06/02/19 07:14:59 4EXjnasl0
遠雷が聞こえて、ティファは手を止め、窓の外に目をやった。
『本日のスープ』に使うキャベツを小さな手に抱えた子ども達も同じ様に外を見る。
「雨かな?」
「クラウド、大丈夫かなぁ?」
「大丈夫よ。」
心配そうなマリンとデンゼルは窓から声の主に視線を移す。
「通り雨よ。」
「通り雨?」
「そう。この季節は多いの。でも、雨が降る場所も狭い範囲だし、すぐに雨は止んじゃうわ。
クラウドが今日行ってる辺りだと、逆にいいお天気かもしれないわ。」
本当にそうだといいんだけど、と心の中でティファは付け足す。
それに、この季節に雷が鳴る事はめったにない。
それがティファの心に小さな不安を呼び起こす。
「クラウドったら、レインコート持ってるかしら?」
「そんな物なくても平気さ。」
女の子らしい心配をするマリンに、男の子らしい負けん気のデンゼル。
二人の気を反らせようと、次のお手伝いをティファが言いかけたその時、
空気を裂く様な音がし、すぐに爆音が響いた。
『7th Heaven』が激しく揺れて、ティファは咄嗟に二人に覆いかぶさった。
棚から食器が派手な音を立てて落ちて来る。
子ども達は何が起こったのか分からず、ティファの下で呆然としている。
(…爆弾?)
いや、その前に頭上から空気を裂く、ヒュウウウ…という嫌な音がした。
(ミサイル…?それとも爆撃?)
カダージュ達の登場、セフィロス復活から1年経っていた。
世界はまた復興に向けた進み始めたのに、一体何者の襲撃なのだろう。