05/12/19 18:19:44 NhWw5uI40
エッジに建てられたウータイ風の集合住宅。
廃材を利用した建物はどこか古びて、懐かしい。
「そのTシャツ、どうなさったんですか?」
白衣を纏った大人しそうな女性が、技師らしき人物に声をかけた。
「飛空艇団の制服だと。ぶっちゃけた話、セッタに腹巻でいいんだが」
ころころと白衣の女性が笑う。
「で、六畳一間におめえと二人っきりかよ」
「新型飛空艇の開発目指して、頑張りましょうね」
コトコト。グツグツ。アパートにスープの匂いが充満する。
「WROもシケてやがるぜ!
アパートで一ヶ月一万円生活達成すりゃ予算を出すってか」
「設計を進めましょう」
出来ることは沢山ありますよ。
そう言ってシエラは夕日を眺め、微笑む。
「村の家も安普請だったが。こかぁ下駄履きアパートか」
「下駄履きってなんですか?」
「おう。横っちょにドアの並ぶ奴と、階段室で部屋に行くアパートがあんだろ?
横が下駄履きだ。でよ、階段室の方が多少頑丈で防犯性がいいんでい」
「私はこちらが好きです。和みますから」