06/03/05 16:01:16 4S9toHaY0
「何を話してたんだ?」
「うん、少しね。」
「余計なこと、言ってんじゃねーぞ。」
バレットはキーを回し、エンジンをかける。
「父ちゃん、ティファとお話出来ないの?」
マリンは不満そうだ。
「いいかぁ、マリン。アイツらはああやってすぐ飛び出しちまう。
飛び出しちまうもんはしょうがねぇ。
だがな、飛び出しても帰って来るのは、マリンやデンゼルが居るからだ。」
「でも…待つのは嫌い。」
沈んだ声だ。
マリンは隣に座るナナキの頭を抱き寄せ、柔らかい毛に顔を埋める。
バレットは慎重にアクセルを踏む。
後ろで眠るデンゼルや大勢の避難民を思っての事だ。
「待つ方が、飛び出してくよりキツいからな。
だがな、待ってやれ。そうでなきゃあいつら、どこへ行っちまうか分かんねーぞ。
まったく、子供におんぶされてるなんざ、情けねぇやつらだ。」
乱暴な言い方に、マリンはくすりと笑う。
「そうなの!マリンがついてなきゃ、ティファもクラウドもダメなの!」
バレットは目を細めて愛娘の顔を見て、
「まったくだ!」
そうして、また豪快に笑うのだった。