06/01/09 16:13:40 qvohCpsJ0
よくよくリーブさんの顔見たら、目の下ものすっげえクマだし、目ぇ血走ってるし。
この人も都市開発部門以外にこんな仕事押しつけられて、相当苦労してんな。
「とりあえず、いつも通りだと思います、と。でも、釈放はまだ危険すぎるんじゃあないですか」
そう答えると、リーブさんはそうだよな、と脱力したように頷いた。
「それから、タークス本部の冷蔵庫から発見されたものなのだが…これが何かわかるかね?」
そういってリーブさんはゴム製の人形を取り出して俺に見せた。
それはベールに身を包み、あぐらをかいた足の上にクマエルを抱いている女の人形だった。
頬がこけ白目をむいた顔は絶叫しているように口を開き、胸の前で腕を交差し、
右の小指は左の鼻の穴、左の小指は右の鼻の穴へと指を交互に鼻の穴に差し込んでいる。
……こんなヤバイ人形は忘れたくても忘れられない。間違いなくコレ「アンゲロリーナ様」だ。
何度コレを目の前にしてホクロが発光したツォンさんにアンゲロを説かれたことか。
リーブさんには「これがアンゲロリーナ様です。早く捨てるなりなんらかの処理したほうがいいですよ」とは
伝えといたけどどうするかな。
ロッカールームに戻り自分のロッカーを開け、今朝拾ったクマエルちゃんを取り出した。
別に俺はアンゲロに洗脳されている訳じゃない、クマエルちゃんが好きなだけだ! クマエルちゃんに罪はない!
そう思いたいがコレを持っている限り、やっぱりアンゲロから逃れられないような気がする。
後ろ髪引かれるような気がしたが、クマエルちゃんをダストシュートに捨てた。
悪いな……クマエル、俺普通に戻りたいんだ……成仏してくれよ、と。