、
確率にして考えるには途方もなく低い上に、およそ人間の意志が関与できる範囲の外で
起きた出来事だと結論づけたからだった。
 前代未聞の大事故ではあったが、落下した教会の外壁やプレートの破片などによる
負傷者を出した程度の被害で済んだのは、不幸中の幸いと言えた。
 すでに教会周辺の現場は警戒域として神羅軍の監視下に置かれ、部外者の立入が
規制されていた。住民達がこの光景を目にすることは殆どなかったが、起こった事実
までもを全て隠すことはできなかった。一部の住民の間では、このロケット墜落に関して
いくつもの噂がささやかれる様になった。神羅内部の権力抗争だとか、新兵器の実験
だった、などが主な物だったが、どれも真相にたどり着けたとは言い難い。
 しかしそれもすぐに立ち消えてしまい、やがてはロケット墜落の事実そのものが人々の
記憶から薄れ、ついには話題に上る事さえもなくなることになるのだが、それはずいぶん
先の話だった。

704:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(37)
06/06/13 05:03:57 ExNTDCHB0
「……ご苦労様」
 被害状況報告書を作成するための実地見分を終え、機材を片付けている
リーブの背後で、彼女の声がした。
「まったく、……このロケットのお陰で今日はさんざんな目に遭いましたよ」
 鞄を閉めて苦笑しながら振り返ったリーブに、彼女は笑顔を作るわけでもなく
頷いた。彼らの横を、ひっきりなしに軍関係者やロケット解体・回収班が行き
交っていたが、ふたりとも気に留める様子はなかった。
「私達の仕事はとりあえずここまでね」
「住民は?」
「周辺地域住民の避難誘導と、負傷者の搬送は日中のうちに完了しているわ、
安心してちょうだい」
「そうですか」
 こともなげに語る彼女を見て、やはりリーブは彼女が主任たる人物だと改めて
実感した。現に、軍への要請をした際も、既に彼女が下準備を整えてくれていた
お陰で、手続そのものには時間を要することがなかったのだ。
 それから彼女は踵を返すと、教会を背に歩き出した。
「どちらへ?」
「もう、ここに用はないわ」
「主任?」
「…………」
 その言葉を最後に歩き出す彼女の後を追って、リーブも教会前を出た。

705:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(38)
06/06/13 05:12:06 ExNTDCHB0
 ふたりは無言のまま、五番街の中を歩き続けた。軍出動によって沸き立つ
市街地を抜けると、やがてゲートが見えてくる。ここまで来ると人気もほとんどなく、
喧噪は遠くに聞こえるのみだった。
 そうしてようやく、彼女は口を開いた。
「昼間は悪かったわ。時間がなかったとはいえ、あなたの心情をまったく考えずに
……申し訳ないと思ってる」
「……いいえ。その、こちらも言い過ぎました……すみません」
 ぎこちない会話を交わしながら歩くふたりの間を、生暖かい風が吹き抜ける。
舗装の割れ目から芽吹く草を揺らし、ざわざわと風にそよぐ小さな音に促される
ようにして見上げた夜空に月はなく、ぼんやりとプレートの底面が見えるのみで、
ロケットが開けた穴がなければ昼か夜かさえも分からない。
 ゲートから一歩出れば、むき出しの大地と澄み渡った空が彼らを迎えてくれるはずだ。
それを目指してまっすぐ、彼女はゲートへ向けて歩を進める。
「昼間……あなたに『神はいるか』と聞いたの、覚えてる?」
「はい」
 そのあと彼女は『神という存在を信じない』とも言っていた。リーブもどちらかと
言えば同じ考えだった。ただ、今回のロケット墜落の一件に関してのみで問うならば、
その限りではないだろう、とも。
 そこまで考えて、なんとも都合良く現れてくれる神だろうと、リーブは内心で苦笑した。
 しかし、彼女は思いがけないことを口にする。

「神など存在しない……だから神羅はこの都市で、『神』になろうとしている……」

----------

706:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 01:01:02 3WyLdPFc0
被害が少なくてヨカター。都市を育てようとするリーブさんと
都市の支配者になろうとする神羅の差異が(・∀・)イイ!!

707:鼓吹士の中の人 ◆Lv.1/MrrYw
06/06/14 02:37:13 i22kvNLs0
こんな長いお話にお付き合い下さってる方がいるだけでも嬉しいです。
どうもありがとうございます。
「6」は今回を含め、あと2回の投下で一応完結の予定です。
(10レス程度の予定) 今しばらくお付き合い頂ければ幸いです。

708:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(39)
06/06/14 02:48:54 i22kvNLs0
>>701-705より
----------
「……神、に?」
 繰り返して問うリーブの言葉に、彼女は足を止めて振り返った。
「そう。『神』になろうと……いえ、なるための術を、彼らは知ってるわ。
そしてその力を得ようとしている」
 頭上に広がるプレートが空を覆い隠しているように、彼女の言葉も何かを
覆っているように思えた。あるいは空と同じ、とてつもなく巨大な何かを。
それは聞き手であるリーブに漠然とした不安をもたらした。
「詳しいことは最高機密事項とされているわ。話では科学部門の行っている
という研究が、その中心を担っている―『ネオ・ミッドガル計画』と、呼称されている。
私が知っているのはその器の部分」
「……ネオ・ミッドガル?」
 聞き慣れない言葉だった。それに「器」というのも気にかかる。
「そう。……この地に住む全ての住民の監視と、統制。その上に成り立つ支配体制」
「監視と統制? それに支配って、どういう……」
 そこに付随する言葉はどれも穏やかではない響きだと感じる。それを示すように、
彼女の声は暗く沈んでいる。
「確かにこの計画が実現されれば、ミッドガルは素晴らしい都市になるのかも
知れない……。人々が愁いなく暮らせる、そんな理想の都市」
 彼女がこの神羅都市開発部門に入った頃は、間違いなくそう信じていた。
そのための都市開発事業であり、魔晄エネルギー利用は手段なのだと。
 戦によって利益を生み出して来た闇の商人は、その富を平和に還元するのだ
―と、勝手に信じ、迷うことなくその道を進んだ。
 だから“それ”も手段の1つだと、最初は考えていた。
「反面、豊かさをもたらす代わりに、神羅は住民の監視と統制のシステムを
構築しようとしている。……あなたも知ってるプロジェクトよ」

709:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(40)
06/06/14 02:52:55 i22kvNLs0
「ID管理ですか?」
「そう。……1つはね」
 ミッドガルの住民一人一人に個別の認識IDを与える。このIDによって彼らの
行動記録を含めた情報をすべて管理するというシステムが、ID管理計画だった。
都市開発部門のプレート建設計画には、この「ID」の通過チェックを行う装置を
含んだ設備が盛り込まれている。その実装段階で問題が生じたため、リーブは
この管理課へ招かれたというのが表面上の配置転換理由だと、彼女は告げた。
「ID検知システムを稼働させれば、どの住民がいつ、どこにいたのかを把握する
ことができるわ。……もちろん追跡も可能よ」
「その目的は犯罪の抑止、あるいは危険因子の監視」
 リーブが口にしたのは、神羅がID管理システムを提唱する最大の根拠だった。
無論、「危険」だと判断するのは神羅だという前提ではあることは言うまでもないが。
「そう」
 そこまではリーブも知るところだった。しかし、直前に聞いた言葉がどうしても
引っかかる。
「……1つ、という事は他にもあるんですか?」
 その問いに、彼女は首を縦に振るだけだった。
 吹いてくる風が強さを増し、草がざわざわと騒がしく音を立てて揺れた。彼女の
束ねられた長い黒髪も、背中で静かに揺れている。
 慎重に、言葉を選んでいる様子で彼女はしばらく黙っていたが、やがて重い口を
開き、社員にすら知られることの無い事実を語った。
「情報管理と行動監視はIDで充分。あとは統制……その方法を、神羅は秘密裏に
研究している。……幸い、まだ実装段階には至っていないわ」
「具体的にそれは何なんですか?」
「…………」
 その問いに、彼女から差し出されたのは1枚のディスクだった。
 それは彼女が本社を出る直前に、持ち出した数枚のうちの1つだった。
「これは?」
「ミッドガル都市計画の全容、その一部をデータ化したものよ」
「直接あなたの口から教えてもらうことはできない、そう言う事ですか?」
「……リーブ君、」

710:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(41)
06/06/14 02:59:19 i22kvNLs0
 何かを言いよどんでいる。目の前の彼女の様子からもそれは明らかだった。
しかし何かが分からない。そんなとき、彼の言葉を思い出す。
 ―「彼女を助けて欲しい。
    彼女を救えるのはあなただけなんです、リーブ。」
 そんな言葉を向けてきた総務部調査課の彼が、何を伝えようとしたのかを
リーブは知らない。だから尋ねた。
「あなたを救えるのは、私だけだと……ある方に言われました。そして、今回の
配置転換には別の意図がある、とも」
 それに、心当たりもなかった。彼らのような強靱な肉体と巧みな戦闘術を身に
つけているわけでもない、戦場へ出れば一瞬で殺されてしまうような自分に何が、
あるいは誰を救えるのだと?
「教えてください、主任。あなたの本当の目的は……」
「彼から聞いたのね」
 苦笑とともに彼女は口を開く。リーブは肯定も否定もせず、ただじっと言葉の
先を待った。
「そうね。今の私を救えるのはあなたしかいない……。
 このミッドガルを、完成させられるのは、あなただけだと思っているわ。だから私は、
あなたにミッドガルを託そうとしている」
 一度、彼女は瞼を閉じた。その奥に去来するものは何だっただろうか? ふと、
リーブはそんなことを思う。
 顔を上げ、目の前に立つリーブを真っ直ぐに見つめる彼女の口から、絞り出す
ような声で告げられる。

「お願いよ、この都市を完成させて。そして神羅の……暴走を、止めて」

「…………」
 リーブは語り続ける彼女を、黙って見つめていた。一言一言に込められた思いを、
あるいは今ここに至るまでに歩んできた道のりを、まるで見定めるように。

711:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(42)
06/06/14 03:03:58 i22kvNLs0
 彼女もまた、向けられる視線から目をそらさずに語り続ける。
「神羅は……いいえ、“彼ら”は人の心の内を覗く術さえも持とうとしている。
私には……私にはこれ以上……。そうね、あなたの言うとおり途中で放り出して
逃げようとしてる。無責任、あるまじき行為よ。でも……」
 今現在、部門に統括責任者がいないのは都市開発のみだった。一方で彼女は、
指名されて尚それを断り続けていた。だから管理課主任として、不在の統括
責任者の代役をこれまで務めて来た。
 そこで、望まずに知ってしまった真実がある。
「ミッドガルという土地も……ミッドガルに住む人々も、豊かになってほしい。
今でも……そう、思ってる。願わくば私の手で完成させたかった。でも、それは
叶わないと知った」
「なぜですか?」
 向けられた問いに答えようとして、抉られるような心の痛みを覚えた。都市開発
従事者として、志半ばでミッドガルから離れる決断は、決して軽いものではない。
しかも、自分の後を引き継ぐ者を置き去りにして出て行く事に罪悪感を抱けば尚更、
決意は揺らぐ。
 言葉を向ける側も、それがどれだけの痛みを伴うものなのかは承知している。
承知の上で、それでも残される側として聞いておかなければならない。

「私がこのままミッドガルに関われば……たくさんの犠牲を払う事になるから。
そんなことまでして……私は、神になんてなろうと思わないもの」

 だから、あなたに託すわ。彼女はそう言ったきり、俯いた。
 恐らくは、自分の知らないところで様々なしがらみがあったのだろう。その盾になり、
苦悩し歩んできたのだと、ほんのごく一部でしかないと知りながら、リーブはその声に
耳を傾け心を砕く。
「……主任。あとはお任せください」
 そう言って、リーブは深々と頭を下げる。心で強く願う本心を飲み込んで、彼女に
向けた言葉も決して嘘ではない。
「今まで本当に、ありがとうございました」
 その声に顔を上げ、彼女は心の底から驚いた表情を向けた。まさか頭を下げられる
だなんて思いもしなかった。罵倒され、嘲笑されるのだと覚悟していたから。

712:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(43)
06/06/14 03:09:59 i22kvNLs0
 嬉しかった一方で、素直に喜べないのも事実だった。今から彼は、自分の後を
引き継ぐのだ。これから先、今までの自分と同じように、たった一人で“彼ら”と
戦う事になる。
 ―そして、彼の前に最後に立ちはだかるのは。
「……リーブ君、聞」
「ところで主任、もしミッドガルが完成した暁には、1つお願いしたい事があるのですが」
 彼女の暗い表情を見まいと、言葉を遮るようにリーブは明るい声で話し出した。
「私と一緒に、ミッドガルを回ってもらえませんか? 魔晄炉8基が全て稼動した時に、
その稼働状況と完成した炉心制御システムを、ぜひあなたにも見て頂きたい。あなたが
後任に指名した私の仕事を、その目で確かめてもらいたいんです」
 それは管理課へ招かれ、彼女の後継者として指名を受けたリーブが口にできる言葉の
中で、もっとも本心に近いものだった。
 それが本心に近いものだと悟られないように、ことさら明るく振る舞うのは、ミッドガルを
去ると決意した彼女に対する気遣いに他ならない。
 なによりも彼女自身が強く、その思いを感じていた。
「あら、……もしかしてデートのお誘いかしら?」
「ま、そんなところです。我々ならではの演出でお迎えに上がります」
 リーブはずっと脇に抱えていたぬいぐるみを前に出し、まるでぬいぐるみが話している様に
動かして見せた。
『楽しみにしとってな。わいもデート楽しみにしとくさかい、頑張るで』
 そんな動作がおかしくて、彼女は小さな笑顔を作る。
 彼女自身、久しぶりに笑った気がした。目尻に浮かぶ小さな滴を指で拭うと、心に浮かんだ
思いをためらいなく言葉として口に出した。

713:鼓吹士、リーブ=トゥエスティⅥ(44)
06/06/14 03:16:53 i22kvNLs0

「リーブ君、ありがとう。……あなたに」
 ―きっと、あなたの前に最後に立ちはだかるのは、私。
「あなたに迎えに来てもらえる事、楽しみにしてる」
 ―ミッドガルが完成した時、私のすべてを……あなたに託すために。
    地下に眠る、たくさんの生命への贄として、私の身を捧げるために。
「……だから、私からも1つお願いをしておきたいの。いいえ、約束してもらいたい事があるわ」
「何ですか?」
 リーブは柔らかな笑みを向ける。それを見ているのがつらいと思った。
 ―だからそれまでは、知らないで居てほしい。
    私と同じ苦しみを、味わって欲しくない。

「“DG、触れるべからず”」

 ―目覚めなければ、触れなくても良い地底の記憶。
    都市開発部門が関わるのは、私で最後……それでいい。

「“DG”?」
 耳慣れない言葉だった。何かの略称かと聞こうとしたが、彼女の悲痛な表情にリーブは
それ以上追及することをやめた。
「分かりました……」
「ありがとう、リーブ君。……それじゃあ、元気で」
 そう言ってレバーを下げると、重々しい音とともにミッドガルと外界を隔てるゲートを開いた。
 闇色の空に浮かぶ月と、照らし出された草原が彼らを出迎える。
 まるで地平線に誘われるようにして、ミッドガルに背を向け彼女は歩き出した。
二度と振り返ることはないだろうと知りながら、リーブはその背中を見送り続けた。


----------
・DCFF7第2章、「知らない」というのが腑に落ちなかった。
・その根拠に対して夢を見すぎているのは否めない。(w

714:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/14 21:14:24 wyaTmvEl0
DGキタ━━━(゜∀゜)━━━ !!!!!乙です!
管理社会化に反抗する人々と引き継がれていく志がカッコいいです

715:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/15 09:11:41 rZf9hfCR0
みなさん乙です!ハラハラしたり和んだりいつも楽しく読ませてもらってます。
480kb超えたので、そろそろ次スレ用意した方がいいですか?

716:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/15 20:32:24 R8Ix3z2R0
1000行くまでに容量オーバーで書き込めなくなる事があるの?
もしそうならおながいします。
>>715がだめだったら自分もチャレンジしてみるよ。

717:Part6 >>1
06/06/15 21:29:36 ZhSaf5sW0
詳しくないけど、スレの容量制限(512kb>>4参照)があるらしいです。
で、テンプレ案貼っておきますね。改良あったら指摘よろしくお願いします。


~~~~~以下~~~~~~


文章で遊べる小説スレです。
SS職人さん、名無しさんの御感想・ネタ振り・リクエスト歓迎!
皆様のボケ、ツッコミ、イッパツネタもщ(゚Д゚щ)カモーン
=======================================================================
 ※(*´Д`)ハァハァは有りですが、エロは無しでお願いします。
 ※sage推奨。
 ※己が萌えにかけて、煽り荒らしはスルー。(゚ε゚)キニシナイ!! マターリいきましょう。
 ※職人がここに投稿するのは、読んで下さる「あなた」がいるからなんです。
 ※職人が励みになる書き込みをお願いします。書き手が居なくなったら成り立ちません。
 ※ちなみに、萌ゲージが満タンになったヤシから書き込みがあるATMシステム採用のスレです。
=======================================================================

前スレ
FFの恋する小説スレPart5
スレリンク(ff板)

記述の資料、関連スレ等は>>2-5にあるといいなと思います。

718:Part6 >>2 (過去スレ)
06/06/15 21:30:29 ZhSaf5sW0
【過去スレ】
初代スレ FFカップルのエロ小説が読みたい
スレリンク(ff板)l50
*廃スレ利用のため、中身は非エロ
FFの恋する小説スレ
スレリンク(ff板)l50
FFの恋する小説スレPart2
スレリンク(ff板)l50
FFの恋する小説スレPart3
スレリンク(ff板)l50
FFの恋する小説スレPart4
スレリンク(ff板)

719:Part6 >>3 (お約束とその他関連スレ)
06/06/15 21:35:19 ZhSaf5sW0
【お約束】
 ※18禁なシーンに突入したら、エロパロ板に書いてここからリンクを貼るようにしてください。
   その際、向こうに書いた部分は概略を書くなりして見なくても話はわかるようにお願いします。
【推奨】
 ※長篇を書かれる方は、「>>?-?から続きます。」の1文を冒頭に添えた方が読みやすいです。
 ※カップリング・どのシリーズかを冒頭に添えてくれると尚有り難いかも。

 初心者の館別館 URLリンク(m-ragon.cool.ne.jp)

◇書き手さん向け(以下2つは千一夜サイト内のコンテンツ】)
 FFDQ板の官能小説の取扱い URLリンク(yotsuba.saiin.net)
 記述の一般的な決まり URLリンク(yotsuba.saiin.net)
◇関連保管サイト
 FF・DQ千一夜 URLリンク(www3.to)
◇関連スレ
 FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5
 スレリンク(ff板)
◇21禁板
 FF総合エロパロスレ2
 sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1129822592/
 【FF】FINAL FANTASY Ⅶ 総合スレ【7】
 sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1128715926/
 FFDQカッコイイ男キャラコンテスト~小説専用板~
 www3.to/ffdqss

 どうしても議論や研鑽したい方は URLリンク(book.2ch.net)

【補足】
 トリップ(#任意の文字列)を付けた創作者が望まない限り、批評はお控えください。
 創作文芸及びお絵描き・創作板も共通の見解のようです。

 挿し絵をうpしたい方はこちらへどうぞ URLリンク(ponta.s19.xrea.com)

720:Part6 >>4 (板設定)
06/06/15 21:36:56 ZhSaf5sW0
【参考】

 FFDQ板での設定(game10鯖)
 URLリンク(game10.2ch.net)
  1回の書き込み容量上限:2048バイト(=2kb)
  1回の書き込み行数上限:32行
  1行の最大文字数     :255文字
  名前欄の文字数上限   :24文字
  書き込み間隔       :45秒以上
  (書き込み後、次の投稿が可能になるまでの時間)
  連続投稿規制       :3回まで
  (板全体で見た時の同一IPからの書き込みを規制するもの)
   1スレの容量制限    :512kbまで
  (500kbが近付いたら、次スレを準備した方が安全です)

721:Part6 >>5 (板内の文章系スレ)
06/06/15 21:45:47 ZhSaf5sW0
【FF・DQ板内文章系スレ】
かなり真面目にFFをノベライズしてみる。その7
スレリンク(ff板)
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目
スレリンク(ff板)



~~~~~以上~~~~~~

文章系スレはキャラ専用スレを省いたんだけど、
なんか昔と比べて少なくなってる…。
閉じこめ系はあんま見てないのでよく分かりません。
改良案なけりゃ立てるけど、新スレ立ててもあんまり人いないと
すぐ落ちるから週末とかの方がいいのかな?
聞いてばっかですんませんが、ご意見お待ちしてます。

722:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/16 04:35:42 4GLqYgTY0
>>717-721
乙です!
テンプレもそれでOKかと。
確かに一晩レスが付かないって事が過疎ってるかもなので
スレ立ては週末の方がいいかも。



723:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/16 17:47:01 fzMg4rs/O
あっ

724:魔法のレス
06/06/16 21:12:26 39G6EXCaO
このレスは書き込まれたスレッドを必ず1000まで到達させる魔法のレスです。
ただしそれには条件があります。
このレスが書き込まれた33分後に、このレスと同じ内容を他のスレッドに書き込んで下さい。
書き込む人物は誰でも構いません。
あなたのスレッドの繁栄を願います。

725:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/17 10:51:21 JWXlB0Hk0
保守

726:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/17 11:01:44 ZynBKpdO0
容量ヤバス

727:sage
06/06/17 14:20:48 ZkwOaSrRO
すまん、誰か頼む。
漏れ今携帯だ_| ̄|〇

728:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/17 15:18:40 mirqaio10
スレ立て、ちょっと試してみるお

729:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/17 15:56:02 sH+jOKoc0
FFの恋する小説スレPart6
スレリンク(ff板)

730:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/17 16:03:44 mirqaio10
>>729
乙です!本当にありがとうございました。

731:名前が無い@ただの名無しのようだ
06/06/18 09:03:24 7czqfqxh0
誘導も兼ねてこっちも念のため保守。


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch