06/03/03 22:00:53 aNeo5d/u0
「…ごめんなさい。」
バレットの顔がまともに見れなかった。
「俺…俺も何かしたかったんだ。役に立ちたかったんだ。みんなを守りたくて…」
バレットは口を挟まない。
「マリンが…ずっとティファを心配して泣いてるから…ずっと泣いてたんだ…
だから、なんとかしてやりたくて…でも、俺…俺のせいでマリンを危ない目に
合わせちゃった…俺、頑張ったけど、全然敵わなくて…」
「一人、やっつけたじゃねぇか。」
その言葉に、デンゼルはびくんと身体を震わせ、
自分を自分で抱きしめる様にして身体を縮こませた。
「やっつけても、ちっともうれしかねぇだろ。」
デンゼルはハッとなって、バレットの顔を見る。怒ってはいない。
「戦うってのは、そういう事だ。血が吹き出して、骨が砕ける。キレイごとじゃねぇ。」
デンゼルは黙って頷く。
「それが分かれば、十分だ。いいか、デンゼル、自分より強いヤツと戦うな。それは、卑怯な事じゃねぇ。」
デンゼルはまた頷く。今ならバレットの言っている事がいやという程、理解出来た。
「よし、もう“お痛”はするなよ?」
「…ごめんなさい。」
バレットはデンゼルをそっと抱え上げると、デンゼルに笑いかけた。
「謝ってもらわなきゃなんねぇのは、クラウドとティファだ。アイツら、マリンを置いてどこに行ったんだ?」
「ティファは…様子を見に行くって。」
「どこへだ?」
「分からない…クラウドはティファを連れ戻すって。」
「それっきりか?」
うん、と頷くデンゼルに、バレットは思わず掌で顔を覆ってしまった。
「ナニやってんだ、アイツらは…。」