06/02/24 01:59:29 69UrLjOp0
言われてみると、昔、そんな噂を聞いたような気もする。
「…バレット!その時の責任者は誰だ?」
「スカーレットと、宝条だっ!」
「宝条…?…それは…」
「面倒な話は後だ!お前の方が先に着くはずだ!マリンを頼んだぜ!」
(やはりな…)
死んだ後もどれだけ災いを引き起こすのだろう…全ての災いの元凶だ。
だが、今は一刻も早くミッドガルに辿り着き、ティファを止めることだ。
(もう、あんな思いはごめんだ…)
あの時は間に合わなかったが、今度は間に合わせてみせる。
そして、ティファを思う一方で、何もかもが一度に動きだしたことに思いを馳せる。
(そう言えば…)
バレットはヴィンセントもこちらに向かっていると言っていた。
(ヴィンセントがあの身体になったのも宝条のせいだったな…)
何か因縁の様な物を感じた。
残された下水道で、デンゼルの声も耳に入らないかの様にマリンが泣いている。
「泣くなよ、マリン…」
デンゼルは途方に暮れていた。
心配なのは自分も同じだか、いつも聞き分けの良いマリンがなぜ…?
「大丈夫だよ、ティファもすっげー強いんだろ?」
デンゼルは戦うティファを見たことがない。
たまに、トレーニングをしているのは知っていたが、あの細腕でサンドバッグが
折れんばかりのパンチを繰り出すのを見ていたからだ。
「知ってるよ!」
マリンの強い口調に、デンゼルはたじろいだ。
だったらどうして…と聞こうとするが、マリンはぎゅっと唇を結んで開こうとしない。
(なんなんだよ、一体…)
途方に暮れて、ポケットに手を突っ込むと、指先に電話が当たった。
(ティファの事を報告しなきゃ…)
デンゼルはそれを取り出し、再びクラウドにかけた。